開講年度2023
開講学科商学科 2013年度以降入学
経営学科 2013年度以降入学
経済学科 2013年度以降入学
法律学科 2013年度以降入学
現代社会法学科 2013年度以降入学
2020年度法学部現代社会法学科
2020年度法学部法律学科
2020年度経済学部経済学科
2023年度経営学部経営学科
2020年度商学部商学科
科目名文学Ⅱ
担当教員河野 敏宏
学期曜日時限秋学期 月曜日 2時限
チームコードubwq7q0
科目区分選択
授業形態講義
対象学年1年
単位数2
科目ナンバーB131-135-02
関連性が高い
ディプロマ・ポリシー
B-DP2-1 多様性の理解 ◎ B-DP3-4 論理的思考力 ◎
キャンパス名城公園キャンパス
担当教員の実務経験


テーマ
現代日本語の文字・表記につながる昔の日本語の文字・表記の特徴を理解しよう!
授業の概要
 教養部カリキュラムポリシーのひとつである「基礎学力の育成」「リベラル・アーツの修得」に従い、日本語の文字・表記の特徴について考える過程を通じて、多様な知識を獲得すること、及び、一般的諸現象の背後にある原理を理解する深い洞察力を涵養すること、を目指します。科目名は「文学Ⅱ」ですが、この講義では、いわゆる「文学作品」は対象とせず、文学作品を含む様々な言語表現の根幹をなしている「日本語」そのものについて解説します。日本語には様々な側面がありますが、この講義では、特に、みなさんが日常生活で当たり前に使用している平仮名・片仮名・漢字・濁点などの「文字・表記」を取り上げます。
授業の到達
目標
 現代日本語では、平仮名・片仮名・漢字など、多様な文字を使用していますが、それらが現代のような姿になった背景にはさまざまな歴史があります。この講義では、奈良~平安時代の日本語を主な対象とし、古代にはどうやって日本語を表記したのか、その特徴や苦労はどんなものだったのか、万葉仮名の分析による古代母音音素推定とは何か、平仮名や片仮名はどうやってできたのか、濁点はどうして仮名の右上に2点で示すのか、などに関する具体的なテーマを設け、その答を考えることを通じて、現代日本語の文字・表記の特徴を理解できるようになることを目標とします。なお、この講義で取り上げるテーマ・日本語資料は古い時代のものが中心となるので、その点をよく了解した上で受講してください。
課題
(定期試験
・レポート試験
・授業内試験など)の
フィードバック方法
成績発表日以降にWebCampusの「講義連絡」機能を使用して評価に関する総評を送信します。
使用言語
日本語
実務経験をいかした教育内容
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学習・時間(分)
1「ガイダンス」
本講義の目的・内容の解説、受講上の注意など。
【予習】シラバスを読み、本授業内容をあらかじめ把握しておく。(120)
【復習】授業全体の構成について確認する。(120)
2「世界の文字の発生・漢字の発生」
「文字の始まりはどんなものだったのだろうか?」様々な文字の初期の状態や漢字の六書、を理解する。
【予習】世界地図をみて、地中海周辺の国々の位置及び中国の黄河の位置を確認しておく。(120)
【復習】授業内容を見直し、疑問点はないか確認する。(120)
3「漢字の伝来」
「日本人はどのように漢字を習得したのだろうか?」日本への漢字伝来時のようす、日本人による漢字習得が拡大していく過程、を理解する。
【予習】日本史の時代区分及びその大まかな年代を確認しておく。蘇我氏と聖徳太子について今までに習ったことを確認しておく。(120)
【復習】授業内容を見直し、疑問点はないか確認する。(120)
4「『古事記』の表記①」
「『古事記』の文章はどのように表記されているのだろうか?」『古事記』と『日本書紀』の違いを理解する。また、『古事記』序文によって『古事記』の表記方針を理解する。
【予習】『古事記』について今までに習ったことを確認しておく。(120)
【復習】授業内容を見直し、疑問点はないか確認する。(120)
5「『古事記』の表記②」「『万葉集』の表記」
「太安万侶が『古事記』を筆録する時、どんな苦労があったのだろうか?」「『万葉集』の歌はなぜ読解が困難なのだろうか?」漢字だけを使用して日本語を表記することの困難さを理解する。また、『万葉集』の表記の特徴を理解する。
【予習】今までに習った『万葉集』の歌を確認しておく。(120)
【復習】授業内容を見直し、疑問点はないか確認する。(120)
6「和歌の形式について」「古代日本語の音韻的特徴①」
「俳句の型式はなぜ五七五なのだろうか?」「昔の日本語の音の区別をどうやって知ることができるのだろうか?」和歌の形式が変化していく過程ならびに過去の日本語音韻を知るための資料について理解する。
【予習】「短歌」「長歌」「連歌」等の形式について今までに習ったことを確認しておく。(120)
【復習】授業内容を見直し、疑問点はないか確認する。(120)
7「古代日本語の音韻的特徴②」
「万葉仮名にはどんな特徴があるのだろうか?」清濁の書き分け、音仮名・訓仮名、ヤ行のエなどについて理解する。
【復習】授業内容を見直し、疑問点はないか確認する。(240)
8「古代日本語の音韻的特徴③」
「万葉仮名にはどんな特徴があるのだろうか?」「古代日本語には母音音素はいくつあったのだろうか?」「ン」の認識、ハ行音、本居宣長の発見などについて理解する。
【予習】本居宣長や国学について今までに習ったことを確認しておく。(120)
【復習】授業内容を見直し、疑問点はないか確認する。(120)
9「古代日本語の音韻的特徴④」
「古代日本語には母音音素はいくつあったのだろうか?」石塚龍麿の発見、仮名遣い、橋本進吉の研究分野、について理解する。
【予習】中学校の国語で習った学校文法の「文節」について確認しておく。(120)
【復習】授業内容を見直し、疑問点はないか確認する。(120)
10「古代日本語の音韻的特徴⑤」
「古代日本語には母音音素はいくつあったのだろうか?」橋本進吉の発見、動詞活用語尾と甲乙の仮名との関係、母音音素の種類、について理解する。
【予習】高等学校の国語で習った古典文法の「動詞の活用」について確認しておく。(120)
【復習】授業内容を見直し、疑問点はないか確認する。(120)
11「古代日本語の音韻的特徴⑥」「ひらがな・カタカナの発生①」
「甲乙の仮名の音声・音韻的違いを知るための資料にはどんなものがあるのだろうか?」「仮名文字には、なぜひらがなとカタカナの2種類があるのだろうか?」韻書の特徴、ならびに、ひらがな・カタカナ発生の過程及びその時代的背景を理解する。
【復習】授業内容を見直し、疑問点はないか確認する。(240)
12「ひらがな・カタカナの発生②」
「平安時代に使用された仮名文字は、ひらがな・カタカナだけだったのだろうか?」『和名類聚抄』『金光明最勝王経音義』における真仮名表記について理解する。
【復習】授業内容を見直し、疑問点はないか確認する。(240)
13「ひらがな・カタカナの発生③」
「『金光明最勝王経音義』に記されている朱点は何だろうか?」「古辞書においては真仮名しか使用しなかったのだろうか?」声点、ならびに、『伊呂波字類抄』のカタカナ表記について理解する。
【復習】授業内容を見直し、疑問点はないか確認する。(240)
14「濁点の発生」
「濁点は、なぜ2点で右上に記すのだろうか?」濁点が2点になった経緯、ならびに、右上に記すようになった経緯を、『類聚名義抄』の例などを見ながら、声点と関係づけて理解する。
【復習】授業内容を見直し、疑問点はないか確認する。(240)
15「仮名遣いの変遷」
「仮名遣いは、現代仮名遣いに至るまでにどのように変遷してきたのだろうか?」定家仮名遣い・行阿仮名遣い・契沖仮名遣い、について理解する。
【復習】授業内容全体を見直し、試験の準備をする。(240)
試験実施方法
定期試験=1
レポート=2
その他=3
1
評価方法
評価方法割合評価基準
定期試験50%授業内容全般をきちんと理解しているかどうかを50点満点で評価します。ただし、遅刻・欠席(公欠以外)については11点の範囲内で減点します。また、無断退室等、受講態度の極めて悪い者に対しては、大幅な減点を含む厳しい対処をします。
小テスト(課題)50%ほぼ毎回の授業において小テスト(課題)を実施し、その回の授業内容をきちんと理解しているかどうかをチェックします。秋学期のすべての小テスト(課題)を合計50点満点で評価します。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『配付資料を使用します。』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『日本語大事典 上・下』佐藤・前田ほか朝倉書店978-4-254-51034-8日進図書館開架
2.『日本語学研究事典』飛田ほか明治書院978-4-625-60306-8日進図書館開架
3.『日本語の世界 1~16』大野ほか中央公論社978-4-124-01722-9日進図書館開架
4.『日本語学大辞典』日本語学会東京堂出版978-4-490-10900-9日進図書館開架
参考URL
質疑応答
質疑応答は、教室または日進の河野研究室、MKC・楠元の教養部教員控え室(MKCは「アリスタワー9階」、楠元は「2号館3階」)で行います。河野の研究室は日進キャンパスの2412(2号館4階)であり、オフィスアワーは「日進キャンパスの火曜日昼休み(12:40~13:30)」です。MKC・楠元の教養部教員控え室においては、授業のある日に随時応対しますので、応対を希望する人はあらかじめ申し出て下さい。
備考
 教科書は使用せず、配付プリントによって授業内容理解の助けとします。
 受講者多数の場合には、座席指定を行うことがあります。
 日本語について様々な疑問・関心を持っている人の受講を望みます。
 なお、シラバスは状況によって変更する場合があります。
画像
ファイル
更新日付2023/02/02 15:53:13