伊藤雅之教授(文学部)が中公新書『死後の意識』を刊行
文学部宗教文化学科の伊藤雅之教授が、中公新書より『死後の意識――科学とスピリチュアリティの宗教社会学』を10月21日に刊行します。
内容紹介
人は死んだらどうなるのか――。
多くの物語が紡がれ、無数の議論がなされてきた問いだ。
本書は、19世紀半ばから現代まで200年近くの東西のスピリチュアリティ文化を追跡。
それらが各時代の意識をめぐる科学などと交差し、心霊科学やニューエイジ運動、スピリチュアル・ブームといった潮流を生んだことを描く。
特に前世記憶、霊媒交信、臨死体験の三つの現象を取り上げ、現在を生きる私たちの死後観を浮き彫りにする。
目次
まえがき
序 章 死後の意識を探る
第1章 欧米のスピリチュアリティの近代史――霊界思想から心霊研究へ
1 霊界を描いた人びと――スウェーデンボルグからケイシーまで
2 死者と語る時代――スピリチュアリズムの勃興
3 霊媒交信の検証と懐疑
4 意識の所在をめぐる新たな問い
第2章 日本のスピリチュアリティの成立と展開――霊魂論争から霊術系新宗教へ
1 霊魂をめぐる論争――近代日本の模索
2 超常現象への関心――千里眼事件から心霊研究へ
3 心霊科学の導入――浅野和三郎とその周辺
4 戦中・戦後の新宗教と霊界観――大本から霊術系新宗教へ
第3章 前世を語る子どもたち、死者の声を聴く人びと
1 前世記憶研究の出発――イアン・スティーヴンソンの開拓
2 欧米の事例と理論的展開――ジム・タッカーの研究
3 日本の前世記憶研究の展開――大門正幸の取り組み
4 霊媒交信――科学的検証と大衆文化のあいだ
第4章 死の淵からの報告――臨死体験をめぐる探究
1 光のトンネルを抜けて――体験者たちの証言
2 科学は何を捉えたか――測定と理論化の試み
3 脳が見せる幻か、魂の旅立ちか――解釈の対立
4 スピリチュアリティ文化による臨死体験の意味づけ
第5章 意識革命の時代――カウンターカルチャーからニューエイジへ(1960~90年代前半)
1 カウンターカルチャーと意識の探求
2 チャネリング・前世療法と死後観の再構成
3 ニューサイエンス言説の興隆――ホログラフィック宇宙論をめぐって
4 日本の精神世界ブームと「癒し」への転換
第6章 ポスト・ニューエイジ期の楽観的死後観(1990年代後半以降)
1 量子のメタファーによる死の語り直し
2 個人化された啓示と「魂の選択」
3 科学者の語りと意識探求の医療化
4 日本のスピリチュアル・ブーム――「魂の物語」の浸透
終 章 「私」をめぐる物語の存続――科学・宗教・スピリチュアリティのあいだ
1 現代の死後観の三つの特徴
2 「主観的転回」のなかの死後観
3 自己の聖性――内面に見いだされる聖なるもの
あとがき
主要参考文献
スピリチュアリティ文化関連年表
書誌情報
書名:『死後の意識――科学とスピリチュアリティの宗教社会学』
著者:伊藤雅之(愛知学院大学文学部宗教文化学科教授)
出版社:中央公論新社(中公新書)
発売日:2026年10月21日
定価:1,265円(本体1,150円+税)
ISBN:978-4-12-102934-8
