開講年度2021
開講学科心理学科 2013年度以降入学
2018年度心身科学部健康科学科
2018年心身科学部心理学科
科目名発声発語障害学Ⅰ(音声障害)
担当教員辰巳 寛
学期曜日時限春学期 水曜日 1時限
チームコード
科目区分選択
授業形態講義
対象学年3年
単位数2
科目ナンバーZ231-276-02

関連性が高い
ディプロマ・ポリシー
Z-DP1 指導力・実践力 ◎
キャンパス日進キャンパス
担当教員の実務経験実務経験あり


テーマ
音声障害と発話障害(Dysarthria)の基礎と評価・治療法を学ぶ.
授業の概要
音声障害と発話障害(Dysarthria)への理解と治療法を学ぶ.
実技を用いながら音声障害と発声・発話障害(Dysarthria)への理解を深め,評価ならびに治療技法を獲得する.
また,国内のみならず世界における最新治療や評価,考え方を学び,世界で対応できる臨床家を目指す.
授業の到達
目標
 言語聴覚士になるためには、声に関する知識の習得は欠かせない。これまで学んできた発声器官の解剖、生理、疾病学的知識および音響音声学的知識をもとに、言語聴覚学的観点から発声機構(発声の仕組みとその調節)について説明できるようになることを目標とする。
 2018年度より継続してAMSD(標準ディサースリア検査)をより集中的に実践的に学ぶことも大きな目的とする。
 また、音声障害の定義,器質的音声障害,機能性音声障害などについて概説し、発声(音声)障害の各種原因疾患や音声症状についても理解を深める。また、さまざまな検査法や訓練法の基礎を身につけることを主たる目的として、音声の検査・評価法についての解説および検査・評価の実践練習を行い、音声障害の治療や喉頭摘出例における無喉頭音声や気管切開例へのアプローチ法なども学習する。
課題
(定期試験
・レポート試験
・授業内試験など)の
フィードバック方法
受講態度に対するコメント、試験の出題意図・解答状況に関するコメント、今後の学修に関するアドバイスなど、成績発表後1週間以内に学生の要望に応じて個人的に対応する。
使用言語
日本語にて行う
実務経験をいかした教育内容
臨床動画と音声を使用し,実践的内容の講義を行う.
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学習・時間(分)
1声の特性と機能および調節
<声の特性>
1)声の機能
2)声に含まれる情報
3)声の可変性(高さ 大きさ 声質 持続)
【予習】構音障害の概要を把握する(30)
【復習】授業の全体について理解する(30)
2<発声の物理的特徴>
1)音声生成の物理的基礎
2)声帯振動
3)共鳴
4)発声の効率
【予習】構音障害のAMSDを把握する(30)
【復習】授業の全体について理解する(30)
3発声の生理とその調節
1)神経系の制御
2)呼気調節
3)喉頭調節
4)付属管腔調節
【予習】構音障害のAMSDを把握する(30)
【復習】授業の全体について理解する(30)
4音声障害の発生メカニズムと分類
<音声障害の定義>
1)病的音声と正常音声の区別
2)障害判定における留意点(年齢 性別 文化社会的要素など)
3)発声機構と障害メカニズム
【予習】構音障害のAMSDを把握する(30)
【復習】授業の全体について理解する(30)
5声帯の病変に基づく音声障害
1)喉頭の炎症・腫瘤・腫瘍
2)その他(先天異常など)
【予習】構音障害のAMSDを把握する(30)
【復習】授業の全体について理解する(30)
6声帯の運動障害に基づく音声障害(喉頭麻痺)
声帯に著変を認めない音声障害
1)機能性音声障害
2)心因性音声障害
3)けいれん性発声障害
4)発声の悪習慣など
【予習】構音障害のAMSDを把握する(30)
【復習】授業の全体について理解する(30)
7音声の検査・評価・診断
検査の種類と目的
1)内視鏡検査(声帯・声帯運動・声帯振動の観察等)
2)聴覚印象に基づく検査(GRABAS評価等)
3)音響分析による検査
4)発声の能力と機能の検査(最長発声持続時間、発声時平均呼気流率、声の高さ・強さ等)
5)音声障害の自覚的評価(VHI)
【予習】構音障害のAMSDを把握する(30)
【復習】授業の全体について理解する(30)
8基本的な検査方法
1)検査手順
2)記録法
【予習】構音障害のAMSDを把握する(30)
【復習】授業の全体について理解する(30)
9特殊な検査と臨床的意義
1)喉頭筋電図検査
2)喉頭の画像検査
3)心理検査
【予習】構音障害の呼吸機能を把握する(30)
【復習】授業の全体について理解する(30)
10評価と診断
1)各種の情報の整理と統合
2)鑑別診断
【予習】構音障害のアプローチ法を把握する(30)
【復習】授業の全体について理解する(30)
11音声障害の治療ー治療法の種類ー
1)外科的治療と保存的治療(薬物治療・音声治療)
2)音声治療の種類と理念
3)声の衛生の指導(発声の基礎的理解の促進、誤った発声行動および生活習慣の修正)
【予習】構音障害のアプローチ法を把握する(30)
【復習】授業の全体について理解する(30)
12音声訓練の種類、目的、適応
1)訓練の適応基準
2)訓練の種類と選択基準
3)訓練のゴール
音声訓練の方法
1)声質改善
2)声の高さと強さの調節
3)呼吸の調節など
4)外科的治療
【予習】構音障害のアプローチ法を把握する(30)
【復習】授業の全体について理解する(30)
13無喉頭音声
1)喉頭摘出後の呼吸・発声・発語のメカニズム
2)喉頭摘出患者に対する話しことばの検査と評価(発声機能の検査、構音の検査、コミュニケーション機能検査など)
【予習】音声障害の概要を把握する(30)
【復習】授業の全体について理解する(30)
14無喉頭音声の種類と特徴および選択基準
1)人工喉頭
2)食道音声
3)気管食道瘻発声(TEシャント・ボイスプロテーゼ)
4)各種無喉頭音声の訓練方法
【予習】構音障害のリハビリテーションを把握する(30)
【復習】授業の全体について理解する(30)
15気管切開例の取扱
1)コミュニケーション手段の種類と選択
2)各種気管カニューレについての基礎知識
3)評価と訓練
音声障害者患者の社会復帰
1)社会復帰の問題点(社会復帰の条件と患者のニーズ,動機付けと環境調整)
2)社会復帰のための言語聴覚士の役割
【予習】構音障害のAACを把握する(30)
【復習】授業の全体について理解する(30)
試験実施方法
定期試験=1
レポート=2
その他=3
評価方法
評価方法割合評価基準
試験80%記述式とマーク選択肢の混在した問題を行う.
講義レポート課題20%臨床で特に重要な分野に関するレポートを実施する.
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『ディサースリアの基礎と臨床 第3巻 臨床実用編』西尾正輝インテルナ出版4752978-4-900637-27-6可能な限り購入してください
2.『標準ディサースリア検査(AMSD)』西尾正輝インテルナ出版6156978-4-900637-17-7可能な限り購入をお願いします.検査ではあるが授業のほぼ半分をこの説明に費やします.
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『ディサースリア 臨床標準テキスト』西尾正輝医歯薬出版4536978-4263213063
2.『ケースで学ぶディサースリア』西尾正輝インテルナ出版3996978-4-900637-33-7
参考URL
質疑応答
できるだけ講義中に常に受け付ける(講義中に質疑する事で参加者全員で問題を共有できる).
個人的に聞きたい者は,講義前に学科事務局に来るか,講義直前/直後の時間を利用していただく.
備考
言語聴覚士国家試験受験資格を取得するうえで必修の科目です。
(授業中の携帯電話操作,録音/録画は禁止します)
また適宜、授業中に参考となると思われる書籍等を紹介する予定です.
画像
ファイル
更新日付2021/02/22 14:52:27