開講年度2021
開講学科2017年度商学研究科商学専攻博士前期課程
科目名金融論研究(Ⅳ)(保険論)A 講義
担当教員田畑 康人
学期曜日時限春学期 木曜日 4時限
科目区分
授業形態
対象学年1年
単位数2
科目ナンバー
関連性が高い
ディプロマ・ポリシー
キャンパス名城公園キャンパス
担当教員の実務経験


テーマ
リスク対策としての保険とリスクマネジメント・リスクファイナンス
授業の概要
最も基本的な 「危険」 の概念から始め、 リスク(risk)としての危険に対処するための保険と、 新たな科学的手法としてのRisk Management(以下RM)およびリスクファイナンス(risk finance)を理解することをねらいとする。
授業の到達
目標
ここでは受講生の保険理論ならびにリスクマネジメント(RM)に関する専門的知識の有無は問わない。リスクとは何か、隣接分野(金融・経済学など)におけるリスク概念とも比較し、RMと保険の関係を理解した上で、 世界の保険市場の動向にも目を向けながら、 新たなリスク対応手法(ARTやデリバティブを含む)リスクファイナンスについても理解し、実践的に応用出来るようになることを到達目標とする。
課題
(定期試験
・レポート試験
・授業内試験など)の
フィードバック方法
定期試験は行わないが、毎週テキストの指定範囲の予習・復習を行い、疑問点などを整理してくることが重要です。
使用言語
日本語
実務経験をいかした教育内容
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学習・時間(分)
11章の現代社会における「危険」と保険を大きなテーマとして、保険理論からみるリスクとしての「危険」の概念を理解する。指定部分の予習120分だが、自らが考える「危険の概念」について整理してくるためにさらに120分の準備が必要。
2「危険」の多義性と日本人の危険認識や保険理論における「危険」の重要な区別リスク、ぺリル、ハザードの違いを明確にし、リスクの主要な種類と保険の関係などについて理解する。前回の復習に120分、指定部分の予習に120分の予習が必要。
3隣接分野に見るリスク概念とその多様性について学ぶが、特にリスクマネジメントや金融論などにおけるリスク概念をしっかり理解する。そして章末の練習問題についても検討する。前回の復習に120分、指定部分の予習および練習問題の挑戦に120分以上の予習が必要。
42章の保険の仕組みと基本原則に入り、まず保険の主要な種類とその分類について理解する。保険は大きく私的保険と公的保険に分類すると理解しやすい。その中で受講生は自分が興味を持った保険について調べてほしい。中でも預金保険について調べることが重要である。前回の復習に120分、指定部分の予習、特に預金保険について調べて理解するのに120分の予習が必要。
5ここでは保険の仕組みと基本原則を理解することを目的とするが、そこで再確認したいことは「保険料」と「保険金」の区別である。これを誤るとすべて意味が通じなくなる。そして現代保険の主要機能は経済的保障の達成であるが、経済的保障の三層構造と保険の関係を知ること、および保険の2大原則を理解することが重要である。前回の復習に120分、指定部分の予習および保険の基本原則を保険料算定モデルを用いて文字式で理解するために120分以上の予習が必要。
6ここでは実際の保険料がどのように算定されるか実例を挙げながら理解していく。生命保険や損害保険、公的保険で保険料がどのように算定されるか、また保険給付の種類についても考え、その種類によって所得再分配機能が発揮されることも理解していく。そして章末の練習問題も検討していく。前回の復習に120分、指定部分の予習および練習問題の挑戦に120分以上の予習が必要。
73章 保険の歴史と現代的視点 ここでは「なぜ歴史を学ぶか再確認するところから始める。そして保険の歴史を単なる年表の羅列としてではなく、どんな背景でなぜ誕生したのかを理解していく。そうすることによって歴史から現代を見渡して考えることができるようにしたい。まずは海上保険の歴史から見ていこう。前回の復習に120分、指定部分の予習および練習問題の挑戦に120分以上の予習が必要。
8今回は火災保険と生命保険の歴史を学ぶ。ここで重要なことは「なぜこれらの保険の誕生がこれほど遅れたのか」を考えることである。つまり17世紀後半から18世紀中ごろまで遅れたのである。火災も病気も老いも大昔から恐れられていた。リスク認識の必然性と保険の必要性という観点から再考してみよう。練習問題を含め前回の復習に120分、指定部分の予習および高校時代の世界史や日本史から再確認するためには120分以上の予習が必要。
9社会保険の歴史と日本における保険の歴史を学ぶ。社会保険は19世紀末のドイツで誕生するが、その歴史的背景は極めて興味深い。鉄血宰相といわれたビスマルクが社会保険を誕生させた。それがなぜかを知ると歴史の見方も変わるかもしれない。そして日本の保険の歴史を学び、西欧の保険史と比較するとますます新たな知見と現代を考えなおすヒントが得られるであろう。前回の復習に120分、指定部分の予習および高校時代の世界史や日本史から再確認し、練習問題に挑戦するためには120分以上の予習が必要。
104章 保険理論の動向とその発展 保険に関する初期の研究は極めて法学的な色彩が強かった。しかし近年は保険経済学と保険経営学が中心になってきあた。それがなぜかを理解し、保険の主要機能について学ぶ。練習問題を含め前回の復習に120分、および指定部分の予習に120分は必要。
11保険の主要機能(2大機能)が経済的保障と金融機能であることを再確認し、なぜ保険企業が機関投資家として注目されるのかを復習した上で、保険の限界とその対応について学ぶ。保険の限界とは保険で対処可能なはんいを意味するが、それを4つに分けて現実の例を考えると理解しやすい。前回の復習に120分、指定部分の予習、特に現実例を挙げながら整理するのに120分以上の予習が必要。
12保険の限界克服とその対応、および保険に代わる新たな対応について学ぶ。ITやAIの発展によって保険の限界はかなり克服されつつあるが、保険では対応できないリスクやぺリルもある。その代表的なものが間接損による不利益である。そこで新たに誕生したのがAlternative Risk Transfer(ART:代替的リスク移転)というデリバティブである。このARTの特徴と問題点を理解すれば応用範囲も広がる。前回の復習に120分、指定部分の予習、特にARTについて整理し理解するのに120分以上の予習が必要。
13不確実性の経済学と保険理論について学ぶ。保険はリスクに対処する制度であるから、」保険理論ではリスクの種類や分類に関する研究は盛んであった。しかし経済学の分野では李s区に関する研究は立ち遅れ、「保険は経済学の継子である」という時代が長く続いた。それはなぜか、そしてそれを打破しようとして誕生したのが「不確実性の経済学」あるいは「情報の経済学」という分野である。その入門的知識をここで習得する。前回の復習に120分、指定部分の予習、特に不確実性の経済学について整理し理解するのに120分以上の予習が必要。
14保険とオプションの関係について学ぶ。保険の仕組みと基本原則については既に学んだが、この理論モデルでは損害保険における「分損」については理解しにくい。これに対して近年急速に張ってしている金融理論から保険を見直すと保険はオプションの一部として理解することできるという。それをモデル的に説明しながら応用可能性を探っていく。前回の復習に120分、指定部分の予習、特にオプションについて整理し理解するのに120分以上の予習が必要。
15最終週なので4章の練習問題と検討と春学期全体で学んだことを再確認し、秋学期の保険論研究Bに繋げていきたい前回の復習、特にオプションについて整理し再確認ために120分、および練習問題への挑戦と春学期全体の再確認もh組めると120分以上の予習が必要。
試験実施方法
定期試験=1
レポート=2
その他=3
評価方法
評価方法割合評価基準
毎回の講義おける予習・復習および講義中の質疑応答、課題への対応10割毎回の講義おける予習・復習および講義中の質疑応答、課題への対応について大学院の評価基準に従って評価する。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『読みながら考える保険論〔増補改訂第4版〕』田畑康人・岡村国和編著八千代出版2700円978-4-8429-1765-8
参考書
  ・
参考資料
参考URL
1.生命保険文化研究所
2.損害保険事業総合研究所
3.金融庁
質疑応答
きわめて少人数であるため、質問は講義中いつでもOKです。大学院生の場合は単なるオフィスアワーではなく、研究室(2913)に直接訪ねてきてくれれば、時間の許す限り対応します。
備考
画像
ファイル
更新日付2021/02/15 09:45:09