開講年度2022
開講学科2017年度商学研究科商学専攻博士前期課程
科目名租税法研究(Ⅰ)(租税法実務) 1年演習 (夜間・土曜日)
担当教員川井 和子
学期曜日時限通年 火曜日 7時限
チームコード
科目区分
授業形態
対象学年1年
単位数4
科目ナンバー
関連性が高い
ディプロマ・ポリシー
キャンパス名城公園キャンパス
担当教員の実務経験


テーマ
租税法学演習
授業の概要
本研究科は、ビジネスの実践的な研究を通して、最先端ビジネス・エキスパートや税理士等の育成およびビジネス・パーソンのリカレント教育を目的としています。ビジネス社会の最前線の動向をふまえて、学生の研究計画に基づき租税法学の学術的かつ実践的な研究指導を行います。
本演習の狙いは、まず租税法学における法的思考(リーガルマインド)を養成することです。事例研究により、租税法の解釈・適用における重要な論点を採上げ、問題意識の涵養を図りつつ報告や討論により理解を深めていきます。
具体的には、下記授業スケジュールの内容に沿って、掲出した判例の中から受講生が自ら選択した事例について研究報告します。
以上より、修士論文作成のための文献収集・考察・論述の方法を修得することとします。
授業の到達
目標
①事例研究により、法的思考(リーガルマインド)を修練し、②文献を講読することにより専門知識を習得します。
以上より、事例研究の方法及び論述の方法を身につけ、形式・内容とも整った租税法の修士論文を執筆することができるようにします。
課題
(定期試験
・レポート試験
・授業内試験など)の
フィードバック方法
対面方式に加えてTeamsによるオンライン方式の面談により、受講生の今後の学修に関するアドバイスをします。
使用言語
日本語
実務経験をいかした教育内容
税理士である実務家教員として、常に実務の動向を意識しながら授業を進めます。また、国税庁の任務や納税者の代理人である税理士の使命・業務について触れ、紛争予防のために納税者としてなすべきことや税理士が研鑽を積むことの重要性をお話します。
授業計画(春)
回数授業スケジュール授業時間外学習・時間(分)
1ガイダンス
①研究活動の公正性について
②租税法の意義
③修士論文作成のための作法と留意事項
予習:日本国憲法の全条文を通読すること。
復習:配布資料にて修士論文における法律文献の出典・表示方法等を習得すること。(240分)
2判例研究
大島訴訟(最大判昭和60・3・27)
予習:判例をLEX/DBで書誌及び全文入手。関係法令を確認の上①事案の概要②争点及び争点に関する当事者の主張③判断を整理すること。
復習:授業で示された検討事項につき考察すること。(240分)
3判例研究
旭川国民健康保険条例事件(最大判平成18・3・1)
予習:判例をLEX/DBで書誌及び全文入手。関係法令を確認の上①事案の概要②争点及び争点に関する当事者の主張③判断を整理すること。
復習:授業で示された検討事項につき考察すること。(240分)
4判例研究
スコッチライト事件(大阪高判昭和44・9・30)
予習:判例をLEX/DBで書誌及び全文入手。関係法令を確認の上①事案の概要②争点及び争点に関する当事者の主張③判断を整理すること。
復習:授業で示された検討事項につき考察すること。(240分)
5判例研究
ホステス報酬源泉徴収事件(最三小判平成22・3・2)
予習:判例をLEX/DBで書誌及び全文入手。関係法令を確認の上①事案の概要②争点及び争点に関する当事者の主張③判断を整理すること。
復習:授業で示された検討事項につき考察すること。(240分)
6判例研究
武富士事件(最二小判平成23・2・18)
予習:判例をLEX/DBで書誌及び全文入手。関係法令を確認の上①事案の概要②争点及び争点に関する当事者の主張③判断を整理すること。
復習:授業で示された検討事項につき考察すること。(240分)
72~6回のまとめ予習:2~6回で採上げた判例につき改めて論点を整理すること。
復習:上記裁判所の判断について租税法律主義・租税公平主義の両観点から検討し残された課題について考察すること。(240分)
8判例研究
りそな外税控除否認事件(最二小判平成17・12・19)
予習:判例をLEX/DBで書誌及び全文入手。関係法令を確認の上①事案の概要②争点及び争点に関する当事者の主張③判断を整理すること。
復習:授業で示された検討事項につき考察すること。(240分)
9判例研究
航空機リース事件(名古屋高判平成17・10・27)
予習:判例をLEX/DBで書誌及び全文入手。関係法令を確認の上①事案の概要②争点及び争点に関する当事者の主張③判断を整理すること。
復習:授業で示された検討事項につき考察すること。(240分)
10判例研究
米国デラウェア州LPS事件 (最二小平成27・7・17)
予習:判例をLEX/DBで書誌及び全文入手。関係法令を確認の上①事案の概要②争点及び争点に関する当事者の主張③判断を整理すること。
復習:授業で示された検討事項につき考察すること。(240分)
11判例研究
最近の事例研究から学生の関心に応じて選択
予習:判例をLEX/DBで書誌及び全文入手。関係法令を確認の上①事案の概要②争点及び争点に関する当事者の主張③判断を整理すること。
復習:授業で示された検討事項につき考察すること。(240分)
12判例研究
国税徴収法39条による第二次納税義務(最一小平成21・12・10)
予習:判例をLEX/DBで書誌及び全文入手。関係法令を確認の上①事案の概要②争点及び争点に関する当事者の主張③判断を整理すること。
復習:授業で示された検討事項につき考察すること。(240分)
13判例研究
弁護士夫婦事件(最三小判平成16・11・2)
予習:判例をLEX/DBで書誌及び全文入手。関係法令を確認の上①事案の概要②争点及び争点に関する当事者の主張③判断を整理すること。
復習:授業で示された検討事項につき考察すること。(240分)
14判例研究
最近の事例研究から学生の関心に応じて選択
予習:判例をLEX/DBで書誌及び全文入手。関係法令を確認の上①事案の概要②争点及び争点に関する当事者の主張③判断を整理すること。
復習:授業で示された検討事項につき考察すること。(240分)
158~14回のまとめ予習:8~14回で採上げた判例につき改めて論点を整理すること。
復習:上記裁判所の判断について租税法律主義・租税公平主義の両観点から検討し残された課題について考察すること。(240分)
試験実施方法(春)
定期試験=1
レポート=2
その他=3
3
評価方法(春)
評価方法割合評価基準
授業時のプレゼンテーション40%①問題意識の明確性
②内容及び形式
③報告内容についての理解度
夏休みの課題及び学年末に提出された課題の内容40%①問題意識の明確性
②内容及び形式
③内容についての理解度
演習時の討論における発言内容等20%①問題意識の明確性
②報告内容についての理解度
授業計画(秋)
回数授業スケジュール授業時間外学習・時間(分)
1判例研究
事業所得と給与所得の区分(最二小判昭和56・4・24)
予習:判例をLEX/DBで書誌及び全文入手。関係法令を確認の上①事案の概要②争点及び争点に関する当事者の主張③判断を整理すること。
復習:授業で示された検討事項につき考察すること。(240分)
2判例研究
最近の事例研究から学生の関心に応じて選択
予習:判例をLEX/DBで書誌及び全文入手。関係法令を確認の上①事案の概要②争点及び争点に関する当事者の主張③判断を整理すること。
復習:授業で示された検討事項につき考察すること。(240分)
3判例研究
名古屋財産分与事件(最三小判昭和50・5・27)
予習:判例をLEX/DBで書誌及び全文入手。関係法令を確認の上①事案の概要②争点及び争点に関する当事者の主張③判断を整理すること。
復習:授業で示された検討事項につき考察すること。(240分)
4最近の事例研究から学生の関心に応じて選択予習:判例をLEX/DBで書誌及び全文入手。関係法令を確認の上①事案の概要②争点及び争点に関する当事者の主張③判断を整理すること。
復習:授業で示された検討事項につき考察すること。(240分)
5判例研究
一時所得と雑所得の区分(最三小判平成27・3・10)
予習:判例をLEX/DBで書誌及び全文入手。関係法令を確認の上①事案の概要②争点及び争点に関する当事者の主張③判断を整理すること。
復習:授業で示された検討事項につき考察すること。(240分)
6判例研究
ペット葬祭業事件(最二小判平成20・9・12)
予習:判例をLEX/DBで書誌及び全文入手。関係法令を確認の上①事案の概要②争点及び争点に関する当事者の主張③判断を整理すること。
復習:授業で示された検討事項につき考察すること。(240分)
7判例研究
清水惣事件(大阪高判昭和53・3・30)
予習:判例をLEX/DBで書誌及び全文入手。関係法令を確認の上①事案の概要②争点及び争点に関する当事者の主張③判断を整理すること。
復習:授業で示された検討事項につき考察すること。(240分)
8判例研究
ビックカメラ事件(東京高判平成25・7・19)
予習:判例をLEX/DBで書誌及び全文入手。関係法令を確認の上①事案の概要②争点及び争点に関する当事者の主張③判断を整理すること。
復習:授業で示された検討事項につき考察すること。(240分)
9判例研究
同族会社の行為計算の否認と所得税(最三小判平成6・6・21)
予習:判例をLEX/DBで書誌及び全文入手。関係法令を確認の上①事案の概要②争点及び争点に関する当事者の主張③判断を整理すること。
復習:授業で示された検討事項につき考察すること。(240分)
10判例研究
国際課税における源泉徴収の意義(東京地判平成23・3・4)
予習:判例をLEX/DBで書誌及び全文入手。関係法令を確認の上①事案の概要②争点及び争点に関する当事者の主張③判断を整理すること。
復習:授業で示された検討事項につき考察すること。(240分)
11判例研究
日本美装事件(東京高判平成21・2・18)
予習:判例をLEX/DBで書誌及び全文入手。関係法令を確認の上①事案の概要②争点及び争点に関する当事者の主張③判断を整理すること。
復習:授業で示された検討事項につき考察すること。(240分)
12判例研究
贈与による財産取得の時期(名古屋高判平成10・12・25)
予習:判例をLEX/DBで書誌及び全文入手。関係法令を確認の上①事案の概要②争点及び争点に関する当事者の主張③判断を整理すること。
復習:授業で示された検討事項につき考察すること。(240分)
13判例研究
みなし贈与(大阪高判平成26・6・18)
予習:判例をLEX/DBで書誌及び全文入手。関係法令を確認の上①事案の概要②争点及び争点に関する当事者の主張③判断を整理すること。
復習:授業で示された検討事項につき考察すること。(240分)
14修士論文・研究経過報告書作成指導1予習:①研究経過報告書を作成すること。②修士論文の概要についてまとめ(10,000字程度)、プレゼンテーションの準備をすること。
復習:授業で示された検討事項につき修正すること。(240分)
15修士論文・研究経過報告書作成指導2予習:①研究経過報告書を作成すること。②修士論文の概要についてまとめ(10,000字程度)、プレゼンテーションの準備をすること。
復習:授業で示された検討事項につき修正すること。(240分)
試験実施方法(秋)
定期試験=1
レポート=2
その他=3
3
評価方法(秋)
評価方法割合評価基準
授業時のプレゼンテーション40%①問題意識の明確性
②内容及び形式
③報告内容についての理解度
夏休みの課題及び学年末に提出された課題の内容40%①問題意識の明確性
②内容及び形式
③内容についての理解度
演習時の討論における発言内容等20%①問題意識の明確性
②報告内容についての理解度
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『租税法[第24版]』金子宏弘文堂7,150円978-4-335-31555-8版が改まった場合はそれによる。以下同じ。
2.『租税判例百選[第7版]』中里実ほか編有斐閣2,970円978-4-641-11553-8
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『リーガルマインド租税法 [第5版]』増田英敏成文堂4,950円978-4-7923-0649-6版が改まった場合はそれによる。以下同じ。
2.『税法基本講義[第7版]』谷口勢津夫弘文堂4,079円978-4-335-35874-6
3.『租税法判例六法[第5版]』中里実他有斐閣2,970円978-4-641-00157-2
4.『ハイポセティカル・スタディ租税法[第3版]』岩﨑政明弘文堂3,850円978-4-335-35465-6
参考URL
1.財務省HP 税制改正の概要わが国の税制の概要、法改正や税制調査会の動向についての情報が得られる。
2.国税庁HP税の情報、手続、法令等、裁決事例などにアクセスできる。
3.国会図書館HP リサーチ・ナビ:国会図書館(法律)特に過去の法令について調べる際有用である。
質疑応答
授業終了後又はオフィスアワーに研究室(2915)にて。オフィスアワ-: 火曜日 16時30分~17時30分、水曜日16時30分~17時30分(要予約) Mail:kawai@dpc.agu.ac.jp
※Teamsによるオンライン方式の面談も活用してください。
備考
租税法に関する事項の調べ方については、テキスト2.『租税判例百選[第7版]』35頁「[資料]租税法の調べ方」を参照してください。
なお、受講生の履修状況により、適宜、内容・進度等を調整・変更することがあります。また、研究報告に応じて授業内容等にフィードバックする予定です。
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更新日付2022/02/07 17:54:03