開講年度2023
開講学科歴史学科 2015年度以降入学
科目名日本史特殊講義A-Ⅱ
担当教員福島 金治
学期曜日時限秋学期 木曜日 3時限
チームコード2snxj4i
科目区分選択
授業形態講義
対象学年2年
単位数2
科目ナンバーH231-162-08
関連性が高い
ディプロマ・ポリシー
H-DP3 現代的問題へのアプローチ ◎
キャンパス日進キャンパス
担当教員の実務経験


テーマ
戦国時代の室町幕府
授業の概要
 15世紀末から16世紀の時代は、戦国大名の勃興と分国支配の強化という側面で多くが語られてきた。一方、室町幕は、応仁の乱などで弱体化し畿内中心の一勢力というイメージが強い。今回の授業では、室町・戦国期の室町幕府のありかたを、将軍の分裂、管領・大名と将軍の関係て具体的に述べ、室町幕府が畿内周辺の地域権力化する一方で、全国の大名・国人などとの連合関係を模索するすがたを述べることとする。これにより、その後の信長の権力出現の前提条件や、大名権力が将軍にとってどのような意味をもったか述べる。
授業の到達
目標
 講義を聞き自ら学習することで、(1)室町幕府の将軍・管領などの組織を知る、(2)将軍権力の畿内・四国・中国地方との関係の強さ、(3)なぜ、守護代・国人から大名に成り上がった者が官位などをほしがるのか、といった下克上の時代の将軍権力と大名との関係などを知ることができる。 
課題
(定期試験
・レポート試験
・授業内試験など)の
フィードバック方法
定期試験は、論述試験を行う。授業内容の要点をまとめ、自身の考えを述べる。試験の際は、授業で配付したプリントとノートのみ持ち込み可とする。
使用言語
日本語で行う。歴史学の用語などは、簡略に補助的に説明しながら講義を行うので、特に理解がむつかしい単語の使用はしないようにしている。
実務経験をいかした教育内容
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学習・時間(分)
1 戦国時代の室町幕府
 南北朝合一後の室町幕府について応仁の乱、1493年の明応の乱をめぐって、これまでの研究で述べられてきたこと、戦国時代のはじまりとその性格について述べる。
授業に関連する内容を、自分の関心ある書物で読んでみる。参考文献の一例は下記に示した(50分)。
2 応仁の乱-その開始-
 応仁の乱勃発の時期における、大名畠山氏内部の対立、将軍家の大名家の家督継承への関与やその与同勢力のありかたを述べる。
授業に関連する内容を、自分の関心ある書物で読んでみる。参考文献の一例は下記に示した(50分)。
3 応仁の乱-足利義視の処遇-
 応仁の乱が義政・義視という二人の将軍の擁立と幕府組織の東西分裂にいたる様相を、義視の動向を中心に述べる。
授業に関連する内容を、自分の関心ある書物で読んでみる。参考文献の一例は下記に示した(50分)。
4 足利義視と室町幕府
 室町幕府の分裂により義視を頂点においた西幕府の組織体制を具体的に述べる。
授業に関連する内容を、自分の関心ある書物で読んでみる。参考文献の一例は下記に示した(50分)。
5 転換-朝倉孝景の東軍帰順と宗全・勝元の死去-
 西軍優位にはじまった応仁の乱が、朝倉孝景の東軍帰順により西軍有利と変じた点と、山名宗全・細川勝元の死去により合戦の大義が不明となっていく様相を述べる。
授業に関連する内容を、自分の関心ある書物で読んでみる。参考文献の一例は下記に示した(50分)。
6 応仁の乱の結末とその後の室町幕府
 応仁の乱により大名の在国化が進行し、京都に残る細川氏、将軍権力を支える近習らの性格を通して、その後の幕府の推移について述べる。
授業に関連する内容を、自分の関心ある書物で読んでみる。参考文献の一例は下記に示した(50分)。
7 明応の政変
 1493年におきた管領細川政元による将軍義材追放と義澄擁立というクーデタについて、将軍の分裂、細川京兆家の優位な体制の確立について述べる。
授業に関連する内容を、自分の関心ある書物で読んでみる。参考文献の一例は下記に示した(50分)。
8 足利義澄政権と足利義稙
 細川氏に支えられた義澄政権に対して、越中にあって西国の守護大内氏らに支援された義稙のありかたを述べ、やがて義稙が将軍に復帰する様相を述べる。
授業に関連する内容を、自分の関心ある書物で読んでみる。参考文献の一例は下記に示した(50分)。
9 戦国期の将軍権力と細川京兆政権
 明応の政変前後の幕府・将軍の発給文書を通して、管領細川京兆家の果たした役割を地域秩序の維持の面から述べる。
授業に関連する内容を、自分の関心ある書物で読んでみる。参考文献の一例は下記に示した(50分)。
10 細川高国政権と将軍義稙
 義澄・義稙の対抗関係と、これに関わる細川京兆家内部の争いの結果、義稙を擁立する高国が政権についてくることを述べる。
授業に関連する内容を、自分の関心ある書物で読んでみる。参考文献の一例は下記に示した(50分)。
11 細川高国政権と寧波の乱
 勘合貿易は、明と日本の国家間の公貿易だった。実態は、細川・大内氏らの競合があり、堺・博多の商人がそれを担っていた。細川・大内両氏が派遣船の入港をめぐって争った1523年に寧波の乱を通して当時の細川高国らの立場と航路となった地方への影響を述べる。
授業に関連する内容を、自分の関心ある書物で読んで
みる。参考文献の一例は下記に示した(50分)。
12 細川京兆政権と将軍義晴
 足利義稙の出奔後に高国が擁立した将軍義晴の治政について、高国が細川晴元・三好元長に滅ぼされて管領が無実化し、三好政権へ移行するすがたを述べる。また、高国が義晴に新邸を建設したのを機に「洛中洛外図」が作成されてことの意義を考える。
授業に関連する内容を、自分の関心ある書物で読んでみる。参考文献の一例は下記に示した(50分)。k
13 細川京兆家支配体制の終焉と三好長慶の登場
 晴元は細川宗家の右京大夫にはつくも管領にはなれず、後継の細川氏綱は管領・右京大夫となるも政権の実権は三好長慶に移行した。時の将軍義輝は、けして傀儡ではなく、全国の大名の和議を行うなどの実権をもち、諸国の大名も将軍の権威を自国内の支配強化に利用した側面について述べる。
授業に関連する内容を、自分の関心ある書物で読んでみる。参考文献の一例は下記に示した(50分)。
14 将軍足利義昭の登場
 三好・松永氏らによる将軍義輝の暗殺後、将軍後継には義栄と興福寺の覚慶(義昭)がその候補となった。二人の将軍候補の素性から、それを支持する陣営と公家らの分裂状況を述べ、将軍権力が空洞化していたわけではないことを述べる。
授業に関連する内容を、自分の関心ある書物で読んでみる。参考文献の一例は下記に示した(50分)。
15 将軍足利義昭と織田信長
 義昭は織田信長登場を随行させて入京し、信長は内裏や二条城の建造によって京都の人々の支持を得ていく。将軍権力への信長の関与のありかたを殿中掟などで検討し、両者の対立へ至る様相を述べる。
授業に関連する内容を、自分の関心ある書物で読んでみる。参考文献の一例は下記に示した(50分)。
試験実施方法
定期試験=1
レポート=2
その他=3
1
評価方法
評価方法割合評価基準
定期試験8割論述式の問題を2問。授業で配付したプリントとノートの持ち込みを可とする。
平常点2割出席などを判断する。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『資料を配付する。』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『戦国時代の足利将軍』山田康弘吉川弘文館
2.『信長研究の最前線』日本史史料研究会編洋泉社
参考URL
質疑応答
 研究室にいつでもどうぞ。
備考
 授業内容に関わる論文などは、授業のなかで紹介します。
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更新日付2023/01/13 14:05:09