開講年度2023
開講学科商学科 2013年度以降入学
経営学科 2013年度以降入学
経済学科 2013年度以降入学
法律学科 2013年度以降入学
現代社会法学科 2013年度以降入学
2020年度法学部現代社会法学科
2020年度法学部法律学科
2020年度経済学部経済学科
2020年度商学部商学科
科目名産業と科学Ⅱ
担当教員城 貞晴
学期曜日時限春学期 木曜日 4時限
チームコード7vcrkjw
科目区分選択
授業形態講義
対象学年2年
単位数2
科目ナンバーB231-118-02
関連性が高い
ディプロマ・ポリシー
B-DP3-4 論理的思考力 ◎
B-DP3-5 問題解決力 ◎
キャンパス名城公園キャンパス
担当教員の実務経験


テーマ
形を中心とする表面サブナノテクノロジー
授業の概要
かのファインマンやドレッグスラーが「ナノテクノロジー時代」の到来を予言し,今やそれが現実に花開く時代が到来しました。しかし,この時代は通過点に過ぎず,サブナノメートル(オングストローム世代)を標的とする科学技術の時代へと移行しています。(この世代の正式な呼称は近い将来に決まるでしょう)。そして,ナノテクノロジー時代以上に表面原子配列の様相が物性を支配することは間違いありません。
本講義では,原子配列の結果として現出するモノの「形」を中心にまとめてみることにします。特に,形状を「点」「線」「平面」「立体(空間)」「立体(時空間)」に分類して,どのようなものが表面にアーキテクトされるか,表面形態の世界に迫ります。
授業の到達
目標
様々な形態の材料やその開発者の言葉,応用事例などを通じて,新規創出のためのアイデア,工夫について考えます。
【行動目標】
先人たちの遺した多くの言葉たちの裏側に隠されたポイント(共通点)を指摘できる。
将来,社会貢献につながるモノなどを指摘できる。
固定観念,常識,非常識,アイデア,工夫などのキーワードを整理できる。
各自の知識や経験をもとに,問題解決に結び付く新たなアイデアを創出し,それを文章として表現できる。口頭で説明できる。
課題
(定期試験
・レポート試験
・授業内試験など)の
フィードバック方法
WebCampus「講義連絡」を使用して講評を送ります。
使用言語
日本語
実務経験をいかした教育内容
2級知的財産管理技能士の立場から,知的財産権に関する話題に触れる。特に,特許・実案,意匠,商標の権利侵害事例などの話題を交える。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学習・時間(分)
10次元形態(粒状構造):ことのはじまり
「核生成」について話します。モノが誕生するか否かの瀬戸際のはなし,モノの誕生の瞬間について紹介します。
【予習】シラバスにより扱う内容の確認をする。(120)
【復習】ノートを見直して復習しましょう。(120)
20次元構造(粒状構造):ブロックニュークレイ
モノが誕生するか消えてなくなるかの瀬戸際は1回だけではないというトピックがあります。大変な苦難を乗り越えてモノが誕生してゆく有り様を探求しましょう。
【予習】シラバス,前回講義終了時の次回予告により扱う内容の確認をする。(120)
【復習】ノートの復習をしましょう。(120)
30次元構造(粒状構造):フラーレン
カーボンナノ材料開発の火付け役,フラーレンの発見秘話をはなします。サッカーボールのデザインは人類最大の誇り!いやいや実は自然界に既に存在していたのです。しかし自然も人間も同じものをデザインするとは神秘的です。
【予習】シラバス,前回講義終了時の次回予告により扱う内容の確認をする。(120)
【復習】東海地区の研究者の業績についてもふれますので,よく復習しましょう。(120)
41次元形態(線状構造):DNAナノマテリアル
DNAを電子デバイスに組み込むと一体どんな良いことがあるのでしょうか?命にかかわる非常に大切な技術が開発されつつあります。
【予習】シラバス,前回講義終了時の次回予告により扱う内容の確認をする。(120)
【復習】基礎と応用の接点を理解してほしいと思います。(120)
51次元構造(線状構造):高分子マテリアル
「プラスチックに電気を流す」そんな非常識が常識になったおはなし。そしてこの分野の土壌を育てたのは日本人研究者たちだったのです。導電性有機素材の開発研究の歴史を振り返り,先人たちの偉業を知ってほしいと思います。
【予習】シラバス,前回講義終了時の次回予告により扱う内容の確認をする。(120)
【復習】日本人研究者の功績が大きい分野です。基礎,謙虚さ,工夫,アイデアなどが復習のキーワードです。(120)
61次元構造(線状構造):ホイスカ
時代は繰り返される。研究開発にも流行の波がある。カーボンナノチューブ登場以前,既に針状材料に熱狂し,最先端を競った時代がありました。こんな話を聞くと次にどんな流行が迫っているのか,だんだん見えてくるかも知れません。
【予習】シラバス,前回講義終了時の次回予告により扱う内容の確認をする。(120)
【復習】形態コントロールの基礎的な手法がわかってくると思います。勘所をおさえましょう。(120)
71次元形態(線状構造):カーボンナノチューブ
カーボンナノチューブ研究の中心地はこの東海地区,どこにも負けない自慢の素材を紹介しましょう。
【予習】シラバス,前回講義終了時の次回予告により扱う内容の確認をする。(120)
【復習】ホイスカと比較をしながら復習することを勧めます。(120)
8フラクタル次元形態(線と面の中間構造)
意外なことに,身の回りにフラクタル次元は何気なく存在しています。その概要から実例まで紹介します。
【予習】シラバス,前回講義終了時の次回予告により扱う内容の確認をする。(120)
【復習】身の回りに類似する事例がないか,よく観察をしてみましょう。(120)
92次元形態(平面構造):表面超構造
原子1層,実はそれ以下の究極の薄膜の構造を紹介します。この形態コントロールが集積回路の未来を担っています。表面超構造について知れば知るほど,身の回りの電子機器類(PC,携帯,自動車,冷蔵庫,掃除機…)の未来の姿が見えてくることでしょう。ここで扱っている内容は,過去や現在のものではありません。何十年か後の未来の話なのです。
【予習】シラバス,前回講義終了時の次回予告により扱う内容の確認をする。(120)
【復習】未来の電子デバイスの姿をイメージしてみましょう。(120)
102次元形態(平面構造):モノとモノの間に形成される規則構造
表面薄膜は大抵なんらかの基板上に形成させます。すると,同時に誕生するのが界面です。そして幾何学的に規則性をもつ界面構造が出来るのですが… 既にこんな規則性を芸術に仕立てていた人物がいました。エッシャーです。ここではエッシャーの絵画と比較をしながら界面構造の面白さを学びます。
【予習】シラバス,前回講義終了時の次回予告により扱う内容の確認をする。(120)
【復習】原子の気持になって「ほっと安心できる」構造を想像してみましょう。(120)
112次元形態(平面構造):ナノシートの世界
「原子1層の厚みしか持たず,無限の広がりを持つペラペラのシート」を作ることは出来るでしょうか?そして、どんな方法で?「革新的方法」で解決をした事例の紹介です。革新的方法にかかった費用は子供のお小遣い程度と聞いたら常識を疑うでしょうか。しかし、だからこそ「革新的」なのです。ナノシートについて知れば知るほど,未来の電子機器類のかたちが見えてくるでしょう。
【予習】シラバス,前回講義終了時の次回予告により扱う内容の確認をする。(120)
【復習】常識と非常識,固定観念,ゆとり,柔軟さ,基礎などがキーワードです。(120)
123次元形態(空間構造):高品質有機結晶の創成と創薬
タンパク質の立体構造と機能との関連性をはっきりさせることによって,薬の未来が変わります。近未来的な創薬のはなしをします。
【予習】シラバス,前回講義終了時の次回予告により扱う内容の確認をする。(120)
【復習】日本はこの分野で世界トップレベルと言ってよいと思います。(120)
133次元形態(空間構造):バイオミメティクス表面構造体
「工夫」「アイデア」によって困難を乗り越え科学技術は進展しています。その源泉を自然界に求める動向です。「工夫」「アイデア」そして「原理的に不可能でなければ人間は克服する」というとらえ方が大切です。一見不可能そうだからとあきらめるのではなく,克服することの大切さを実感し,皆さんの将来に活かしてほしいと思います。
【予習】シラバスにより内容確認をする。(120)
【復習】バイオミメティクスの発想の可能性は無限大です。ただし,偽物やシミュレーションではなく,「本物の自然」を観察することが大切です。(120)
144次元形態(時空間構造):表面散逸ナノ構造
空間のみならず時間まで含む時空間構造の構築は可能なのか?と目や耳を疑うかもしれません。ここでの時空間構造とは,散逸構造のことです。生き物のようにふるまう材料の開発が着々と進んでいます。キズが出来てしまったモノの表面が,修理もしないのに勝手に修復してくれたら如何でしょう?既にそんな技術開発が進んでいます。もっと「常識」を捨ててしまいましょう。
【予習】シラバス,前回講義終了時の次回予告により扱う内容の確認をする。(120)
【復習】未来の材料の姿をイメージしてみましょう。(120)
15独創的発想のための道しるべ
本講義で扱った各トピックの裏側にはいつも,先人たちが如何にして困難を乗り越えて来たかを知るためのヒントが隠されていたことを,皆さんはもう気付いているはずです。先人たちの言葉等を示しながら,整理してみます。社会に出て大いに役立ててほしいと思います。
【予習】シラバス,前回講義終了時の次回予告により扱う内容の確認をする。(120)
【復習】ノートをよく復習しましょう。将来、社会で役に立てることが最大の宿題です。(120)
試験実施方法
定期試験=1
レポート=2
その他=3
1
評価方法
評価方法割合評価基準
定期試験40%模範解答と配点表を準備し,これに基づいて評価する。
課題レポートおよび小テスト30%解答例を準備し,これに基づいて評価する。
参加姿勢30%質疑応答時の受け答え,積極性,ノートへの記録等を評価する。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『なし』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『身の回りの表面科学』日本表面科学会 編講談社
2.『表面の科学』岡田正和 著大月書店
3.『カーボンナノチューブの基礎』齊藤弥八 著コロナ社
4.『トライボロジーの基礎』加藤孝久 著培風館
参考URL
質疑応答
本講義時のほか、MKCでの講義日に随時対応します。
(MKCでの講義は月,火,木の週3回: 具体的な時刻などは別途アナウンスします。)
メールも可。
備考
普段からノートを整理しておくことを強く勧めます。

教員の指示に従うこと。私語,居眠り,携帯電話等の使用,無断教室出入,遅刻等は厳禁である。
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更新日付2023/01/31 16:58:28