開講年度2022
開講学科歴史学科 2015年度以降入学
科目名西洋史特殊講義B-Ⅱ
担当教員野々山 慶一
学期曜日時限秋学期 火曜日 3時限
チームコードzirhhax
科目区分選択
授業形態講義
対象学年2年
単位数2
科目ナンバーH231-165-10
関連性が高い
ディプロマ・ポリシー
H-DP3 現代的問題へのアプローチ ◎ H-DP4 世界史的・多元的な視野と人間力の育成 ◎
キャンパス日進キャンパス
担当教員の実務経験


テーマ
ヨーロッパの中のイギリス連合王国
授業の概要
 本年の講義テーマは「ヨーロッパの中のイギリス連合王国」を予定している。すなわち、イギリスとヨーロッパ大陸との関係を学びます。イギリスというと、「大英帝国」とか「光栄ある孤立」という言葉を思い浮かべる学生諸君も少なくないであろうが、イギリスはヨーロッパとの関係の中で国家形成を行ったのである。概観しただけでも、ケルト、ローマ、アングロ・サクソン、最期にノルマン征服までの度重なる異民族の侵入、百年戦争と18世紀の植民地争奪戦というフランスとの長期間の戦闘、そして二度の大戦におけるドイツとの戦闘を経て、ヨーロッパ共同体ECへの加盟まで、イギリスとヨーロッパとの関係は古くて新しい問題である。イギリスは果たしてヨーロッパか島国か?ヨーロッパからの離脱と回帰、ヨーロッパ大陸との統合と自立という問題を念頭に、イギリス連合王国の成立をヨーロッパの中で考えることによって、イギリス史の基礎知識を習得します。
授業の到達
目標
 イギリスの成り立ちを学びます。イギリスは、連合王国という名称が示す通り、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド四地域の連合国家である。又、イギリスは、大陸から渡来した印欧語族系諸民族の長きにわたる抗争と融合の結果生まれた民族複合国家である。イギリスは、ゲルマン民族のアングロ・サクソン一民族の国民国家ではなく、アングロ・サクソンとケルトの民族複合国家である。ところが、冷戦終結後、ヨーロッパ連合EU統合が進展すると、スコットランドとウェールズは地域的、民族的、文化的自己主張を強め、連合王国解体の危機が生じつつある。本講義では、このような課題を取り上げ、連合王国の形成過程を論ずる力をつけることができます。
課題
(定期試験
・レポート試験
・授業内試験など)の
フィードバック方法
 成績発表日に、講義連絡によって授業講評を送る予定にしている。
使用言語
 日本語
実務経験をいかした教育内容
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学習・時間(分)
1はじめにー講義内容の説明
ノルマン朝①-ノルマン征服
・ノルマン征服とは何か?
 ノルマン騎士のイングランド征服
 アングロ・サクソン貴族との支配層交替 
 征服王ウィリアム、仏カペー朝との主従関係
[予習]シラバス(春秋)を読み、講義内容を確認した上で、ノルマン征服とは何か、調べておく事(30)
[復習]講義内容を確認する(30)
2ノルマン朝②-ノルマン征服の意義、影響
・北仏/ラテン・カトリック文化圏に編入
 集権的封建国家-王権強力
 仏カペー朝、王権弱体
 英仏二言語併用社会、英語の起源
[予習]ヨーロッパの封建制度について調べておく事(60)
[復習]イギリスの封建制度の特殊性を理解すること(60)
3プランタジネット朝①-アンジュー帝国
・イングランド王の大陸領土とは何か?
 ヘンリ2世の改革
 軍制改革、司法制度改革
 ジェントリ層の成立
[予習]プランタジネット朝と仏カペー朝との関係を調べておく事(60)
[復習]ジェントリとは何か、理解すること(60)
4プランタジネット朝②-アンジュー帝国の解体
・ジョン王の大陸領土喪失
 英仏両王家の領土争い
 仏カペー朝の王領地大政策
 フランス統一の障害
 「マグナ・カルタ」の神話
[予習]「マグナ・カルタ」とは何か調べておくこと(60)
[復習]英仏王家の領土争いの原因を理解すること(60)
5プランタジネット朝③-身分制議会
・英仏両王家の領土争いと議会の出現
 「シモン・ド・モンフォールの議会」
 エドワード1世 「模範議会」  仏「三部会」
          ケルト辺境征服
[予習]身分制議会について調べておく事(60)
[復習]英仏両王家の領土争いと身分制議会出現の時代背景を理解すること(60)
6英仏百年戦争
・英仏両王家の領土争いの原因
 両国の内部分裂、ランカスター朝、ヴァロア朝
 イギリス、大陸領土喪失→大陸からの自立
、英仏王の主従関係の清算
 英仏、王権による国家統一の進展
[予習]百年戦争の政治的、経済的原因を調べておく事(60)
[復習]ジャンヌ・ダルク出現の時代背景を理解すること(60)
7テューダー朝①-開祖ヘンリ7世
・大陸領土喪失後のイギリス
 二流国イギリス
 大国スペイン・フランス間での生き残り戦略
[予習]百年戦争後の国際関係を調べておく事(60)
[復習]大陸領土喪失後のイングランドの置かれた状況を把握すること(60)
8テューダー朝②-ヘンリ8世
・イギリス宗教改革
 国教会設立―カトリックからの離脱
 独立主権国家宣言ー大陸からの自立進展
 修道院解散
 ウェールズ併合
[予習]宗教改革について調べておく事(60)
[復習]国家と教会の関係を中心に、イギリス宗教改革の独自性はどこにあるのか考える事(60)
9テューダー朝③-エリザベス女王
・大英帝国の基礎
 アルマダ海戦
 東インド会社設立、北米植民開始
 アイルランド再征服→北米植民予行演習
[予習]アルマダ海戦に至る英西関係/対立の原因を調べておく事(60)
[復習]エリザベス朝における海外進出を整理しておく事(60)
10ステュアート朝①-ピューリタン革命
・議会と王権の対立
 1603、イングランド、スコットランド同君連合
 「マグナ・カルタ」の復活
 権利の請願、
・クロムウェル軍事独裁 
 アイルランド征服
 
[予習]ヨーロッパ諸国の王権と貴族との関係を調べておく事(60)
[復習]ピューリタン革命における議会と王権の関係を整理せよ(60)
11ステュアート朝②-名誉革命
・議会主権、立憲君主制
 ウィリアム3世来英
・ブルボン朝絶対主義、ルイ14世
 第二次英仏百年戦争の開始
[予習]ルイ14世の四度の征服戦争について調べておく事(60)
[復習]名誉革命成功の国際的条件とは何か、整理せよ(60)
12ステュアート朝~ハノーヴァー朝ーグレート・ブリテン王国の成立
・名誉革命体制
 1707、スコットランド併合
 1715、45、ジャコバイト(ジェームズ派)反乱
[予習]名誉革命体制とは何か調べておく事(60)
[復習]ジャコバイト反乱失敗後のイギリスの発展について調べておく事(60)
13ハノーヴァー朝―対仏戦勝利
・責任内閣制(議院内閣制)、政党政治
・英仏植民地争奪戦
 七年戦争、プラッシーの戦い、フレンチ・アンド・インディアン戦争 
 財政(徴税)-軍事国家
[予習]英仏植民地争奪戦の経過について調べておく事(60)
[復習]イギリス勝利の条件について整理せよ(60)
14フランス革命・ナポレオン戦争
・英仏資本主義の闘争 
 対仏大同盟 vs 大陸封鎖令
 イギリス産業革命
[予習]イギリスの対仏大同盟について調べておく事(60)
[復習]フランス革命と英仏植民地争奪戦の関係を調べておく事(60)
15自由主義と帝国主義
・大英帝国の構造ー帝国の中の連合王国
 スコットランド、ウェールズの安定
 アイルランド自治要求
 国内民主化と植民地拡大の矛盾
[予習]ナポレオン戦争後のウィーン体制について調べておく事(60)
[復習]大陸におけるナショナリズムと自由主義の拡大に対して、イギリスの安定を比較せよ(60)
試験実施方法
定期試験=1
レポート=2
その他=3
1
評価方法
評価方法割合評価基準
定期試験における筆記テスト90%講義内容の理解度が第一の評価基準
平常点(授業参加度)10%出席も評価の対象だが、状況に応じて、受講者の参加度も参考にする。受講者は、常々配布するプリントなどを参考に、講義内容のつながりを把握して講義に臨むこと。不明な歴史的名辞は、次回の講義までに解消しておくことが望ましい。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『使用しない』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『イギリスの歴史―帝国=コモンウェルスの歩み』川北稔・木畑洋一有斐閣
2.『新版世界各国史―イギリス史』川北稔編山川出版社
3.『増補新版 図説 イギリスの歴史』指昭博河出書房新社
参考URL
質疑応答
 質問は講義時間に受け付ける。
備考
 便宜的に春秋に分けてあるが、テーマの性格上年間を通じて一つのテーマを講義するので、受講希望者は、春秋両学期通して受講することが望ましい。したがって、秋学期の講義は、春学期の講義を前提として行うので、秋学期受講者はそのつもりで受講すること。
画像
ファイル
更新日付2022/02/02 03:56:29