開講年度2021
開講学科日本文化学科 2013年度以降入学
科目名日本の近代文学Ⅱ
担当教員吉田 遼人
学期曜日時限秋学期 金曜日 4時限
チームコード73yqimc
科目区分選択
授業形態講義
対象学年2年
単位数2
科目ナンバーN231-131-53
関連性が高い
ディプロマ・ポリシー
N-DP1-1 文化説明能力の修得 ◎
N-DP2-3 問題解決能力の修得 ◎
キャンパス日進キャンパス
担当教員の実務経験


テーマ
近現代文学史の流れ(大正期以降の小説表現を中心として)
授業の概要
 明治40年前後における口語文体の成熟をもって、日本の近代文学は確立期を迎えるに至った。しかしながら、その事実は、〈小説〉をいかに書くかという問題が解消されたことを意味しない。大正、昭和と時代が推移しても、〈小説〉表現は新しい感性によって模索され続け、その問題意識は現代文学にも内在している。
 本講義では、春学期の「日本の近代文学Ⅰ」に引き続き、日本近現代における文学表現の史的展開を、具体的な作品に即し、当時の文化や思想にも目配りしながらたどってゆく。
授業の到達
目標
・日本の近代文学(とりわけ大正以降の文学)の展開について説明できる。
・時代を代表する文学作品の特質について指摘できる。
・文学作品が生成する歴史的/文化的背景を理解し、みずからの見解を述べることができる。
課題
(定期試験
・レポート試験
・授業内試験など)の
フィードバック方法
成績発表日以降に講義連絡にて授業講評を送信する。
使用言語
日本語
実務経験をいかした教育内容
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学習・時間(分)
1ガイダンス
○シラバスの記載事項について確認するとともに、大正時代以降の文学状況について概説する。
予習:シラバスを熟読する。(60)
復習:配布資料を読み返し、関連事項について確認する。(180)
2享楽と耽美(1)
○永井荷風「深川の唄」、谷崎潤一郎「刺青」などの表現特性を把握し、それらの文学史的意義について検討する。
予習:取り上げられる作家、作品、文化現象、歴史的事項について調べる。(120)
復習:講義内容を振り返りつつ、言及された作品、紹介された参考文献等を読む。(120)
3享楽と耽美(2)
○永井荷風、谷崎潤一郎らの試みをふまえ、明治後期から大正前期にかけての文学状況について概観する。
予習:取り上げられる作家、作品、文化現象、歴史的事項について調べる。(120)
復習:講義内容を振り返りつつ、言及された作品、紹介された参考文献等を読む。(120)
4理想としての個
○白樺派の理想主義の特色をふまえ、明治後期から大正前期にかけての文学状況について理解を深める。
予習:取り上げられる作家、作品、文化現象、歴史的事項について調べる。(120)
復習:講義内容を振り返りつつ、言及された作品、紹介された参考文献等を読む。(120)
5物語りの技巧
○小説表現としての物語りを追求した宇野浩二や芥川龍之介らの試みをふまえ、大正中期の文学状況について概観する。
予習:取り上げられる作家、作品、文化現象、歴史的事項について調べる。(120)
復習:講義内容を振り返りつつ、言及された作品、紹介された参考文献等を読む。(120)
6憂鬱なる情調
○〈憂鬱〉という時代の感性に彩られた佐藤春夫や萩原朔太郎、江戸川乱歩の表現世界の特色をふまえ、大正後期の文学状況について概観する。
予習:取り上げられる作家、作品、文化現象、歴史的事項について調べる。(120)
復習:講義内容を振り返りつつ、言及された作品、紹介された参考文献等を読む。(120)
7モダニズムとプロレタリア
○大正12年に起こった関東大震災の衝撃とも連動している新感覚派や労働文学の運動をふまえ、大正から昭和への過渡期の文学状況について概観する。
予習:取り上げられる作家、作品、文化現象、歴史的事項について調べる。(120)
復習:講義内容を振り返りつつ、言及された作品、紹介された参考文献等を読む。(120)
8戦時下の文学(1)
○火野葦平の戦争文学や保田与重郎を中心とする日本浪漫派の活動をふまえ、政府の言論統制が厳しさを増した戦時下の文学状況について概観する。
予習:取り上げられる作家、作品、文化現象、歴史的事項について調べる。(120)
復習:講義内容を振り返りつつ、言及された作品、紹介された参考文献等を読む。(120)
9戦時下の文学(2)
○技芸を凝らした岡本かの子、中島敦らの試みをふまえ、戦時下という極限状況における文学表現の諸相について考える。
予習:取り上げられる作家、作品、文化現象、歴史的事項について調べる。(120)
復習:講義内容を振り返りつつ、言及された作品、紹介された参考文献等を読む。(120)
10戦後の文学(1)
○戦後の時代に迎え入れられた牧野信一、井伏鱒二、太宰治といった無頼派の諸作の特色をふまえ、文学復興の現象について考える。
予習:取り上げられる作家、作品、文化現象、歴史的事項について調べる。(120)
復習:講義内容を振り返りつつ、言及された作品、紹介された参考文献等を読む。(120)
11戦後の文学(2)
○作家としての出発当初から小説表現の可能性を追求し続けた三島由紀夫、福永武彦、安部公房らの試みをふまえ、方法の実験性という観点から戦後の文学の諸相について考える。
予習:取り上げられる作家、作品、文化現象、歴史的事項について調べる。(120)
復習:講義内容を振り返りつつ、言及された作品、紹介された参考文献等を読む。(120)
12方法としての小説
○伝統的な小説表現を相対化する大江健三郎、古井由吉らの試みをふまえ、昭和中期から後期にかけての文学状況について概観する。
予習:取り上げられる作家、作品、文化現象、歴史的事項について調べる。(120)
復習:講義内容を振り返りつつ、言及された作品、紹介された参考文献等を読む。(120)
13村上春樹の文学
○日本文学史上における村上春樹の位置づけについて検討する。
予習:取り上げられる作家、作品、文化現象、歴史的事項について調べる。(120)
復習:講義内容を振り返りつつ、言及された作品、紹介された参考文献等を読む。(120)
14世界文学としての日本文学
○さまざまな言語に翻訳されて受容・流通している村上春樹、多和田葉子らの作品をふまえ、世界文学という観点から現代日本の文学の諸相について考える。
予習:取り上げられる作家、作品、文化現象、歴史的事項について調べる。(120)
復習:講義内容を振り返りつつ、言及された作品、紹介された参考文献等を読む。(120)
15まとめ
○大正以降の文学史の流れを振り返る。
予習:講義全体を振り返り、大正以降の文学史の流れについて整理する。(120)
復習:取り上げられなかった大正以降の文学を読み、その位置づけについて考える(120)
試験実施方法
定期試験=1
レポート=2
その他=3
3
評価方法
評価方法割合評価基準
授業への取り組み50%リアクションペーパー、小テストなどの平常点
期末課題50%授業内容の理解度、考察の深度(みずからの考察を論理的に、客観的に論述できているか)など
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『プリントを配布する。』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『授業中に適宜紹介する』
参考URL
質疑応答
オフィスアワー:火曜4限
研究室番号:3439(3号館4階)
事前にアポイントメントを取ること。
授業終了後を含め、上記以外でも適宜対応する。
備考
各回の授業内容は、進捗具合等を考慮して変更する場合がある。
授業中の私語、食事、携帯電話等の操作は厳禁とする。
春学期の「日本の近代文学Ⅰ」を受講していることが望ましい。
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更新日付2021/02/03 23:50:45