開講年度2023
開講学科2023年度商学研究科商学専攻博士前期課程
科目名租税法研究(Ⅰ)(租税法実務)A 講義
担当教員四方田 彰
学期曜日時限春学期 水曜日 2時限
チームコード
科目区分
授業形態
対象学年1年
単位数2
科目ナンバー
関連性が高い
ディプロマ・ポリシー
キャンパス名城公園キャンパス
担当教員の実務経験


テーマ
租税法学総論
授業の概要
私たちの生活は,租税との関わりなしにはあり得ません。 税理士を目指す場合のみならず, 租税法の基本原理とは何かについて考えることはきわめて重要です。
本講義の位置づけは 「租税法総論」 であり, 租税法の導入部分として考えています。 したがって, 法人税法や所得税法といった租税実体法を研究していくうえでの前提とされるものであるといえます。租税の原則,租税法の基本原則(租税法律主義・租税公平主義)の概念,意義,内容,機能を研究し,その阻害要因について考察します。
以上より,問題意識の涵養を図り,論理的思考を養成します。そして,租税法の解釈・適用能力を修得することを目指します。
授業の到達
目標
本講義の履修により,①租税法の基礎理論の研究や事例研究等をとおして,法的思考(リーガルマインド)を身につけます。②租税法のテクニカルターム(専門用語)の説明ができるようにします。③租税法の解釈・適用能力を具備します。さらに,⑥租税に関する紛争を予防するスキルを身につけます。
課題
(定期試験
・レポート試験
・授業内試験など)の
フィードバック方法
対面方式やオンライン方式の面談により,受講生の今後の学修に関するアドバイスをします。
使用言語
日本語
実務経験をいかした教育内容
税理士である実務家教員として,租税に関する実務の動向をお話ししながら授業を進めます。また,国税庁の任務や納税者の代理人である税理士の使命・業務について具体的に説明していきます。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学習・時間(分)
1①ガイダンス,②租税法と憲法-大島訴訟(最大判昭和60・3・27)- 予習:配布資料を通読すること。
復習:配布資料を熟読し,修士論文における法律文献の出典の表示方法等を習得すること。(240分)
2①租税法を学ぶ意義,②租税法の理念,③日本国憲法における租税の意義・租税観-大島訴訟(最大判昭和60・3・27)-予習:テキスト:『リーガルマインド租税法 [第5版]』の該当箇所を熟読し簡潔にまとめてくること。
復習:授業時に提示した検討事項につき考察すること。(240分)
3租税法律主義とその現代的意義-秋田国民健康保険税事件(仙台高判秋田支部昭和57・7・23)- 予習:テキスト:『リーガルマインド租税法 [第5版]』の該当箇所を熟読し簡潔にまとめてくること。
復習:授業時に提示した検討事項につき考察すること。(240分)
4租税法の法源-パチンコ球遊器事件(最二小判昭和33・3・28)-予習:テキスト:『リーガルマインド租税法 [第5版]』の該当箇所を熟読し簡潔にまとめてくること。
復習:授業時に提示した検討事項につき考察すること。(240分)
5租税公平主義の概念-大島訴訟(最大判昭和60・3・27)- 予習:テキスト:『リーガルマインド租税法 [第5版]』の該当箇所を熟読し簡潔にまとめてくること。
復習:授業時に提示した検討事項につき考察すること。(240分)
6租税法律主義と租税公平主義の対立と調整・-武富士事件(最二小判平成23・2・18)-予習:テキスト:『リーガルマインド租税法 [第5版]』の該当箇所を熟読し簡潔にまとめてくること。
復習:授業時に提示した検討事項につき考察すること。(240分)
7申告納税制度の本質と租税法律主義予習:テキスト:『リーガルマインド租税法 [第5版]』の該当箇所を熟読し簡潔にまとめてくること。
復習:授業時に提示した検討事項につき考察すること。(240分)
8租税法の解釈・適用(1) ①行為規範及び裁判規範としての租税法,②租税法と私法-岩瀬事件(東京高判平成11・6・21)-③固有概念と借用概念-武富士事件(最二小判平成23・2・18)-予習:テキスト:『リーガルマインド租税法 [第5版]』の該当箇所を熟読し簡潔にまとめてくること。
復習:授業時に提示した検討事項につき考察すること。(240分)
9租税法の解釈・適用(2) 租税法と要件事実論-萬有製薬事件(東京高判平成15・9・9)- 予習:テキスト:『リーガルマインド租税法 [第5版]』の該当箇所を熟読し簡潔にまとめてくること。
復習:授業時に提示した検討事項につき考察すること。(240分)
10節税・租税回避・脱税 -岩瀬事件(東京高判平成11・6・21)- 予習:テキスト:『リーガルマインド租税法 [第5版]』の該当箇所を熟読し簡潔にまとめてくること。
復習:授業時に提示した検討事項につき考察すること。(240分)
11個別租税法の意義と計算方法
①所得税の意義と所得税法の構造
②法人税の意義と法人税法の構造
③相続税の意義と相続税法の構造
予習:テキスト:『リーガルマインド租税法 [第5版]』の該当箇所を熟読し簡潔にまとめてくること。
復習:授業時に提示した検討事項につき考察すること。(240分)
12租税債務の成立と確定-確定申告に関する錯誤の主張(最一小判昭和39・10・22)-予習:テキスト:『リーガルマインド租税法 [第5版]』の該当箇所を熟読し簡潔にまとめてくること。
復習:授業時に提示した検討事項につき考察すること。(240分)
13租税債務の確定の方法・変更・消滅・滞納処分-南九州コカコーラ・ボトリング事件(最二小判平成21・7・10)- 予習:テキスト:『リーガルマインド租税法 [第5版]』の該当箇所を熟読し簡潔にまとめてくること。
復習:授業時に提示した検討事項につき考察すること。(240分)
14租税争訟制度と税理士の役割-税理士の職務と租税正義予習:テキスト:『リーガルマインド租税法 [第5版]』の該当箇所を熟読し簡潔にまとめてくること。
復習:授業時に提示した検討事項につき考察すること。(240分)
15申告納税制度と税理士制度-申告納税制度の本質と租税法律主義予習:テキスト:『リーガルマインド租税法 [第5版]』の該当箇所を熟読し簡潔にまとめてくること。
復習:授業時に提示した検討事項につき考察すること。(240分)
試験実施方法
定期試験=1
レポート=2
その他=3
3
評価方法
評価方法割合評価基準
授業時のプレゼンテーション40%①問題意識の明確性
②内容及び形式
③報告内容についての理解度
夏休みの課題及び学年末に提出された課題の内容40%①問題意識の明確性
②内容及び形式
③内容についての理解度
演習時の討論における発言内容等20%①問題意識の明確性
②報告内容についての理解度
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『租税法[第24版]』金子宏弘文堂7,150円978-4-335-31555-8版が改まった場合はそれによる。以下同じ。
2.『リーガルマインド租税法 [第5版]』増田英敏成文堂4,950円978-4-7923-0649-6
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『租税判例百選[第7版]』中里実ほか編有斐閣2,970円978-4-641-11553-8版が改まった場合はそれによる。以下同じ。
2.『税法基本講義[第7版]』谷口勢津夫弘文堂4,070円978-4-335-35874-6
3.『租税法判例六法[第5版]』中里実他有斐閣2,970円978-4-641-00157-2
4.『ケースブック租税法[第5版]』金子宏他弘文堂4,950円978-4-335-30517-7
参考URL
1.財務省HP 税制改正の概要わが国の税制の概要,法改正や税制調査会の動向についての情報が得られる。
2.国税庁HP税の情報,手続,法令等,裁決事例などにアクセスできる。
3.e-Gov 法令検索法令データを検索できる。
質疑応答
①授業終了後又はオフィスアワーに研究室にて。オフィスアワ-: 火曜日 16時30分~17時30分,水曜日16時30分~17時30分(要予約)
②オンライン方式の面談も活用してください。
備考
租税法に関する事項の調べ方については,『租税判例百選[第7版]』35頁「[資料]租税法の調べ方」を参照してください。
履修に当たっては,予め租税法及び会計学等の基礎知識を有することが望ましいです。
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更新日付2023/02/01 23:13:24