開講年度2023
開講学科商学科 2013年度以降入学
経営学科 2013年度以降入学
経済学科 2013年度以降入学
法律学科 2013年度以降入学
現代社会法学科 2013年度以降入学
2020年度法学部現代社会法学科
2020年度法学部法律学科
2020年度経済学部経済学科
2020年度商学部商学科
科目名生命に関する諸問題Ⅱ
担当教員城 貞晴
学期曜日時限秋学期 月曜日 1時限
チームコードqi4nzzf
科目区分選択
授業形態講義
対象学年2年
単位数2
科目ナンバーB231-118-04
関連性が高い
ディプロマ・ポリシー
B-DP1-1 倫理性と人間性 ◎ B-DP3-3 課題発見力 ◎
キャンパス名城公園キャンパス
担当教員の実務経験


テーマ
「自発的なリズム形成」から見える生命の世界
授業の概要
私たちの周りでは,絶え間なく物質やエネルギーの目まぐるしい移動が起きています。生命体はそのような環境下でこそ存在しえると言えます。本講義では「自発的なリズム形成」を中心に据えて,様々な例を通じて生命体を捉えていきます。
生物たちは様々な「リズム」とともに生きています。春夏秋冬を通じて鳥は仲間同士で鳴きあい,雨を合図にカエルたちは大合唱し,蛍たちは「いとおかしく」発光し,虫たちは仲間に負けじと羽音をたて,そして寒さに震えることもあります。私たちの体内では心臓が鼓動し,神経回路網には絶えず信号が送られています。呼吸や体内時計,友達との間で繰り広げられる共感,いわゆるシンクロしたりもしますね。本講義は物理的視点から,何故そんなことが起きているのか?の疑問に迫ろうとするものです。
本講義終了の頃には,毎回の各トピックが一つに見えてくるでしょう。
授業の到達
目標
「生命体」「ミイラ」「結晶」の相違点を説明できる。
振動子の同期の例を挙げることができる。
捕食関係にある生命体の例を挙げることが出来る。
自立分散システムと集中制御システムの相違点,それぞれの特徴を説明できる。
経済的活動と生命体を比較し,共通点を説明できる。
銀河や都市などを生命体としてとらえ,その特徴を説明できる。
課題
(定期試験
・レポート試験
・授業内試験など)の
フィードバック方法
WebCampus「講義連絡」を使用して講評を送ります。
使用言語
日本語
実務経験をいかした教育内容
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学習・時間(分)
1イントロ
本講義の概要について説明します。引き続いて,散逸構造理論を構築した物理学者たちの生い立ちや思想などを紹介します。内容が分かれば実に奥深く豊かで,私たちが生きる意味についてよく教えてくれる理論であることに気付くことでしょう。
【予習】シラバスにより扱う内容の確認をする。(120)
【復習】ノートを中心に復習をしましょう。(120)
2宇宙を司る二つの法則
本講義は,出来るだけ数式を用いずに解説します。まず,エネルギー保存則について説明します。その上で,エネルギー論的アプローチだけでは自然現象を説明できないことを理解します。
【予習】シラバスにより扱われる内容の確認をする。(120)
【復習】ノートを中心に復習をしましょう。(120)
3時の矢を理解するために
プリゴジンは,自らの著書のタイトルについてその思いを吐露しています。「時間-忘れられた次元」への思いを切々と語っています。プリゴジンの考えてきたこと,特に「時間」についての思想を一度ここでまとめます。
【予習】シラバスにより扱われる内容の確認をする。(120)
【復習】ノートを中心に復習をしましょう。(120)
4機械論的世界観と伝統的な科学
多くの条件が交錯し扱いきれないと感じた時,必要な要素のみを抽出して解析するという手法が用いられてきました。この積み重ねが伝統的な物理学とも言えます。そこには生き生きとした生命の姿はなく,味気ない機械のようなものが残っていました。モノをバラバラにしたらもう一度整理をしなくてはならないのですが,それが不得意だったようです。
【予習】シラバスにより扱われる内容の確認をする。(120)
【復習】断片化の結果生じた問題をよくおさえましょう。(120)
5人間と自然の新しい対話
前回の話の続きです。自然界はエネルギーやモノの流れに満ち溢れています。個体同士はネットワークを形成し生き生きとしています。伝統的な物理学が忘れてしまっていた整理をすることによって見えてくる世界観を紹介します。
【予習】シラバスにより扱われる内容の確認をする。(120)
【復習】パラダイムシフトの重要性を理解しましょう。(120)
6動的秩序と静的秩序
エネルギーとモノの流れがあってこそ初めて安定に形態を保つことができるものがあります。一方で,流れがあると不安定化してしまうものもあります。それぞれを比較し,違いを明らかにしてみましょう。
【予習】シラバスにより扱われる内容の確認をする。(120)
【復習】両者を比較して,相違点を整理しましょう。(120)
7形態自己修復能力と生命状態
今回は「生命体」「ミイラ」「結晶」を代表例としてピックアップして共通点と相違点を明らかにしてみましょう。
【予習】シラバスにより扱われる内容の確認をする。(120)
【復習】ノートを中心に復習をしましょう。(120)
8生きている相と死んでいる相
「生きている」あるいは「生きているようにふるまう」ということと「死んでいる」ということの違いを整理しましょう。
【予習】シラバスにより扱われる内容の確認をする。(120)
【復習】今までの内容を整理します。(120)
9階層的秩序構造と多細胞性
生命体は階層性を持っています。細胞組織,器官,そして個体,さらに個体が何重にも重なる集合体を形成します。階層構造に焦点をあてて,改めて生命について考えてみましょう。
【予習】シラバスにより扱われる内容の確認をする。(120)
【復習】階層性は,本講義内容全般を理解する上で重要なポイントです。しっかりと復習しましょう。(120)
10振動子の同期
流れをともなう様々な階層において,モノが集団を形成することによって振動の同期が生じることがあります。複数のロウソクの炎の同期,塩水振動子,振り子時計,メトロノームなど。生命の世界では,互いに鳴きあうカエル,コオロギなど,ホタルの明滅も同期します。それぞれの個体を一つだけ詳しく観察したところで決して見えてこない生き生きとした生命の世界を見てみましょう。
【予習】シラバスで内容確認をする。(120)
【復習】振り子時計の自発的同期はホイヘンスによって発見されましたが,その後の発展が極端に遅れてしまいました。物理学の人間臭さが見えてきます。(120)
11自立分散システムと同期
人類は高度に発達した脳を持っています。脳は集中管理制御系の象徴と言ってよいでしょう。一方で,脳は小さいが高度に発達させた自立分散制御系を持つ生命体も多くみられます。脳が大きければ優秀な生命体である,というのは客観的ではないかも知れません。前回の話を発展させて,自立分散システムが如何に形成されるか,どのような例があるか見てみましょう。
【予習】シラバスにより扱われる内容の確認をする。(120)
【復習】人間を中心とする世界観は自然を客観的に理解する妨げとなるようです。(120)
12動物模様のパターン形成
体表面に独特な模様を有している動植物が存在しています。成長と共に模様が変化していくものもいます。リズム形成という観点からそのような事例を見てみましょう。
【予習】シラバスにより扱われる内容の確認をする。(120)
【復習】講義内容の復習をしてノートを整理しましょう。(120)
13うさぎときつねのつくる散逸構造
うさぎときつねは捕食関係にあります。その個体数の増減をグラフ化し,解析をしてみます。初期条件に依存しない非決定論的な秩序形成が顕になります。
【予習】シラバスにより扱われる内容の確認をする。(120)
【復習】ノートの復習をしましょう。(120)
14都市の自己触媒的発展
都市が発展するためには流れが必要であることはよく分かっているはずなのに,これを扱うこと自体が永らく困難でした。流通を考慮した散逸構造論的な都市発展モデルの一例を紹介します。動物模様のパターン形成との共通点が指摘できそうです。
【予習】シラバスで内容確認をする。(120)
【復習】全体を総括する内容に近いています。全体を把握し,都市の発展について考えます。「生命」を扱う講義で都市について扱う理由を考えます。(120)
15銀河の散逸構造理論
銀河はスケールの大きな階層に該当しますが,モノとエネルギーの流れを伴っています。その発展の仕方は散逸構造論によっていくつかのグループにまとめることが出来ます。生命体のようにふるまう銀河の様子を追求します。
【予習】シラバスにより扱われる内容の確認をする。(120)
【復習】系の階層性を念頭において,本講義全体をまとめてみてください。(120)
試験実施方法
定期試験=1
レポート=2
その他=3
1
評価方法
評価方法割合評価基準
定期試験40%模範解答と配点表を準備し,これに基づいて評価する。
課題レポート及び小テスト30%解答例を準備し,これに基づいて評価する。
参加姿勢30%質疑応答時の受け答え,積極性,ノートへの記録等を評価する。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『なし』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『構造・安定性・ゆらぎ』グランスドルフ・プリゴジンみすず書房
2.『確実性の終焉』プリゴジンみすず書房
3.『複雑性の探究』プリゴジンみすず書房
4.『散逸構造』二コリス・プリゴジーヌ岩波書店
参考URL
質疑応答
■本講義時のほか,MKCでの講義日に随時対応します。
(月,火の週2回:具体的な時刻などは別途アナウンスします。)
■メールも可。
備考
■教員の指示に従い,適正な学習環境づくりに協力してください。私語,居眠り,携帯デバイスの使用,無断教室出入り,遅刻等は厳禁である。
■毎回の講義内容の理解の積み重ねによって,終盤の内容理解に至る。全体を見通すために,普段からのノートづくりを勧める。
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更新日付2023/01/31 16:59:52