開講年度2022
開講学科2018年度文学研究科英語圏文化専攻博士前期課程
科目名英語圏文化特講Ⅰ(異文化交流理解研究) 講義
担当教員岩田 和男
学期曜日時限通年 火曜日 4時限
チームコード
科目区分
授業形態講義
対象学年1年
単位数4
科目ナンバー
関連性が高い
ディプロマ・ポリシー
キャンパス日進キャンパス
担当教員の実務経験


テーマ
異文化理解
授業の概要
 明治・大正期の英米人日本旅行記とヨーロッパ諸国人のそれとを比較することで、英語文化圏にとっての「他者理解」の特徴を抽出、英語文化圏特有の異文化理解を概括する。その特徴を1960年代のフランス思想家の日本旅行記と比較、逆照射することで、相違点を浮かび上がらせたい。
 さらに現在の「日本ブーム」という新たな文脈にその歴史的理解を置き、19世紀から21世紀にわたる人的交流による文化現象を考察する。
 そして、21世紀の異文化理解はまったく新たな局面を迎えているのか、それとも20世紀的異文化理解の反復であるのかを検証したい。そうするなかで、学生のブロガーとの積極的なコミュニケーションどりを奨励、異文化コミュニケーション能力の実際的な伸長も図る。
授業の到達
目標
・英語文化圏の他者理解の特徴を説明し、それが21世紀に変遷したのか否かを説明できる。
・社会や世界との関わりを通して、他者とのコミュニケーション能力が養われる。
・現在のブロガーとのコミュニケーション実践を通じて、英語圏文化の特徴がどのようにグローバライズしているのか、していないのか、検証できる。
課題
(定期試験
・レポート試験
・授業内試験など)の
フィードバック方法
Teamsで講評を知らせる
使用言語
授業は日本語を使用。英語文献を用いる。フランス語文献は英語訳と日本語訳を併用、フランス語の知識は必要ない。ヨーロッパ諸国の文献は、あれば英語訳、なければ日本語訳を使用。
実務経験をいかした教育内容
授業計画(春)
回数授業スケジュール授業時間外学習・時間(分)
1イントロダクション:ジャポニスムとは何か?予習:ジャポニスムについて調べる(60)
復習:ジャポニスムをまとめる(60)・ジャポニスム文学に何があるかタイトルを探す(120)
2ジャポニスム文学とは? アメリカ人作の代表作品 Madame Butterfly 前半を読む予習:指定された作品前半のうち気になる箇所を探す(120)
復習:作品前半に出た特徴をまとめる(120)
3アメリカ人の代表作品 Madame Butterfly 後半を読む予習:指定された作品後半のうち気になる箇所を探す(120)
復習:作品後半に出た特徴をまとめ、他にどんな作品があるか探す(120)
4イギリス人の代表的ムスメ小説(ムスメの名前をタイトルに付したジャポニスム小説) Ayamesan 前半を読んで特徴を確認予習:ムスメ小説にどんなものがあるか調べる(120)
復習:学習した特徴をまとめ、他に特徴がないか調べる(120)
5イギリス人の代表的ムスメ小説 Ayamesan 後半を読んで特徴を確認、ディスカッション予習:調べた作品について発表できるようにしておく(120)
復習:新たな特徴をまとめておく(120)
6ムスメ小説のまとめ、もう一つのジャポニスム文学としての「日本旅行記」紹介――英米人著書はあるのに、何故カナダ人、オーストラリア人著書がないのかを問う――予習:日本旅行記について下調べ(120)
復習:ディスカッションで挙がった特徴をまとめておく(120)
7英米人による「日本旅行記」の代表作①(Sir Ernest Mason Satow)前半を読む予習:Sir Ernest Mason Satowについて調べる(120)
復習:前半の特徴をまとめておく(120)
8英米人による「日本旅行記」の代表作①後半を読む復習:後半の特徴をまとめ、旅行記①の全体的特徴をムスメ小説の特徴と比較できるように論点整理(240)
9日本旅行記①がどのような目で日本を見たか、ムスメ小説の特徴と比較しながらディスカッション予習:前回復習でした論点整理をディスカッション用にまとめる(60)
復習:ディスカッション内容を整理してレポートのために論点整理(180)
10英米人日本旅行記の代表作②(Rev. Walter Weston)前半を読む予習:Rev. Walter Westonについて調べる(120)
復習:前半の特徴をまとめておく(120)
11英米人による「日本旅行記」の代表作②後半を読む復習:後半の特徴をまとめ、旅行記②の全体的特徴をムスメ小説・旅行記①の特徴と比較できるように論点整理(240)
12ここまでの読みに基づいて、英米人日本旅行記の特徴をディスカッション予習:前回復習でした論点整理をディスカッション用にまとめる(60)
復習:ディスカッション内容を整理してレポートのために論点整理(180)
13ドイツ人 O. von Mohl の見た日本の特徴を今までの知見と照合(ディスカッション)予習:O. von Mohl について調べる(120)
復習:ドイツ人旅行記の特徴をまとめてレポートのために論点整理(120)
14フランス人 A. Bellesort の見た日本の特徴を今までの知見と照合(ディスカッション)予習:A. Bellesort について調べる(120)
復習:フランス人旅行記の特徴をまとめてレポートのために論点整理(120)
15英米人ジャポニスム全体を振り返り、ディスカッション予習:春学期全体を振り返ってディスカッションのための論点整理(120)・課題レポート作成に向けて主題設定のうえ論点整理(120)
試験実施方法(春)
定期試験=1
レポート=2
その他=3
3
評価方法(春)
評価方法割合評価基準
授業回ごとのコメント・ペーパー50%授業内容の理解度60%、論理性30%、誤字脱字10%
春学期レポート50%授業内容の理解度30%、授業内容からの発展度30%、論理性30%、誤字脱字10%
授業計画(秋)
回数授業スケジュール授業時間外学習・時間(分)
1戦後のイギリス人による日本滞在記として Peter Milward, The Old-New World of Japan(『日本見聞録』)前半を読む予習:Peter Milward について調べる(120)
復習:Milward の haiku 観をまとめておく(120)
2『日本見聞録』後半を読む、戦後イギリス人による異文化理解をまとめる復習:イギリス人の特徴をまとめておく(120)・ディスカッションのための論点整理(120)
31960年代フランス知識人が見た日本を知る① Roland Barthes, L'Empire des signes(英語・日本語訳併用)前半を読む予習:Roland Barthesの思想について調べる(120)
復習:L'Empire des signes についてまとめる(120)
4L'Empire des signes(英語・日本語訳併用)後半を読む予習:L'Empire des signes 論について調べる(120)
復習:Barthesの思想についてまとめる(120)
51960年代フランス知識人が見た日本を知る② Alexandre Kojeve 佐々木孝次『文字と見かけの国』所収、コジェーヴ関連個所を読む 前半予習:Alexandre Kojeve について調べる(120)
復習:Kojeve の日本訪問時関連記述についてまとめる(120)
6『文字と見かけの国』所収、コジェーヴ関連個所を読む 後半予習:『文字と見かけの国』関連個所を読んでまとめておく(120)
復習:Kojeve の思想についてまとめる(120)
71960年代フランス知識人が見た日本を知る③ Jacques Lacan, Fondements de la psychanalyse, Lesson 11 (英語訳使用) 、『文字と見かけの国』所収、ラカン関連個所を読む 前半予習:Jacques Lacan について調べる(120)
復習:Lacan の日本訪問時関連記述についてまとめる(120)
8Fondements de la psychanalyse, Lesson 11 (英語訳使用) 、『文字と見かけの国』所収、ラカン関連個所を読む 後半予習:『文字と見かけの国』関連個所を読んでまとめておく(120)
復習:Lacan の考えについてまとめる(120)
9シルクロード・美の回廊Ⅱ「“微笑み”がきた道」視聴予習:NHKのテレビ番組「“微笑み”がきた道」について調べておく・フランス知識人が見た日本との接点を探る(120)
復習:ポイントを論点整理したうえで、春学期で得た知見と重ねて考察する(120)
10フランスの漫画ブームはどのようにして起きたのか、フランス人の書いた英文で確認予習:資料を読んでおく(120)
復習:後期レポート作成のためにポイントを論点整理しておく(120)
11第6~9回で得た情報から21世紀ジャポニスムの一側面をディスカッション予習:ディスカッションのための論点整理(120)
復習:後期レポート作成のためにポイントを論点整理しておく(120)
12もう一つの日本旅行記・日本体験をブログから探る、学生による報告予習:"japan/tourism/bloggers"(一例)で検索、ブログ上の日本訪問記がどういう特徴を持つのか論点整理(240)
13学生によるブロガーとのコミュニケーション実践報告、ディスカッション予習:ブロガーとのコミュニケーションどり(120)・報告やディスカッションのための論点整理(120)
14学生による YouTubers とのコミュニケーション実践報告予習:YouTubers とのコミュニケーションどり(120)・報告やディスカッションのための論点整理(120)
15150年間のジャポニスムを超域文化論的文脈でディスカッション予習:秋学期全体を振り返ってディスカッションのための論点整理(120)
復習:課題レポート作成に向けて主題設定のうえ論点整理(120)
試験実施方法(秋)
定期試験=1
レポート=2
その他=3
3
評価方法(秋)
評価方法割合評価基準
授業回ごとのコメント・ペーパー30%授業内容の理解度60%、論理性30%、誤字脱字10%
第27~29回の学生報告30%発表内容60%、プレゼンテーション20%、事前準備の十全度20%
学期末レポート40%授業内容の理解度30%、授業内容からの発展度30%、論理性30%、誤字脱字10%
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『使用しない』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『多岐にわたるので、詳細は第1回講義で知らせる』
参考URL
1.Mountaineering and Exploration in the Ja春学期第10回講義で使用
2.Japan's growing cultural power. The exam秋学期第10回講義で使用
3.Los Angeles Times秋学期第11回講義で使用
質疑応答
水曜日昼休み(メールでアポ)
kiwata@psis.agu.ac.jp
備考
 新型コロナウイルス感染症対策等の事情により、シラバスの記載内容に変更が生じる可能性がある。変更に際しては、Web CampusもしくはTeams等を通じて連絡するので、十分に注意すること。
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更新日付2022/02/09 10:17:02