大学院

法学研究科 法学専攻博士前期課程 / 博土後期課程

名城公園キャンパス

研究科概要

現代社会における価値観の多様化や経済活動の複雑化に伴う
法解釈のあり方や法制度の見直しが求められる中
適切な法解釈と法律の運用ができる力の養成に力を入れています。

法律や政治の本質を
追究できる力を養成
法律を深く理解した税理士を
目指すことができます

 法学研究科の歴史は、1964(昭和39)年の修士課程の開設に始まり、1966年の博士課程の開設を経て、既に半世紀を超えています。法学研究科は、この間、研究者や税理士などの専門職、民間企業や行政機関で活躍する人材を輩出してきました。国際化、多様化する現代社会の多方面で活躍できる、法的知識と思考力、専門性の高い政治知識と実践力を養えるのが本研究科の特色になっています。学べる領域は法律学と政治学の2領域ですが、2領域をクロスして学ぶことも、いずれかを深く学ぶこともできます。
 特に、法律学領域においては租税法の理解を深めることができるカリキュラムを整え、税理士国家試験合格を目指す社会人の声に応えています。租税法の隣接領域となる民法、行政法、憲法等も学べるのが特色となっています。
 税理士を目指す上で民法の理解は不可欠です。国民への課税制度は、私人の様々な経済活動から生まれる利益を対象としていますが、民法を中心とする私的取引法がそれらの活動を規律しているからです。租税法を基にした訴訟は行政訴訟となるので、行政法の十分な理解が税務実務上求められます。また、憲法を学ぶ意義は、例えば、夫婦別々に課す所得税制度は家族生活における男女平等を規定する憲法24条に違反するのではないか、などの論点に見られるように、租税法そのものの基本原理を深く理解するのに役立つことにあります。
 私たちが養成しようとする税理士とは、税務を適切に処理できる技術にとどまらず、税務上における未知の問題が起こった際に、適切に対処できる法的知識と奥深い教養、法理論を駆使できる法的思考力を身につけた税理士です。そのため授業では、判例研究を重視しています。裁判所が下した判決でも、それを鵜呑みにするのではなく、批判的な精神を持って、その妥当性を多面的に検討していきます。これによって応用が利くとともに、法の本質を追究できる力を身につけることができます。
 政治学領域では、適切な政治とはどのようなものかの追究を基本とし、中央政治、地方政治、国際政治などの在り方について海外と比較して学べるようにしています。総合的な視点を養える、幅広くかつ深い研究を可能にしています。

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基本情報

開設課程
博士前期課程
授与学位名称
修士(法学)
標準修業年限
2年
入学定員
15人
取得可能な資格
税理士国家試験の科目免除
中学校教諭専修免許状(社会)
高等学校教諭専修免許状(公民)
特色
  • 社会人対象の授業を名城公園キャンパスで平日夜間および土曜日に開講
  • 税理士国家試験の試験科目免除の適用有り(法人税、所得税、相続税、消費税、酒税法、国税徴収法、事業税、住民税、固定資産税のいずれか2科目)
  • 他研究科の授業科目を10単位まで履修可能(商学研究科、経営学研究科、経済学研究科、総合政策研究科)
開設課程
博士後期課程
授与学位名称
博士(法学)
標準修業年限
3年
入学定員
2人

専攻紹介

研究領域は法律学と政治学
法律学では租税法を深く学べます

 法律学専攻において、法律学と政治学を融合的に学習・研究することもできますし、両分野の中から興味を持った領域について専門的に学習・研究することもできます。
 法律学領域では、法の基本となる憲法をはじめ、行政法、民法、商法、刑事法など、実社会で最も必要とされる全ての法分野を学べるようにしています。
 特に、租税法分野における専門領域は幅広く、所得税法、法人税法、国際租税法、消費税法、相続税法などを学ぶことができ、税理士国家試験の試験科目免除につながる指導を受けられるようにしています。
 政治学領域では、比較政治や近代日本政治史などを学べます。法と政治体制のかかわりといった民主主義や福祉の在り方などを理解することで、法律をより深く理解することができますし、政治学そのものを深く追究することもできます。

研究領域
  • 法律学領域
    公法(憲法、行政法)、民事法(民法、商法、民事訴訟法)、刑事法など

  • 租税法分野
    所得税法、法人税法、国際租税法、
    消費税法、相続税法

  • 政治学領域
    比較政治学、近代日本政治史、
    ドイツ現代政治など

講義+演習授業で
知識と考える力の双方を高める

 特修科目は全て講義形式と演習形式の授業科目をセットにし、専門知識を定着させながら、実践的な力を身に付けられるようにしています。講義形式の授業にも演習問題を取り入れるようにしていますが、演習授業に当たっては、与えられた課題について自ら積極的に参考文献や関連する判例などを調べ、自分なりの答を考えた上で授業に臨むことが求められます。授業では、各自が考えてきた答を発表し合い、見落としている点を確認したり、どのような点に問題があるのかについて議論することで、柔軟な法的思考力と幅広い知識を得られるようにしています。

研究領域は多様な法分野をカバー
新たな法理を探究する能力の養成が可能

 現代社会における価値観の多様化や経済活動の高度化に伴い、法律が改正されたり、法解釈の在り方に疑問が投げかけられたり、法制度の見直しが求められるなど、法律学は常に新たな課題に直面しています。従来は定説が形成されていた論点においても、鋭く学説が対立するようになるなど、法律学は日々、進化を遂げています。
 博士後期課程では、法律実務現場で生起する新たな課題の解決にも役立つ、新たな法理を探究できる高度な能力を持った研究者および教育者の育成を目指しています。研究領域は、公法、民事法、刑事法といった主要な法律分野のほか、法哲学などの基礎法分野もカバーしています。
 また、政治学領域も研究でき、グローバル時代にふさわしい研究者・教育者を目指すことができます。

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研究テーマ・教員紹介

研究テーマ
家族法
教員名
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SUZUKI Shinchi
職位・学位
教授
主な担当科目
民法研究(Ⅰ)

この講義では、いわゆる「家族法」(民法725条~1050条および特別法)を扱う。家族をめぐって紛争が生じた場合、解決の基準の一つとなるのが「家族法」である。講義では、必要に応じて、「財産法」の分野にも立ち入る。

研究テーマ
民法
教員名
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SATO Hiroko
職位・学位
教授
主な担当科目
民法研究(Ⅱ)

民法の後半は、家族法と言われる分野である。家族という用語になじみがあるように思えるが、概念を確認しながら(自分の体験と切り離して)「法律的に」思考することを学び、それを基盤にして現代の家族法の課題を検討する。

研究テーマ
会社法に関する重要テーマの研究
教員名
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MINAMIKAWA Kazunori
職位・学位
教授
主な担当科目
商法研究(Ⅰ)

会社法に関する重要テーマをいくつか選んで検討する。学部の講義等においては通常は十分に取り上げられないテーマが選択される予定である。まず、当該テーマを理解するために必要な領域に関する基礎知識・理解についてその概略を説明したうえで(=学部レベルの知識・理解について復習したうえで)、次に、当該テーマ自体について比較的掘り下げた検討を行うこととする。その際、重要な裁判例の検討も行うことになる。

研究テーマ
商法分野における重要論点の把握
~会社法を中心に~
教員名
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MURAKAMI Kouji
職位・学位
教授
主な担当科目
商法研究(Ⅲ)

学部の講義等では、時間的な制約もあって深く考えることができないテーマを判例百選から抽出し、各種試験等にも耐えられる水準以上の理解をめざす。基本的な知識の獲得を通じて、今日の、関連する発展的な事象へ、どのようにつながっているかを明らかにする。

研究テーマ
民事訴訟の理論的解明
教員名
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TAKAGI Keiichi
職位・学位
客員教授
主な担当科目
民事訴訟法研究

民事手続法のうち、判決手続を講義する。とりわけ、学説・判例を概観して、民事訴訟法理論の到達点を明らかにしたい。

研究テーマ
法哲学の基本問題の検討
教員名
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KATADA Kenichi
職位・学位
教授
主な担当科目
法哲学研究(Ⅰ)

春学期は法学の基本問題について考察し、秋学期は特に現代の英米の有力な法哲学の理論の検討を行う。春学期の考察と秋学期の考察とを結合させることにより、原理的に法律学を学ぶための基礎力を養成することをねらいとする。

研究テーマ
行政法の実践的表れとしての自治体法務
教員名
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KOBAYASHI Akio
職位・学位
教授
主な担当科目
行政法研究(Ⅱ)

市民が行政法と実際に関わりを持つのは、自治体行政の現場であることが、ほとんどである。その自治体行政の場で行政法がどのように表れ実践されているのか、という点に着目し、それを明らかにするために、自治体法務について体系的に学ぶ。

研究テーマ
人権と統治機構に関する基本問題
教員名
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IINO Kenichi
職位・学位
教授
主な担当科目
憲法研究(Ⅱ)

この科目のねらいは、憲法に関する専門的な知識を身につけ、 憲法問題について論理的な思考ができるようになることである。このような知識や力をつけるために、人権と統治機構に関して、身近な問題から考えていきたい。

研究テーマ
融合分野としての少年法
教員名
HATTORI Akira
職位・学位
客員教授
主な担当科目
刑事法研究(Ⅰ)

英書を、ある程度のスピードで講読し、その内容を正確に理解するとともに、少年法および少年犯罪について日米の比較検討を行う。

研究テーマ
刑法総論の理論と実務
教員名
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MIKAMI Masataka
職位・学位
教授
主な担当科目
刑事法研究(Ⅱ)

刑法総論の理論と実務の現状を把握し、検討することを通して、刑法学の研究遂行能力を高めることを目的とする。

研究テーマ
日本政治史
教員名
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KURITA Naoki
職位・学位
教授
主な担当科目
政治学研究(Ⅱ)

近代日本政治史、とりわけ昭和期の政治史に関しいくつかのテーマを取り上げて研究する。

研究テーマ
ヨーロッパ政治研究
教員名
NAKATANI Tsuyoshi
職位・学位
教授
主な担当科目
政治学研究(Ⅳ)

現在のヨーロッパ・EUが直面している諸問題について、春学期には、ユーロ危機、難民危機、テロ事件の発生、英国のEU離脱といった個別テーマを取り上げ、秋学期には、こうした危機を背景に躍進するポピュリズムについて、検討する。

研究テーマ
租税法における重要判例等の
評釈及び研究
教員名
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KAWASAKI Kenji
職位・学位
客員教授
主な担当科目
租税法研究(Ⅱ)

判例評釈及びその検討を通じて、法律学の研究者として必要とされるリーガルマインドを身につけると同時に、修士論文のテーマ選定及び作成につなげることを目標とする。

研究テーマ
行政法総論・行政救済法の体系的理解
教員名
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SUGIHARA Takeshi
職位・学位
教授
主な担当科目
行政法研究(Ⅰ)

行政法総論(行政組織法・地方自治法の基礎も含む)および行政救済法について、実務・学説の動向を体系的に検討する。

研究テーマ
租税法の基礎理論
教員名
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YAMADA Kyoko
職位・学位
客員教授
主な担当科目
租税法研究(Ⅰ)

税の専門家として必要な、租税法の基本原則を理解することを目的とする。租税実体法の中から主に所得税法を取り上げ、裁判例を図解する等しながら整理し、どのような論理で判決が導かれたのかを分析する。授業での議論により、修士論文に必要な法的思考を身に付ける。

研究テーマ
英米圏の法哲学の議論状況の批判的検討
教員名
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SUZUKI Shintarou
職位・学位
教授
主な担当科目
法哲学研究(Ⅱ)

英語圏の法哲学者による最近の著作をもとに、英語圏における法哲学の議論状況を把握し、批判的に検討することを目的とする。具体的には、Andrei Marmor(Cornell)、Liam Murphy(NYU)、Scott Shapiro(Yale)の著作を、毎回1章ずつ、丁寧に読み解き、そこでの議論を、受講生とともに、批判的に検討していく。

研究テーマ
金融取引と課税
教員名
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NAKASHIMA Mikiko
職位・学位
教授
主な担当科目
租税法研究(Ⅲ)

本授業は、ますます複雑化する金融取引を租税法上どのように扱うべきか、様々な金融取引を取り上げて法令、判例、学説から検討する。

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租税法コースにおける
近年の主な修士論文のテーマ

国税通則法

  • 錯誤を理由とする更正の請求の可否についての一考察

所得税法

  • 所得税と相続税の二重課税に関する一考察~所得税法9条1項 17 号の適用範囲を中心として~
  • 給与所得該当性に関する一考察―働き方の多様化に伴う従属性要件の位置づけについて―
  • 公営競技における払戻金の所得区分についての一考察~競馬の勝馬投票券の払戻金に関する事例から~
  • 所得税法 56 条・57 条に関する一考察―夫婦間の労務の対価の支払を中心に―

法人税法

  • 不法行為による損害賠償請求権の収益計上時期についての一考察
  • 公正処理基準の判断に関する一考察―「法人税法独自の観点」から判断がなされた事例を中心に―
  • 交際費課税制度についての一考察―法人が従業員に対して経済的利益の供与を行なった場合における交際費等と隣接費用の区分について―

相続税法

  • 租税法における「住所」の解釈に関する一考察~租税法律主義が借用概念論に与える影響を中心に~
  • 相続税法における時価の解釈に関する一考察―財産の評価方法を巡る裁判例を中心に―

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外国人留学生で出願を希望される方は、公益財団法人日本国際教育支援協会と独立行政法人国際交流基金が実施する「日本語能力試験(N1)」に合格した者、またはそれに準ずる日本語能力を有する者(日本語で授業を実施する場合)であること。