開講年度2021
開講学科現代社会法学科 2013年度以降入学
科目名政治思想史
担当教員梅川 正美
学期曜日時限春学期 月曜日 3時限
チームコード
科目区分選択
授業形態講義
対象学年3年
単位数2
科目ナンバーW331-222-09
関連性が高い
ディプロマ・ポリシー
W-DP1-1 社会に関する知識 ◎ W-DP1-2 多様な文化に関する知識 ◎ W-DP2 法律学の体系的知識 ◎
キャンパス名城公園キャンパス
担当教員の実務経験


テーマ
近代から現代にかけての政治思想のアウトラインを勉強します。
授業の概要
現代の政治理論は、近代以降の政治思想を基礎として作られています。民主主義にしても、選挙制度にしても、議会制度にしても、社会福祉についても、自由主義についても、近代以降の政治思想の蓄積の中でつくりあげられたものです。現代の政治を理解するためには、近代以降の政治思想についての把握が必要になります。この講義では、その概要を、勉強します。
授業の到達
目標
近代以降の政治思想の概略を、初歩的で導入的なレベルで、理解することを、目標とします。政治思想も、本来は、非常に複雑な内容をもっています。しかし、それの内容を、自由論という角度から、わかりやすく解説します。そこで、自由論的な政治思想史について、最初のカンドコロをつかんでいただきたいと思います。
課題
(定期試験
・レポート試験
・授業内試験など)の
フィードバック方法
授業中の発言については、議論の時間を十分とって、フィードバックします。授業中のレポートについては、その後の授業の中でレポートの内容を紹介して、フィードバックします。
使用言語
日本語
実務経験をいかした教育内容
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学習・時間(分)
1(イントロ)政治思想史を、近代以降を中心に勉強する。とくに、自由について、どのように論じられたか、この点から、政治思想を見ます。特に中世の政治思想の崩壊から始めます。(今回の予習)プリントを読んで、授業全体の、アルトラインの予習をしてください。(60分)
2(中世の政治思想)ヨーロッパ中世は、キリスト教を中心とする時代でした。ローマ・カトリックのバチカンが支配権を握っていました。バチカンは、各国に国王を任命しており、教会政治と世俗政治の二元体制を持っていました。(前回の復習)前回のイントロのノートの復習(60)
(今回の予習)プリントを読んで、中世の政治思想の予習をしてください。(60)
3(マキアヴェリ・1)中世の政治思想は、キリスト教の支配が崩壊することによって、影響力を失います。特に政治は、宗教とは無関係のものであり、権力的なものだと主張したのがマキアヴェリでした。(前回の復習)前回の中世の政治思想のノートの復習(60)
(今回の予習)プリントを読んで、マキアヴェリ・1の予習をしてください。(60)
4(マキアヴェリ・2)マキアヴェリが政治を権力行為と言うとき、その権力は、当時は王様が握っていました。そこで、王様がどのように支配するか、この支配の便宜について理論化しました。その内容は市民の人権など顧みないものでもありました。(前回の復習)前回のマキアヴェリ・1の前半のノートの復習(60)
(今回の予習)プリントを読んで、マキアヴェリ・2の予習をしてください。(60)
5(ルター・1)中世の思想を、キリスト教の中から変革したのがルターでした。キリスト教はローマ教皇の独裁ではいけないと言いはじめました。個人が直接、神と対話することを考え、聖書を一般人が読める言葉に翻訳しました。(前回の復習)前回のマキアヴェリ・2のノートの復習(60)
(今回の予習)プリントを読んで、ルター・1の予習をしてください。(60)
6(ルター・2)ルターの思想は、ドイツに広まると同時に、イギリスに到達して、イングランド教会の考え方になり、イギリス政治思想の源流の一つになります。(前回の復習)前回のルター・1のノートの復習(60)
(今回の予習)プリントを読んで、ルター・2の予習をしてください。(60)
7(ホッブス・1)社会は、個人でつくられていることを、はじめて、明確に述べました。王様の権力は、神から与えられたものではなく、人造物であることを、解明しました。これは、それまでの、王権神授説の基本をこわすものでした。その意味で、革命的な意味をもっています。王権神授説は、日本でも姿を変えて引き継がれています。きわめて現代的な問題です。(前回の復習)前回のルター・2のノートの復習(60)
(今回の予習)プリントを読んで、ホッブス・1の予習をしてください。(60)
8(ホッブス・2)社会は個人で構成されることを述べた点でホッブスは革命的でした。しかし個人には利己心があり相互の紛争が起きます。そこで統治権力の必要があると言いましたが、その権力は王様の権力が、それとも民主主義の権力か、この点までは深めませんでした。(前回の復習)前回のホッブス・1のノートの復習(60)
(今回の予習)プリントを読んで、ホッブス・2の予習をしてください。(60)
9(ロック・1)市民社会の哲学者です。近代の政治学理論の基本を樹立しました。社会の基礎は個人であること。個人同士の契約で、社会はつくられることを主張しました。社会は、神が作ったものでもなければ、王様が作ったものでもなく、人間の創造物であるとしました。だから、人間が破壊することもあると言い、抵抗権の存在を認めました。(前回の復習)前回のホッブス・2のノートの復習(60)
(今回の予習)プリントを読んで、ロック・1の予習をしてください。(60)
10(ロック・2)政府は市民によってつくられるべきものであって、世襲制などによるものではないことを強調しました。政府は市民がつくるものであるなら、市民を裏切った政府は、倒さなければならないこと。その意味で、政府は、市民が、信頼する限りで、維持できること。このような民主主義の基本原理を作りあげました。(前回の復習)前回のロック・1のノートの復習(60)
(今回の予習)プリントを読んで、ロック・2の予習をしてください。(60)
11(ベンサム・1)功利主義の哲学者。個人の自由から、社会の秩序をどのように形成するか、この点について、膨大な原稿をのこしました。各人は、自分の幸せのために生きていること。この点では政治家も同じであると、述べました。王様も貴族も一般人も、同じ人間であり、利己的な面もあり、だから政治家は世論で規制しなければならないと考えました。(前回の復習)前回のロック・2のノートの復習(60)
(今回の予習)プリントを読んで、ベンサム・1の予習をしてください。(60)
12(ベンサム・2)議会の議員が、普通の市民と同じ人間であるなら、議員もまた利己的な人間にすぎません。このような人たちが掌握する議会は、腐敗の府になってしまいます。この腐敗を、どのようにすれば、さけることができるのか。そのためには、憲法制度は、どうあるべきか。この点についての、多くの原稿を書き残しました。(前回の復習)前回のベンサム・1のノートの復習(60)
(今回の予習)プリントを読んで、ベンサム・2の予習をしてください。(60)
13(ミル・1)子どものころから、ベンサムによって教育されました。その天才教育によって、青年のころには、はやくもベンサム主義の指導者になります。しかし、やがて理論的な問題に突き当たります。(前回の復習)前回のベンサム・2のノートの学習(60)
(今回の予習)プリントを読んで、ミル・1の予習をしてください。(60)
14(ミル・2)ベンサム理論では、最大多数の最大幸福を強調しましたが、そのとき少数の利益はどうなるか。この問題でミルは苦しみました。とくに多数の市民が選んだ政治権力が少数派を抑圧することは、どうやって防ぐことができるか、この点を良く考えました。(前回の復習)前回のミル・1のノートの復習(60)
(今回の予習)プリントを読んで、ミル・2の予習をしてください。(60)
15(まとめ)これまでの授業のまとめをおこないます。授業の全体のなかで、どのようなアウトラインが明らかになったのか、この点について、まとめます。政治思想が、現代の政治を担う私たちにとって、持っている意味について、考えます。(前回の復習)前回のミル・2のノートの復習(60)
(今回の予習)授業全体のアウトラインを復習をして「まとめ」の予習をしてください。(60)
試験実施方法
定期試験=1
レポート=2
その他=3
評価方法
評価方法割合評価基準
定期試験60%到達目標の達成の程度
レポート30%授業の内容をふまえたうえでの自分の独自の考えの提出
発言10%自分の独自の内容の発言
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『使用しません』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『プリントを渡します』
参考URL
質疑応答
積極的な質疑応答、および討論をしていただくように、期待しています。
備考
プリントとパワーポイントおよびスクリーンを使って授業します。プリントは配布します。ノートを持って授業に参加してください。
画像
ファイル
更新日付2021/01/28 17:11:41