開講年度2023
開講学科2021年度文学部グローバル英語学科
科目名観光政策論 a
担当教員高木 茂
学期曜日時限春学期 月曜日 2時限
チームコードjj5zict
科目区分選択
授業形態講義
対象学年3年
単位数2
科目ナンバーV331-811-61
関連性が高い
ディプロマ・ポリシー
V-DP4-2 他者と協働し、課題解決に求められる行動を主体的に行う能力 ◎
キャンパス日進キャンパス
担当教員の実務経験実務経験あり


テーマ
観光・観光政策の基礎(用語や知識)を学習し、近年の社会環境の変化や現状を把握しながら 今後の観光政策や観光産業界の在り方について考察する
授業の概要
当授業は旅行会社で長年の実務経験とマネジメント経験を有する教員による授業である。
わが国の観光産業界は2003年の政府による「観光立国宣言」以来、21世紀をけん引する産業として、国や各地方公共団体、観光関連団体による様々な観光政策、観光振興策などに支えられ、特に海外旅行やインバウンドを中心に概ね順調に成長を遂げてきた。
しかしながら、2019年末以降の新型コロナ感染症拡大により事態が一変した。
当授業は観光政策論を学ぶ基礎学習として、現在そして将来の国や地方公共団体の抱える潜在的な課題(少子高齢化、人口の大都市集中化)やコロナ禍における観光産業界の実態を把握した上で、改めて観光の意義や歴史、更にこれまでのインバウンド政策や魅力ある地域まちづくりなど、様々な観光政策について学習し、今後観光先進国として進むべき観光政策や観光関連産業の進むべき方向性について考察する。
授業の到達
目標
観光・観光政策論について基礎用語や基礎知識を学習し、これらについて説明、また自ら考え討議する事ができるようにする。
「観光立国宣言」そして「観光は21世紀をけん引する産業」としての位置づけの意義を理解し、日常から国や各自治体、各メディアの発信する観光政策(インバウンド政策、Go Toトラベル、全国旅行支援、各自治体の観光振興策、魅力あるまちづくり等)が国内社会経済や地域社会経済、観光産業界、環境、国際社会に及ぼす様々な影響について理解を深め、今後の観光政策の在り方や方向性について自ら考える力を身につける。
課題
(定期試験
・レポート試験
・授業内試験など)の
フィードバック方法
成績発表日から1週間以内に非常勤講師控室にて答案を返却する。
(但しアポイントのメール連絡が必要)
使用言語
日本語
実務経験をいかした教育内容
観光教育は実務経験と理論の両輪が必要とされているが、旅行会社勤務中に添乗員旅程管理者および総合旅行業務取扱主任者(日本旅行業協会)を取得し、営業・管理職、経営、更に外部組織であるJATA(日本旅行業協会)の運営にも携わり、そこで培われた旅行実務、経営学を教育現場において活かす。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学習・時間(分)
1①「ガイダンス」:授業方針の説明
 ○観光政策論 a 授業内容の全体構成や到達目標をシラバスにて説明する
 〇評価方法(講義内試験、小テスト、課題)について説明する
【予習】シラバスを読み、授業全体の構成を理解する(120)
【復習】授業の狙いや全体の構成について確認する(120)
2②観光政策の重要性について、国や地方公共団体(自治体)の抱える潜在的な課題から考察する
 〇国や自治体の将来への不安や課題を整理し、観光政策の意義や重要性について説明する
・少子高齢化問題(2025年、2040年問題)と過疎化、人口の大都市集中化等
・国の経済(国際収支、景気低迷 円安問題など)について理解する
・ウイズ・アフターコロナの観光政策の課題を考える
【予習】2025年問題、2040年問題は予めその内容を各自で調べておく(120)
【復習】観光政策、観光行政の重要性の理解。また課題や進むべき方向性について概観をつかむ
 (120)
3③観光教育の基礎A(副読本)
 〇授業で学習する内容の概略を説明する
観光副読本 「観光でまちを元気に! 日本・ふるさと再発見」 日本観光振興協会発行         
・観光の意味や役割
・観光のSDGsとのつながり
・観光の基礎用語を理解する
【予習】副読本を事前に熟読する(120)
【復習】教科書巻末索引から観光関連用語を併せて学習しておく(120)
4④観光教育の基礎B(副読本)
 〇授業で学習する内容の概略を説明する
観光副読本 「観光でまちを元気に! 日本・ふるさと再発見」 日本観光振興協会発行  
・観光立国宣言と観光立国推進基本法の意義
・訪日外国人旅行(インバウンド)、ツーウェイツーリ    ズム、レスポンシブル・ツーリズム
・地域活性化、サスティナブルな観光まちづくり 
・観光の基礎用語を理解する
【予習】副読本を事前に熟読する(120)
【復習】副読本の理解を深め、教科書巻末索引から観光関連用語を併せて学習しておく(120)
5⑤コロナ禍で直面した観光産業界の実態を把握する。
 〇教員の旅行会社での実体験から、その危機的実態や課題を説明する
・国や自治体の助成金(雇用調整助成金、持続化給付金、家賃助成金、感染症対策助成金など)
・特に修学旅行等のキャンセル料金の問題
・リストラ策(店舗の閉鎖や統廃合、従業員の希望退職制度、出向制度など)
・純資産(内部留保)の毀損
【予習】コロナ禍における観光産業界の実態を各自で調べてみる(120)
【復習】コロナ禍における観光産業界の実態を把握した上で、今後の課題や方向性について考えてみる(120)
6⑥コロナ禍における国や自治体の観光政策について
・観光政策として、観光庁、文化庁、スポーツ庁、各地方自治体の観光関連助成金事業について
・観光政策として、インバウンド対策、GOTOトラベル事業、全国旅行支援事業などについて
・他、各自治体の公共事業(ワクチン関連事業、コロナ療養施設運営、飲食店見回り事業など)
【予習】国や各自治体の観光政策にはどのようなものがあるか各自で調べてみる(120)
【復習】コロナ禍の観光政策や課題を確認し、今後の観光政策がどうあるべきかを考えてみる(120)
7⑦観光の基礎  観光の語源(易経)や観光の研究分野について 
 〇観光の語源(易経)や研究分野(経済学、経営学、社会学、人類学、心理学、地理学、歴史学、教育学) また、教科書索引から授業で使う重要な観光関連用語について説明する
【予習】教科書 第1部 第1章1節~3節を熟読する
教科書索引で重要な関連用語を確認しておく(120)
【復習】観光分野での人材育成を担う観光教育の重要性について理解を深める(120)
8⑧観光の現代的意義につぃて
 〇観光立国宣言以前の観光政策(観光基本法)と以後の観光政策(観光立国推進基本法)の考え方の変化について説明する
・インバウンドとアウトバウンドを国際収支=貿易(輸出と輸入)として考える
・国内自治体間のインバウンド・アウトバウンド(各自治体間の観光客獲得競争)について説明する
・稼げる自治体になるため、観光の役割や重要性について説明する
【予習】教科書 第1部 第2章 第1節を熟読する(120)
【復習】観光が国内や国際社会に於いて果たす役割や意義について整理しておく(120)
9⑨観光の及ぼす様々な影響について
 〇観光による経済波及効果と経済外の効果について説明する
 〇観光公害やマイナス面の克服(エコツーリズム、ユニバーサルツーリズム、産業観光)について説明する
【予習】教科書 第1部 第2章 第2節を熟読する(120)
【復習】経済波及効果はどのような範囲に及ぶのか各自で考えてみる
交通、宿泊、飲食、土産品 その他について (120)
10⑩観光の歴史1 中世から昭和40年代の観光
 〇熊野詣(旅行業の原形)から江戸、明治、大正、昭和(大阪万博)までを振り返る   
・東海道新幹線開業、ジェット機、海外旅行自由化、大阪万博 そして第一次石油危機へ
【予習】教科書 第3章 第1節~第2節までを熟読する(120)
【復習】モータリゼーションの始まりと旅行ブームの到来について理解する(120)
11⑪観光の歴史2 昭和50年代以後の観光
 〇石油危機を克服して安定成長へ バブル期の旅行 そしてバブルの崩壊と訪日外国人旅行への期待
・新東京国際空港(成田)の開港、TDLの開業、国鉄の分割・民営化、テン・ミリオン計画の達成、バブル崩壊、ネット社会の到来、観光立国宣言
【予習】教科書 第1部 第3章 第3節~第4節を熟読する(120)
【復習】テン・ミリオン計画とインバウンド推進の時代背景や観光立国宣言に至る経緯について理解を深める(120)
12⑫近年(コロナ禍前)の国内旅行・海外旅行の現状を数字でみる
 〇コロナ禍以前の国内・海外旅行の現状を様々な角度から確認し比較する
【予習】教科書 第1部 第4章 第1節、2節を熟読する(120)
【復習】アフターコロナに於ける観光の課題と展望、更には今後の取り組みがどうあるべきかについて各自で考えてみる(120)
13⑬近年(コロナ禍前)の旅行形態別の実態と取り組みについて
 〇修学旅行、教育旅行の実態や訪日修学旅行の誘致、新しいタイプの観光としてエコツーリズム、グリーン・ツーリズム、産業観光、ロケツーリズム、MICEなどについて考える
【予習】教科書 第1部 第4章 第3節を熟読する(120)
【復習】新しいタイプの観光にはどのようなものがあるか、各自で考えてみる(120)
14⑭近年(コロナ禍前)の訪日外国人旅行の実態について
 〇近年の訪日外国人旅行者数や発地国別の内訳、他国との受け入れ人数の比較について数字で確認すると共にその動向を説明する。
【予習】教科書 第1部 第4章 第4節を熟読する(120)
【復習】今後のインバウンドについての課題や取り組みについて考えてみる
これまでのインバウンド政策について確認しておく(120)
15⑮全体のまとめ
 〇国や各自治体の潜在的な課題、更にはコロナ禍に於ける観光産業全体の実態を確認しながら、「観光立国宣言」の意義や各種観光政策、更には観光教育の重要性について理解を深める
 「観光」の歴史やコロナ禍以前の国内旅行・海外旅行、訪日外国人旅行の実態と動向を確認しながら、アフターコロナの観光政策の在り方や観光関連産業の課題と取り組みについて理解を深める
 
〇講義内テスト
【予習】教科書(観光概論)の熟読と観光副読本の熟読(240分)
試験実施方法
定期試験=1
レポート=2
その他=3
評価方法
評価方法割合評価基準
講義内試験60%観光政策論aの基礎理解度を評価する(100点満点)
小テスト(課題提出)20%各授業のキーワードを整理し、理解度を評価する
授業態度20%授業中の積極的な発言、課題発表における活躍を客観的に評価する
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『観光概論 第11版』共著 宍戸学、鈴木涼太郎、西山桂子、田中靖,捧富雄株式会社JTB総合研究所3.300円9784902772616
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『副読本「観光でまちを元気に! 日本・ふるさと再発見」』日本観光振興協会発行 無料配布
参考URL
1.観光庁ホームページ国の観光政策を策定し発信(全国旅行支援、インバウンド、魅力あるまちづくり等)
2.社団法人 日本旅行業協会(JATA)旅行需要の拡大と旅行業の健全な発展を図り、旅行者に対する旅行業務の改善並びに旅行サービス向上を目指す
質疑応答
①春学期授業 月曜日2限時に対応します
②その他についてはアポイントが必要 (E-Mailアドレス: s-takagi65@outlook.jp
備考
①秋学期開講 観光政策論b の履修には、春学期に 観光政策論a を履修していることがが望ましい

②副読本「観光でまちを元気に! 日本・ふるさと再発見」については、ガイダンス時に配布する

③授業中の私語および遅刻は厳禁。携帯電話・スマートフォンの使用は禁止
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更新日付2023/02/03 10:05:00