開講年度2023
開講学科歴史学科 2015年度以降入学
科目名日本史特殊講義A-Ⅰ
担当教員福島 金治
学期曜日時限春学期 木曜日 3時限
チームコードtyibiw3
科目区分選択
授業形態講義
対象学年2年
単位数2
科目ナンバーH231-162-07
関連性が高い
ディプロマ・ポリシー
H-DP3 現代的問題へのアプローチ ◎
キャンパス日進キャンパス
担当教員の実務経験


テーマ
鎌倉時代の公武関係
授業の概要
 鎌倉幕府の成立により、朝廷は全国の治安に関わる武家との交渉が不可欠となった。その窓口として朝廷には関東申次、幕府には六波羅探題などが整備された。また、将軍に摂関家・皇族がつくようになると、京下りの公家が鎌倉に居住し、朝廷・公家との独自の交渉ルートもうまれた。こうした公武交渉と徐々に強まる武家の朝廷への介入のありかたにつて述べ、倒幕にいたる要員について考える。これにより、中世の国家や意思決定とその伝達のありかた、また、これにまつわる東西の文化交流について知ることができる。
授業の到達
目標
 講義を聞き自ら学習することで、(1)鎌倉幕府の権限の由来、(2)天皇や将軍につくじんぶつをめぐる公武のやがて交渉、(3) 鎌倉に仕える公家たちの生活と鎌倉御家人との関係、(4)文保の和談から幕府滅亡までの公武関係を学ぶ。これにより、承久の乱などによる幕府と朝廷の関係がどのように変化していくか知ることができ、中世史の理解を深めることができる。
課題
(定期試験
・レポート試験
・授業内試験など)の
フィードバック方法
 定期試験は、論述試験を行う。授業内容の要点をまとめ、自身の考えを述べる。試験の際は、授業で配付したプリントとノートのみ持ち込み可とする。
使用言語
 日本語で行う。歴史学の用語などは、簡略に補助的に説明しながら講義を行うので、特に理解がむつかしい単語の使用はしないようにしている。
実務経験をいかした教育内容
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学習・時間(分)
1 高校教科書の記述に見る公武交渉
 平氏政権から室町時代の足利義満による南北朝合体までの公武交渉の推移をみて、教科書の記述がどのような立場から記述されているか、考える。
 
授業に関連する内容を、自分の関心ある書物で読んでみる。参考文献の一例は下記に示した(50分)。
2 文治の守護・地頭の設置
 源頼朝が平氏を倒す中で獲得した守護・地頭の設置について、頼朝による統治方針と朝廷の認可の関係を『吾妻鏡』の記述から説明する。
授業に関連する内容を、自分の関心ある書物で読んでみる。参考文献の一例は下記に示した(50分)。
3 源頼朝の上洛と征夷大将軍の恒久化
 建久元(1199)年の源頼朝の上洛の際に得た右大将、その後に補任された征夷大将軍の官職補任が幕府体制ではたした意味について述べる。
授業に関連する内容を、自分の関心ある書物で読んでみる。参考文献の一例は下記に示した(50分)。
4 承久の乱における後鳥羽上皇の立場
 承久の乱の経過を解説するとともに、慈光寺本『承久記』などを通して後鳥羽上皇方の勢力などについて具体的に述べる。
授業に関連する内容を、自分の関心ある書物で読んでみる。参考文献の一例は下記に示した(50分)。
5 六波羅探題とその役割
 承久の乱後に設置された六波羅探題の役割を、幕府の京都治安維持の側面から「洛中警固」の内容と性格について述べる。
授業に関連する内容を、自分の関心ある書物で読んでみる。参考文献の一例は下記に示した(50分)。
6 将軍九条頼経の立場と鎌倉縛からの追放
 源実朝殺害後に迎えられた将軍九条頼経は、幕府と朝廷の協調を背景としていたが、やがて頼経は親密な御家人との関係を形成して自立していく。将軍と御家人の立場を北条氏との関係から述べる。
授業に関連する内容を、自分の関心ある書物で読んでみる。参考文献の一例は下記に示した(50分)。
7 寛元4年の政変と関東申次
 寛元4年(1246)、執権を継承した北条時頼は将軍九条頼経は京都から追放される。「宮騒動」とよばれる事件を述べる。
授業に関連する内容を、自分の関心ある書物で読んでみる。参考文献の一例は下記に示した(50分)。
8 将軍宗尊親王の鎌倉入御
 将軍頼経の追放後、嵯峨天皇の皇子宗尊親王が将軍についた。公武の蜜月関係を象徴するものだった。しかし、宗尊は側近の御家人との緊密な関係を築き、これを危険視した北条氏による追放される。
授業に関連する内容を、自分の関心ある書物で読んでみる。参考文献の一例は下記に示した(50分)。
9 関東祗候の廷臣・飛鳥井雅有
 和歌や蹴鞠の伝授の家の出自だった飛鳥井雅有は鎌倉に下向して武家の血縁関係者などと深い交流をもった。関東祗候の廷臣の生活について述べる。
授業に関連する内容を、自分の関心ある書物で読んでみる。参考文献の一例は下記に示した(50分)。
10 広橋経光「改元定記」と年号勘文
 改元では中国古典に通じた博士家の人物が案を作成して朝廷に諮問して新たな年号が決定した。広橋経光の「改元定記」を通して年号の決め方を知り、また、幕府の関与のありかたについても述べる。
授業に関連する内容を、自分の関心ある書物で読んでみる。参考文献の一例は下記に示した(50分)。
11 京都の儒者・文人の和漢書の伝授
 鎌倉時代、京都の儒者・文人が鎌倉に下向して「源氏物語」などの和書や「論語」などの漢籍を北条氏を始めとする御家人に伝授した。知識の拡散状況を和漢書の伝授を通して述べる。
授業に関連する内容を、自分の関心ある書物で読んでみる。参考文献の一例は下記に示した(50分)。
12 後嵯峨天皇の死去とその後の皇位継承
 後嵯峨天皇の死去後、皇位は持明院統と大覚寺統に分かれていく。皇位継承と鎌倉幕府の関与のありかたについて述べる。
授業に関連する内容を、自分の関心ある書物で読んでみる。参考文献の一例は下記に示した(50分)。
13 文保の和談
 1317年に幕府の仲介で実現した文保の和談の内容と、鎌倉幕府の皇位継承への干渉のありかたについて述べる。
授業に関連する内容を、自分の関心ある書物で読んでみる。参考文献の一例は下記に示した(50分)。
14 なぜ、後醍醐天皇らは倒幕に向かったか?
 1321年に発生した後醍醐天皇らによる倒幕未遂事件である正中の変の内容を、皇室領の継承や側近の人々の学問や志向性を交えて述べる。
授業に関連する内容を、自分の関心ある書物で読んでみる。参考文献の一例は下記に示した(50分)。
15 「太平記」にみる倒幕方と幕府方の論理
 1333年の鎌倉幕府滅亡について、後醍醐天皇らの倒幕側の論理と、鎌倉幕府側の朝廷への対応について述べる。
授業に関連する内容を、自分の関心ある書物で読んでみる。参考文献の一例は下記に示した(50分)。
試験実施方法
定期試験=1
レポート=2
その他=3
1
評価方法
評価方法割合評価基準
定期試験8割論述試験2題。内容がまとまっているか、論理的に叙述しているかを確認し、誤字・脱字なども確認する。
平常点2割出席状況などを勘案している。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『使用しない』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『中世武士団』石井進小学館
2.『京・鎌倉 ふたつの政権』本郷恵子小学館
3.『蒙古襲来』網野善彦小学館
参考URL
質疑応答
研究室で、なんでも、聞いてください。
備考
図書館には概説書もそろっているので、読んでみよう。
画像
ファイル
更新日付2023/01/13 14:03:50