開講年度2022
開講学科2021年度薬学部医療薬学科6年
2020年度薬学部医療薬学科6年
科目名物理学Ⅰ A
担当教員城 貞晴
学期曜日時限春学期 月曜日 4時限
チームコードn4rcaj1
科目区分必修
授業形態講義
対象学年1年
単位数2
科目ナンバーB111-420-01
関連性が高い
ディプロマ・ポリシー
薬-DP2 薬学分野における基礎的・専門的知識ならびに技能と態度を修得する。
キャンパス日進キャンパス
担当教員の実務経験


テーマ
熱,分子間相互作用
授業の概要
内服や注射等,薬の体内への導入法は様々だが、特別な運搬機能がなくても自発的に運搬される。また,体内での濃度は変化する。このような現象の理屈を知るために熱力学が必要である。また,薬の機能は分子スケールで強力にはたらく分子間力によって発現する。つまり,薬の作用を理解するためには現象論(熱力学)と分子論(分子間力)が必要となる。本講義は,薬学基礎(物質の物理的性質)に対応し,特に秋学期開講の専門科目「薬品物理化学I」に繋がるように構成されている。薬学教育モデル・コアカリキュラムC薬学基礎・C1物質の物理的性質(1)物質の構造[②分子間相互作用][③原子・分子の挙動][④放射線と放射能](2)物質のエネルギーと平衡[②エネルギー][③自発的な変化][④化学平衡の原理](3)物質の変化[①反応速度],C2化学物質の分析(4)機器を用いる分析法[①分光分析法][④X線分析法]に相当する。
授業の到達
目標
薬学基礎としての物質の物理的性質を理解するために,原子・分子の構造,熱力学,反応速度論などに関する基礎的事項を身につけ,説明できることが目標である。また,医薬品を含む化学物質の分析のために,物質の定性,定量に関する基本事項を身につけ,説明できることが目標である。具体的な例を以下に示す。
エネルギー保存則,エネルギー低級化について説明できる。
系について説明できる。
エンタルピーの定義,熱量との関係について説明できる。
エントロピーの定義,自由エネルギーの定義(導出)が説明できる。
平衡条件を説明できる。
物理化学的な物理量の定量評価ができる。
分子間相互作用を整理できる。また代表的なポテンシャルをグラフ化し,その特徴を説明できる。
電磁波と物質の相互作用,放射線と放射能,分光分析法の初歩を説明できる。
生命体を開放系としてとらえ,環境(外界)との関連性を説明できる。
課題
(定期試験
・レポート試験
・授業内試験など)の
フィードバック方法
WebCampus「講義連絡」を使用して講評を送ります。
使用言語
日本語
実務経験をいかした教育内容
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学習・時間(分)
1薬学基礎としての物質の物理的性質(ガイダンス)
薬学基礎としての物質の物理的性質について,身につけるべき項目を説明できる。系,外界,境界について説明できる。
【SBOコード】C1-(2)-②-1
【予習】シラバスを読んでおく。(30)
【復習】薬学基礎としての物質の物理的性質の重要性について,整理する。(30)
2エネルギー保存則
系の分類を基礎として,エネルギー保存の法則について説明できる。特に,熱力学第一法則を説明できる。
【SBOコード】C1-(2)-②-1,2
【予習】プリントの該当箇所をあらかじめ読んでおく。(30)
【復習】配付プリント該当箇所を読みかえして内容理解を深める。(60)
3エネルギー低級化
熱も含めたエネルギー保存則とエネルギーの「質」の低下を説明できる。系の分類条件,熱力学第一法則を説明できる。
【SBOコード】C1-(2)-②-1,2
【予習】プリントの該当箇所をあらかじめ読んでおく。(30)
【復習】配付プリント該当箇所を読みかえして内容理解を深める。(60)
4熱力学の体系的理解のために ~系を中心として~
熱力学における系,外界,境界について説明できる。条件に応じた系の分類ができる。熱力学第一法則を説明できる。
【SBOコード】C1-(2)-②-1,2
【予習】プリントの該当箇所をあらかじめ読んでおく。(30)
【復習】配付プリント該当箇所を読みかえして内容理解を深める。(60)
5エンタルピー(1)
エネルギーの総量,エンタルピーのとらえ方と定義が説明できる。エンタルピーの有用性について説明できる。
【SBOコード】C1-(2)-②-1,2,6,7
【予習】プリントの該当箇所をあらかじめ読んでおく。(30)
【復習】配付プリント該当箇所を読みかえして内容理解を深める。(60)
6エンタルピー(2)
エンタルピーと熱量との関係について説明できる。エンタルピーの定量化,吸熱・発熱反応について説明できる。
【SBOコード】C1-(2)-②-1,2,6,7
【予習】プリントの該当箇所をあらかじめ読んでおく。(30)
【復習】配付プリント該当箇所を読みかえして内容理解を深める。(60)
7エントロピー(1)
クラウジウスの定義とボルツマンの定義をそれぞれ定量表現できる。それぞれの定義を比較し,共通点と相違点を説明できる。熱力学第二法則,熱力学第三法則について説明できる。
【SBOコード】C1-(2)-③-1,2,3
【予習】プリントの該当箇所をあらかじめ読んでおく。(30)
【復習】配付プリント該当箇所を読みかえして内容理解を深める。(60)
8エントロピー(2)
乱雑さ,自由度の増大が自然の原理であることを説明できる。エントロピーの定義を具体例に適用,定量化の上で,その理屈を説明できる。
【SBOコード】C1-(2)-1,2,3
【予習】プリントの該当箇所をあらかじめ読んでおく。(30)
【復習】配付プリント該当箇所を読みかえして内容理解を深める。(60)
9自由エネルギー(1)
自由エネルギーの定義(導出)とその熱力学的意味について説明できる。特に,ギブズ自由エネルギーについて説明できる。
【SBOコード】C1-(2)-③-1,2,4,5
【予習】プリントの該当箇所をあらかじめ読んでおく。(30)
【復習】配付プリント該当箇所を読みかえして内容理解を深める。(60)
10自由エネルギー(2)
自由エネルギーを具体例に適用し,自発的変化の方向について予測の上,その根拠を説明できる。ギブズ自由エネルギーと平衡定数の関係,圧力と温度との関連性について説明できる。共役反応の原理について説明できる。これらを具体例に適用,定量化の上で,その理屈を説明できる。
【SBOコード】C1-(2)-③-1,2,4,5, C1-(2)-④-2,3,4
【予習】プリントの該当箇所をあらかじめ読んでおく。(30)
【復習】配付プリント該当箇所を読みかえして内容理解を深める。(60)
11反応速度論(1)
一次反応の初歩について説明できる。反応次数,速度定数について説明できる。微分型から積分型に変換できる。具体例に適用,定量化の上で,その理屈を説明できる。
【SBOコード】C1-(3)-①-1,2,3,4,6,7
【予習】プリントの該当箇所をあらかじめ読んでおく。(30)
【復習】配付プリント該当箇所を読みかえして内容理解を深める。(60)
12反応速度論(2)
二次反応,擬一次反応の初歩について説明できる。反応次数,速度定数について説明できる。微分型から積分型に変換できる。具体例に適用,定量化の上で,その理屈を説明できる。
【SBOコード】C1-(3)-①-1,2,3,4,6,7
【予習】プリントの該当箇所をあらかじめ読んでおく。(30)
【復習】配付プリント該当箇所を読みかえして内容理解を深める。(60)
13分子間相互作用
双極子モーメントについて説明できる。分子間相互作用を分類ができる。代表的なポテンシャルをグラフ化し,その特徴を説明できる。
【SBOコード】C1-(1)-②-1,2,3,4,5
【予習】プリントの該当箇所をあらかじめ読んでおく。(45)
【復習】配付プリント該当箇所を読みかえして内容理解を深める。(80)
14電磁波の性質,結晶構造と回折現象
結晶構造と回折現象,X線結晶解析の原理,粉末X線回折測定法の原理と利用法について説明できる。
【SBOコード】1-(1)-1,4,5,6, C2-(4)-④-1,2
【予習】プリントの該当箇所をあらかじめ読んでおく。(30)
【復習】配付プリント該当箇所を読みかえして内容理解を深める。(60)
15熱力学で理解する体内リズムの自発的な形成
生命体を開放系としてとらえ,生と死,自発的リズム形成,環境や薬とのかかわり等の概要を説明できる。
【SBOコード】C1-(2)-②-1,2,6,7, C1-(2)-1,2,4,5
【予習】プリントの該当箇所をあらかじめ読んでおく。(30)
【復習】配付プリント該当箇所を読みかえして内容理解を深める。(60)
試験実施方法
定期試験=1
レポート=2
その他=3
1
評価方法
評価方法割合評価基準
定期試験40%模範解答と配点表を準備し,これに基づいて評価する。
課題レポートおよび小テスト30%解答例を準備し,これに基づいて評価する。
参加姿勢30%質疑応答時の受け答え,理解のための積極性,演習問題を含むノートへの記録等を評価する。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『フレンドリー 基礎物理化学演習』田中潔・荒井貞夫 共著三共出版2700+税978-4-7827-0676-31年生全員購入,日進丸善書店
2.『第3版 物理学入門』原康夫 著学術図書出版社2200+税978-4-7806-0500-61年生全員購入,日進丸善書店
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『物理学演習問題集 力学編』原康夫・右近修治 共著学術図書出版社300+税978-4-7806-0170-1「物理学1」テキスト(1年生全員購入,日進丸善書店)
参考URL
質疑応答
■講義時,オフィスアワー等を中心に随時受け付けます。わからないことを放置しないこと。
日進4号館4階物理学研究室(通年 月火水12:40-13:20)
楠元2304物理学控室(秋学期 木14:00-14:30)

■電子メールによる連絡可。
詳しくは,講義初回に案内します。
備考
■「フレンドリー基礎物理化学演習」「第3版 物理学入門」「物理学演習問題集 力学編」の3冊は,新入生全員購入。
■受講に臨む心構えをつくって受講すること。(私語,居眠り,無断教室出入り,携帯デバイスの使用,正当な理由のない欠席,飲食など厳禁)。教員の指示に従うこと。
■プロジェクター資料は第1回講義時に配付する。
■取り組むべき問題演習を指定する。時間外学習時に繰り返し取り組むこと。これは実力向上に必須である。
■物理学的思考が苦手な場合には,秋学期開講の「物理学実習」の履修を勧める。
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更新日付2022/02/09 15:01:03