開講年度2020
開講学科2020年度歯学部歯学科
科目名生物学Ⅰ ABC
担当教員池田 健
学期曜日時限秋学期 木曜日 3時限
科目区分必修
授業形態講義
対象学年1年
単位数2
科目ナンバーB111-420-21
使用教室楠元図書館4階大教室
キャンパス楠元キャンパス
担当教員の実務経験


テーマ
細胞、分子、遺伝子のことばで考えよう
授業の概要
 20世紀後半からの分子生物学の急速な発展の結果、地球上の全ての生物は同じ物質的基礎の上に成り立っており、同じ遺伝情報の流れに従って生きていることが明らかになった。生命現象の細胞・分子レベルでの解明が進むなか、生物学は医学、歯学、薬学、農学などと以前にも増して深い関わりを持つようになった。例えば、多くの疾患に今や遺伝子診断、遺伝子治療が試みられる時代である。また、山中伸弥博士(京都大学)「iPS細胞の作製」、大村智博士(北里大学)「線虫感染症の新しい治療法の発見」、大隅良典博士(東京工業大学)「オートファジーの仕組みの解明」、本庶佑博士(京都大学)「免疫抑制の阻害による癌治療法の発見」のノーベル生理学・医学賞受賞も記憶に新しい。そこで、「生物学Ⅰ」では細胞の構造、代謝の反応、遺伝のしくみ(分子遺伝学を含む)などについて学習する。これらは「生物学Ⅱ」(浅原先生)や学部の諸学科の基礎となる。
授業の到達
目標
 細胞、分子、遺伝子のことばで考えることにより、様々な生命現象を統一的に理解することを目指す。とりあげる内容については、下記の授業計画を参照のこと。生物学Ⅰではとくに、全ての生物が持つ共通の性質(生物の定義と言ってもよいかもしれない)について、その内容を理解し説明できること。なかでも最大の目標は、『分子遺伝学のセントラルドグマ』を分子レベルで説明できることである。
課題
(定期試験
・レポート試験
・授業内試験など)の
フィードバック方法
 試験終了後適当な時期に、試験問題の解説、および試験結果の講評を行う。講評の際に述べられる解説などを聴いて、理解を深める。答案を個別に開示したり返却したりする予定はない。なお、質問は常時受け付ける。
使用言語
日本語
実務経験をいかした教育内容
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学習・時間(分)
1生物とは
    生物界の階層性
    生物学の研究方法
 
【復習】講義ノートと教科書該当箇所(45)
2生体を構成する分子
    生体の四大構成成分、その構造と機能
【復習】講義ノートと教科書該当箇所(45)
3タンパク質の構造と機能
    タンパク質の構造(一次構造から四次構造へ)
    酵素のはたらきと反応のしくみ
【復習】講義ノートと教科書該当箇所(45)
4細胞の構造と働き(1)
    原核細胞と真核細胞
    生体膜の構造と機能
【復習】講義ノートと教科書該当箇所(45)
5細胞の構造と機能(2)
    細胞小器官の構造と機能
【復習】講義ノートと教科書該当箇所(45)
6代謝とエネルギー(1)
    異化・同化と生体のエネルギー通貨ATP
    好気呼吸と嫌気呼吸
【復習】講義ノートと教科書該当箇所(45)
7代謝とエネルギー(2)
    解糖系、クエン酸回路、電子伝達系
    基質レベルのリン酸化と酸化的リン酸化
【復習】講義ノートと教科書該当箇所(45)
8細胞周期と細胞分裂
    細胞周期とそれに伴う分裂の過程(体細胞分裂)
    アポトーシスとネクローシス
【復習】講義ノートと教科書該当箇所(45)
9遺伝のしくみ
    メンデルの遺伝の法則
    減数分裂と多様性を生むしくみ
【復習】講義ノートと教科書該当箇所(45)
10分子遺伝学(1)
    染色体、ゲノム、遺伝子の構造
    遺伝子の物質的本体DNAの構造
【復習】講義ノートと教科書該当箇所(45)
11分子遺伝学(2)
    DNAの複製のしくみ
    (半保存的複製、不連続複製)
    複製の正確さ
【復習】講義ノートと教科書該当箇所(45)
12分子遺伝学(3)
    転写のしくみ
    選択的スプライシング
【復習】講義ノートと教科書該当箇所(45)
13分子遺伝学(4)
    遺伝暗号(コドン)
    翻訳のしくみ
    (タンパク質合成の開始・伸長・終結)
【復習】講義ノートと教科書該当箇所(45)
14分子遺伝学(5)
    発現調節(転写調節、オペロン、基本転写因子)
    DNAの変異と修復
【復習】講義ノートと教科書該当箇所(45)
15バイオテクノロジー
    PCR法・塩基配列決定法など
【復習】講義ノートと教科書該当箇所(45)
試験実施方法
その他
評価方法
評価方法割合評価基準
筆記試験(参照不可。定期試験期間外に実施。本学の定期試験の実施規程に則って行われる。)100%授業の到達目標がどの程度達成されたかを試験結果により評価する。成績は本学の定期試験の評価基準に従う。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『基礎から学ぶ生物学・細胞生物学 第4版』和田勝羊土社3,200円+税978-4-7581-2108-8
2.『参考書は自分に合ったもので構いません。下の参考書欄にあげた本以外にもいろいろあります。高校「生物基礎」「生物」も良い。相談に応じます。』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『Essential細胞生物学 原書第4版』南江堂 税込8,800円978-4-524-26199-4解りやすい。『細胞の分子生物学』のダイジェスト版。充分詳しい。
2.『エッセンシャル・キャンベル生物学 原書6版』丸善出版7,000円+税978-4-621-30099-2米国の大学教養課程の教科書。図版が豊富で解りやすい。
3.『理系総合のための生命科学 第5版』羊土社3,800円+税978-4-7581-2202-6日本の大学教養課程の教科書。生命科学系学部(医歯薬理農など)へ進級する学生向け。
4.『細胞の分子生物学 第6版』ニュートンプレス税込24,530円978-4-315-52062-0理系大学院でも使える。詳しい、しかも解りやすい。
参考URL
質疑応答
 質問は常時受け付けます。オフィスアワー(下記)以外でもできるだけ対応します。研究室は日進キャンパスにあり、そちらにいることが多いので、メイルを利用しても構いません。
オフィスアワー:木曜日昼休み(楠元キャンパス生物学控室にて)
研究室:日進キャンパス4号館3階(生物学教室内)
アドレス:takeshii@dpc.agu.ac.jp
備考
 授業形式は主として講義です。
 講義は、高校の生物学及び春学期の実習で学習したことを理解しているものとして進められます。これらの基礎的な知識や理解が不足している学生諸君は、春学期の講義「生物学の基礎」を利用して、自ら対策を立てる必要があります。また、本講義の内容は「生物学Ⅱ」を学習する上での予備知識となります。
 時間外学習では復習を重視しましたが、予習する場合はスケジュールにあるキーワードについて学習しておくと良いでしょう。
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更新日付2021/02/02 19:24:02