開講年度2021
開講学科商学科 2013年度以降入学
経営学科 2013年度以降入学
2020年度商学部商学科
科目名租税法A(基礎)/税法
担当教員川井 和子
学期曜日時限春学期 火曜日 4時限
チームコード
科目区分選択
授業形態講義
対象学年2年
単位数2
科目ナンバーM231-162-81
C231-212-81
関連性が高い
ディプロマ・ポリシー
C-DP2-1 ビジネスの現場において必要不可欠とされる広範な知識や技能を修得している。 ◎
キャンパス名城公園キャンパス
担当教員の実務経験実務経験あり


テーマ
租税法の基本的事項の学修
授業の概要
国民が安心して暮らせる社会のために税金は不可欠であり、その負担は納税者間において公平に配分されなければなりません。日本国憲法は納税の義務を定めるとともに、租税の賦課徴収は法律の定めによるとしています。また、わが国では主たる国税について申告納税方式を採用しています。そのため、納税者は租税法を自ら解釈・適用し、申告納税することになります。以上より、私たち一人ひとりにとって税金に関する知識は不可欠です。
本講義では、租税や租税制度の役割、租税法の基本原則を学修したうえで、各論として所得税法・法人税法・消費税法・相続税法について基本的な学修をします。とくに、最近の税金に関する事例(事件)を題材として、租税法の解釈・適用のあり方、租税回避行為(合法的な租税負担の排除・軽減行為)とその否認の手法に関する動向について基本的事項の修得をねらいとします。
授業の到達
目標
商学部のカリキュラム・ポリシーに即して、実務で通用する知識を習得し、租税負担について予測できるようにします。わが国における租税制度や所得税法・法人税法・相続税法・消費税法といった各個別租税法の制度設計について説明できるようにします。具体的には、①日本国憲法から導かれる租税法律主義(日本国憲法30条、同法84条)と租税公平主義(同法14条1項)という租税法上の2つの基本原則を説明できるようにします。②最近の税金に関する事件などを通じて、租税法の基礎理論やその解釈・適用のあり方について説明できるようにします。③社会に出て納税者となった際に、たとえば、医療費控除など簡単な確定申告書の作成ができるようにします。④企業の構成員として、租税に関する紛争を未然に予防するスキルの養成を目指します。
課題
(定期試験
・レポート試験
・授業内試験など)の
フィードバック方法
レポート課題の提出後において、結果をふまえたコメントを「講評」としてWebCampusに掲出します。なお、講義期間中にあっては、授業中における質疑応答に加えて、Teamsのチャットやメールによる質疑を促し、応答において補充的な解説をすることにより理解度を上げる工夫をします。
使用言語
日本語
実務経験をいかした教育内容
税理士である実務家教員として、税金に関する実務の動向をお話ししながら授業を進めます。また、私たちの町の税務署の仕事や納税者の代理人である税理士の仕事について紹介していきます。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学習・時間(分)
1イントロダクション: 租税法を学ぶ意義・わが国の租税に関する制度設計と租税法の基本原則
下記テキスト2.(3~5頁、22~23頁)
①予習:次回授業用配布資料(webCampus掲出)の通読、②復習:同配布資料の熟読、疑問点は質問すること。※本講義は復習を中心として次回に臨むこととします(以下2回~15回まで同じ)。(120分)
2租税の意義と歴史・憲法と租税法
下記テキスト1.(4~7頁、8~9頁)
租税法における法的思考(リーガルマインド)について考えること。
前回の授業の復習と新聞やインターネットの税に関するニュースを確認すること(3回~15回も同じ)。(120分)
3租税法の基本原則Ⅰ・租税公平主義-最高裁昭和60年3月27日大法廷判決(大島訴訟)
下記テキスト1.(4~7頁)
租税の意義、そして、憲法と租税法の関係について理解すること。(120分)
4租税法の基本原則Ⅱ・租税法律主義-最高裁平成18年3月1日大法廷判決(旭川国民健康保険条例事件)
下記テキスト1.(8~9頁)
租税公平主義について簡潔に説明することができるようにすること。(120分)
5租税法律主義と租税公平主義の対立―最高裁平成23年2月18日第二小法廷判決(武富士事件)
下記テキスト1.(30~31頁)
租税法律主義について簡潔に説明することができるようにすること。(120分)
6租税法の解釈・適用―最高裁平成22年3月2日第三小法廷判決(ホステス源泉徴収事件)
下記テキスト1.(28~29頁)
租税法の基本原則である租税法律主義と租税公平主義の関係について理解し、借用概念の解釈を通してその対立と調整について具体的に考えてくること。(120分)
7税務通達と租税法律主義―最高裁昭和33年3月28日第二小法廷判決(パチンコ球遊器事件)
下記テキスト1.(16~17頁)
租税法の解釈・適用のあり方について理解し、不確定概念や借用概念の解釈についての考え方を理解すること。(120分)
8節税・租税回避・脱税―東京高裁平成11年6月21日判決(岩瀬事件)
下記テキスト1.(36~37頁)
税務通達の意義を理解したうえで、いわゆる通達課税と租税法律主義との関係について考えてくること。(120分)
9租税回避行為の否認と手法―東京高裁平成11年6月21日判決(岩瀬事件)
下記テキスト1.(36~37頁)
租税負担の減少行為に関する3つの類型(節税・租税回避・脱税)について理解してくること。(120分)
10租税の種類と計算方法(1)所得税の意義と計算
下記テキスト2.(6~10頁)
租税回避行為の否認とは何か。その否認の手法について学んだことを理解してくること。(120分)
11租税の種類と計算方法(2)所得税の意義と計算
下記テキスト2.(6~10頁)
所得税法の計算構造について説明できるようにすること。所得区分の意義を理解し、その論点について考えてくること。 (120分)
12租税の種類と計算方法(3)法人税の意義と計算
下記テキスト2.(11~13頁)
簡易な所得税確定申告書の作成ができるようにすること。(120分)
13.租税の種類と計算方法(4)相続税の意義と計算、(5)消費税の意義と計算
下記テキスト2.(14~21頁)
※レポート課題についての説明
法人税の計算構造について説明できるようにすること。益金概念、損金概念について考え、企業会計における利益と法人税における所得との違いを理解すること。(120分)
141. 申告と納税-申告納税方式と賦課課税方式
2. 税務調査と不服申立て・納税者の権利保護
3. 税理士の役割
下記テキスト2.(24~25頁)
4 簡易な所得税確定申告書の作成(1)配布資料
※レポート課題についての説明
相続税の計算方法について説明できるようにすること。民法上の相続財産と相続税法上の相続財産との違いについてその概要を理解してくること。消費税のあらましについて理解してくること。(120分)
151. 簡易な所得税確定申告書の作成(2)配布資料
2. 春学期授業の総括
わが国が採用する申告納税制度と租税法律主義との関係について説明できるように考えてくること。(120分)
試験実施方法
定期試験=1
レポート=2
その他=3
3
評価方法
評価方法割合評価基準
レポート課題95%租税法の基本原則、制度設計を十分に理解し、各個別租税法の計算方法について論述できること。また、簡易な給与所得者の所得税確定申告書の作成ができること。
授業内ミニテスト(受講態度)5%租税法の基本原則をふまえて、課題における要求に相応の回答ができること。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『租税判例百選[第6版]』中里実ほか編有斐閣2,600円+税978-4-641-11529-3重要判例教材
2.『日本税理士会連合会HP・租税教育「大学生向け講義用テキスト―税法版―」』日本税理士会連合会令和元年7月1日更新版各自下記URLより印刷してください。
参考書
  ・
参考資料
参考URL
1.日本税理士会連合会HP・租税教育「大学生向け講義用テキスト―税法版―」「租税教育講義用テキスト」令和元年7月1日更新版です。
2.国税庁HP・税大講本『税法入門(令和2年度版)』租税法の概要をわかりやすく説いています。
質疑応答
①授業終了後又はオフィスアワーに研究室(2915)にて。オフィスアワ-: 火曜日 16時30分~17時30分、水曜日15時00分~16時00分(要予約) Mail:kawai@dpc.agu.ac.jp
②Teamsによるオンライン方式の面談も活用してください。
備考
①受講にあたりこの科目が扱う税金の賦課・徴収のあり方等について強い関心があることを望みます。②教科書を必ず持参し配布資料はファイルして授業に臨んでください(テキスト2は各自印刷)。③授業中の私語は厳禁とし入退室しないことを原則とし、④すべての携帯電話操作は禁止です。なお受講生の履修状況により、内容・進度等を調整変更することがあります。ミニテスト等の結果により、授業内容等に適宜フィードバックする予定です。
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更新日付2021/02/13 18:11:32