開講年度2022
開講学科宗教文化学科 2014年度以降入学
科目名日本の仏教Ⅱ
担当教員星野 和幸
学期曜日時限秋学期 木曜日 4時限
チームコードk0d4fwy
科目区分選択
授業形態講義
対象学年2年
単位数2
科目ナンバーR231-112-48
関連性が高い
ディプロマ・ポリシー
R-DP1 宗教文化の理解を中心とした幅広い教養を修得している。 ◎
キャンパス日進キャンパス
担当教員の実務経験


テーマ
仏教と民衆の芸能・音楽
授業の概要
 我々の身近には、仏教にかかわる芸能・音楽が意外に多い。民衆の仏教行事などに芸能・音楽が取り入れられていることも多く、事実上、仏教と芸能・音楽の垣根が払われていることさえある。芸能・音楽面から見れば、こうした状況を日本の伝統芸能・音楽の原初的な一面と見ることもできるが、仏教側から見れば、それらの芸能・音楽の要素が、仏教を民衆に浸透させるためのツールの1つだったと見ることもできる。本講義では、こうした仏教にかかわる様々な芸能・音楽の果たした役割に注目しつつ、より身近な日本の仏教の一側面を明らかにしていく。
授業の到達
目標
 日本の仏教にかかわる芸能・音楽について述べることができる。また、それは、民衆の生活に即した日本の仏教の歴史や文化とも関連づけることができる。
 その他、現在の日常的に知られる芸能・音楽との意外なつながりを論じることにも応用できる。
課題
(定期試験
・レポート試験
・授業内試験など)の
フィードバック方法
成績発表日から1週間以内に、Teamsを通じて授業講評を送信する。
使用言語
日本語
実務経験をいかした教育内容
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学習・時間(分)
1「〈ものまね〉に発する芸能①」
〇白山(はくさん)周辺の芸能について学びます
・松尾寺《舞儀音楽大会式》
・その他、白山信仰に関連する芸能
・泰澄と白山信仰
【予習】白山信仰について確認する(60)
【復習】仏舞、その他の芸能について確認(60)
2「〈ものまね〉に発する芸能②」
○延年舞について学びます
・毛越寺《修正会》(「二十日夜祭」)
・芸能の神、摩多羅神
【予習】摩多羅神について確認する(30)
【復習】毛越寺の延年舞について確認(90)
3「唱導①」
〇芸風説教について学びます
・節談説教
・安居院法印
【予習】安居院流について確認する(60)
【復習】説教の沿革と、浄土真宗で行われている節談説教について確認(60)
4「唱導②」
〇視聴覚説教について学びます
・絵解き
【予習】絵解きについて確認する(30)
【復習】絵解きの沿革と、その物語の分類について確認(90)
5「平家を語る琵琶法師」
〇平家琵琶について学びます
・平家琵琶
・琵琶法師
【予習】琵琶法師について確認する(60)
【復習】音楽としての平家琵琶について確認(60)
6「宗教者としての琵琶法師①――盲僧の宗教行事」
〇天台宗系の盲僧寺院で、琵琶を弾いて行う法要について学びます
・常楽院法流と《妙音十二楽》
【予習】盲僧について調べる(30)
【復習】《妙音十二楽》について確認(90)
7「宗教者としての琵琶法師②――盲僧の檀家廻り」
〇天台宗系の盲僧による「荒神祭り」について学びます
・玄清法流と荒神琵琶
【予習】荒神について調べる(30)
【復習】盲僧の行う琵琶付きの読経について確認(90)
8「宗教者としての琵琶法師③――宗教から娯楽へ」
〇盲僧によって用いられた余興について学びます
・くずれ
・近代琵琶の誕生
【予習】薩摩琵琶・筑前琵琶について確認する(30)
【復習】盲僧が語る「くずれ」について確認(90)
9「山伏に発する芸能」
〇祭文系の芸能について学びます
・貝祭文
・江州音頭、他
【予習】江州音頭について調べる(30)
【復習】祭文に発する芸能について確認(60)
10「祝福の芸能」
〇万歳について学びます
・尾張万歳
・無住一円
【予習】尾張万歳について調べる(30)
【復習】尾張万歳の基本演目と上演の場について確認(90)
11「禅宗に発する音楽」
〇普化宗と虚無僧尺八について学びます
・国泰寺の尺八付法要
・心地覚心
【予習】普化宗について確認する(30)
【復習】心地覚心と虚無僧のかかわりについて確認(90)
12「仏教の近代化における音楽①」
〇仏教唱歌や仏教讃歌について学びます
・布教用の音楽
・洋楽の摂取
【予習】神仏分離、廃仏毀釈について確認する(60)
【復習】仏教の近代化と仏教洋楽の沿革について確認(60)
13「仏教の近代化における音楽②」
〇ご詠歌の黎明期について学びます
・真言宗のご詠歌、他
【予習】ご詠歌について調べる(30)
【復習】現代につながるご詠歌の沿革について確認(90)
14「仏教を材料とした芸術音楽①」
〇仏教を取り入れた芸術音楽について学びます
・演奏会用の音楽
・黛敏郎の涅槃交響曲、他
・永平寺の楞厳呪
【予習】禅宗寺院で行われる《楞厳会(りょうごんえ)》について調べる(30)
【復習】芸術作品としての仏教洋楽について確認(90)
15「仏教を材料とした芸術音楽②」
〇曹洞宗の委嘱作品を鑑賞します
・黛敏郎のカンタータ《只管打坐》
・楽曲に使用されている歌詞(道元の和歌など)の紹介
【予習】道元の和歌について調べる(30)
【復習】レポートの準備(90)
試験実施方法
定期試験=1
レポート=2
その他=3
2
評価方法
評価方法割合評価基準
レポート試験の結果より評価100%指示した内容・文量の文章が書けていること。授業内容以外にも、関連事項を自分なりに調べ、その成果を反映し、自分の考えが述べられていること。文章内では、自分の意見なのか、他人(文献)の意見なのか、常に明確に示されていること。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『毎回、プリントを配布する』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『庶民芸能と仏教』関山和夫大蔵出版2,300円+税4804330550
2.『日本の伝統芸能講座 舞踊 演劇』服部幸雄 監修淡交社3,800円+税9784473035301
3.『日本の伝統芸能講座 音楽』小島美子 監修淡交社3,800円+税9784473034892
4.『落語に花咲く仏教――宗教と芸能は共振する――』釈徹宗朝日新聞出版1,400円+税9784022630544
参考URL
質疑応答
 随時受け付ける。
備考
 本講義の履修には、春学期に「日本の仏教Ⅰ」を履修していると望ましい。各分野の細かな参考文献は、随時紹介する。講義中、可能な限り視聴覚資料を活用して、現行の実例に触れる。予習は、キーワードから図書館などにある辞(事)典類を利用すると良い。また、文化財になっているものも多いので、文化財の指定元の公式HPから基本情報を得ることも有用。
 その他、各自の興味に合わせて、自由に調べることも実践してもらいたい。調べる過程で、思いがけない発見もあるので、さらに充実した学習成果につながる。
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更新日付2022/02/01 10:59:13