出席管理というのは教員の中でも基本的な作業の一つ。大きな講義を担当する先生になると出席はとらず、試験だけで成績をつける方もいらっしゃいますが、私のような語学の教員では授業に出席して、演習をするということが大きな比重をしめますから、出席の管理は大変重要なことになります。ま、語学は出来不出来がはっきり出てしまいますので、できない学生も出席点を考慮しなければなりませんからね。
ところで、この出席はみなさんどのようにとられているでしょうか?今回は出席の管理ではなくて、出席の取り方について考えてみましょう。普通
、出席をとる場合には学生の名前を呼んで、その学生が返事をするというのを確認しますね。教壇からまあ、70人くらいの学生を担当する場合にはこの方法が可能です。ところが環境によってはこの方法がうまくいかない場合もあるのです。たとえば学生の数が100人を越える場合です。これくらいの人数があつまっているといちいち名前を呼んで学生の顔を確認しているとそれだけで30分は過ぎてしまいますし、その間に学生はやることがないのでおしゃべりをしたりして時間を無駄
に過ごしてしまいます。(でもそれを根性でやりとげた先生もいます。私が学生時代にとっていた言語学の授業では受講学生が150人くらいはいたのに、いちいち名前を呼んでくれた松本先生。すばらしい!)このような場合にはまた代返もやりやすいはずです(実際に学生時代は代返をしたこともお願いしたこともありました!(反省))。
また受講人数が少なくてもこの方法がとりづらい場合があります。それはパソコン室などで授業を行う場合です。モニターの陰に隠れて学生の顔は見えないし、声も聞きづらいのです。今回紹介する出席のチェック方法はこのようなパソコン教室で授業を行う場合に適用できるものです。それはどういうことかというと学生に電子メールを自分のメールアドレスに送らせるというものです。学校でパソコン教室で、しかも電子メールを使用する場合には学生の電子メールアドレスはたいがい学籍番号になっています。そのアドレスから一言「出席しています」とか「います」とか、あるいは単に「いる」というメッセージを自分宛にその時間に遅らせるのです。電子メールを使用することで送った人物のアドレスが表示されますから、これで代返がまったくできないことになってしまいます。また出席カードと異なり、メールを使うとメールが発信された時間が表示されますので、
授業時間内にメールがだされたかどうかの確認もできるのです。こうなればいくら金さんの目をごまかそうとしている悪人でも金さんの桜吹雪のように、「どうでえ、おめえさん、授業時間内にメールをおくらなかったじゃねえか。俺の目をごまかすことはできてもメールサーバーの時間がごまかせねえでえ!」とやりこめることができるのです。
この電子メールの方法は利点は代返ができないということばかりではありません。出席の確認をすることが授業時間以外にできるということです。メールソフトをつかえばメールの一覧がでてきますので、教員は家に帰ってゆっくりとその日の出席管理をできます。また学生には出席を確認したら、出席の確認をした旨のメールを出しましょう。そのときにちょっと学生にメッセージを添えてあげるだけで、学生は教員とのつながりを自覚します。また自分の出席がしっかりとチェックされていることも納得できるでしょう。
ただしこのシステムも一つ学生にとっては抜け道があります。それは教室外から、たとえば学内の他の部屋から授業の開始時間にメールを出して、そのまま逃げてしまうという手です。こうすれば教室にいなくても出席が認められてしまいます。このような場合にはあらかじめ授業の最初に「今日のキーワード」というのを提示して、学生にそれを出席メールに打たせればいいのです。こうすることによって教室外からメールをだしてもそのキーワードがなければ欠席扱いにすることができます。もっとも教室にいる学生が教室外の学生に携帯電話や携帯電話のメールでキーワードをおくってしまえば、この方法も破られてしまいますが(笑)。
いずれにしろ出席をとるというのは必ずしもその場で名前を呼んだり、カードを配ったりしなくてもできるものです。みなさんも他に出席をとるいい方法があったら、是非教えてください。