開講年度2022
開講学科心理学科 2013年度以降入学
2018年度心身科学部健康科学科
2018年心身科学部心理学科
科目名言語発達障害学Ⅱ
担当教員中島 雅史
学期曜日時限春学期 月曜日 1時限
チームコードr4c80yk
科目区分選択
授業形態講義
対象学年3年
単位数2
科目ナンバーZ331-276-03
Y331-591-06
関連性が高い
ディプロマ・ポリシー
Z-DP1 指導力・実践力 ◎
キャンパス日進キャンパス
担当教員の実務経験


テーマ
自閉スペクトラム症、注意欠如多動症への理解を深め、小児の言語臨床のあり様を学ぶ
授業の概要
自閉スペクトラム症、注意欠如多動症に由来する言語発達障害特性と発達特性への理解を深め、言語臨床を展開していくために欠かせない視点を習得します。
1.定型発達幼児が示す発達の様相を振り返ります。
2.自閉スペクトラム症の基礎的知識をアセスメントという視点を介してとらえなおし、その理解を深めます。また、代表的な指導手技の概要を紹介した上で、アセスメントや言語臨床の進め方の一例を紹介します。
3.注意欠如多動症の症状を、実行機能系・報酬機能系の障害という視点から捉えることで、生活技能や学習技能の特徴について考えます。医学的支援と社会心理学的支援、学習支援の実際を紹介します。
4.ことばの遅れを主訴に来院する子どもと家族にどのように面接し、言語臨床を展開していくと良いのかを事例を紹介しながら考えます。
授業の到達
目標
1.言語発達の遅れを主訴に来院した患者に関する情報収集および評価の概要を説明することができる。
2.自閉スペクトラム症、注意欠如多動症に由来する言語発達障害特性と発達特性を把握することができ、それを基に支援のあり様を論ずることができる。
3.TEACCH Autism ProgramやPECS,Jasper,SSTなど、代表的な支援方法の概要と指導効果について論じることができる。
4.ことばの遅れを主訴に来院する子どもと家族にどのように面接し、どのように言語臨床を展開していくと良いのかについて、討議する場を得る。
課題
(定期試験
・レポート試験
・授業内試験など)の
フィードバック方法
成績発表後に、「講義連絡」にて「授業講評」を、受講した学生に対し送信します。
オンライン授業の場合、毎回終了後に課題提出に応じてもらいますが、それぞれに個別のコメントを送信します。
使用言語
日本語
実務経験をいかした教育内容
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学習・時間(分)
1○言語臨床から考える支援とは何かを考えます。
○幼児期の認知発達の特徴を振り返ります。
〇評価に際し、必要な情報収集について紹介します(生活歴、現病歴、発達歴、既往歴、家族歴、臨床検査と行動観察、そして環境調査、関連情報)。
〇復習:教科書(p.10-p.28/20分)
〇予習:教科書(p.78-p.84, p.120-p.123/ 40分)
〇オンライン授業の場合:事前に資料を読んで予習しておくこと
2〇発達や知能を測るにはどういうツールがあるのか
 ①新版K式発達検査、遠城寺式乳幼児発達検査、
  乳幼児精神発達診断、KIDS など
 ②田中ビネー知能検査Ⅴ、WPPSI-Ⅲ、WISC-Ⅳ、 
  WAIS-Ⅳ、DN-CAS、KABC-Ⅱ など
〇前回授業の復習(20分)
〇当該授業の予習(教科書:p.85p.97、参考書「心理検査入門」p.46-p.65/40分)
〇オンライン授業の場合:事前に資料を読んで予習しておくこと
3〇言語・コミュニケーション発達や言語学習能力を測るとはどういうことか、何を測っているのか  
    PVT-R,国リハ式言語発達遅滞検査、 
    ITPA、語彙発達検査、LCスケール、LCSA、 
    質問応答検査、ATRAW-R、CARDなど
〇前回授業の復習(20分)
〇当該授業の予習(教科書:p.98-p.117、参考書「心理検査入門」p.65-p.66/40分)
〇オンライン授業の場合:事前に資料を読んで予習しておくこと
4〇理解を深め働きかけを極めた支援技能アラカルト
  ①言語獲得理論研究の視点から生まれた支援                
  ②障害種別や認知特性の違いから生まれた支援              
〇前回授業の復習(20分)
〇当該授業の予習(教科書:p.120-129、参考書「発達障害の療育」p.83-p.91/40分)
〇オンライン授業の場合:事前に資料を読んで予習しておくこと
5○TEACCH AUTISM Program 生活と発達を支える
  ①歴史的変遷のなかで培われたエビデンス
  ②障害特性と学習スタイル
  ③構造化された指導
  ④問題行動の捉え方と支援
〇前回授業の復習(20分)
〇当該授業の予習(教科書:p.127,194-196、、参考書「発達障害の療育」p.83-p.91/40分)
〇オンライン授業の場合:事前に資料を読んで予習しておくこと
6○自閉スペクトラム症のある乳幼児期への支援
  ①JASPER
  ②ESDM
〇前回授業の復習(20分)
〇当該授業の予習(教科書:p.196-200,参考書「発達障害と療育」p.101-p.104/40分)
〇オンライン授業の場合:事前に資料を読んで予習しておくこと
7○ASD児のコミュケーション発達を支援する
  ①ASD児に見られるコミュケーションの特徴
  ②コミュニケーション指導の進め方
〇前回授業の復習(20分)
〇当該授業の予習(教科書:p.194-210、参考書「発達障害の療育」p.54-60/40分)
〇オンライン授業の場合:事前に資料を読んで予習しておくこと
8○学齢ASD児への発達支援アラカルト
  ①ソーシャルスキルトレーニング
  ②ソーシャルシンキング
  ③ソーシャルストーリーズ
  ④コミック会話
〇前回授業の復習(20分)
〇当該授業の予習(教科書:p.211-215、参考書「発達障害と療育」p.54-p.60/40分)
〇オンライン授業の場合:事前に資料を読んで予習しておくこと
9○知的な遅れを伴うASD児への言語発達支援
  拡大代替コミュニケーションという視点と支援
  生活支援と発達支援
〇前回授業の復習(20分)
〇当該授業の予習(教科書:p.181-185、参考書「発達障害と療育」p.105-p.109/40分)
〇オンライン授業の場合:事前に資料を読んで予習しておくこと
10○ことばの遅れを伴うASD児への言語発達支援
  絵カード交換式コミュニケーションシステムPECS
〇前回授業の復習(20分)
〇当該授業の予習(参考書「発達障害の療育」p.110-117/40分)
〇オンライン授業の場合:事前に資料を読んで予習しておくこと
11○注意欠如多動症の症状をどのように理解するか
  ①タイプ別症状と診断
  ②実行機能系と報酬機能系の障害
  ③治療と支援という視点
〇前回授業の復習(20分)
〇当該授業の予習(教科書:p.216-p.220、参考書「発達障害の療育」p.178-p.188/40分)
〇オンライン授業の場合:事前に資料を読んで予習しておくこと
12○注意欠如多動症のある子どもへの支援
  ①ワーキングメモリーと学習支援
  ②ペアレントトレーニング
〇前回授業の復習(20分)
〇当該授業の予習(教科書:p.243-247、「発達障害の療育」p.189-214、p.223-230/40分)
〇オンライン授業の場合:事前に資料を読み予習
13○幼児期のことば遅れの子どもの評価と支援 1
  ①新版K式発達検査
  ②事例紹介
  ③情報の整理・統合と訓練目標と方針の設定
〇前回授業の復習(20分)
〇当該授業の予習(教科書:p.85,134-138、40分)
〇オンライン授業の場合:事前に資料を読んで予習しておくこと
14○幼児期のことば遅れの子どもの評価と支援 2
  ①WPPSI-Ⅲ、WISC‐Ⅳ知能検査
  ②事例紹介
  ③情報の整理・統合と訓練目標と方針の設定
〇前回授業の復習(20分)
〇当該授業の予習(教科書:p.91-96、139-140、40分)
〇オンライン授業の場合:事前に資料を読んで予習しておくこと
15○環境調整と家族支援のあり方を考える
  ①言語環境調整と保護者・家族を支える
  ②関係職種との連携の取り方
  ③サポートブックづくりの視点
〇前回授業の復習(20分)
〇当該授業の予習(教科書:p.248-p.265、「発達障害の療育」p.215-p.220/40分)
〇オンライン授業の場合:事前に資料を読んで予習しておくこと
試験実施方法
定期試験=1
レポート=2
その他=3
1
評価方法
評価方法割合評価基準
定期試験90%90点満点の試験で獲得できた正答値で習得度を判断します。
授業態度(対面授業の場合)10%授業中の受講態度、発言などから、予習・復習で学び得た学識と、本授業で発揮している学習意欲と能力の高さを推定します。
レポート(オンライン授業の場合)10%オンライン授業の場合は、毎回の授業後に提出してもらうレポート(課題に対する回答)を介して、学習への意欲と理解度を推定します。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『言語聴覚士のための言語発達障害学 第2版』石田宏代、石坂郁代編集医歯薬出版株式会社4400+税978-4-263-21719-1
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『子どもの発達が気になるときに読む 心理検査入門』安住ゆう子合同出版1600+税978ー4ー7726ー1216ー6
2.『知っておきたい発達障害の療育』尾関康子、三宅篤子ミネルヴァ書房3500+税978ー4ー623ー07210ー1
参考URL
1.UNC TEACCH Autism ProgramTEACCH AUTISM PROGRAMを最新情報を見ることができる
2.発達障害情報・支援センター多方面の情報にアクセスできます
3.絵カード交換式コミュニケーションシステムPECSというコミュニケーション支援システム
質疑応答
mailアドレスはオフィスアワーを参照してください。                                      授業の進行を妨げるような態度や発言は厳禁ですが、内容を深める発言は歓迎します。他者の発言に対し敬意を払いながらの討議ができることを期待します。毎回の授業内での意見交換を大いに期待します。
オンライン授業の場合は、チャットにて、または、Teamsでも意見を交流しましょう。
備考
言語聴覚士必須
言語発達障害学 I を履修していることが望ましい。
必ず予習をおこない、授業に臨むこと。受講後は、必ず復習を行うことが望ましい。
2/3以上の授業に出席した者のみを成績評価の対象とします。
私語をはじめ、学修とは関係のない行為は慎むようにしてください。
授業は、受講生の習得度に応じて、その進捗を変更する場合があります。予め ご了承ください。
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更新日付2022/02/02 14:45:52