チョーク攻撃もうできない?!

---プロジェクター(テレビ)を併用した画像の提示---

 

黒板はやめよう

 学校の先生のイメージというとよくドラマで黒板に先生が板書をしながら生徒に背中をむけていると、生徒は見られないことをいいことに早弁するとか、麻雀するとか、携帯電話するとか、マンガを読むとかいうことをしていますよね(って、私もよくマンガを読んだり、早弁をしていましたね、特に土曜日の地学の時間。橋本先生、ごめんなさい)。で、実は先生はそれに気づいていて、意表をついてチョークを投げつけてその生徒の顔に見事に命中させる。いわゆるチョーク攻撃ね。これを自慢する先生って絶対に各校に一人はいるんだろうなあ?
 でも まあ、この黒板というやつは背中をむけて書かなくてはいけないというのが、どうにもよくないのですね。なんたって生徒さんにお尻を向けるっていうのがいけませんな。舞台の俳優さんは絶対にお客さんにお尻はむけないでしょう?(笑)。さらに板書をするのにどうしても時間がかかってしまうというのも欠点です。中にはあらかじめ画用紙だとかに単語などを書いて、それに磁石をつけて黒板に張るだけという先生もいるでしょうが、面倒くさいし、それに膨大な時間がかかりますね。たとえば授業をする朝になって、「あっ!これもつけくわえなくちゃ!」なんてことがあったらもうパニックでしょう。
 加えて、板書に使うチョークから出る粉はたしか肺に悪影響が出るんです。 塵肺みたいなものかな?それに指も汚れるし、あまりおしゃれな道具ではありませんな。私なんぞは字がへたくそなので、さらに板書が嫌いなのです。そこで、ここでの提案です。もう黒板はやめましょう。って、べつにホワイトボードにすればいいってもんでもないけど(笑)。もう生徒さんにお尻見せないで授業をしましょう(ヒップラインに自信があるのなら止めないけど(。_*)バキッ!)

 

オーバーヘッドプロジェクターがある!

 実は海外の学会やあるいは外国での授業を受けて痛切に感じるのは海外の先生が実にうまくオーバーヘッドプロジェクター(OHP)を使っているってことなんです。キーになるセンテンスや補足をOHPにあらかじめ印刷し、提示するときには必要最低限のところだけ見せて、あとは紙で隠しながら提示するんですね。で、さらに補足を付け足すときだけ黒板を使っています。
 このようなOHP(英語ではtransparencyとかっていった方が通じます) を使うと板書の時間が節約できますし、前を向いて生徒に向かったままで話が出きるので、自ずから生徒には緊張感が出るのではないでしょうか。またワープロやコンピュータで作成したものをそのまま印刷できますから、字のうまい下手は関係なくなります。OHPプロジェクターならどこの学校にもあるでしょうから、特に環境が限られるということもないでしょう。
 でもOHPも欠点があるのです。それはプロジェクターの設置がちょっと面倒くさいということです。授業の時など、生徒の付けと机のあいだに旨く設置しないときれいに映像を投射できないでしょうから、授業の前に準備時間がいります。また授業が進むに従って、膨大なOHPシートがたまっていくというのも考えものです。さらにプロジェクターの多くは重くて持ち運びも不便です。

 

パソコン画面を映せ!

 私も黒板を使ったりOHPを使ったりと挑戦してきましたが、一番便利なのはなんといってもパソコンの画面を教室で投射して見せることです。これなら授業の間際まで準備ができますし、文字だけでなく、グラフィック、表、ムービーなどを見せることができます。また活字ですから、文字の旨い下手もまったく関係なくなるのです。これは便利です。
 ではいったいどのようにしてパソコンの画面を教室に投影しましょうか?私は8年前に「音声学」という授業を担当した時にどうしても調音器官の説明をするためにグラフィックを見せる必要がありました。そこでグラフィックをパソコンのソフトで作成し、そのパソコン(ノート型)を教室に持ち込みました。この教室は200人収容の階段教室でビデオなどを投影するプロジェクターが天井に設置してありましたので、それを利用することにしたのです。まず用意したのはパソコン(当たり前)とビデオカメラです。ビデオカメラはパソコンの前に置き、ちょうどパソコンの画面を撮影する位置に設置します。そしてそれをプロジェクターの入力端子に接続して、パソコンの画面を撮影して、それをライブでプロジェクターから映しだしたのです。この方法は結構原始的ですが、今でも機材が限られた場所なら使える方法です。
 その後、ノートパソコンは進化し、今では直接テレビやプロジェクターなどにパソコン画面を投影することができるようになりました。画面の出力端子とプロジェクターの入力端子を接続するだけです。これによりきれいな画面を見せることができます。 このプロジェクターは教室に設置されていればいいのですが、そうでない場合は持ち運びができる液晶プロジェクターか、あるいはもっと簡単にテレビを使うという方法があります。

 

テレビを使え!

 教室にプロジェクターが設置されていなかったり、あるいは液晶プロジェクターがないという場合もあるでしょう。そこでテレビを使うという方法をご紹介します。今時テレビがない学校はないでしょうから、この方法がもっとも手軽に実行できると思います。用意するものはノートパソコンです。できればNTSCというテレビ画面の信号に対応した機器がいいのですが、そうでない場合は別途ノートパソコンの画像出力端子とテレビのビデオ入力端子を結ぶコンバーターというものが必要になります。これはちょっとわかりにくいですから、パソコンのマニュアルに「テレビに画面を出力する」という項目があるかどうか確認しましょう。あればそのままテレビに出力できるということですし、なければコンバーターが必要になります。もしこれについてわからなければ、このホームページの掲示板にご相談ください。
 パソコンが用意できたら、あとは用意した画像をテレビを使って映すだけです。なんたって、今の子供たちは黒板に書いた文字などをみてはくれませんが、テレビに映し出されたものなら一応は注意をはらってくれます。そこで簡潔にポイントを提示して授業を進めていきましょう。ただ、一つ注意しなくてはいけないのは、テレビ画面の解像度はパソコンの画面に比べると著しく落ちるということです。細かい文字をつかってパソコンの画面で編集したものをそのままテレビに出力すると文字がつぶれてまったく読めないということがありますから、事前にテレビに出力実験をして、どの程度の大きさの文字なら判読可能かあらかじめ押さえておきたいものです。
 テレビ画面を使えば、色やグラフィック効果を使って動的にポイントの提示ができます。あるいは音声もテレビから出せますから、音声指導なども可能でしょう。またちょっとした映像やDVD videoの画像をそのまま出すことだってできます。いままで文字主体にしてきた板書では考えられなかったことができるようになるのです。さあ、さっそく明日から、テレビ出力に挑戦してみましょう。