不定詞

☆不定詞の意味

不定詞とは名前の示すとおり「定まっていない言葉」です。不定詞が示すのは動きや動作、状態を示す「動詞」です。すなわち、「定まっていない動詞」が不定詞の意味です。

では、なにが定まっていないのでしょうか?それは現在・過去・未来といった「時制」が定まっていないのです。

例えば、次の日本語を考えてみましょう。

(1) 「東京に行って、もんじゃ焼きを食べて、東京スカイツリーを見たんだ。」

(2) 「東京に行って、もんじゃ焼きを食べて、東京スカイツリーを見る予定だ。」

(1)と(2)の文では「行く」、「食べる」は同じ形ですが、(1)では過去の出来事ですし、(2)では未来の出来事です。どちらも過去か未来かは最後にやってくる時制を示す表現に依存していますね。

英語でも同じことなのです。普通の文では主語の後に現れて、いつの話かはっきりさせるために時制を示します。ところが、不定詞ではその時制が決まっていないので、主動詞と同じ時制か、あるいは未定のものとして位置づけられます。

☆不定詞の形

不定詞は「to+動詞の原形」で表現します。通常toと動詞の間には何も入りませんが、時折、"to boldly go"のように副詞が挿入されることがあります。文法書には間違った用法として解説されていますが、現実の英語では見かけることがよくあります。

☆不定詞の示すこと

では、不定詞はどのようなことを表現するために使われるのでしょうか。使い方はおおよそ次の3つに分類することができます。

1.目的を示す

I went to a convenience store to buy a bottle of water.「水を買うためにコンビニに行った。」

上の例文ではto buy a bottle of waterが不定詞で、「〜のため」という目的を示します。この表現では水を買った行為は過去の出来事として捉えられるでしょうが、しかし、現実的には水を買えたかどうかはわかりませんね(もしかして、コンビニに行ったけれど、売り切れだったかもしれないですから)。

不定詞の示す動作がはっきりしていないからこそ、この形は他の動詞でもそのまま使えます。未来形の文では次のようになりますね。

I'll go to a covenience store to buy a bottle of water. 「水を買いにコンビニに行ってくる」

目的を示すための使い方は英文法書や参考書では「不定詞の副詞的用法」と表現されています。この副詞的用法の不定詞は文の後半に現れることが多いようです。

2.動作そのものを示す

これは動作そのものを示します。To study English isn't easy. 「英語を勉強することは簡単ではない」

上の例文では「英語を学ぶこと」というように、動作そのものをまるで出来事として扱いますね。文の主語や目的語として働きます。このような使い方は英文法書や参考書では「不定詞の名詞的用法」と表現されています。

注意!

名詞的用法には1つ大変重要なことがあります。次の例文を考えてみましょう

To study a foreign language without audio-visual materials is hard.「視聴覚教材なしに外国語を勉強するのは大変だ。」

この例文では主語が大変長く、is hardの動詞句の部分が大変短いですね。英語ではこのように主語が長く、動詞句が短い「頭でっかち」の表現をいやがります。ですから、それを解消するために、itという空っぽの形だけを示すものを主語の位置に置いて、「これはあとに出てくる不定詞のことを示すよ」という形を作ります。するとつぎのような文になるのです。

It is hard to study a foreing language without audio-visual materials.

It = to study a foreing language without audio-visual materials.という形式になっているのです。初めて不定詞を中学校で学んだときに出てきた「it ~to 構文」というものですね。

この構文は主語の位置だけではなく、目的語の位置にも現れてくるのです。下の文を見てみましょう。

Another goal is to make it cheaper for people to live in the downtown area. 「人々が町の中心地に安く住めるようにすることも目的だ。」

この例文ではit は後に続くto live in the downtown areaを示しています。すなわち、「町の中心地に住むこと」をmake cheaper「安くする」と言っているのです。本当ならmake to live in the downtown area cheaperとしたいところですが、make とcheaperが離れてしまい、「make + 目的語+形容詞 〜を... にする」の意味が不明瞭になるので、この形をまず示すために、形式上のitが使われているのです。

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