開講年度2023
開講学科宗教文化学科 2014年度以降入学
科目名現代社会と仏教Ⅰ
担当教員藤村 潔
学期曜日時限春学期 金曜日 4時限
チームコードm45sfs3
科目区分選択
授業形態講義
対象学年1年
単位数2
科目ナンバーR131-112-27
関連性が高い
ディプロマ・ポリシー
R-DP3 文献研究やフィールドワークなどの研究方法を修得している。 ◎
キャンパス日進キャンパス
担当教員の実務経験


テーマ
近現代日本社会の諸相と仏教思想
授業の概要
日本の仏教は、明治以降に西欧文化の流入から近代化を図り、アカデミズムによる近代の仏教学の確立と新たな信仰運動が生み出されたことにより発展し、今なお受け継がれています。その一方で、現代社会の世相は日々めまぐるしく変化するため、教団に所属する僧侶あるいは仏教的知識人は、それぞれの仏教の実存的課題に直面しています。本講義では、仏教学の理論に基づき近現代日本の諸相を射程に入れて尋ねていきます。講義の内容は日本を軸とする東アジア仏教の基本思想と現代社会まで継承される問題点について検討し、日々の生活に内在する先入観や思考方法などを再確認します。仏教は、現代という時代思潮においても言語、思想、文化、習俗などと密接に関係し、我々の実生活に深く浸透しています。本授業を通すことで、受講生が仏教独自の発想やその歴史的役割を発見し、現代社会を生きていく一つの指標を得ることを目的としています。
授業の到達
目標
・東アジア仏教の歴史と思想、その特異性についての基礎知識を体得する。
・近現代の日本における言語、歴史、教育、報道、政治の論点を整理して説明することができる。また、仏教思想を踏まえた自分の見解を議論の場において他者に伝達することができる。
・仏教学の観点を学ぶことによって、現代の日本人が抱える様々な問題が明らかとなり、社会人として自分がどのように取り組むべきかの方向性と新知見が身に付く。
・現代社会と仏教の様々な概念や文脈を吸収することによって、受講生が知識以外にも創造力や感受性を養い、社会人としての対話に応用することができる。
課題
(定期試験
・レポート試験
・授業内試験など)の
フィードバック方法
不定期ではありますが、たびたびリアクションペーパーの提出を求めます。次回の授業の冒頭で、リアクションペーパーに対してのレスポンスと解説をします。
使用言語
日本語
実務経験をいかした教育内容
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学習・時間(分)
1オリエンテーション(問題の所在)
〇担当者の自己紹介をします
〇本授業の概要について説明します
【予習】シラバスを読み授業の内容をあらかじめ把握する(30)
【復習】授業の内容を振り返る(60)
2東アジアと仏教①
〇漢字文化圏に伝播した仏教について学びます
〇インド仏教とは異質である中国・朝鮮半島の思想と歴史を把握します
【予習】東アジアにおける仏教史を書籍やインターネットで調べる(30)
【復習】授業の内容を振り返る(60)
3東アジアと仏教②
〇日本に伝播した仏教について学びます
〇中国・朝鮮半島の東アジアから概観する日本仏教の特質を把握します
【予習】日本における仏教史を書籍やインターネットで調べる(30)
【復習】授業の内容を振り返る(60)
4言葉と仏教①
〇現代人と仏教の関係について学びます
〇現代用語を生み出す淵源を把握します
【予習】仏教用語について現在知っていることを列挙する(30)
【復習】授業の内容を振り返る(60)
5言葉と仏教②
〇仏教用語の現代化について学びます
〇仏教用語の変容について把握します
【予習】仏教用語の意味と現在使用される言葉の意味について調べる(30)
【復習】授業の内容を振り返る(60)
6近代日本と仏教①
○近世から近代への仏教思潮について学びます
○神仏習合と廃仏毀釈について把握します
【予習】近世仏教の歴史的背景について書籍やインターネットで調べる(30)
【復習】授業の内容を振り返る(60)
7近代日本と仏教②
〇「近代」という概念を学びます
〇明治以降における仏教の近代化を把握します
【予習】近代仏教の先鋭化と捨象は何か、書籍やインターネットで調べる(30)
【復習】授業の内容を振り返る(60)
8教育と仏教①
〇仏教系宗門大学の誕生について学びます
〇大学創設者らの建学理念について把握します
【予習】現代に存在する仏教系大学について書籍やインターネットで調べる(30)
【復習】授業の内容を振り返る(60)
9教育と仏教②
〇中学・高校の教科書で示される通説の仏教史を検証します
〇「鎌倉新仏教中心史観」について考察します
【予習】現代に存在する仏教の諸宗とは何か、書籍やインターネットで調べる(30)
【復習】授業の内容を振り返る(60)
10メディアと仏教①
○人々がどのように熱狂するのかを学びます
○マスコミュニケーションやジャーナリズムについて把握します
【予習】輿論と世論、プロパガンダを書籍やインターネットで調べる(30)
【復習】授業の内容を振り返る(60)
11メディアと仏教②
○カルト報道と仏教の信心について学びます
○仏教における熱狂や信仰形態とは何かを考察します
【予習】カルトや洗脳を書籍やインターネットで調べる(30)
【復習】授業の内容を振り返る(60)
12ナショナリズムと仏教①
○国家主義とファシズムについて学びます
○近代以降、仏教が国家とどのように関わってきたのかを把握します
【予習】一党独裁や社会主義を書籍やインターネットで調べる(30)
【復習】授業の内容を振り返る(60)
13ナショナリズムと仏教②
○戦争と仏教について学びます
○戦前戦中の仏教者・僧侶がどのような取り組みをしたのかを把握します
【予習】皇国史観や従軍布教を書籍やインターネットで調べる(30)
【復習】授業の内容を振り返る(60)
14現代と仏教
○民主主義とグローバリゼーションについて学びます
○SDGsと仏教における欲望と慈悲について考察します
【予習】リベラルやシンクタンクを書籍やインターネットで調べる(30)
【復習】授業の内容を振り返る(60)
15授業のまとめ
〇本授業のテーマとなるポイントを整理することによって、定期試験の準備をします
〇授業内容を整理することによって、自分の見解を他者に伝えることができるようになります
【予習】これまでの授業内容の要点を整理し、不明なところを列挙する(30)
【復習】本授業の目標と到達点を振り返る(60)
試験実施方法
定期試験=1
レポート=2
その他=3
3
評価方法
評価方法割合評価基準
平常点:授業参加+授業への積極的なコミットメント(リアクションペーパーの提出を含む)+中間レポート50%リアクションペーパーには聴講した講義内容と授業中に視聴したDVDの内容に関する理解と感想等を記入して下さい。平常点の一部にします。授業の内容を踏まえていないもの、もしくは直接関係無いもの、ネットのウィキペディアなどから安易に書き写している場合は減点しますので、注意して下さい。
期末レポート50%近現代における日本社会の諸相と仏教の思想を踏まえた論述問題で構成します。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『特に使用しません。』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『現代仏教論』末木文美士新潮新書740円978-4-10-610482-4
2.『日本思想史』末木文美士岩波新書880円978-4-00-431821-7
3.『仏教史研究ハンドブック』仏教史学会[編]法藏館2,800円978-4-8318-6005-7
参考URL
質疑応答
授業の前後に質問を受けます。
備考
・授業中の頻繁な入退室、私語、携帯電話(スマートフォン)の操作など、授業に直接関係の無い行為は禁止します。
・中間レポートと期末レポート(A4、1200字【程度】)のテーマについては、授業中に提示します。
・本講義と連動しているため、秋学期「現代社会と仏教Ⅱ」の受講を推奨します。
・資料準備等の都合により、講義スケジュールが前後変更する場合があるので、注意して下さい。
画像
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更新日付2023/01/25 14:10:30