開講年度2022
開講学科法律学科 2013年度以降入学
現代社会法学科 2013年度以降入学
2020年度法学部現代社会法学科
2020年度法学部法律学科
科目名法学
担当教員鈴木 慎太郎
学期曜日時限秋学期 月曜日 2時限
チームコード20lb5b4
科目区分必修
授業形態講義
対象学年1年
単位数2
科目ナンバーW131-211-01
J131-211-01
関連性が高い
ディプロマ・ポリシー
J-DP1-1 社会に関する知識 ◎ J-DP4-2 体系的・論理的に思考する能力 ◎ J-DP5-1 法の精神の理解 ◎
キャンパス名城公園キャンパス
担当教員の実務経験


テーマ
「法学」を旅するための大まかな「地図」を得る
授業の概要
 これから法学部で法を本格的に学ぼうとする人のための入門講義です。
 まず、法はどのような形で存在するのか(法源論)、法をどのように調べるのかなど、法学を学ぶ上で、一般的に知っておくべき基本的な知識・情報を学びます。次に、みなさんがこれから4年間学ぶことになる、様々な法分野について、六法(憲・民・商・民訴・刑・刑訴)を中心に、個々の基幹実定法学の基本的な考え方を学びます。続いて、近代法の特徴とその成立過程、法の現代的課題、司法制度の人的基盤について説明し、最後に、法と法学が私たちにとって何の役に立つのか、その社会的機能について論じます。
 以上の内容を学ぶことによって、受講生が、高等学校までで学ぶことのなかった専門的な法学の学習に円滑に移行できるようにすることが本講義のねらいです。
授業の到達
目標
(1) 法学の基礎的・一般的な知識について説明できる。
(2) 基幹実定法学の基本的な考え方を説明できる。
(3) 近代法の特徴とその成立過程の概要を説明できる。
(4) 法をめぐる現代的課題について説明できる。
(5) 基本的なリーガル・リサーチを行える。
(6) 司法制度と裁判の実際を説明できる。
課題
(定期試験
・レポート試験
・授業内試験など)の
フィードバック方法
WebCampusの「講義連絡」を使用して授業講評を送信します。
使用言語
日本語
実務経験をいかした教育内容
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学習・時間(分)
1◇イントロダクション: 「法を学ぶ」とは?
①大学で学ぶことは何か、法学部で学ぶことはどのようなことかを知る。
②4年かけて学ぶ「法学」が自分にも社会にも役立つことを知る。
【予習】大学で学ぶこと、法学部で学ぶことの意味を考える。(30)
【復習】①大学で学ぶこと、②法学部で学ぶこと、③法的知識、法的思考の有用性について、講義での説明をふまえ、考えをまとめる。(30)
2◇法源論: 法はどのようなものとして存在するのか?
①「法源」という言葉を理解する。
②なぜ、「法源」などというものを論じなければいけないのか、「法源論」の意義を理解する。
③何がどのように「法源」と考えられているのかを理解する。
【予習】参考書等を用いて「法源」という言葉の意味を調べ、まとめる。(30)
【復習】授業の内容を配布資料を用いて復習したうえ、配布資料にある問いに答える。(60)
3◇法の機能・性格と分類
①法を二元的に分類するための対概念(ペアとなる概念)を知る。
②そのような法を分ける「対概念」が、何を基準に「対」になっているのかを理解する。
③基本的な法律を、このような対概念を使って説明できる。
【予習】配布資料にある問の答えを考える。(60)
【復習】配布資料にある問に完答できるように繰り返し復習する。(60)
4◇実定法入門(1): 民法
①民法という法的ルール群を支える「思想」を理解する。
②民法が想定する単純な「人間の社会関係のモデル」を理解する。
③民法典が何を対象とするルールからできているのか、その、おおよその構成を理解する。
【予習】配布資料にある問の答えを考える。(60)
【復習】配布資料にある問に完答できるように繰り返し復習する。(60)
5◇実定法入門(2): 商法、労働法、経済法
①商法・労働法・経済法という民法の特別法の、特別法としての位置づけを理解する。
②商法・労働法・経済法のそれぞれの法が、どのような分野を規律する、どのようなルールかをおおまかに理解する。
【予習】配布資料にある問の答えを考える。(60)
【復習】配布資料にある問に完答できるように繰り返し復習する。(60)
6◇実定法入門(3): 刑法
①「罪刑法定主義」の意義と内容を理解する。
②刑罰はなぜ正当化できるのか、について考える。
③ある行為がなぜ犯罪とされるのか、その理由を考える。
【予習】配布資料にある問の答えを考える。(60)
【復習】配布資料にある問に完答できるように繰り返し復習する。(60)
7◇実定法入門(4): 民事訴訟法、刑事訴訟法
①民事裁判の手続きの流れを理解する。
②刑事裁判の手続きの流れを理解する。
③訴訟に関する重要な原則、考え方を理解する。
【予習】配布資料にある問の答えを考える。(60)
【復習】配布資料にある問に完答できるように繰り返し復習する。(60)
【課題】裁判傍聴(実施時期任意)とレポートの作成(学期末提出)
8◇実定法入門(5): 憲法
①国家とはどのようなもので、なぜ存在するのかについて理解する。
②憲法とはどのような法で、なぜ必要なのかについて理解する。
③日本国憲法の背景にある政治哲学を理解する。
【予習】配布資料にある問の答えを考える。(60)
【復習】配布資料にある問に完答できるように繰り返し復習する。(60)
【課題】裁判傍聴(実施時期任意)とレポートの作成(学期末提出)
9◇実定法入門(6): 行政法、国際法
①行政法の存在理由と概要、そして基本的な概念を理解する。
②国際法の存在理由と概要、そして基本的な概念を理解する。
【予習】配布資料にある問の答えを考える。(60)
【復習】配布資料にある問に完答できるように繰り返し復習する。(60)
【課題】裁判傍聴(実施時期任意)とレポートの作成(学期末提出)
10◇基礎法学入門: 法哲学、法制史、外国法、政治学
①法学部で基礎法学や政治学を学ぶ意義について理解する。
②基礎法学の各分野と政治学の概要を知る。
【予習】配布資料にある問の答えを考える。(60)
【復習】配布資料にある問に完答できるように繰り返し復習する。(60)
【課題】裁判傍聴(実施時期任意)とレポートの作成(学期末提出)
11◇日本近代法史: 日本は西洋近代法をどのように受け入れたのか?
①法を学ぶ際に、なぜ歴史を学ぶことが重要なのかを理解する。
②日本の近代法制度がどのように立ち上げられたのかを知る。
③六法についてその成立経緯と今日までの変遷の概要を知る。
【予習】配布資料にある問の答えを考える。(60)
【復習】配布資料にある問に完答できるように繰り返し復習する。(60)
【課題】裁判傍聴(実施時期任意)とレポートの作成(学期末提出)
12◇西洋近代法史: 西洋近代法システムはどのように生まれたのか?
①(西欧)近代法システム成立の前提となる事柄を理解する。
②日本が模範とした仏・独・米の近代法史の概要を知る。
③日本の現在の法制度やそれを支える理念の「ルーツ」を理解する。
【予習】配布資料にある問の答えを考える。(60)
【復習】配布資料にある問に完答できるように繰り返し復習する。(60)
【課題】裁判傍聴(実施時期任意)とレポートの作成(学期末提出)
13◇法をめぐる現代的課題: 社会の変化と近代法のゆらぎ
①社会の変化とそれに伴う近代法の原理の変容を理解する。
②1999年に始まった「司法制度改革」の目標・理念を理解する。
③「司法制度改革」による具体的な制度改革の概要を知る。
【予習】配布資料にある問の答えを考える。(60)
【復習】配布資料にある問に完答できるように繰り返し復習する。(60)
【課題】裁判傍聴(実施時期任意)とレポートの作成(学期末提出)
14◇司法制度の人的基盤: 司法を支えるさまざまな人々
①司法制度を支えるさまざまな職業の位置づけについて理解する。
②司法制度を支える職業の職務内容を知る。
③司法制度を支える職業に就くための標準的な過程を知る。
【予習】法律専門職の職種(資格)と職務内容を調査する。(60)
【復習】講義で取り上げた法律専門職の職務内容等を整理する。(60)
【課題】裁判傍聴(実施時期任意)とレポートの作成(学期末提出)
15◇まとめ: 法と法学は何の役に立つのか?
①これまでの講義を振り返り、講義の全体像をつかむ。
②「法」の存在意義をその機能(=何の役に立つのか)から考える。
③「法学」の存在意義をその機能(=何の役に立つのか)から考える。
【予習】法と法学の社会的意義について考えをまとめる。(30)
【復習】これまでの配布資料にある問に完答できるよう復習する。(90)
【課題】裁判傍聴(実施時期任意)とレポートの作成(学期末提出)
試験実施方法
定期試験=1
レポート=2
その他=3
1
評価方法
評価方法割合評価基準
リアクションペーパー15%講義毎に適切なフィードバック(感想・疑問点の指摘等)ができる。
裁判傍聴レポート15%傍聴した裁判の概要を把握し、疑問点、感想を論述できる。
定期試験70%様々な法分野の基礎的知識を理解し、論述できる。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『リーガル・リサーチ 第5版』いしかわまりこ他日本評論社1980円978-4-535-52162-9出版年:2016年
2.『法学ガイドブック』愛知学院大学法学部第1回目の基礎演習Ⅰで配布
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『法律学小辞典 第5版』高橋和之他編集代表有斐閣4950円978-4-641-00029-2出版年:2016年
2.『ポケット六法 令和4年版』佐伯・大村編集代表有斐閣2090円978-4-641-00922-6出版年:2021年
3.『キヨミズ准教授の法学入門』木村草太星海社924円978-4-06-138527-6出版年:2012年
4.『はじめての法律学 ― HとJの物語 第6版』松井茂記他有斐閣1870円978-4-641-22160-4出版年:2020年
参考URL
質疑応答
講義やテキスト・参考文献に関する質問・コメントは大いに歓迎します。講義の前後やオフィスアワーを利用してください。
オフィスアワーは、火曜3限、71006研究室です。
備考
※テキスト・参考書については、初回の講義で説明しますので、それまで用意する必要はありません。
※『法律学小辞典』は、高価ですが、4年間すべての法学系科目で参考にできるものですので入手することを推奨します。
※六法は、他の科目で指示があればその指示に従ってください。とくに指示がなければ『ポケット六法』(有斐閣)を推奨します。
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更新日付2022/02/03 21:56:08