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2015/3/1 高さを自由に変えられる手作りハードルの作成方法に関する記事が掲載されました! 大修館書店から発行されている「体育科教育」に「高さを自由に変えられる手作りハードル」と題した記事が掲載されました!この記事では,昨年「体育科教育学研究」に掲載された論文の中で提案した「高さを自由に変えられる手作りハードル」を現場の先生方が手軽に自作・利用することができるよう,その作成方法と利用上の留意点を多くの写真を用いながら紹介しました。興味をお持ちいただけた先生方は,雑誌記事をご参照いただき,ぜひとも「高さを自由に変えられる手作りハードル」をお試しください!なお,同じ号には,愛知東邦大学の木野村先生による走り幅跳びの技能学習に関する論考も掲載されていますので,あわせてご参照ください!
2015/1/15 卒業論文発表会を行いました! 1月15日(水)にゼミ内の卒業論文発表会を開催しました。4年生は約1年かけて卒業論文を完成させましたが,今回はその口頭発表を行いました。時間をかけて完成させた大作の論文だけに,短時間の発表にまとめるのにはかなり苦労した様子でしたが,スポーツ運動学研究室らしく,卒業論文で開発した練習段階を紹介するために動画を利用したプレゼンテーションを行ったり,身ぶり手ぶりなどを交えたりと,それぞれ素晴らしい発表を行ってくれました。発表後には3年生から数多くの質問が飛び出し,活発な質疑応答となりました。4年生はこれで無事にすべての正課ゼミが終了です。1年半,皆で本当によく頑張りました!また,司会を務めてくれた小木さん,きっちり時間を守って会を進行してくれたタイムキーパー鈴木君,活発に質問して発表会を盛り上げてくれた3年生の皆さま,ありがとうございました!
左上:司会は小木さん!名司会ぶりに脱帽です。中上:「なぜ歩行動作を研究しようと思ったのか?その理由を説明します!」右上:優秀論文賞受賞の児玉さんの発表です。「ミルフィーユは3つのタイプに分類できます!」左中:3年生の鋭い質問に4年生の神田君もたじたじです。中央:右打者の送りバントのフォームについて発表します。右中:身ぶり手ぶりでボールリフティングのコツを説明します。左下:優秀論文賞受賞の川本君が発表します。中下:3年生の石川君が鋭い質問を投げかけます。右下:卒論発表会の日にスポーツ運動学研究室の卒業論文集を発行しました。興味をお持ち頂いた方については,ご連絡いただければ,何らかのかたちでお渡しします。
2014/12/29 再び一気に更新しました! 4月より再び更新が滞ってしまいましたが,冬休みを迎えて少しだけ時間ができましたので,一気にニュースを更新しました。陸上競技と器械運動についてそれぞれ週1,2度実施した実技練習会(4〜12月),至学館大学まで村山先生にご指導頂きに伺った器械運動出稽古(5月),3,4年生ゼミ合同懇親会の開催(9月),愛教大の森勇示先生にお声掛け頂いて話題提供&学生さんと参加させていただいた「アイデアクラブ」(9,10月),出身研究室の大先輩である愛教大の上原三十三先生にお誘い頂いて学生さんと参加させていただいた信州大学での「動きの研究会」(10月),至学館大学で村山先生の跳び箱の授業を見させていただいた授業参観(11月),近隣大学の先生方や本学科の城戸先生に参観いただいた体育指導実技B(陸上競技)の研究授業(11月)など,書ききれないものも数多くありましたが,その点に関しましてはご了承ください。
2014/12/15 卒論提出 & 打ち上げを行いました! 12月15日(月)に卒論提出を行いました。4年生のゼミ1年間を通じて取り組んできた卒業論文もようやく完成しました。それぞれ自分の研究テーマに対して長い時間をかけて取り組んできましたが,いずれも素晴らしいできばえに仕上がったと思います。ここで,ゼミ生の卒業論文の内容について簡単に紹介したいと思います。
飯田君は「パワーリフティングにおけるスクワットの学習過程に関する研究」という表題で卒業論文をまとめました。飯田君はパワーリフティングのインカレで優勝し,デッドリフトの学生記録も更新した名選手です。飯田君は,この論文では,競技経験の浅い後輩選手を対象として,熟練者である自分自身がスクワットの指導を行うとともに,その際に認められた問題動作の発生とその解消のプロセスについて記録し,さらに文献的考察を加えました。この論文は,自身の競技経験と指導経験をもとに実践的に有用な知見を提示した,とても優れた論文です。
伊藤君は「サッカーにおけるボールリフティングの初心者への段階的指導の重要性」という表題で卒業論文をまとめました。伊藤君は自分自身もサッカー選手として活動する傍ら,子どもたちを対象としたサッカーの指導にも取り組んでいます。この研究では,伊藤君は,ボールリフティングのための段階的指導法を提案するとともに,その効果について検討を加えました。なかなか思うような結果が出ずに苦しんだ時もあったと思いますが,今回の取り組みは,伊藤君にとって,今後の指導力向上の礎になるに違いありません。ぜひとも,今回の経験をもとにして,子どもたちを対象としたより良い指導を今後も探求していってほしいと思います。
井Mさんは「女子大学生における歩行動作の特徴」という表題で卒業論文をまとめました。この論文は,「ハイヒールを履いて歩く,まわりの女子大学生の歩き方(の乱れ)が気になる」という日常的な気づきを出発点としつつ,ハイヒールを履いた女子大学生の歩行動作の特徴を「タイプ分け」を通して明らかにするとともに,それぞれのタイプの歩きがそれを見る人にどのような印象を与えるのかということまで明らかにした,とてもユニークな論文です。この論文作成のプロセスで,井Mさんは多くのタイプの歩き方を練習しました。この経験は,今後,井Mさんが「動き美人」を目指す上で間違いなく役に立つと思います。(苗字の特殊文字問題もお疲れさまでした。)
川本君は「野球における球速向上をねらいとした投球動作の指導法に関する研究」という表題で卒業論文をまとめました。川本君は文献研究を通じて球速向上を可能にする投球動作の特徴を明らかにするとともに,実際にその投球動作を身につけることを可能にする指導法を考案し,その成果を実験的に確認しました。川本君は,おそらく,本学科においてもっとも早く卒業論文に取り組み始め,そしてもっとも周到な準備をもとに卒業研究を執り行った学生の一人です。川本君の場合には,卒業論文本体の完成が早かっただけでなく,その完成度も高かったため,彼の論文は多くのゼミ仲間の卒論作成に際して見本として用いられました。
神田君は「テニスの歴史的変遷におけるボレーの重要性の変化について」というテーマで卒業研究を行いました。神田君は膨大な量のデータと格闘しながらテニスにおける往年の名選手たちを考察対象者に選定するとともに,この考察対象者たちの試合映像をつぶさに観察することによって,試合におけるボレーの利用率とその歴史的な変化を明らかにしました。卒論提出の1週間前にもまだビデオを見終わっていないということで,かなり焦ったかとは思いますが,神田君は,膨大なデータを取りまとめるとともに,芝生コートの削れ具合の写真など,とてもユニークな傍証を積み重ね,卒業論文を見事に書き上げました。
城所さんは,自身が所属するラグビー部のトレーナーとしてご活躍されている本学科非常勤講師の菅野先生に実験をご指導頂きながら,「ラグビー選手のタックル動作中の腹腔内圧に類似するコアエクササイズの検討」というテーマで卒業論文を書き上げました。学外での発表を控えているということで,内容の詳細に触れることはできませんが,城所さんは実験から得られたデータをもとに立派な論文をまとめました。
児玉さんは「日常生活における正しい動きに関する研究」というテーマで卒業論文をまとめました。児玉さんは,スポーツ運動を研究するか日常運動を研究するか,かなり迷った上でこのテーマを選んでくれましたが,その題材として取り上げた「ミルフィーユの正しい食べ方」についてきわめて多面的に検討を進めたほか,日本における新たな食文化(ミルフィーユ文化)の確立という社会現象をも踏まえながらさまざまなミルフィーユの正しい食べ方についての示唆を述べるなど,きわめてユニークな論文を完成させてくれました。今回の経験を生かし,是非とも正しく美しい日常動作をさらに追及してほしいと思います。
角谷君は「体育授業におけるインストラクションに関する研究」に取り組みました。角谷君は,より理解しやすいインストラクションの特徴とその成立要因について検討を進めるとともに,理解しにくいインストラクションについてもその特徴を詳細に記述してくれました。角谷君の卒業論文において提示されたこれらの記述内容は,保健体育の教師を目指す後輩たちが陥りやすい問題事象を的確にとらえており,角谷君自身や保健体育の教師を目指す後輩たちがよりよいインストラクションの実施を目指す上でとても参考になると考えられます。今回の経験を生かし,ますます理解しやすいインストラクションを追及していってほしいと思います。
長友さんは「日本人大学生における書字動作の特徴」というテーマで卒業論文をまとめました。書道における「師範」の資格を有する長友さんは,教科書に示された「正しい書字動作」の特徴を手掛かりにしながら仲間の書字動作の特徴を明らかにするとともに,その「正しい」という価値意識を一旦「カッコに入れる」ことによって,「正しい姿勢」からの逸脱を示す仲間の書字動作にもさまざまな機能的な意義を見出しました。そして,このような多様な価値観を踏まえつつ,長友さんは日本人大学生における書字動作のあり方について示唆を述べました。自分自身がしたがってきたこれまでの価値観さえも相対化した長友さんの卒業論文は,大学生活を締めくくるにふさわしい大作であったと思います。今回の経験を,ぜひとも今後の社会人生活に生かしていってほしいと思います。
樋口君は「スポーツにおける投動作の体系化に関する研究:ハンドボールの投球動作を中心に」というテーマで卒業論文に取り組みました。投動作はさまざまなスポーツ種目で用いられます。樋口君は,個々のスポーツ種目における投動作の相互関係を明らかにするとともに,得られた知見を活用する一例として,ハンドボールの投球動作を習得した自分自身が他の種目の投動作を身につけるとしたらどのような修正を加えたら良いのかということを明らかにしました。種目をこえた動作の相互関係の検討はまだまだ研究が進んでいませんが,今回,樋口君は投動作に絞ってその検討を進めてくれました。この論文は,子どもたちのスポーツ指導に生きる,とても重要な,そしてとてもユニークな研究であったと思います。是非とも,今回の経験を今後に生かしてもらいたいと思います。
若杉君は「野球における右打者の送りバントのフォームに関する研究」というテーマで卒業論文をまとめました。若杉君は,自分自身が受けた送りバントのフォームの指導と試合場面で観察されるバントフォームの食い違いを出発点にして,技能レベルごとに送りバントのフォームがどのように使い分けられているのか,そして発達段階ごとにどのような指導がなされているのかを,各種の調査方法を組み合わせながら明らかにしました。若杉君の卒業論文は,明確に設定された研究テーマに対して多角的かつ徹底的な検討を加えたという点で,すぐれた力作であったと思います。ぜひとも,すべてのバントフォームを十分にマスターし,発達段階に応じたバントフォームの指導を行うことができるようになっていってほしいと思います。
江藤さんは「女子バレーボール選手のキャリア選択について」というテーマで卒業論文をまとめました。江藤さんは,自身の経験をふまえつつ,Vリーグの女子選手のキャリア選択の状況とその変化を明らかにするとともに,今後,Vリーグに入団する女子選手に対してどのような情報や教育がいつ提供されるべきなのかということについての提言を行いました。この論文は,多くのVリーグ選手を研究対象にするなど,江藤さんならではの,とても価値ある研究にまとまったのではないかと思います。
このように,それぞれ自分が設定した研究テーマに対して長い時間をかけて取り組んできましたが,人によって内容上の違いこそあれ,いずれも素晴らしいできばえに仕上がりました。これらの卒業論文については,愛知学院大学スポーツ運動学研究室(14618研究室)に蓄積していくほか,興味をお持ちいただき論文の複写依頼をご連絡いただいた方については,著者本人の了解を得た上で別刷りをお配りしたいと考えています。
水曜日のゼミ終了後には,卒論提出の打ち上げを兼ねて忘年会を行いました。幹事の児玉さんの尽力により,昨年の忘年会に続いて,今年も全員の参加で集うことができました。児玉さん,ありがとうござました!
今後は,ゼミ内での卒業論文発表会,そして健康科学科での卒業論文発表会が開催されます。大学生活も残りあとわずかですが,最後までひとつひとつ全力投球で頑張りましょう!
左上:提出された卒業論文。それぞれとても興味深い内容に仕上がりました。右上:(恒例の)乱れる前に記念撮影。左下:乾杯!卒論提出を終えただけあって皆表情が晴れやかです。右下:雪降る中での解散式(一人だけ南極観測隊が混じっています)。卒論お疲れさまでした!
2014/12/13 ジャンプス・カンファレンスに参加させていただきました! 12月13日(土)にナショナルトレーニングセンター(NTC)で開催された「ジャンプス・カンファレンス」に参加させていただきました。このカンファレンスは,日本陸上競技連盟強化委員会跳躍部長であり,また私の大学・大学院時代の大先輩でもある日本女子体育大学の吉田孝久先生の発案で開催されました。記念すべき第1回目のテーマは「走高跳」です。今回は,日本記録を達成された先生方や日本の第一線で指導者として活躍されている先生方など,豪華メンバーを講師としてお迎えしての開催ということで,走高跳の指導にあたる多くの先生方が全国各地からNTCに集結しました。
カンファレンスでは原田強化委員長と吉田先生によるご挨拶に続いて,はじめに至学館大学の今井美希先生が欧州レポートを報告されました。今井先生はJOCの在外研修でスウェーデンに1年間滞在されていましたが,その際に経験された日本とスウェーデンでのコーチングスタイルの違いや技術ポイントの違いなどについて報告されました。スウェーデンでは,「褒めて伸ばす指導」が徹底されているとのことでした。また,スウェーデンでは,日本とは真逆で,助走と踏切で腰の位置を高く保つということを強調されているということで,今井先生ご自身,大変驚かれたとのことでした。今井先生のお話は,私自身が日頃考えていたことがらと深く関連しており,私自身の指導にとっても大変参考になりました。
続いて技術論のセッションでは,男子走高跳の現日本記録保持者である醍醐直幸先生と元日本記録保持者である君野貴弘先生より,日本記録を達成されるまでのご自身の跳躍の変化,そしてその後の試行錯誤について伺いました。お話を伺う中で,跳躍を完成させていくプロセスや踏切のコツなどがお二人の先生で大きく異なり,ご自身の個性を生かすために自分自身の道を模索されてきたことが良く分かりました(お二方とも,自分の跳躍を完成させていく際に「参考にした選手はいない」とおっしゃられたのには大変驚きました)。さらに,日本記録達成後にはお二方とも怪我と付き合いながら競技を継続されてきたと伺い,走高跳の競技生活と怪我との関係について大いに考えさせられました。今回お伺いしたお話しはさまざまな点から意義深い内容であると感じられました。現時点ではまだ未定ですが,今回の成果は何らかのレポートに残したいと思っています。
さらに,吉田先生がコーディネーターを務められたトレーニング論のセッションでは,日本の第一線で走高跳のご指導にあたられている3名の先生方が,ご自身のトレーニング方針についてお話しされました。はじめに野中悟先生は,ウェイトトレーニングでしっかりと土台づくりを行わせるトレーニング方針について報告されました。続いて海鋒佳輝先生は,高校生にはウェイトトレーニングは一切行わせず,自重を用いて「弾く筋肉」づくりに取り組ませたり,基本のドリルやイメージトレーニングに徹底的に打ち込またりするトレーニング方針について話されました。さらに福間博樹先生は,主として上級者を対象とした,踏切の動きに直結する専門的な筋力強化を重視するトレーニング方針についてお話されました。このような,それぞれまったく異なる内容を持った先生方のお話に,皆で目からうろこの思いで聞き入りました。
カンファレンス終了後には,モンテローザ系列店「笑笑」に場所を移して懇親会を持ち,日本各地から見えた多くの先生方と楽しく活発な情報交換を行いました。今回,カンファレンスおよび懇親会において多くの先生方のお話を伺う中で,走高跳という同一の競技種目であっても,まったく異なる方針にしたがってトレーニングは組みたてられうることに気づかされました。また,指導者は,選手の年代や個性に応じて多様なトレーニングを使い分けられるよう,幅広い知識を身につける必要性があることも改めて実感させられました。そして,幅広い知識を指導者が身につけていくためにも,今回のような研修の機会や指導者仲間同士での情報交換が大切になってきます。これからの日本の走高跳のために,是非とも,今回のような情報交換会を今後も皆で継続していきましょう!
なお,カンファレンスの詳細については 月刊陸上競技2月号(第49巻3号)の pp. 199-205に掲載されています。また,当日の映像については渡辺までご相談ください。
左上:ジャンプス・カンファレンスが開催されたNTC。中上:吉田先生が開会のご挨拶をされます。右上:今井先生が欧州レポートを報告されます。左中:技術論のセッションをお手伝いさせていただきました。挨拶から噛みまくってしまい失礼しました。中央:現日本記録保持者の醍醐先生と前日本記録保持者の君野先生がご自身の跳躍を解説されました。右中:トレーニング論のセッションでは,野中先生,海鋒先生,そして福間先生が経験から得たご自身のトレーニング方針についてお話されました。左下:いつも懇親会を仕切ってくれる土屋君は,今回は残念ながらお仕事の都合で欠席でしたが,懇親会の事前マネジメントを一手に引き受けてくれただけでなく,懇親会会場の入り口で今回もちゃんと笑顔をふりまいてくれていました。(「ハイジャンプ万歳」ボトルの差し入れもありがとうございました!)中下:大学陸上競技部の偉大なる諸先輩方。右下:毎回,HJ情報交換会に参加してくれるハイジャンプ仲間の皆さま。なごやかな雰囲気の中で情報交換を行います。
2014/12/6 第2回若手研究者情報交換会を開催しました! 12月6日(土)に至学館大学の村山先生とともに第2回若手研究者情報交換会を主催しました。昨年度,分野や種目をこえてとにかく集まろうと始めた情報交換会ですが,今回は,愛知東邦大学の木野村先生(トレーニング論・陸上競技)や東海学院大学の篠原先生(発育発達論・サッカー)という新たなメンバー,さらには先生方の教え子の学生さんたち数名にもご参加いただき,いわゆる「教科の指導法」(体育科教育学)を専門とする研究者と「内容学」(各種目の方法論やスポーツ運動学)を専門とする研究者の架橋を目指して情報交換を行いました。
はじめに私が「陸上運動・陸上競技の授業づくり:『競争』か『動きづくり』か?」というテーマで話題提供を行いました。陸上運動や陸上競技の授業づくりに際しては,競争に主眼を置くか,あるいは動きづくりに主眼を置くかという点で,教師は悩ましい選択を迫られることになります。競争に主眼を置くというアイデアは「アイデアクラブ」で勉強させていただいたものですが,とりわけ陸上競技の場合には,競争に夢中になると,すでに定着した動きで全力を出すことへと傾いてしまい,新たな動きかたの学習に焦点を当てることが難しくなります。これに対して,新しい動きかたの学習に焦点を当てると,今度は全力を出すことがその学習の妨げとなるために,競争を焦点化することに支障が生じます。そこで今回は,動きづくりを「楽しませる」授業を展開した後で,その成果を生かして競争に取り組ませるという単元構成を提案しました。その上で,今回は,このような動きづくりに主眼を置いた単元を展開するために指導者にはどのような能力が要求されるのか,またどの発達段階から動きづくりを中核に据えた授業の実施が可能になるのかということについて皆で話し合おうと思っていましたが,残念ながら話し合いの時間が不足してしまいました。皆さま大変失礼しました。
次に,滋賀大学の加登本先生より,「初等と中等の教科教育法の実践報告:養成課程で何が保証できるのか?」というテーマでお話し頂きました。加登本先生からは,本務校で「教科に関する科目」と「教職に関する科目」の両方,さらには初等教育コースと中等教育コースの両方を担当されている経験を踏まえて,小学校教諭と中学校の保健体育の教諭に求められる職能の違いや実際に直面する子どもの違い,さらには小学校と中学校における体育の授業づくりの違いなどについてお話し頂きました。加登本先生からは,模擬授業を行わせてみても,学習指導案を書かせてみても,音楽専門の初等教育コースの学生も保健体育の中等教育コースの学生もスタートラインはそれほど大きくは変わらないという実態の報告がありました。その上で,加登本先生からは,120名の学生を対象として1コマの内容学に関する授業と1コマの教科の指導法に関する授業のみで体育の授業を行うことができるようにさせなければならない初等教育コースと,20名程度の学生を対象として教科内容に関する多くの授業を通して指導力向上に取り組むことができる中等教育コースでは,卒業時に求められる能力はたしかに異なるけれども,両方のコースの学生に対して全力で指導にあたられている旨の実践報告を伺いました。この報告を伺って,私自身とても勇気づけられるとともに,加登本先生のお話からは自分の授業のための多くのヒントも得ることができました。
続いて愛知教育大学の成瀬先生より「ダンス授業の指導ポイントと実践報告:表現・創作ダンスを中心に」というテーマでお話し頂きました。成瀬先生はダンスのスペシャリストであり,体育科教育学も専門とされています。主としてスポーツに取り組んできた多くの参加者にとって,ダンスはまさに未知の領域です。そこで今回は,成瀬先生にはとくにお願いして,創作ダンスの特性や授業の組み立てかたなどの理論的背景と,ご自身の授業づくりの工夫についてお話しいただきました。「おへそを中心に弾ませる体ほぐしなどによる導入を大切にすること」,「導入でとにかく1曲踊りきること」,「はじめは教師リードで特徴的な動きを即興で踊らせること」,「作品創作よりもまずは即興表現を大切にして授業を組み立てること」など,経験に裏づけられた授業の工夫についてのお話に,皆で目からうろこの思いで聞き入りました。さらに今回は,成瀬先生ご自身による授業実践についても,ビデオ映像を交えながら紹介していただきました。成瀬先生によるダンスの授業はまさに驚異的で,学生さんたちは口をそろえて「楽しそう!」や「こんな授業で踊ってみたい!」という感想を漏らしていました。是非とも,何かの折に成瀬先生の授業を皆で参観させていただきたいと思います。機会がありましたらどうぞよろしくお願いします。(なお,お誘いいただいた記念すべき第1回目の卒業公演にはお伺いできず申し訳ありませんでした…)。
さらに,至学館大学の村山先生より,「学習指導要領から見た器械運動における学年別学習内容の実際:跳び箱運動に着目して」というテーマでお話し頂きました。村山先生は,学習指導要領に示された技能面のねらいと,これまでに見てこられた学校現場における跳び箱の授業の現状とをすり合わせることによって,「『開脚跳び』ができたらあとは『跳び箱の段数を上げていくだけ』」という現在の多くの跳び箱の授業に認められる課題点を指摘されました。続いて村山先生は,教員養成の立場で取り組まれている専門体育実技の授業におけるご自身の試みについて紹介されました。村山先生の跳び箱の授業では,多くの学生があまり経験したことのない「閉脚跳び」をあえて取り上げるとともに,徹底的にその動きのコツを学ばせる段階練習に取り組ませることを通して,「コツ」をつかませて「できる」ようになる喜びを体験させることに重点を置いているとのことです。また,村山先生は,専門体育実技とはいえ,限られた授業時間内では扱うことができる技は限られてしまうことから,あえて取り上げる技の数を減らしてでも,以上のような学習の深まりを求めることによって,教師に必要な学ぶ姿勢や指導者としての態度を学ばせることを重視しているそうです。今回,村山先生が紹介された授業は私も参観させていただきましたが,その意図を伺って,いろいろと腑に落ちるところがありました。今後は,村山先生ご自身も課題として挙げられていた,「動きを指導できる指導者を育てる方法の確立」を,それぞれの実践を突き合わせる今回のような「教科の指導法」と「内容学」の架橋において,皆で探求していければと思います。
最後に武庫川女子大学の村井先生より「小学校教員養成課程履修者は何について学びたがっているのか?」というテーマで話題提供を行っていただきました。はじめに村井先生は,教職課程における教科に関する科目に内在される「学士を育てるという観点から見て教えなければならない内容(学術的な知識)と教師に要求される知識・技能(専門職の知識)とは必ずしも一致しない」というジレンマを紹介されました。その上で,村井先生は,教育実習を終えた学生たちがまず学ばなければならないと考えた内容に注目して,教職課程で教えなければならない知識・技能を洗い出すことを試みられました。そして,独自の調査の結果をベースに,「できない」学習者が「できる」ようになる指導法こそが,実習後の学生がまさに学びたいと考え,かつ教師に要求される知識の初歩であるにもかかわらず,多くの教職課程における教科に関する科目で指導されているのは,アスリートを対象とした研究から明らかにされた「できる」学習者が「うまく」なるための指導法(学術的な知識)なのではと鋭く指摘されました。以上の内容を踏まえて,村井先生は,教科に関する科目と教職に関する科目を架橋するために,各種目における「できない」とはどういうことなのかということについて学術的立場から議論しようと提案されました。この提案を受けて,フロアより,倒立の例やバスケットボールの例,さらにサッカーのボールを持たない動きの例についてお話いただきましたが,話もなかばで残念ながら今回の情報交換会は時間切れとなってしまいました(このテーマについてはぜひとも継続的に議論していきましょう)。
今回の情報交換会では,体育科教育学を専門とする先生方は主として学習者の実態把握を大切にし,運動学を専門とする私たちは主として素材理解を重視するというように,それぞれ異なる点に強勢を置きながら,より良い教員養成という同じ目標に向かっていることを再確認できました。残念ながら,主催者の不手際のために,今回も自由討論のための十分な時間をとることはできませんでした。しかし,このように皆で集って情報交換を行うことは,それぞれ現場に戻り教員養成にあたる私たちにとって,自身の実践を相対化するいい機会にはなったように思われます。(少なくとも私自身にとっては,自分自身の実践を反省するいい機会になりました。)教員養成の現場で内容学と教科の指導法との架橋を行うにはまだまだ課題も残されています。しかし,まずは「私たちが架橋しているから大丈夫」(加登本先生の言葉)という思いを皆で共有しながら,今後もより良い教員養成を行うための努力を継続していきたいと思います。
情報交換会の終了後には,創作イタリアン「シュビドゥバ」に移動して,村山先生のマネジメントで懇親会を持ちました。今回は遠方からおいでいただいた先生方にも「最後までしっかり参加する!」という意気込みでご参加いただくことができ(草島先生,その節は大変失礼しました),なんと約5時間!という長時間にわたってしっかり親交を深めました。懇親会の後半には,東海学院大学の山田先生(身体表現)にもご参加いただき,皆でさらに盛り上がりました(帰りにはお土産まで頂いてしまいました)。懇親会がメインだという説が主流ではありますが,何はともあれ,今年度の情報交換会も無事に盛会のうちに終えることができました。この調子で,年1回の定例行事になりつつある若手情報交換会を,今後もぜひとも継続していきたいと思います。皆さま引き続きどうぞよろしくお願いいたします!
左上:村山先生が情報提供を行います。右上:成瀬先生にダンスの授業の実践報告をしていただきます。左下:皆で意見交換を行います。草島先生による現場サイドからの鋭い質問・ご意見が光ります。右下:村山先生にマネジメントして頂き,懇親会を行いました。懇親会では裏話も多数とび出したりしつつ,長時間にわたって皆でしっかり親交を深めることができました。村山先生,マネジメント(とお土産)ありがとうございました!
2014/9 福井に合同ゼミ合宿に行ってきました! 9月某日に合同ゼミ合宿に行ってきました!今回は,3,4年のゼミ生の有志6名と至学館大学の村山ゼミのメンバー13名,そして教員2名で福井県を訪れました。
到着後は,まずは水晶浜でゼミ間の交流を深めました。学生さんたちはビーチバレーボールを楽しんだり,さらには村山先生の手ほどきを受けて魚突きにチャレンジしたりと,ビーチならではの活動に取り組みました。ここで,学生さんたちのうちの数名が,魚突きをしたいのに素潜りができないという事態に直面してしまいました。野外での遊びにはその基礎となる運動技能が必要になります。素潜りは,海に行く前にしっかりプールで練習しておかないといけないですね(来年のゼミの課題にしましょう)。
続いて,滞在先の「旅館たなべ」に移動してバーベキューです。火起こしでは八丈島で経験済みのメンバーが大活躍!しかし,火起こしを終える頃から,残念ながら急な大雨に降られてしまいました。でも,そんなことにへこたれることなく,皆で最後までバーベキューを楽しみました。片づけを終えたらその後は宿に入ってさらに交流を深め,翌日午前は旅館前に広がるビーチのゴミ拾いを行いました。そして村山ゼミ生のメンバーたちと解散してからは,渡辺ゼミ生で釣りにいそしみ,お土産のツバスとタイを手に岐路につきました。
1泊2日という短い時間ではありましたが,今回の合宿では,学生さんたちは学年および学校の枠組みをこえて交流を深めることができたようです。ぜひとも,今後も,機会を見つけてさらに交流していきましょう!皆さま,合宿お疲れさまでした!
左上:美浜原発をバックに笑顔で記念撮影。左下:皆でビーチバレーボールを楽しみました。中上:魚突きの成果。獲ったカワハギとベラはバーベキューでおいしく頂きました。下中:バーベキュー後は部屋でさらに交流を深めます。右上:「旅館たなべ」での朝食。いろいろなハプニングもありましたが,何から何までありがとうございました!右下:ビーチ清掃後の記念撮影。今回の合宿を通じて皆の距離がさらに近くなりました!
2014/8 八丈島にゼミ旅行に行ってきました! 8月某日にゼミ生の有志4名と八丈島にゼミ旅行に行ってきました!八丈島は私が大学院生の頃から毎年欠かさず訪れていますが,今年ははじめて学生さんたちと一緒ということで,新たな旅の予感です(といっても現地集合・羽田解散ですが・・・)。
例年同様,八丈島では底土港での堤防釣りと底土海水浴場でのスキンダイビングに明け暮れました。皆で揃って釣り糸を垂らす堤防釣りは毎回大漁で,食べきれないほどのモロ(正式にはムロアジ,もののけ姫「サン」のお母さんではありません)を釣り上げました。伊藤君と神田君は立派なショゴ(カンパチの子ども)も釣り上げましたが,若杉君は私がタモを持ってあたふたしているうちに残念ながらでっかいササヨ(正式にはイスズミ,別名ウンコタレ)を逃してしまいました(不手際,失礼しました!逃した魚は大きかった!)。スキンダイビングでは,堤防から深みに飛び込んだり,さっきまで釣り上げていたモロの大群とともに泳ぎまわったりと,皆,非日常の運動経験を積むことができたようです。そして,海からあがり,地元のおじさんに教えていただいてふと堤防脇の海の中を覗くと,ほんの2m先に複数のウミガメたちが泳いでいました。これには皆びっくり!皆でしばし時間を忘れて見入ってしまいました。
釣り上げた魚は皆でさばいて刺身,島寿司,焼き魚,アラ汁,そして爆弾(学生時代,「いろりんぐ」に際して金谷先生よりごちそうして頂いた料理をヒントに,刺身,納豆,豆腐,ネリ,カイワレなどをグルグルまぜたもの)にして夕食に頂きました。滞在2日目の晩には滞在先のケンチャルマさんの中庭(ふと壁を見るとヤモリがいっぱい!)でバーベキューも楽しみました。そしてバーベキューを終えて空を見上げると,雲の切れ間からこれまで見たことのない満点の星空が・・・!
今回は若干天気には恵まれず,八丈富士登山は叶いませんでしたが,それでもなお八丈島の自然と温泉を十分に楽しむことができました。学生さんたちからは「卒業後もプライベートで来たい!」という声も聞こえました。是非とも,自分たちで野外活動を楽しむ旅行を手作りできるようになって下さいね!遠征お疲れさまでした!
左:宿泊先であるケンチャルマの前で記念撮影。これから八丈島でのドキドキ体験が始まります。上中:カンパチを釣り上げました!島寿司と刺身にしておいしく頂きました。右上:バーベキューの準備中。火起こしは任せて下さい!下中:旅行終盤での記念写真。八丈島滞在を通して一皮も二皮も剥けました。右下:スキンダイビング。水中の透明度は高く,ずっと先まで見通すことができました。
2014/8/2 高さを変えられる手作りハードルの提案に関する論文が公開されました! 日本体育科教育学会の機関誌である「体育科教育学研究」に投稿していた「ハードル走の学習指導におけるスモールステップ化を可能にする新しい教具の提案」という論文が受理されました!
この論文では,「ハードルが怖くて跳び越せない」という問題を解消するための手作りハードルを紹介しました。初心者を対象としたハードル走の学習指導に際しては,はじめにインターバルを狭くした状態でハードルを徐々に高くしていき,それからインターバルを広くしていくという学習段階を辿ることが一般的です。しかし,ハードルの高さを高くしていく際に,学習者がハードルを怖いと感じてハードル手前で立ち止まってしまうという事態に直面することがあります。とりわけ市販の練習用ハードルや競技用ハードルを用いる場合には,高さは段階的にしか上げられないため,それまで十分な余裕を持ってハードルを跳び越すことができていたにもかかわらず,一つ高さを上げただけでハードルを跳び越せなくなるという学習のつまずきがしばしば生じます。今回の論文では,このような学習のつまずきを解消するために考案した「高さを自由に変えられる手作りハードル」を紹介するとともに,その利用可能性について検討を加えました。なお,この論文はJ-Stage「体育科教育学研究」上にてご覧いただけます。
2014/6/18 3,4年合同ゼミ内交流バドミントン大会を行いました。 3年生の新ゼミメンバーが決まりましたので,まだ3年生のゼミ開始前ではありましたが,6月18日(水)に3,4年合同でゼミ内交流バドミントン大会を開催しました。はじめは3年生を中心に若干の緊張モードでスタートしましたが,4年生のリードでダブルス試合を繰り返すうちに,次第に3年生の緊張も解けてきました。
交流会の運営にあたってくれた4年生の皆さん,ありがとうございました!これから多くのイベントを通じて3,4年生間の交流をさらに深めていきましょう!
2014/4/7 いろいろ一気に更新しました! 12月より更新が滞ってしまいましたが,この間,ゼミ生や学外の多くの方から「このごろ更新されていないねぇ」というお話を頂きました。このようなご指摘を頂いたことをきっかけに,多くの皆さまにこのホームページを確認して頂いているということを実感しながらも,諸々の事情からなかなか更新作業が進みませんでした。今回,新年度を迎えたのを機に,一念発起しこれまでのニュースを一気にまとめるとともに,連携研究者・指導者の方々の所属等を更新しました。今後も,可能な限り更新を継続していきたいと思います。
2014/4/5 ゼミメンバーでお花見しました! 4月5日(土)に大学近くの杁ケ池公園でお花見しました!(新学期開始のバタバタの影響もあり)3日ほど前に「お花見しよう!」とアナウンスすることになってしまいましたが,幸運にも都合がついた5名で集まることができました。前日には雨の予報もありましたが,当日は天候に恵まれて,皆で快晴の空の下で満開の桜を楽しみました。
お花見といえば一般には「桜の下での宴会」ですが,そこはやはりスポーツ運動学研究室。皆で楽しめるスポーツ用具を持参して,用事で遅れる1人のメンバーの到着を待つ間,桜の下でスポーツ大会が始まりました。池のほとりでのバレーに始まり,フリスビー,キャッチボール,ドッヂボール?,マラソン??と,皆でワイワイ楽しみました。そうこうしているうちに残るメンバーも到着し,桜をめでながら楽しく昼食をとりました。
わずか2時間程度のお花見でしたが,毎日,就職活動や教採・公務員試験の勉強に取り組むゼミ生の皆にとっては十分な気分転換になったようです。これからしばらくは,それぞれが夢に向かって全力疾走の日々を過ごします。皆で互いに刺激し合いながら,就職活動,教員採用試験,そして公務員試験を乗り切りましょう!
左上:日進キャンパスの桜は最高ですが,今回は気分を変えて大学近くの杁ケ池公園でお花見です。好天に恵まれてラッキーでした。上中:メンバーを待つ間に池のほとりでバレーボールを楽しみます(池ポチャしました・・・)。右上:さすがはスポーツ運動学研究室,バレー経験者から仲間への指導が入ります。左下:バレー,フリスビーの次はキャッチボール。「フォームいいね〜」と皆でベタ褒めです。下中:「笑顔いいよ〜」と皆でベタ褒め。皆,褒めて伸ばすタイプのようですね。右下:5人揃ったところで記念写真!皆でわいわい昼食を楽しみました。
2014/3/13 ゼミ旅行に行ってきました! 3月12-13日にゼミの有志で飛騨高山にゼミ旅行に行ってきました!今やまさに就職活動や教採・公務員試験に向けた試験勉強の真っ只中ですが,今回は,その息抜きとゼミ生同士の親交を深めることをねらいとして,長友さん・伊藤君が中心になってゼミ旅行を企画してくれました。就職活動組の大半は残念ながら都合がつきませんでしたが,今回は,教職組を中心に5名で集うことができました。私も仕事の合間を縫って午後3時大学出発,翌日8時半大学着の強行スケジュールで部分的に参加しました。
私は宿に到着してからの様子しか知りませんが,お昼には高山ラーメンを堪能したとのこと。そして自撮りクイーンこと児玉さんの到着後には夕食に飛騨牛をいただきました!夕食後は温泉にゆっくりとつかり,風呂あがりはビールでホッと一息,かと思いきや,ここにきて長友さん・伊藤君の企画でビンゴゲーム大会が始まりました。景品まで用意されていて,皆で時間を忘れて盛り上がりました!2日目はあいにくの雨でしたが,皆は寒さにも負けず,飛騨の里で合掌造りの家なみを散策したり,カフェめぐりをしたりと,飛騨のまちを十分に楽しんだとのことでした。(私は残念ながら大学での会議のために朝5時半にホテルを後にしました…。)
1泊2日の短い旅でしたが,今回は参加者同士で十二分に親交を深めることができたようです。残念ながら就職活動組は今回については参加できませんでしたが,就職活動や教採,公務員試験が落ち着き,また新しいゼミ生も増えているはずの夏休みには,また何かゼミ生同士の親交を深めるための機会を企画しましょう!
左上:なんと長友さん・伊藤君の企画でビンゴ大会が準備されていました!上中:やったー!アヒルのおもちゃ当たりました〜。右上:自撮りクイーンの撮影で記念写真!左奥の人はビールに夢中です。左下:翌2日目はあいにくの雨模様でしたが,そんなことではへこたれません!左中下:再び自撮りクイーンの主導で記念写真!飛騨の里でなつかし?のおもちゃを体験中です。右下2枚:カフェめぐりではチーズケーキやおしるこを堪能しました!
2014/2/26 背面跳びの指導に関する研究論文が早期公開されました! 日本体育学会の機関誌である「体育学研究」に投稿していた「背面跳びの踏切を遠くするための新しい方法論的アプローチの提案」という研究論文が受理され,早期公開されました!
この論文では,その表題にもある通り,背面跳びを行う選手がしばしば直面する「踏切がバーに近すぎる」という問題を解消するための新しい学習ステップ(指導法)を提案しました。踏切がバーに近い選手に対しては,助走のスタート位置を後方へと移動させて,その分だけバーから離れた地点で踏切るようにしなさいという指導がなされることが一般的です。しかし多くの場合には,助走のスタート位置を後方へと移動させても,選手は無意識のうちに助走の歩幅を広げてしまい,結果的にいつもと同じ位置で踏切を行ってしまうという事態が生じます。今回の論文では,なぜこのようなことが生じるのかということや,どのような学習段階を踏めば上で述べたような事態に直面することなくバーから遠く離れた地点で踏切ることができるのかということを,私自身の指導事例を基にしながら論じました。なお,論文はJ-Stage「体育学研究」上にてご覧いただけます。
今回の論文の執筆にあたっては,指導対象となった(当時)中学生の研究参加者や保護者の方々,そして日高市立武蔵台中学校の佐藤彩弥先生にご協力頂きました。皆さま本当にありがとうございました!
2014/2/15 第4回ハイジャンプ情報交換会を開催しました! 2月15日に横浜にて第4回ハイジャンプ情報交換会を開催しました。この会は,大学の大先輩である吉田孝久さんが現役生活を終えて大学院に戻られたのをきっかけに始めたハイジャンプ勉強会が出発点になっています。ハイジャンプ勉強会は吉田さんの大学院修了によって中断してしまいましたが,私自身の就職後には身近なハイジャンプ仲間を集めて毎年1回のハイジャンプ情報交換会を開催するようになりました。
この会はもともと大学時代のハイジャンプ仲間の同窓会を兼ねていましたが,回数を重ねるごとに口コミで参加者の輪が広がり,最近では出身校をこえて多くの方々に集っていただけるようになりました。そして第4回目となる今回は,会の開催そのものが危ぶまれるほどの大雪翌日の交通網の混乱のさなかにもかかわらず,走高跳をこよなく愛する合計16名の方々にお集まりいただくことができ,何とか情報交換会を開催することができました(足元の悪いなか,皆さま今回も本当にありがとうございました!)。
今回は,吉田さんや現日本記録保持者である醍醐直幸さん,そして義足のハイジャンパー・鈴木徹さんなどを指導された福間博樹先生に基調講演をお願いし,「少年の夢,大人の夢」というテーマで,叶わなかったご自身の競技者としての夢,大学院でのコソ勉時代,そして初任校での吉田さんとの運命的な出会いと指導者としての試行錯誤の日々などについてお話いただきました。どのお話も,皆の興味関心を引きつけ,また指導者を目指すわれわれを叱咤激励する内容で,皆が奮い立つ思いでお話に聞き入りました。
続いて,高校時代からの私のハイジャンプ仲間で大学院時代の後輩でもある安城学園高校の早川周吾先生に情報提供していただきました。今回,早川先生は,走高跳を専門とする選手を対象とした指導の成果や,チーム全体で取り組むことができる体力トレーニング,そして自分で考えて行動できる選手の育成に主眼を置いたチーム作りなどについてお話されました。参加者の多くはそれぞれが似たような経験や悩みを抱えていることもあり,共感しながら皆で早川先生のお話を伺いました。
以上の1部会の終了後にはモンテローザ系列店「魚民」に場所を移して懇親会を開催しました。二次会幹事は大学時代の後輩でモンテローザ所属の土屋光君にお願いし,皆で大いに盛り上がりました。今回,主催者としてとりわけ嬉しかったのは,今回の情報交換会にはこれまでになく多くの現役学生選手の方々にご参加いただき,しかもこのような新しい参加者間でハイジャンプ仲間の輪がさらに広がっていたことです。実際に,若手の参加者の方々は,二次会後にも独自の情報交換を楽しんでいたようでした。
今回も,皆さまのご協力を得て,ハイジャンプ情報交換会を成功裏に終えることができました。次回は節目となる第5回目を迎えます。新しい企画も考えてみようと思いますので,今後とも皆さまのご協力をお願いいたします!なお,第4回の詳細について興味のある方は渡辺までご連絡ください。
左上:福間先生にお話しいただきます。2020年東京オリンピックに向けて,皆で夢を追いかけよう!上中:早川先生がコントロールテストの結果についてお話されます。右上:皆で早川先生のお話に聞き入ります。左下:二次会幹事を担当してくれた土屋光選手。全国のモンテローザ系列店でアルバイト募集のために笑顔をふりまいています!下中:二次会でのひとコマ。(主として)若手チームが親交を深めています。右下:(主として)シニアチームは,福間先生や,二次会で乾杯の音頭をとって頂いたアトランタオリンピック代表選手の野村先生を囲んでハイジャンプ談義に花を咲かせました。 2013/12/18 ゼミで指導実習に取り組みました! 12月中のゼミで複数週にわたって指導実習に取り組みました。3年生を対象としたゼミが始ってから約半年がたちました。これまでの数週間にわたるゼミの中では,ゼミ生自ら「できない運動」やそこからの「上達の過程」を体験したり,自分が得意な運動を他者に指導するために既存の情報を整理したりしてきました。今回は,これまでの学習のまとめとして,それぞれが得意とする運動を取り上げて,自身の「わざ」を他者に指導する実習に取り組みました。
取り上げられたスポーツ・運動はバレーボール,パワーリフティング,サッカー,野球,ラグビー,ウォーキング,そしてバスケットと多岐にわたりましたが,それぞれが長年にわたって深めてきた経験を持ち寄り,指導を受ける側にとって非常に意義深い指導実習となりました。たとえば,野球の投球動作の指導に取り組んだ川本・若杉ペアは,投球フォームの段階的な指導学習を通じて,皆が(軽いボールながらも)見事なカーブを投げられるようになるという驚異的な指導成果を残し,皆を驚かせました。
また,ウォーキングの指導に取り組んだ長友・児玉ペアは,ウォーキング・フォームの段階的な学習指導に続いてファッションショーを取り入れました。同様に,バスケットのシュート動作の指導に取り組んだ角谷君は,シュート動作の段階的な学習指導からチーム対抗形式でのシュート合戦にまで踏み込みました。これらの2グループの例のように,それぞれのグループは,単に動きかたの習得に向けた段階指導を行うだけでなく,これまでの大学生活での学びをプログラム全体に反映させた,さまざまに工夫を凝らしたプログラム指導を展開しました。
さらに,今回の指導実習は,指導に取り組んだそれぞれが動きかたを指導することのむずかしさに改めて直面する機会ともなったようです。とりわけ象徴的だったのは,すでに十分な指導経験をもつ江藤さんでさえ,自分が考えた通りには学習指導が進まなかったという反省を残したことでした。また,パワーリフティングのベンチプレスのフォーム作りの指導に取り組んだ飯田・神田ペアも,「肩甲骨の使い方のコツをうまく教えられなかった…」と思い悩んだ様子でした。私としては,このような気付きこそが,今回の指導実習での最大の学習成果であったと感じています。
全員の指導実習終了後には,場所を名古屋に移してゼミではじめての懇親会をもちました。幹事を務めてくれた川本君の尽力のおかげで,今回は奇跡的にもゼミ生12名全員で集うことができました。懇親会では皆でわきあいあいと盛り上がったほか,角谷君がきめ細やかな気遣いを発揮するなど,それぞれが隠れた一面を披露しました。
皆さま,半年間のゼミ,そして指導実習お疲れさまでした!また,懇親会の幹事として奔走してくれた川本君をはじめ,皆さま今回はご協力ありがとうございました!来年度には卒論作成が始ります。来年度も皆で頑張っていきましょう!
2013/12/7 AGU High Jump Festival 2013 を開催しました! 12月6-7日に AGU High Jump Festival 2013 を開催しました。「体育指導実技B(陸上競技)」の走高跳の授業では全員が背面跳びの学習に取り組みますが,それまでやったことのない背面跳びが「できる」ようになったり,「できる」ようになった背面跳びで仲間と競い合ったりすることは学生さんたちにとって非常に楽しいことらしく,学生さんたちは授業日の空き時間や休日にまでグラウンドに出てきて走高跳を練習するようになりました。それなら皆で走高跳をさらに楽しむことができる機会を作ろうと,今回,春学期の履修者と秋学期の履修者が合同で参加できる走高跳の競技会を開催しました。
金曜午前の授業の空き時間と土曜午後の2度にわたる競技会への参加機会を設けたところ,延べ16名の学生さんが自身の都合のつく方の競技会に出場し,男子の部,女子の部,そして自己ベストをもとにした男女合同のハンディ・マッチで競い合いました。今回は,ドイツの走高跳の競技会(Hochsprungmeeting mit Musik)を参考に,音楽をかけながら皆で走高跳に取り組みましたが,幸い天候にも恵まれて,8名の学生さんが授業時に記録した自己ベストを達成または更新するなど大いに盛り上がりました。さらに,女子の部では,春学期に陸上競技の授業を履修した学生さんが自身のもつ 1.33 m のコースタイ記録をマークして,他の参加者たちを驚かせました(下)。
また,土曜日の午後には,学生さんたちの競技会に加えて,私の古くからの走高跳仲間や本学の陸上競技部で走高跳を専門としている学生さんに声をかけてエキシビジョン・マッチも行いました。時間の都合などで学生さんの多くは見に来ることはできませんでしたが,走高跳を生涯スポーツとして(?)楽しんでいるわれわれエキシビジョン・マッチの参加者はそんなことはお構いなしに皆で走高跳を楽しみました。エキシビジョン・マッチの後半には瑞陵高校の赤井先生が 2 m ジャンプを達成しましたが,幸運にも見学に来ることができた学生さんたちは目前で繰り広げられる自分たちとは異次元の走高跳の世界にまさに目を丸くして見入っていました。
元気いっぱい走高跳を楽しんでくれた学生さんたちや準備を手伝ってくれた学生さんたち,(緊張のあまり十分に調整して臨んでくれた)根木孝輔君(愛知学院大学陸上競技部),さらにはお忙しいなか,そして遠方にもかかわらずかけつけてくれた佐野主学さん(名古屋国税局),赤井裕明先生(愛知県立瑞陵高等学校),早川周吾先生(安城学園高等学校),小林徹哉先生(三重県立いなべ総合学園高校)のおかげで,“AGU High Jump Festival 2013” は盛会のうちに終了しました。参加してくれた学生さんたちにとって,今回は陸上競技を授業以上に深く学び,楽しむことができる機会になりました。皆さま今回は本当にありがとうございました!学生さんや先生方からは「またやりたい!」という話がありましたので,暖かくなったら次回を企画したいと思います。
左上 2 コマ:“AGU High Jump Festival 2013” のプログラム。左上 3 コマ目:試合開始!右上 2 コマ目:大幅自己ベスト惜しくもならず…。右上 1 コマ目:身長が低くても全身をいっぱいに使って踏切ります。自己ベスト 7 cm 更新!中左 3 コマ:男子上位 3 名。春学期に陸上競技の授業を履修した 1.70 m の男子コース記録保持者は今回は惜しくも第 2 位に終わりました。中右 1 コマ目:女子上位 3 位入賞者。審判は自分たちで交代で行います。男子の優勝争いの高さは…「私たちの身長と一緒だ!高い!!」左下:赤井先生の 2 m ジャンプ。間近ではじめて見る 2 m ジャンプを学生さんたちはすかさずスマホでムービー撮影していました。右下:エキシビジョン・マッチ終了後に皆で記念撮影を行いました。皆さまお疲れさまでした!
2013/10/26 XII ENSSEE Forum において研究発表を行いました 10月23-26日にオランダの Hanze University of Applied Science Groningen で開催された XII European Network of Sport Science, Education & Employment (ENSSEE) Forum において研究発表を行いました。今回は事務局側のちょっとした手違いでアブストラクトの受理通知がフォーラム開催の間近になり,アムステルダム行の航空券を押さえることができなかったため,航空便を乗り継いでドイツ・ブレーメンまで行き,そこから列車とバスを乗り継いでオランダ・フローニンゲン入りする強行軍となりました。ただ,そのおかげ(?)で,これまでに見たことのない多くの風景に出会うことができました。
私は ENSSEE Forum には今回はじめて参加しましたが,ICCE のペトロビッチさんなど,AIESEP World Congress や ICCE Global Coach Conference を通じて顔見知りになっていた何名かの方とは久しぶりの再会を果たすことができました。また,参加者には多くの隠れハイジャンパーがおり,フィンランドの先生からは来年度の学会にお誘いいただいたり,スウェーデンの先生とは先生が若いころの憧れの名ジャンパー,ベンクト・ニルソンの話やスウェーデンのお家芸である走高跳の最近の動向の話でもり上がったり,ベルギーからみえたドイツ人女性のコーチの方からはベリーロール時代に活躍したもうすぐ70才のシュピールフォゲルさんがまだ試合で跳んでいるという嬉しいニュースを聞いたりと,走高跳を媒介として新たに多くの方と知り合うことができました。
今回のフォーラムでは,“New teaching program of the flop technique in the high jump: A case study” という題で,科研費の助成を受けて私が継続的に取り組んでいる初心者指導を対象とした背面跳びの学習指導プログラムの開発に関する研究発表を行いました。ベルギーからみえた女性コーチの方からは,発表中にも発表後にも熱心に質問をいただいて,私のつたない英語ながらも十分な意見交換を行うことができました。また,オランダの高校の授業でご自身も背面跳びを指導されているヤープさんとは,フォーラムの終了後にそれぞれの指導実践のビデオ映像を突き合わせながら背面跳びの指導に関する多くの情報交換を行うことができました(ヤープさんには,フローニンゲンのミニ・シティーツアーを兼ねてホテルまでお送りいただきました。)。
今回も語学力不足を大いに思い知らされましたが,それでもなお新たに知人ができたり,十分な情報交換・意見交換ができたりと,たいへん実り豊かな出張となりました。帰国後には疲れからか風邪をひいてしまい少々大変な思いをしましたが,今後も機会があれば海外での研究発表には積極的に取り組んでいきたいと思います。
左上:ブレーメンからフローニンゲンに至るまでの車窓から見た風景。農村地帯をバスで移動するうちにいつの間にかオランダ入りしていました(看板の意味がまったく分からなくなった…)。列車・バスの車窓からは多くの風力発電施設を見ることができました。ヨーロッパにおけるエコ意識の高さはこのような光景を目の当たりにしたことに加えて,フォーラム参加者の多くから「なぜ日本は原子力発電をやめないんだ?」と尋ねられ(叱責され!?)たことからも実感しました。上中:フローニンゲン中央駅からフォーラム会場までの道のりの一風景。さすがにオランダだけあって,街中には運河がゆったりと流れていました。右上:フォーラム会場までの道中で,『人間の姿勢と運動に関する一般理論』の著者,F. J. J. Buytendijk が勤めたこともあるフローニンゲン大学がいきなり現れました。左下:うってかわってフォーラム会場の Hanze University Groningen の Willem Alexander Sportcentrum はきわめて近代的(まるでバルタン星人)な建物でした。下中:いよいよ研究発表。ベルギーからみえたコーチには熱心な質問をいただきました。右下:フライトまでの待ち時間にちょっと散歩に訪れたブレーメン大学。荒野にたたずむこの大学は某母校(体芸棟!?)を思い起こさせました。
2013/10/30 若手研究者の情報交換会を開催しました!! 10月某土曜日の午後に,主として体育の教員養成に携わる知り合いの若手研究者の方々とともに情報交換会を開催しました。この会は,それぞれ専門分野が異なる研究者が,自身の専門を生かしてどのような教員養成を進めているのかを紹介し合うというものです。私はまだまだ知識や経験が不十分なため,手探りで教員養成にあたらざるをえない状況にありますが,まわりの大学を見渡してみれば,類似の立場にあると思われる若手研究者の方も多くいらっしゃることに気づきました。ならば,お互いが実践で直面している困難やその解消法を紹介し合えば,それぞれがよりよい教員養成を進めるヒントを得られるのではと考えて,今回,このような会を企画しました。
今回は,日ごろから情報交換をさせて頂いている至学館大学の村山先生に加えて,出身大学や研究領域が異なる先生方,さらには学校現場や教育委員会の先生方にも声をかけさせていただきました。その結果,会の趣旨にご賛同いただくことができ,なおかつそれぞれご多忙中にもかかわらず幸運にもご都合がついた10名の先生方にご参加いただくことができました。また,参加者のうち,体育科教育学がご専門の村井 潤 先生(武庫川女子大学)と加登本 仁 先生(滋賀大学),そしてスポーツ運動学がご専門の村山先生には,ご多忙中にもかかわらず無理を言って情報提供をお願いし,私を含めた4名がそれぞれ自身の勤務校で取り組んでいる教員養成の実践を紹介しました。
トッププレゼンターを務めていただいた村井先生は,まず,小学校教育実習で体育科の授業を担当できるのは1割強の学生でしかなく,かつ学生が履修する体育科にかかわる授業科目は「教科に関する科目」1コマと「教職に関する科目」(各教科の指導法)1コマの計2コマ程度でしかないという初等教職課程の現状を報告されました。その上で,村井先生は,小学校教師に必要な体育科の指導力を身につけさせるためにはこれらの科目間に関連を持たせることが重要であることを強調されるとともに,ご自身が担当されている教職に関する科目(指導法)における授業の工夫を紹介されました。この話題提供を受けて,私たちは,教職に関する科目と対をなす,1コマしかない教科に関する科目では何を教えるべきなのかについてそれぞれの立場から意見を出し合いました。
続いて村山先生が動きかたの観察力について話されました。村山先生はまず,前転という単純な技でさえきわめて深い技術内容をもつことを力説されました。これに続いて村山先生は,生徒の前転の実施に際して,一般的な視点からはふつう多くても2,3の課題点しか見出すことができないという(われわれにとって耳の痛い)事実を指摘されるとともに,専門家の視点からはきわめて多くの課題点を一瞬で見抜くことができるという驚異的な観察力の実態を報告されました。この報告を受けて,私たちは,体育の指導にかかわる教師に必要な運動観察力を養成するために教職課程ではどのような取り組みがなされるべきなのかということについて意見交換を行いました。
さらに加登本先生には,初等体育科教育法の授業における工夫についてお話しいただきました。加登本先生は,大人数の受講生を対象とした初等体育科教育法の授業に,理論学習に加えて模擬授業を取り入れることを試みられていますが,この模擬授業の実施に際しては,受講生から前もって提出された指導案を「まっ赤にして返却する」という徹底した取り組みをされています。さらに加登本先生は,強いこだわりをもって,受講生たちが教科目標の歴史的な変遷をも踏まえて現状の学習指導要領のあり方を相対的にとらえられるようになる授業展開を工夫されているとのことです。
最後に私が本学で取り組んでいる教員養成について報告しました。ここまでに実情をご報告いただいた各大学の場合と同様に,本学も,教職課程としてはスタッフやカリキュラムなどの面でいろいろな限界を抱えています。このような限界を抱える中で,本学では,教職を志望する学生さんには,正課に加えて授業外でも,−しかも正課とこの課外活動との間で十分な関連をもたせながら−,体育教師に要求される能力の養成に向けた各種の取り組みを行っています。今回は,これらの取り組み内容とその成果と課題について,映像を交えながら紹介しました。
時間不足というアクシデントもありましたが,今回は,情報提供を行った研究者が自分の置かれた状況において全力で教員養成にあたっている現状を知ることができ,お互いにとって励みになる会になりました。また,今回,異なる専門と課題をもつ先生方にお話し頂いたことで,時間が限られ,かつ多くの受講生を対象とする中でたしかな指導力を身につけさせる授業のヒントや,教科の専門性をより高めるための授業のヒントを,参加者全員が得ることができたように思います。「とりあえず集まろう!」と準備をはじめた情報交換会でしたが,ご参加頂いた先生方,また情報提供頂いた先生方のおかげで,このように「かなり内容の濃い研究会」(村井先生の証言)になりました。(会の運営をお手伝いしてもらった学生さんたちにとっても良い勉強になったようです。)
さらに,情報交換会の終了後には会議室から「名古屋コーチン 弌鳥」に移動して皆で懇親会を持ちましたが,こちらも(こちらの方が?)皆でざっくばらんに話し合うことができ,大いに盛り上がりました(あまりに盛り上がりすぎてしまい,かつ主催者のマネジメント力不足も手伝って,気づけば4時間ほどが経過してしまっているというハプニングもありましたが…)。今回は,いろいろな意味で,各自にとって刺激の多い情報交換会になりました。さっそく「次回もやろう!」というお話を頂きましたので,頃合いを見て,さらなるアイデアを盛り込んだ実り豊かな情報交換会を企画したいと思います。情報提供して頂いた先生方,ご参加いただいた先生方,さらに会の実施に協力いただいた学生さん,皆さま本当にありがとうございました!
左上:村井先生の情報提供に皆で耳を傾けます。右上:村山先生が動きかたの観察にもいろいろな階層があることを説明します。左下:加登本先生がご自身の模擬授業における取り組みを紹介します。右下:懇親会では時間を忘れて皆で大いに盛り上がりました!
2013/10/10 ゼミが始まりました! 秋学期に入り早くも4週間がたちました。秋学期からは3年生を対象としたゼミも始まりましたが,スポーツ運動学研究室を選択してくれた12名のゼミ生の皆さんは,目下のところ,運動の習熟位相の展開を体験する実習に取り組んでいます。今年の3年生は私が担当した「運動学(運動方法学を含む)」の授業を受講していませんので,教員もゼミ生の皆さんもまさに暗中模索の状態でゼミに取り組んでいますが,まずは運動学の基本である「自分の運動経験をもとに考える」をモットーに,毎回,熱心に試行錯誤を繰り返しています!
2013/9/25 丸井先生より図書をお送りいただきました! 丸井 一誠 先生より『誰でも教えられる!ハンドボール』をお送りいただきました!
丸井先生のご専門はハンドボール,スポーツ運動学,そして体育科教育学です。丸井先生とはわれわれが大学院生の頃からスポーツ運動学の学会を通じて情報交換をさせていただいております。会員の多くが体操競技を専門としているスポーツ運動学会では丸井先生も私もいわば少数派でしたので,学会大会の折には少数派同士で寄り添って研究の進捗状況などについて相談し合っていました。また,就職後には丸井先生も私も体育科教育分野の関連学会に参加するようになり,最近では二人ともスポーツ運動学の知見を活かした体育授業づくりにも関心をもって研究を進めています。
平成20年改定の小学校学習指導要領より,ハンドボールはゴール型のボール運動としてバスケットボールやサッカーに替えて指導できることになりました。このため,小学校の教師はハンドボールをより多くの場面で指導できるようになりましたが,やはりハンドボールはバスケットボールやサッカーに比べて多くの教師にとってなじみの薄いボール運動であることは否めません。そこで,日本ハンドボール協会普及部の学校体育ハンドボール検討専門委員会では,今回,長年に渡る取り組みの成果を取りまとめ,誰でもハンドボールを教えられる指導書として出版することになったそうです。
丸井先生は大学院生の頃より小学生を対象としたハンドボールの学習指導に関する研究を進められ,今回はその専門性を生かして本書の編著にあたられています。本書ではハンドボールの魅力が端的にまとめられているほか,指導者が小学生を対象としたハンドボールの学習指導をすぐにでも展開することができるよう,ハンドボールの学習指導の要点が多数の教材例とともに分かりやすく示されています。さらに本書では,スポーツ運動学の知見に基づいてこれら多くの教材が整理されています。このため本書は,手軽に読むことができる小冊子であるにもかかわらず,単なる教材集にとどまらない本格的な指導書の性質をも帯びています。
私は球技が得意ではありませんが,来年度にはボール運動の指導にチャレンジすることになりましたので,今回いただいた図書を手にボール運動の指導と格闘してみようと思います。今回は価値ある図書をありがとうございました!
2013/07/17 原書講読会を行っています! スポーツ運動学研究室では有志数名と原書講読会を行っています!現在のテキストは Scammon, R. E. の ”The measurement of the body in childhood” (1930) 。この論文では,有名な「スキャモンの発達曲線」が発表されています。「スキャモンの発達曲線」は,わが国におけるジュニアスポーツの指導理論の中でも重要な意味を担わされています。しかし,これらの指導理論の中では,Scammon による本来の理論が適切に継承されているのでしょうか?このような疑問を出発点に据えながら,現在のジュニアスポーツの指導理論の根拠が妥当であるのかどうかを検討することをねらいとして,今回はこの論文を講読会のテキストとして選びました。
スキャモンの発達曲線は「運動学(運動方法学を含む)」の講義でも取り上げられています。この講義で原書講読会への参加希望者を募ったところ,熱心な8名のメンバーがさしあたり集うことになりました。教員も学生さんも多忙ですので,皆の都合をふまえて,講読会は毎週水曜の朝8:00から開催することになりました。私を含め,大学近隣に住んでいる参加者についてはこの時間設定は大したことはありませんが,参加者の中には「朝5時前に起きてきました!」や「大学行きのバスの始発が間に合わないので,毎回10分間だけ遅刻してでも参加していいですか?」と言う学生さんたちもいて,皆の「勉強したい」という意欲には毎回,圧倒されています。
この勉強会は,まずは腕慣らしとしての英会話の練習からスタートします。ここ一週間の間に出会った自分にとってメモリアルな出来事を皆に英語で紹介します。英語を母国語としない外国人の方を見習って,まずは文法や単語が間違っていても気にしない!とにかく,自分の言いたいことを自分が知っている英語を使って伝えきります。ちなみに、この時間だけは先生を呼び捨てにしても大丈夫。和やかな雰囲気の中で,皆が言いたい放題,発言していきます。おおよそ30分ほどの会話練習を終えたら,気持ちを切り替えてテキストの厳密な講読に移ります。こちらはうって変わって慎重に!一語一句,読み誤らないように確実に読み進めます。このため,講読はなかなか進みませんが,学問の世界ではこのような地道な積み重ねが大切です。
スポーツの指導能力を身につけるためには,たしかに,実践現場に出て多くの経験を積むことが大切です。しかし,これからのスポーツ文化を創り,そしてスポーツの側から現代社会をリードしていくことができる指導者になるためには,単に現場で経験を積むだけでは十分ではありません。そのためには,自分の指導とその成果を俯瞰的にとらえ,その成果に対して冷静に評価を下すことができること,そしてさらに,自分の信念とたしかな知識に基づいて,時には現場の常識を批判的にとらえ直すことができることが必要です。本研究室では,学生さんたちが自ら成長していくことができる能力を身につけられるよう,多面的な教育研究活動を進めていきます!
左上:和やかな雰囲気で勉強会はスタートします。皆,会話練習の時間は言いたい放題!右上:講読会スタート!一気に雰囲気が切り替わります。左下:原書講読の三種の神器。テキスト,辞書・辞典,そして筆記用具。いつ読み返してもすぐに勉強の成果に到達できるよう,訳文はテキストと見開きで対照できるように蓄積していきます。右下:必要に応じて原文の意味内容と文章構成を図式的に示しながら解説します。
2013/07/06 赤井先生に教員採用試験に関するお話を伺いました! 7月6日(土)の午後に愛知県立瑞陵高等学校教諭の赤井先生をお招きし,教員採用試験に関するお話を伺いました!赤井先生は私の大学時代の1年後輩にあたりますが,実は,赤井先生との出会いは中学生時代にまで遡ります。当時,同じ愛知県西三河地区の中学校に通っていた私たちは地区の試合で顔を合わせるライバルでした。高校時代に,赤井先生は全国優勝するまでに急成長し,競技成績の面では差がついてしまいましたが,偶然にも,(というか大学1年時に自分の通う大学に強く誘った記憶もありますが),同じ大学に進学してきた赤井先生とはまるまる4年間おなじチームで練習をともにしました。大学卒業後には,赤井先生は一般企業に2年間務められた後,2008年に神奈川県高校教諭として採用され,2012年からは地元の愛知県で高校教諭として勤務されています。
今回,赤井先生をお招きしたきっかけは,教採を目前に控えた学生さんたちから切り出された「もっと面接練習をしてほしい!」という要望でした。この要望を受け,「私は教採を受けたことがないけど大丈夫なのかな…」とぼやきながら面接練習を始めましたが,面接練習後に学生さんたちの質問に答えながら,教採未経験者ではやはり対応しきれないことも多いことを実感しました。ならば経験者に聞いてみようと思いつき,赤井先生に経験を話してもらえないか打診したところ,赤井先生は二つ返事で引き受けてくれました。こうして今回,休日にもかかわらず赤井先生に大学までお越しいただき,有志7名,水藤先生,そして渡辺でお話を伺うことになりました。
赤井先生は,何と教採に4回(!)も合格したという変わった経験をお持ちです。その上,赤井先生ならではの話術も手伝って,学生さんたちは皆,赤井先生のお話に本当に熱心に聞き入っていました。実際に,赤井先生のお話は,保健体育教諭を目指す学生さんたちだけでなく,養護教諭を志望する学生さんたちをも引きつける不思議な魅力を持っていました。さらに赤井先生には,集団討論の練習にまでお付き合い頂きました。私に限っては,単に集団討論という試験を経験したことがないというだけでなく,長年のソロ活動がたたって皆での会話を盛り上げることがとても苦手で,集団討論の練習を適切に指導することなどとてもできませんが,赤井先生は教採に4度も合格され,そして高校教諭として5年以上も勤務されているだけあって,とてもためになる的確な助言をいただきました。赤井先生のきめ細やかなご指導は,私たち教員にとってもまさに目からうろこの連続でした。
今回は,学生さんたちが本当に良い勉強をさせて頂いたことに加え,教員養成に携わる者でありながら公立学校の教員として勤務したことがない私たちにとっても,教諭という仕事の実際をより良く理解する上でとても良い機会になりました。今回は,お忙しい中にもかかわらず,貴重なお話を本当にありがとうございました!
左上:赤井先生から教採受験時の経験を伺います。走高跳のトップ選手だけあって,立ち姿勢さえ参考になります。右上:皆,熱心にお話に聞き入ります。左下:時おり盛り込まれるユーモアに,学生さんたちの表情もほころびます。右下:集団討論をご指導いただきます。折々での的確なご指導には私たち教員も脱帽です。
2013/07/05 村山先生が器械運動練習会にゲスト参加しました! 7月5日(金)に行った器械運動練習会に村山先生(至学館大学)がゲスト参加しました!村山先生は体操競技とスポーツ運動学が専門で,私の大学院時代の研究仲間にあたります。私たちは,誕生日,血液型までまったく同じという驚きの共通点を持ち,大学院生当時は,毎日のように研究に関する情報交換・意見交換を行ったり,勉強会をもったり,お互いの部屋を行き来して夕食をともにしたりと,かなり長い時間を一緒に過ごしました。人あたりのとてもよい村山先生ですので,「性格に関しては真逆だね」と私はつねづね公言しているところですが,やはり似たような運命をたどる仲なのか,関東圏内の大学に助手職を得て同じ年に母校を離れました。そして現在では,お互いに愛知県内に専任職を得て,ふたたび頻繁に情報交換を行うことができるようになりました。
教職志望者が中心となって取り組み始めた器械運動練習会も今回で9回目の開催となり,この間,参加者も徐々に増えてきました。また,回数を重ねるごとに,参加者はいろいろな技(伸膝前転,倒立前転,伸膝後転,後転倒立,前方倒立回転跳び,後方倒立回転跳び,後方宙返りなど)に挑戦し,それぞれがかなり上達してきました。私たち専門外の教員(水泳・水藤先生,陸上競技・渡辺)も,熱心に練習に通ってくる学生さんたちを何とかリードしなければと,毎回,学生さんたちとともに新しい技に挑戦したり,指導に困るたびに村山先生に電話でポイントを聞いたりしてきました。しかし,上達の早い熱心な学生さんについては,技能面では(教員2名のうち少なくともいずれかが)何とかリードできても,指導面ではどうしても手に余るという嬉しい悲鳴をあげていました。
そんな中,今回,ひょんなきっかけから村山先生に練習会(練習会終了前の約30分間)にゲスト参加していただけることになりました。挨拶もそこそこに,学生さんたちの「見せて見せて!」という要望に応えて,村山先生はまずは「とび前転」を示範してくれました。専門外の私たちが見せる見本とは別次元の技に,学生さんたちからは歓声とも悲鳴ともとれる驚きの声が上がりましたが,その感動的な技に触発されて,その後の皆の練習には一層熱が入りました。村山先生にはあつかましくも学生さんたちの指導をお願いしてしまいましたが,一人につきほんの2,3分間の指導であるにもかかわらず,学生さんたちの技はみるみるうちに変化していきました。
今回,村山先生の高い実技指導力を目の当たりにして,高い専門性をもつことの価値,そして指導者養成機関において,実技力だけでなく,たしかな実技指導力を養成する必要性を改めて実感しました。村山先生とは,練習後には夕食をともにしながら約5時間にわたって意見交換を行いましたが,本研究室では,今後も,村山先生をはじめとする多くの先生方と密接に連携しながら,実質的な実技指導力の養成に向けた研究教育活動を進めていきたいと考えています。
今回は,お忙しいなか本当にありがとうございました!
左上:学生さんの跳び前転。中上:教員(専門外)の跳び前転。種目がら,なかなかつま先が伸びません…。右上:村山先生の跳び前転!左中:後方倒立回転跳びをご指導いただききます。この日に練習をはじめましたが,一気に「できる」ようになりました。真中:後方倒立回転跳びにもいろいろな幇助の仕方があります。右中:ほんの数分の手ほどきで水藤先生が後方宙返りに成功!水藤先生もびっくりです。左下:村山先生に伸膝前転のお手本を見せていただきます。自分たちとはまったく別次元の出来栄えに,皆が息を飲んで注目します。中下:伸膝前転をご指導いただきます。「ゆりかご」で腰のまげ伸ばしを覚えることが大事!右下:前方倒立回転跳びの着手のポイントを教わります。何気ない一瞬でもつま先が伸びていますね。
2013/06/22 第2回ハイジャンプ練習会を行いました! 6月22日土曜日の午前中に,愛知中学校陸上競技部の皆さんと第2回ハイジャンプ練習会を行いました。2回目の背面跳びの練習でしたが,皆,見違えるように上達しました。また,今回は,教職を目指す学生さんたちの勉強もかねて,(あわせて,私が腰痛気味だったこともあり…),練習会のサポートを申し出てくれた学生さんたちにウォーミングアップとコントロールテストの指導をお願いしました。学生さんたちは,中学生の皆さんとより打ち解けられるよう,お互いの自己紹介の時間を設けたり,ウォーミングアップにアルティメットを取り入れたりと,いろいろ工夫を凝らしてくれました。皆,即座に中学生の皆さんの名前を覚え,積極的に指導・サポートにあたってくれました。以下はサポートにあたってくれた学生さんの感想です:「中学生の皆さんが自己紹介をしてくれたことで,私たちも皆さんの名前を覚えることができ,ひとりひとりにアドバイスなどの声かけを行いやすくなりました!とても暑い中でしたが,皆で楽しく練習を行うことができて本当に良かったです。ただ,練習内容を切り替える時に全員に声が届かなかったり,次の練習内容の準備に少し時間がかかってしまったりしたことなど,いくつか反省点もありました。そこで,次回こそはより良い指導を行うことができるよう,日頃からしっかり勉強・準備していきたいと思います。また,ぜひ練習に来てください!」
今回も,とても貴重な機会を本当にありがとうございました!
左上:側方倒立回転をおさらいします。学生さんが手取り足取り教えます。中上:変形ダッシュ。山盛先生爆走中!右上:あれっ,お姉さんが来ない。(お姉さん)「待ってー!」左中:段階的に背面跳びを練習します。真中:次の学習ステップへ。勢いのある助走から思い切って跳びあがります!右中:いよいよ背面跳びにチャレンジ!とても良い踏切です。左下:背面跳びもほぼ完成。あれっ,山盛先生がマークだらけです。なぜでしょう?中下:皆,2回目の練習でおおよそ背面跳びをマスターしました。次回は記録会でしょうか?右下:今回も練習後に記念写真を撮りました!
2013/06/06 安藤 秀 先生より新著をお送りいただきました! 日常的に情報交換をさせていただいている安藤秀先生より,6月出版の新著『野球に革命を起こすバッティング理論』(現代書林)をお送りいただきました!
安藤先生は立教大学硬式野球部のご出身で,卒業後いったんは一般企業に就職されましたが,一念発起して脱サラし,ゴルフ界に入られました。その後,安藤先生は2000年には日本プロゴルフ協会のA級ティーチングプロの資格を取得され,2002年には筑波大学大学院体育研究科(スポーツ運動学研究室)に入学されています。安藤先生は,ゴルフレッスンの仕事を続けながら,毎週1回,川崎からTX開通前のつくばまで通い,私の恩師でもある朝岡正雄先生の研究指導を受けるという生活を5年間続けられました。そして2007年には,安藤先生は博士(体育科学)の学位を筑波大学より授与されています。大学院修了後には,安藤先生は精力的に著書を出版されるほか,ご自身が博士論文でまとめたスイング・コンセプトをベースとした指導者養成にも積極的に取り組んでおられます。
安藤先生には学生時代から仲良くして頂いておりますが,朝岡先生に声をかけていただいて私がスポーツ運動学研究室に入浸りはじめたのは大学2年(2002年)の秋頃ですから,安藤先生と私とのお付き合いもすでに10年以上に及んでいることになります。真っ黒に日焼けしたどこから見ても体育会系の安藤先生が,レッスンの合間にまとめた論文原稿と通学時間に読む学術書を脇にかかえて研究室に通ってみえる姿には,学生ながらに「コーチング学の研究者とはこうあるべきだ」と大いに影響を受けました。また,安藤先生とは,2008年1月に札幌で開催された国際学会を皮切りに,韓国(2008年11月),カナダ(2009年11月),スペイン(2010年10月),フランス(2011年8月)など,多くの国際学会遠征にご一緒させていただいておりますが,お会いするたびに実践,研究,英会話ともに新しいステージに進まれている安藤先生からは,私自身,いつも良い刺激を頂いております。
韓国遠征時のひとコマ::左から安藤先生,渡辺,ヌノムラ先生(サンパウロ大学),金谷先生(筑波大学),村山先生(至学館大学),洪先生(筑波大学スポーツR & Dコア)。
ゴルフスイングに関する安藤先生の一連の著書はたいへんな反響を受けておりますが,その読者からの「野球のバッティングにも同様のスイング理論がほしい」という要望に応えて,今回,安藤先生は,ゴルフのスイング理論を野球のバッティングに応用することを試みられています。ご自身も書かれているように,ゴルフスイングとバッティングの間には多くの相違点がある一方,共通点も多くあります。それゆえ当然のことながら,ゴルフスイングを対象とした厳密な分析から得られた知見は,バッティングの指導を行う上でのヒントにもなりえます。しかも,安藤先生は長年にわたって野球に専門的に取り組んでこられましたので,往年の名選手(や子どもの頃の仲間)のバッティングの特徴や野球界の指導上の課題点についても知り尽くしてみえます。このため,野球のバッティング指導にかかわる方々にとって,安藤先生による今回の著書は興味深い情報源となることは間違いありません。さらに言えば,競技種目間の共通性や相違点を明らかにしていくことは,一般理論としてのスポーツ運動学にとっても重要な研究課題のひとつとなっています。この意味で,今回の安藤先生の著書は,野球やゴルフの指導に直接的にはかかわりのない私にとっても非常に興味深い1冊となりました。
この度は,貴重な著書をお送りいただきまして,本当にありがとうございました!
2013/05/25 ハイジャンプ練習会を行いました! 5月25日土曜日の午前中に愛知中学校陸上競技部の皆さんを対象としたハイジャンプ練習会を行いました。この練習会は,愛知中学校の山盛雄高先生からのご依頼により実現しました。山盛先生は,生徒さんたちとともに一緒に練習されるだけでなく,練習会の実施に先立って自分でも背面跳びを練習されるなど,生徒さんたちのためにいつも全力を尽くす「熱い」先生です。私自身,山盛先生をとても尊敬しています。ハードルの自主練習に来た健康科学科の学生さんたちにも勉強をかねて指導をお手伝いしてもらいましたが,学生さんたちにとっても非常に有意義な時間になったようです。以下はサポートにあたってくれた学生さんの感想です:「これまでの大学生活では運動を指導できる機会はあまりありませんでしたが,今回,皆さんの練習のサポートをさせていただき,私自身とても充実した時間を過ごすことができました。また,機会がありましたら是非お手伝いさせて下さい!」
後日,山盛先生からは,何と練習の様子を撮影した映像のDVDまで送っていただきました。DVDを見させていただくことで,生徒さんたちの上達の様子を確認したり,自分自身の指導を振り返ったりすることができ,私自身とても勉強になりました(自分の側方倒立回転が下手だということも認識できました)。
今回は何から何まで本当にありがとうございました!
左上:なわとびでウォーミングアップを行います。なわの高さがだんだん高くなります。左下:ハードルドリルもウォーミングアップに取り入れました。大学生のお姉さんたちも一緒に頑張ります。中央上:「川跳び」を練習中。勢いをつけて身体を起こして大きくジャンプ!右上:はさみ跳び,かと思いきやスコッチスタイル!天然記念物級に珍しい跳びかたです。中央下:はじめての背面跳び!段階的な練習を経て,みんなで背面跳びにチャレンジしました。右下:練習後にはみんなで記念写真を撮りました。ハイ,ポーズ!
2013/05/17 ハードル・器械運動の練習会を行いました! 5月17日金曜日の2時限目にハードルの練習会を行いました。この練習会は,ハードルをもっと練習したいという学生さんたちの自主的な申し出により実現しました。皆,90分の練習で見違えるほど上達しました。私たちは,皆さんの「もっと上達したい」という思いを応援します。今後も,自主練習の申し出には時間の都合がつけば対応していきます。
左:抜き脚の練習中。中央:ハードルをだんだん高く,インターバルをだんだん広くしていきます。右:これらのハードルは手作りです。ぶつけても痛くなく,かつ高さを簡単に変えることができます。
また,同じく金曜日の5時限目には,教職志望の有志と水藤先生,渡辺で器械運動の練習会を行いました。今年度に入って第3回目の開催になります。
左上:倒立ひねり,「あれ?足をどっちに動かしていいか分かんない」!( 「できない」 学習者を教えられるようになるには 「できない」 学習者の立場から見た運動を十分理解しておくことが必要です。指導者を目指す上でとても良い経験になりましたね。)中央上:水藤先生が伸膝前転のお手本を見せます。教員も毎回新しい技に挑戦しています!右上:伸膝前転できた!左下:伸膝前転の特訓中。あとちょっと!前方倒立回転跳びはできるのに伸膝前転は地味に難しい…。右下:がまんしてがまんして…倒立前転!
実技指導力を身につけるには,運動が「できる」ようになった上で,さらに「教えるために学び直す」ことが必要です。私たちは,引き続き,実技指導力の向上を目指した各種の活動に取り組んでいきます。 2013/05/08 連携研究者・指導者の先生方(一部)の紹介を追加しました! 「研究室紹介」 に連携研究者・指導者の先生方(一部)の紹介を追加しました。もう少し時間ができたら、それぞれの先生方の紹介を 「ニュース」 の中でさせていただきたいと思います。 2013/05/06 研究室ホームページを立ち上げました! 着任から1か月がたち,授業準備にも少しずつ慣れてきました。ちょうど,プチ・ゴールデンウィーク(本学は4月29日,5月6日は授業日ですので,ゴールデンウィークといっても3連休だけでした)に入りましたので,この期間を利用して研究室のホームページを作成しました。これから可能な限りこまめに更新していきたいと思います。