2026.10.13
学術・研究

伊藤雅之教授(文学部)が中公新書『死後の意識』を刊行

文学部宗教文化学科の伊藤雅之教授が、中公新書より『死後の意識――科学とスピリチュアリティの宗教社会学』を10月21日に刊行します。


内容紹介


人は死んだらどうなるのか――。
多くの物語が紡がれ、無数の議論がなされてきた問いだ。

本書は、19世紀半ばから現代まで200年近くの東西のスピリチュアリティ文化を追跡。
それらが各時代の意識をめぐる科学などと交差し、心霊科学やニューエイジ運動、スピリチュアル・ブームといった潮流を生んだことを描く。
特に前世記憶、霊媒交信、臨死体験の三つの現象を取り上げ、現在を生きる私たちの死後観を浮き彫りにする。


目次


まえがき

序 章 死後の意識を探る

第1章 欧米のスピリチュアリティの近代史――霊界思想から心霊研究へ
 1 霊界を描いた人びと――スウェーデンボルグからケイシーまで
 2 死者と語る時代――スピリチュアリズムの勃興
 3 霊媒交信の検証と懐疑
 4 意識の所在をめぐる新たな問い

第2章 日本のスピリチュアリティの成立と展開――霊魂論争から霊術系新宗教へ
 1 霊魂をめぐる論争――近代日本の模索
 2 超常現象への関心――千里眼事件から心霊研究へ
 3 心霊科学の導入――浅野和三郎とその周辺
 4 戦中・戦後の新宗教と霊界観――大本から霊術系新宗教へ

第3章 前世を語る子どもたち、死者の声を聴く人びと
 1 前世記憶研究の出発――イアン・スティーヴンソンの開拓
 2 欧米の事例と理論的展開――ジム・タッカーの研究
 3 日本の前世記憶研究の展開――大門正幸の取り組み
 4 霊媒交信――科学的検証と大衆文化のあいだ

第4章 死の淵からの報告――臨死体験をめぐる探究
 1 光のトンネルを抜けて――体験者たちの証言
 2 科学は何を捉えたか――測定と理論化の試み
 3 脳が見せる幻か、魂の旅立ちか――解釈の対立
 4 スピリチュアリティ文化による臨死体験の意味づけ

第5章 意識革命の時代――カウンターカルチャーからニューエイジへ(1960~90年代前半)
 1 カウンターカルチャーと意識の探求
 2 チャネリング・前世療法と死後観の再構成
 3 ニューサイエンス言説の興隆――ホログラフィック宇宙論をめぐって
 4 日本の精神世界ブームと「癒し」への転換

第6章 ポスト・ニューエイジ期の楽観的死後観(1990年代後半以降)
 1 量子のメタファーによる死の語り直し
 2 個人化された啓示と「魂の選択」
 3 科学者の語りと意識探求の医療化
 4 日本のスピリチュアル・ブーム――「魂の物語」の浸透

終 章 「私」をめぐる物語の存続――科学・宗教・スピリチュアリティのあいだ
 1 現代の死後観の三つの特徴
 2 「主観的転回」のなかの死後観
 3 自己の聖性――内面に見いだされる聖なるもの

あとがき
主要参考文献
スピリチュアリティ文化関連年表


書誌情報


書名:『死後の意識――科学とスピリチュアリティの宗教社会学』

著者:伊藤雅之(愛知学院大学文学部宗教文化学科教授)

出版社:中央公論新社(中公新書)

発売日:2026年10月21日

定価:1,265円(本体1,150円+税)

ISBN:978-4-12-102934-8

紹介ページ:https://www.chuko.co.jp/shinsho/2026/10/102934.html