開講年度2023
開講学科宗教文化学科 2014年度以降入学
歴史学科 2015年度以降入学
英語英米文化学科 2015年度以降入学
日本文化学科 2013年度以降入学
グローバル英語学科 2013年度以降入学
総合政策学科 2013年度以降入学
健康栄養学科 2013年度以降入学
2021年度薬学部医療薬学科6年
2022年度心理学部心理学科
2023年度健康科学部健康栄養学科
2023年度健康科学部健康科学科
2018年度心身科学部健康科学科
2018年心身科学部心理学科
2022年度総合政策学部総合政策学科
2021年度文学部グローバル英語学科
2021年度文学部英語英米文化学科
科目名哲学Ⅰ
担当教員松野 充貴
学期曜日時限春学期 水曜日 1時限
チームコードg0hikru
科目区分選択
授業形態講義
対象学年1年
単位数2
科目ナンバーB131-111-01
関連性が高い
ディプロマ・ポリシー
B-DP3-3 課題発見力 ◎ B-DP3-4 論理的思考力 ◎ 薬-DP1 人々の健康維持と医療の発展に携わる者として求められる教養と倫 理観とコミュニケーション能力を身に付ける。
キャンパス日進キャンパス
担当教員の実務経験


テーマ
哲学的思考と討論の技法
授業の概要
現代はポスト・トゥルースの時代とも呼ばれ、真理とは何かという問題が盛んに提起されている。それゆえ、真理とは何か、いかなる議論の形式を真理とみなすのかは重要な課題となっている。また、価値が多様化した現代において異なる価値を有する他者といかに対話し、合意するのかは喫緊の問題である。本講義では以上のことを問題意識として、第一回から第九回までは教科書を用い、倫理学の主要な問題について功利主義と義務論の立場から考える。第十回から第十五回まではそれぞれの回一つのテーマを取り上げ、リベラリズムを中心に様々な倫理的立場について学ぶ。本講義は受講者に自らの考えを発表してもらいそれに基づいて講義をおこなう。それゆえ、受講者には積極的な発言が求められる。
授業の到達
目標
授業の到達目標は以下の六点である。一、義務論、功利主義、リベラリズムの倫理的原理を説明できるようになること。二、哲学的対話の方法を学ぶことによって他者を論破するのではなく、内省的対話の仕方を習得すること。三、対話のなかから自らの問題意識を照らし出すものを客観的に説明できるようになること。五、自らの議論の形式を客観的に反省することができるようになること。六、他者の立場を理解し、自らの議論の形式ではいかなる推論が可能なのかを理解できるようになること。
課題
(定期試験
・レポート試験
・授業内試験など)の
フィードバック方法
授業の終わりにリアクション・ペーパーを提出し、次回の冒頭において応答する。また、テストのフィード・バックについては学務情報システムにおいて模範解答を提示する。
使用言語
日本語
実務経験をいかした教育内容
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学習・時間(分)
1第一回 イントロダクション                           討論形式で講義をおこなう。トロッコ問題などの思考実験を例に倫理学の基礎を学ぶ。倫理学の原理的探究の方法および、倫理学の対象について学ぶ。予習、配布資料を読む(60分)。復習、講義で配布された資料を参考に学習内容をまとめる(120分)。
2第二回 実践倫理(1)――死刑制度をどう考える?
討論形式で講義をおこなう。死刑制度の賛成派と反対派に分かれそれぞれの立場で議論をする。ここでは義務論と功利主義の根本的特徴について学ぶ。
予習。教科書の内容をまとめておく(60分)。練習問題を解く(60分)。復習。講義をまとめ、練習問題を解きなおす(120分)。
3第三回 実践倫理(2)――嘘をつくことの倫理
一般に嘘はいけないとされるのだが、嘘も方便という言葉があるように嘘をつくことが擁護される場面もある。嘘は絶対ついてはならないものなのか、ついてよい場合はどのような条件に限定されるのかについて議論する。
予習。教科書の内容をまとめておく(60分)。練習問題を解く(60分)。復習。講義をまとめ、練習問題を解きなおす(120分)。
4第四回 実践倫理(3)――自殺と安楽死
自殺について討論する。自殺することは常に悪いことなのか?病で激痛に耐え続けなければいけないとしたら安楽死することは許されるのか?また、治療を中止することについて、とりわけ、家族としての責任とは何かについて考える。
予習。教科書の内容をまとめておく(60分)。練習問題を解く(60分)。復習。講義をまとめ、練習問題を解きなおす(120分)。
5第五回 実践倫理(4)――他者危害の原則と喫煙の自由
喫煙を題材に他者危害について議論する。また、トマス・ポッゲを参照しながら積極的危害と消極的危害について学び、市場原理によってもたらされる危害について考える。
予習。教科書の内容をまとめておく(60分)。練習問題を解く(60分)。復習。講義をまとめ、練習問題を解きなおす(120分)。
6第六回 実践倫理(5)――動物を食べること
動物愛護と動物を食べることをいかにして両立させるのか、肉食の正当化の論理をどのようにして構築するのか、を議論する。また、捕鯨問題を例に文化圏ごとの食および生命観の差異について学習する。解説として、ピーター・シンガーの動物の倫理を扱う。
予習。教科書の内容をまとめておく(60分)。練習問題を解く(60分)。復習。講義をまとめ、練習問題を解きなおす(120分)。
7第七回 実践倫理(6)――善を為すことは義務なのか?
善行の倫理学的な位置づけについて議論する。義務であるとするならば、いかなる条件であるのか?そもそも義務とは何かについて考える。また、解説として、二つの義務論を扱う。カントの義務論とシンガーの援助義務論。
予習。教科書の内容をまとめておく(60分)。練習問題を解く(60分)。復習。講義をまとめ、練習問題を解きなおす(120分)。
8第八回 実践倫理(7)――善をなす動機について
善は利他主義あるいは利己主義的なものなのか。それとも、善行自体が問題であって動機はいかなる関係もないのかなど善行と動機の関係について討論する。また解説として、プラトンの『ゴルギアス』を扱い、利己主義についての考察を深める。
予習。教科書の内容をまとめておく(60分)。練習問題を解く(60分)。復習。講義をまとめ、練習問題を解きなおす(120分)。
9第九回 実践倫理(8)――災害時の倫理について
災害時にとるべき行動を「津波てんでんこ」および「囚人のジレンマ」を例に討論する。解説としてマイケル・サンデルの『これからの正義の話をしよう』を扱い、倫理学の様々な立場を紹介し、多様な議論のなかでどのような立場を確立すべきなのかを考える。
予習。教科書の内容をまとめておく(60分)。練習問題を解く(60分)。復習。講義をまとめ、練習問題を解きなおす(120分)。
10第十回 リベラリズム                            リベラリズムの代表的著作であるロールズを例に正義、善とは何かついて『正義論」を中心に学ぶ。無知のベールを思考実験として用いる。また。ロールズの「合理的なもの」と「理にかなったもの」の違いを解説する。予習。教科書の内容をまとめておく(60分)。練習問題を解く(60分)。復習。講義をまとめ、練習問題を解きなおす(120分)。
11第十一回 フェミニズム                           現代の重要な社会課題であるフェミニズムについて考える。また、フェミニズムの隣接領域であるLGBTQについて考える。解説として構築主義の基礎的な考え方と準客体を用いたフェミニズムの考え方を例示する。予習。教科書の内容をまとめておく(60分)。練習問題を解く(60分)。復習。講義をまとめ、練習問題を解きなおす(120分)。
12第十二回 アファーマティブ・アクション                 アファーマティブ・アクションについて考える。特定の社会的カテゴリーを優遇することはどこまで許容されるべきかについて考える。また、世代間正義についても講義し、優遇措置を採用した際の世代間の不公平について解説する。予習。教科書の内容をまとめておく(60分)。練習問題を解く(60分)。復習。講義をまとめ、練習問題を解きなおす(120分)。
13第十三回 教育の格差問題                        ピエール・ブルデューの『ディスタンクシオン』を中心に教育の核問題の学説を学び、そのうえで、マイケル・サンデルの『実力も運のうち」において議論される社会的地位について倫理的問題を解説する。予習。教科書の内容をまとめておく(60分)。練習問題を解く(60分)。復習。講義をまとめ、練習問題を解きなおす(120分)。
14第十四回 ケア倫理                             アネマリー・モルの『ケアのロジック』を例にケア倫理について学ぶ。とりわけ、カントを中心とした伝統的倫理学と対比することによってその特徴を解説する。予習。教科書の内容をまとめておく(60分)。練習問題を解く(60分)。復習。講義をまとめ、練習問題を解きなおす(120分)。
15第十五回 生命倫理                            ジョルジュ・カンギレムの『正常と病理』において展開される規範概念を例に生命倫理について考える。また、ミシェル・フーコーにおける正常化についての権力論との関連のうちで生命についての倫理学を考える。予習、配布資料を読む(120分)。復習、講義で配布された資料を参考に学習内容をまとめる(180分)。
試験実施方法
定期試験=1
レポート=2
その他=3
評価方法
評価方法割合評価基準
定期テスト100様々な倫理的立場を説明ができているか。適切な形式で議論を展開することができているか。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『『実践・倫理学――現代の問題を考えるために』 』児玉聡勁草書房25009784326154630
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『『プラトンに関する十一章』』アラン筑摩書房593978-4480093455
2.『『メノン』』プラトン岩波書店704978-4003360163
3.『『性の歴史II 快楽の活用』』ミシェル・フーコー新潮社38509784801001350
4.『『実践理性批判――倫理の形而上学の基礎づけ』』イマヌエル・カント作品社6000978-4861824364
参考URL
質疑応答
講義ではリアクションペーパーにて。また、メールにて随時、受け付ける。
備考
画像
ファイル
更新日付2023/02/06 11:48:40