開講年度2023
開講学科宗教文化学科 2014年度以降入学
歴史学科 2015年度以降入学
英語英米文化学科 2015年度以降入学
日本文化学科 2013年度以降入学
グローバル英語学科 2013年度以降入学
総合政策学科 2013年度以降入学
健康栄養学科 2013年度以降入学
2022年度心理学部心理学科
2023年度健康科学部健康栄養学科
2023年度健康科学部健康科学科
2018年度心身科学部健康科学科
2018年心身科学部心理学科
2022年度総合政策学部総合政策学科
2021年度文学部グローバル英語学科
2021年度文学部英語英米文化学科
科目名人間行動の理解Ⅱ
担当教員鵜子 修司
学期曜日時限春学期 月曜日 1時限
チームコード2sko6ou
科目区分選択
授業形態講義
対象学年2年
単位数2
科目ナンバーB231-285-02
関連性が高い
ディプロマ・ポリシー
B-DP2-2 協調性 ◎ B-DP3-5 問題解決力 ◎
キャンパス日進キャンパス
担当教員の実務経験


テーマ
心理学をつくる
授業の概要
 通説によれば、科学的な心理学は約150年前のドイツを中心に始まります。それ以前の西洋では「心の科学は不可能である」という見解が主流だったのですが、この見解が物理学・生理学の方法を援用した実験手法の確立により超克されたのです。そして、ここから今日に至るまでの心理学史もまた、成果の累積というより、むしろ方法の進歩 (あるいは転換) に駆動されてきました。すなわち、心理学史とは心理学の「つくり方」の歴史であると言えます。
 今日、多くの大学で開講される「心理学実習」系の講義は、このような心理学の歴史を、しばしば初期の実験を追試することで体験するものです。しかし、この正当な教育方針は、心理学を気軽に試してみたいだけの、つまり大抵の学生にとっては退屈になりがちです。
 そこで本講義では、方法の確立した心理学を「やる」体験ではなく、方法を探索しながら心理学を「つくる」体験を、学生に提供します。
授業の到達
目標
本講義においては、受講生が以下の目標に到達することを目指します。
[知識・理解] 対象となる心理現象について、適切な方法による研究を構想できる。
[技能] 研究の成果について、一般的に理解しやすい形式で報告できる。
[態度] 多数の他者と協同しながら研究を遂行できる。
課題
(定期試験
・レポート試験
・授業内試験など)の
フィードバック方法
各グループのレポートについて講評を返します。
使用言語
日本語
実務経験をいかした教育内容
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学習・時間(分)
1オリエンテーション
■ 講義の進め方や注意点について説明を受ける。
■ 研究法の観点から心理学史を概観する。
[予習]
■ シラバスを確認する (20)
[復習]
■ 受講するか否かを吟味する (60)
■ 心理学研究法の種類を認識する (60)
2質問紙調査1: 自己紹介
■ 以降の実習グループを形成する。
■ 性格に関する心理尺度を体験する。
■ 上記の結果に基づく自己紹介を行う。
[予習]
■ 自己紹介の文句を考える (20)
[復習]
■ 尺度では測れない自己の側面を考える (60)
■ 有名な心理尺度について調べてみる (60)
3質問紙調査2; 尺度の構成
■ 心理尺度の作成過程について学ぶ。
■ グループごとに調査トピックを決定する。
■ 尺度を構成する質問項目について検討する。
[予習]
■ 調査トピックをグループで検討する (60)
[復習]
■ 講義パートについて復習する (60)
[課題]
■ 質問項目を決定する (60)
4質問紙調査3: 調査の実施
■ 推測統計の基本について学ぶ。
■ 作成した尺度を含む質問紙を作成する。
■ グループ間で互いの質問紙に取り組む。
[復習]
■ 講義パートについて復習する (60)
[課題]
■ 回答値をExcelファイルに入力する (60)
5質問紙調査4: 報告書の作成
■ 一般的な科学論文の構成について学ぶ。
■ 作成した尺度について項目分析を実施する。
[復習]
■ 講義パートについて復習する (60)
■ レポート執筆の指南書を一冊以上は読む (180)
[課題]
■ REPORT-01 (180)
6対照実験1: 幼児期健忘
■ 記憶の過程に関する代表的なモデルを学ぶ。
■ 想起できる思い出の数・内容を測定する。
[復習]
■ 講義パートについて復習する (60)
■ 想起の正確性を友人・家族と確認する (60)
[課題]
■ 今回の結果まで、レポートをまとめておく (180)
7対照実験2: 日常記憶
■ 日常的な事物の想起に関する実験を行う。
■ 表象主義的な記憶モデルの問題点を学ぶ。
[復習]
■ 講義パートについて復習する (60)
■ 自白・告発に基づく判断の是非を考える (60)
[課題]
■ REPORT-02 (180)
8生理指標の測定1: 自律神経系の指標
■ 感情に関わる生理学の基本を学ぶ。
■ 感情と心拍数との相関を体験する。
[復習]
■ 講義パートについて復習する (60)
■ その他の生理指標について調べる (60)
9生理指標の測定2: ペン・テクニック
■ 感情に身体変化が及ぼす影響を調べる。
■ 感情の身体説について学ぶ。
[復習]
■ 講義パートについて復習する (60)
■ その他の感情理論について調べる (60)
[課題]
■ 今回の結果まで、レポートをまとめておく (180)
10生理指標の測定3: 内受容感覚
■ 相関分析について学ぶ。
■ 内受容感覚と感情経験との相関を調べる。
[復習]
■ 講義パートについて復習する (60)
■ 日常の様々な場面で身体変化を内観する (60)
[課題]
■ REPORT-03 (180)
11行動の測定1: あいだをぬける
■ 生態学的心理学の重要概念について学ぶ。
■ 日常的な動作から、知覚と行為の関係を理解する。
[復習]
■ 講義パートについて復習する (60)
[課題]
■ 今回の結果まで、レポートをまとめておく (180)
12行動の測定2; またぐとくぐる
■ 障害物に対する知覚・動作の連関について調べる。
[復習]
■ 他の知覚・動作で同様の実験を構想する (60)
[課題]
■ REPORT-04 (180)
13質的研究1: 明晰夢の訓練
■ 睡眠と夢に関する心理学の基本を学ぶ。
■ グループ内で自身の見た印象的な夢を語り合う。
■ 明晰夢の訓練法について学術論文からまとめる。
[復習]
■ 講義パートについて復習する (60)
[課題]
■ 夢日記をつける (140)
※ この課題への取り組みは必須であるので注意
14質的研究2: 夢日記
■ 最近一週間に見た夢の性質・内容をまとめる。
[復習]
■ 講義パートについて復習する (60)
[課題]
■ 今回の結果まで、レポートをまとめておく (180)
15質的研究3: 夢分析
■ 夢分析の代表的な技法について学ぶ。
■ 夢日記から少数を選択し、現象学的な分析を行う。
[復習]
■ 講義パートについて復習する (60)
■ 実習とは別の分析も試してみる (60)
■ これまでの実習を振り返る (120)
[課題]
■ REPORT-05 (180)
試験実施方法
定期試験=1
レポート=2
その他=3
3
評価方法
評価方法割合評価基準
実習への取り組み30%■ 積極的に実習へと取り組んだか。
※ 単に出席するだけでは基準を満たさない。
計5つのレポート (各14点)70%■ 適切な分析・考察を行っているか。
■ 美しい体裁で記述されているか。
※ レポートはすべて提出しないと失格となる。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『使用しない』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『認定心理士資格準拠 実験・実習で学ぶ心理学の基礎』日本心理学会 認定心理士資格認定委員会 編金子書房2500円+税9784760830312
参考URL
質疑応答
■ 講義中はもちろん、講義前後でも質問は常に歓迎します。
■ メールでの相談も受け付けます。状況次第では、質問・課題提出用の連絡ツールを導入します。
備考
■ 講義の性質上、受講生には一定の積極性・協調性が求められます。
■ 実習および課題にはグループ単位で取り組むため、各人が責任感をもって講義に臨んでください。
■ 心理学に関する予備知識は必須ではありませんが、知識を備えていることは有利に働くでしょう。
■ 講義中はお静かに。実習中もほどほどに。楽しみながらもマナーを忘れないように!
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更新日付2023/02/02 17:40:42