開講年度2023
開講学科法律学科 2013年度以降入学
2020年度法学部法律学科
科目名自治体法務/特殊講義ⅩⅣ自治体法務
担当教員小林 明夫
学期曜日時限春学期 木曜日 4時限
チームコード7g225to
科目区分選択
授業形態講義
対象学年3年
単位数2
科目ナンバーJ331-212-11
関連性が高い
ディプロマ・ポリシー
J-DP1-1 社会に関する知識 ◎
J-DP2 法律学の体系的知識 ◎
J-DP4-1 事実を客観的に把握する能力 ◎
J-DP4-2 体系的・論理的に思考する能力 ◎
J-DP5-2 社会的責任の自覚 ◎
キャンパス名城公園キャンパス
担当教員の実務経験実務経験あり


テーマ
政策法務という「新大陸の法学」への招待
授業の概要
 この講義では「政策法務」と呼ばれる分野を取り扱う。政策法務とは、「法を政策実現の手段と捉え、政策実現のためにどのような立法、法執行、争訟評価が求められるかを検討する理論及び実務における取組」である。
 分権的行政システムへの指向性が時代の大きな流れとなっている現在において、自治体は法(特に行政法)の執行に当たっても、政策との結びつきを考慮して政策実現のために最も合理的な解釈運用を行わなければならない。また、地域に解決すべき問題がある場合には、自治体が独自の政策をつくり、これを実現するために、条例制定等の自治立法対応をとる必要がある。
 本講義では、国及び自治体において法令・条例等の立法実務経験を有する担当教員の知見を活かし、理論と実務とを架橋するという政策法務の特質を意識しつつ、その考え方を紹介していく。
授業の到達
目標
 実践に役立つ、政策実現のための条例づくりの理論等を身につけることがこの講義の目標である。
課題
(定期試験
・レポート試験
・授業内試験など)の
フィードバック方法
成績発表後にWEBキャンパスにて講評を送信する。
使用言語
日本語
実務経験をいかした教育内容
国及び自治体において法令・条例等の立法実務経験を有する担当教員の知見を活かし、現在、地方自治体において求められる自治立法の考え方、制度設計の手法やそのあり方等について教授する。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学習・時間(分)
1オリエンテーション
○講義方針の説明、行政実務と政策法務との関わりについて学ぶ
・立法実務、地方分権と政策法務について担当教員の経験に基づいた講話
【予習】シラバスを読み講義の概要を把握する(20)
2政策法務とは
○政策法務の概念について学ぶ
・政策法務の意義・プロセス・関連学問との相違
【予習】テキストの該当箇所を読み、基本的な概念等を簡単に把握しておく(20)
【復習】講義で取り上げた理論や概念等を、テキスト等の該当部分で復習し理解を深めておく(40)
3政策法務の歴史と展開
○政策法務の歴史と展開について学ぶ
・政策法務の歴史、政策法務の現状
【予習】テキストの該当箇所を読み、基本的な概念等を簡単に把握しておく(20)
【復習】講義で取り上げた理論や概念等を、テキスト等の該当部分で復習し理解を深めておく(40)
4民主主義と政策法務
○民主主義と政策法務について学ぶ
・住民自治の捉え方、代表機関、住民自治の制度設計等
【予習】テキストの該当箇所を読み、基本的な概念等を簡単に把握しておく(20)
【復習】講義で取り上げた理論や概念等を、テキスト等の該当部分で復習し理解を深めておく(40)
5自治立法の評価
○自治立法の評価について学ぶ
・条例評価の視点と基準、総合的評価、立法事実
【予習】テキストの該当箇所を読み、基本的な概念等を簡単に把握しておく(20)
【復習】講義で取り上げた理論や概念等を、テキスト等の該当部分で復習し理解を深めておく(40)
6行政手法とその的確な選択(1)
○条例の基本設計において重要となる行政手法論について学ぶ
・行政手法の意義、類型
【予習】テキストの該当箇所を読み、基本的な概念等を簡単に把握しておく(20)
【復習】講義で取り上げた理論や概念等を、テキスト等の該当部分で復習し理解を深めておく(40)
7行政手法とその的確な選択(2)
○行政手法の選択に当たって鍵となるインセンティブの視点について学ぶ
・市場、政府、地域社会の役割と限界
【予習】テキストの該当箇所を読み、基本的な概念等を簡単に把握しておく(20)
【復習】講義で取り上げた理論や概念等を、テキスト等の該当部分で復習し理解を深めておく(40)
8条例制定権とその限界(1)
○条例制定権とその限界について概観する
・事務、国の法令との関係、憲法との関係
【予習】テキストの該当箇所を読み、基本的な概念等を簡単に把握しておく(20)
【復習】講義で取り上げた理論や概念等を、テキスト等の該当部分で復習し理解を深めておく(40)
9条例制定権とその限界(2)
○条例と法令との関係が争点となった判例について学ぶ
・最高裁判例の判断基準その他の検討
【予習】テキストの該当箇所を読み、基本的な概念等を簡単に把握しておく(20)
【復習】講義で取り上げた理論や概念等を、テキスト等の該当部分で復習し理解を深めておく(40)
10条例制定権とその限界(3)
○地方分権時代にふさわしい条例制定権のあり方について学説を中心に学ぶ
・自主条例に関する学説、法定事務条例の適法性、法令の規律密度改革
【予習】テキストの該当箇所を読み、基本的な概念等を簡単に把握しておく(20)
【復習】講義で取り上げた理論や概念等を、テキスト等の該当部分で復習し理解を深めておく(40)
11自治立法過程(1)
○自治立法法務のプロセスについて概観する
・課題設定、基本設計、詳細設計、市民参加、議会審議
【予習】テキストの該当箇所を読み、基本的な概念等を簡単に把握しておく(20)
【復習】講義で取り上げた理論や概念等を、テキスト等の該当部分で復習し理解を深めておく(40)
12自治立法過程(2)
○首長提案条例の企画立案過程の一般的な流れについて学ぶとともに、そのあるべき姿について考える
・条例と法律の企画立案過程の比較、より良き自治立法システム
【予習】テキストの該当箇所を読み、基本的な概念等を簡単に把握しておく(20)
【復習】講義で取り上げた理論や概念等を、テキスト等の該当部分で復習し理解を深めておく(40)
13執行法務
○執行法務について学ぶ
・執行法務のプロセス、執行活動の理論等
【予習】テキストの該当箇所を読み、基本的な概念等を簡単に把握しておく(20)
【復習】講義で取り上げた理論や概念等を、テキスト等の該当部分で復習し理解を深めておく(40)
14争訟・評価法務
○争訟・評価法務について学ぶ
・不服審査法務、訴訟法務、評価法務
【予習】テキストの該当箇所を読み、基本的な概念等を簡単に把握しておく(20)
【復習】講義で取り上げた理論や概念等を、テキスト等の該当部分で復習し理解を深めておく(40)
15総括
○講義全体の振り返り
【予習】試験対策としてこれまで講義で学んだ内容の確認(90)
試験実施方法
定期試験=1
レポート=2
その他=3
2
評価方法
評価方法割合評価基準
レポート試験100%課題を論ずる際のポイントを踏まえているか、論点の掘り下げや論理構成、説得力等を総合的に評価する。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『自治体政策法務 ~「新大陸の法学」への招待』小林明夫1,400円+税学内の成文堂でのみ販売(価格は予定)
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『自治体政策法務講義 改訂版』礒崎初仁第一法規2,600円+税978-4-474-06306-8さらに改訂版が出た場合にはそちらに変更
2.『自治体政策法務』田村泰俊ほか編八千代出版2,800円+税978-4-8429-1497-8現行版は図書館所蔵、改訂版が出た場合にはそちらに変更
参考URL
質疑応答
オフィスアワー(水曜3限・研究室71010)
備考
 講義の内容・順序は多少変更の可能性がある。
 自治体職員をはじめとする行政系公務員・行政書士などをめざしている者歓迎。行政法等の関連科目は履修することが望ましい。
 他人の話を聴いてポイントをまとめる能力は社会人として活動する上で必須なため、講義は口頭での説明を中心とし、板書は最小限度にとどめている。履修者は、このことを理解した上で講義に参加されたい。
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更新日付2023/02/01 20:55:46