開講年度2020
開講学科法律学科 2013年度以降入学
科目名憲法Ⅱ(人権)B
担当教員成澤 孝人
学期曜日時限秋学期 金曜日 3時限
科目区分選択
授業形態講義
対象学年2年
単位数2
科目ナンバーJ231-212-05
使用教室1101(名城)
キャンパス名城公園キャンパス
担当教員の実務経験


テーマ
生きる権利と制度
授業の概要
民主的な社会の一員として、憲法が保障する権利を理解し、それを適正に行使する責任を認識することをねらいとする。
授業の到達
目標
 自由や平等といった基本的人権は、わたしたちが自己の人生を自分で切り開き、幸福を追求していくために不可欠のものです。
 現実社会において、人間が人権を保障されて生きていくためには、国家権力が必要です。特に、人間として生きていく権利を保障する生存権は、国家の関与なしには実現できません。日本国憲法は、経済的自由権に対する制限を想定するとともに、生存権について広範な規定を設けて、市民の生きる権利を保障しようとしています。
 以上のように憲法は、わたしたちが生きている社会を、根本のところで構築し、支えています。この講義では、日本国憲法の人権規定の解釈を通じて、日本国憲法が想定する立憲民主政治体制のしくみを説明することができるようになると共に、現実の日本社会を日本国憲法の原理に照らして批判的に考察し、あるべき社会の姿を考えられるようになることを目標とします。
課題
(定期試験
・レポート試験
・授業内試験など)の
フィードバック方法
試験終了後に、講義連絡にて授業講評を送信する。
使用言語
日本語
実務経験をいかした教育内容
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学習・時間(分)
11 基本的人権とは
憲法Ⅱ(人権)Aの内容も含め、基本的人権について、基礎的な知識を学ぶ。
予習 教科書第1章~第3章を読む(180)
22 経済的自由①
憲法22条と29条に「公共の福祉」と明文の規定があることの意味を考える。
予習 教科書 65 ,70.,142-143頁を読む(60)
復習 今回の範囲を復習する(120)
33 経済的自由②
職業選択の自由と営業の自由について学び、薬事法距離制限事件違憲判決について検討する。規制二分論と二重の基準の関係について学ぶ。
予習 教科書143-145頁、および薬事法距離制限事件違憲判決を読む(60)
復習 今回の範囲を復習する(120)
44 経済的自由③
財産権を憲法で保障するとは、どういうことなのかを考える。森林法共有林分割制限事件違憲判決と規制二分論について考える。
予習 教科書145-147頁、および森林法共有林分割制限事件違憲判決を読む(60)
復習 今回の範囲を復習する(120)
55 実質的平等と福祉国家
平等の概念と経済的自由権の捉え方に相関関係があることを学び、実質的平等の保障のためには、経済的自由権を制限する必要があることを理解する。
予習 教科書95-96 142-147頁を読む(60)
復習 今回の範囲を復習する(120)
66 生存権①
生存権に関する「プログラム規定説」、「抽象的権利説」、「具体的権利説」の内容について理解する。
予習 教科書154-155頁および前の週に配布した資料を読む(60)
復習 今回の範囲を復習する(120)
77 生存権②
生存権に関する重要判例を学ぶ。
予習 朝日訴訟第一審判決、最高裁判決、堀木訴訟第一審判決、最高裁判決を読む(60)
復習 今回の範囲を復習する(120)
88 教育を受ける権利
教育を受ける権利の性質について学ぶ。
予習 教科書 156-157頁および旭川学力テスト事件最高裁判決を読む(60)
復習 今回の範囲を復習する(120)
99 労働基本権
労働三権について学ぶ。公務員の労働基本権の制限に関する最高裁判決の変遷について学ぶ。
予習 教科書157-160頁、および都教組事件最高裁判決と全農林警職法事件最高裁判決を読む(60)
復習 今回の範囲を復習する(120)
1010 身体の自由
日本国憲法が保障する手厚い手続的保障について学び、それが実現されているかどうか考える。
予習 教科書148-153頁および前の週に配布した資料を読む(60)
復習 今回の範囲を復習する(120)
1111 裁判を受ける権利
裁判を受ける権利とは何か考える。
予習 教科書243-245頁および前の週に配布した資料を読む(60)
復習 今回の範囲を復習する(120)
1212 参政権
参政権とは何かを理解し、重要判例を学ぶ。
予習 教科書190-193頁および在外邦人選挙権訴訟最高裁判決を読む(60)
復習 今回の範囲を復習する(120)
1313 基本的人権の主体
基本的人権の主体が個人であることを理解した上で、法人、天皇、外国人について考える。
予習 教科書65-69頁を読む(60)
復習 今回の範囲を復習する(120)
1414 特殊な法的関係と基本的人権
公務員の基本的人権、人権の私人間適用について学ぶ。
予習 教科書70-71頁および三菱樹脂事件高裁判決、最高裁判決を読む(60)
復習 今回の範囲を復習する(120)
1515 まとめ復習 試験にむけて、総復習をする(180)
試験実施方法
定期試験
評価方法
評価方法割合評価基準
定期試験100%講義で得た憲法解釈の方法を駆使して、問われている問いに対し、説得力ある答えを導いているかどうかで判断する。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『憲法のいま―日本・イギリス』倉持孝司、 小松浩編敬文堂28009784767002118
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『憲法判例百選Ⅰ』有斐閣2530 978-4-641-11545-3
2.『憲法判例百選Ⅱ』有斐閣2530 978-4-641-11546-0
参考URL
質疑応答
必要があれば、非常勤講師室で対応する。質問がある場合、事前に担当教員に連絡すること。
備考
とくにない。
画像
ファイル
更新日付2020/02/13 10:02:50