4.Q.「人工唾液とは」
A.琉球大学医学部歯科口腔外科学講座 教授 砂川 元
助教授 平塚博義
人工唾液は、口が渇くこと(口腔乾燥)によって咀嚼、嚥下や会話などの口腔機能が損なわれた人の治療に用いられるエアゾール剤であり(写真1)、本剤を口腔内に噴霧することにより口腔の湿潤状態が保たれることから口腔機能の改善が得られる。現在、わが国では「サリベート(Saliveht)、(商品名)」が多く用いられている。「サリベート」は無色透明の液でほとんど臭いは無く、わずかに甘みを有する。1缶中に50gの内容量を有し、炭酸ガスを噴射剤とした表1のような組成を有し、滅菌水を溶剤としている。主成分の他に、添加物としてD-ソルビトール(甘みを加える)、カルボキシメチルセルロース(粘性を与える)を添加し、保存剤として安息香酸ナトリウムおよびソルビン酸が加えられている。通常、1回1-2秒間口腔内に噴霧し、1日に4-5回の噴霧を限度とする。使用の際には、缶を垂直に立てて使用し(写真2)、噴霧不良を起こす原因となるので斜めにした状態では使用しないよう注意する(写真3)。
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