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環境からの視点で地域を見つめる

その場所に立てば実感できる、 ランドスケープとしての役割と工夫

大学は、開放的すぎても、守りすぎてもいけません。学ぶ人とそうでない人が一定の距離感を保ちつつ、交わることが理想です。では、そのためにどうするか。私はそこに、結界と呼べるようなものを設けたいと考えます。たとえば神社にある、神域を意味するしめ縄を思い浮かべてください。神社自体はオープンでいつでも誰でも入れますが、人はしめ縄から先が特別な場所であることを意識します。そこから先は身が引き締まるような気がするでしょう。名城公園キャンパスも開放的で、地域の方々の出入りが自由にできる施設ですが、空間の領域感を強く意識しています。気軽に行き来できる場所と、学生のためのエリアだと認識し、部外者は遠慮しようと感じる場所がある。そう思っていただければキャンパスとして成功になります。言葉で説明するといささか難しいので、名城公園キャンパスに足を運んで、実際に確かめてもらいたいですね。

地域の特性を活かした点として、建物の向きがあります。緑豊かな名城公園の東側に位置することから、そこからの涼風を活用するため、建物は東西に風が通るよう配置しました。さらに、今回建設する4棟すべてに、クールアンドヒートピットと呼ばれる自然換気システムを採用しています。これにより風通しの良いキャンパスで、爽やかな空気を感じながら勉学に励むことができます。また、大学は24時間稼働しているわけではなく、夏期休暇、冬期休暇など、使用頻度が低い時期もあります。そういった点を踏まえ、電力需給対策にも注力しています。学生が学ぶうえで必要な環境づくり、周辺の人たちにとっての新たなランドスケープとしての環境づくり、そして地球環境への影響を考え抜いたキャンパスといえます。

名城公園キャンパスが、地域と学生に与えるメリットとは?

造園家・ランドスケープアーキテクト 涌井雅之
1945年生まれ。造園家・ランドスケープアーキテクトとして都市から過疎農山村まで、自然の関わりにおけるランドスケープデザイン作品を数多く手がける。日本造園学会賞、国土交通省大臣賞等、数多くの賞を受賞。2002年「愛・地球博」では会場演出総合プロデューサーを務める。現在は、TBS「サンデーモーニング」等でコメンテーターとしても活躍中。