開講年度2020
開講学科法律学科 2013年度以降入学
科目名民事訴訟法入門
担当教員高木 敬一
学期曜日時限秋学期 水曜日 3時限
科目区分選択
授業形態講義
対象学年2年
単位数2
科目ナンバーJ231-216-11
使用教室1302(名城)
キャンパス名城公園キャンパス
担当教員の実務経験


テーマ
民事訴訟法の基礎と判決手続の概要を学ぶ
授業の概要
 民事法分野の法律というと、民法や商法が思い浮ぶ。それらの実体法の学習では、一定の事実関係の存在を前提として、実体法に照らして権利や義務があるかを問題にする。しかし、現実の訴訟では、両当事者が主張する事実関係が相異なり、そのため主張される権利・義務もそれぞれ異なる。どちらの主張が正しいかは訴訟で判断される。言い換えれば、実体法に照らして権利・義務があるといっても、それらが権利、義務として取扱われるためには、その存在が訴訟で認められねばならない。実体法の規定からは権利を持っているはずでも、訴訟のやり方を誤れば、裁判所に権利が認められず、折角の権利を失うこともある。
 このように、民事法を学ぶにあたっては、民事訴訟の仕組みを知ることが不可欠である。この講義は、民事訴訟手続の基礎や基本的な仕組み、手続の流れを概観することにより、民事訴訟を概括的に理解することを目指す。
授業の到達
目標
 民事訴訟手続の基礎を学び、手続全体を概括的に理解することにより、社会人として民事紛争に対処するための法的素養を身に付けることを目標とする。更には、民商法などの民事実体法をより深く理解するために必要な民事手続法の基礎的知識を習得することを目指す。同時に、3年次以降に開講される民事手続法の諸科目、特に「民事訴訟法A」、「民事訴訟法B」を学ぶための基礎をつくる。
課題
(定期試験
・レポート試験
・授業内試験など)の
フィードバック方法
成績発表日にWebCampusから授業講評を送信する。
使用言語
日本語
実務経験をいかした教育内容
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学習・時間(分)
1はじめに ~民事紛争の解決と民事訴訟~(予習)入学時に配付された『法学ガイドブック』の民事訴訟法の項を読む(30)
(復習)民法の教科書で私的自治の原則について、参考書や授業中に配付されたレジュメでADRについて確認する(60)
2民事訴訟の基本概念1 ~訴えと請求、訴訟物~(予習)参考書などで、訴え及び請求の意義について調べる(30)
(復習)参考書や配付されたレジュメで、訴えと請求について再度確認する(60)
3民事訴訟の基本概念2 ~訴えと判決~(予習)民事法入門の教科書や民訴法の概説書などで、民事訴訟の判決の種類について確認する(30)
(復習)参考書や配付されたレジュメで、訴えと判決について確認する(60)
4給付訴訟1 ~給付訴訟の意義と特徴~(予習)参考書などで、給付訴訟について調べる(30)
(復習)参考書や配付されたレジュメで、給付訴訟について確認する(60)
5給付訴訟2 ~給付訴訟と強制執行~(予習)民法の教科書などで、民法414条(債権の履行の強制)について確認する(30)
(復習)参考書や配付されたレジュメで、給付請求権の実現について確認する(60)
6確認訴訟1 ~確認訴訟の意義と特徴~(予習)参考書などで、確認訴訟について調べる(30)
(復習)参考書や配付されたレジュメで、確認訴訟について確認する(60)
7確認訴訟2 ~確認訴訟の対象~(予習)参考書などで、確認対象適格について調べる(30)
(復習)参考書や配付されたレジュメで、確認対象適格について確認する(60)
8確認の利益(予習)参考書などで、確認の利益について調べる(30)
(復習)参考書や配付されたレジュメで、確認の利益について確認する(60)
9形成訴訟1 ~形成訴訟の意義と特徴~(予習)参考書などで、形成訴訟について調べる(30)
(復習)参考書や配付されたレジュメで、形成訴訟の意義と特徴について確認する(60)
10形成訴訟2 ~形成訴訟の種類、形成判決の効力~(予習)参考書などで、形成訴訟の種類、形成判決の効力について調べる(30)
(復習)参考書や配付されたレジュメで、形成訴訟の種類、形成判決の効力について確認する(60)
11民事訴訟の審理1 ~第一審手続の経過~(予習)参考書などで、口頭弁論の流れについて調べる(30)
(復習)参考書や配付されたレジュメで、第一審手続の経過について確認する(60)
12民事訴訟の審理2 ~本案審理の概要~(予習)民法総則の概説書などで、法律要件と法律効果について確認する(30)
(復習)参考書や配付されたレジュメで、本案審理の概要について確認する(60)
13民事訴訟の審理3 ~控訴と上告~(予習)法学や裁判法などの教科書で、審級制度、上訴制度について確認する(30)
(復習)参考書や配付されたレジュメで、上訴について確認する(60)
14当事者能力(予習)民法総則の概説書などで、権利能力及び権利能力なき社団・財団について確認する(30)
(復習)参考書や配付されたレジュメで、当事者能力について確認する(60)
15訴訟能力(予習)民法総則の概説書などで、行為能力、意思能力について確認する(30)
(復習)参考書や配付されたレジュメで、訴訟能力について確認する(60)
試験実施方法
定期試験
評価方法
評価方法割合評価基準
定期試験の成績100%民事訴訟の基礎と手続の概要を十分に理解し、講義内容を踏まえたうえで、設問に対して適切な論述ができる。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『資料を使用し、テキストは指定しない予定であるが、使用する場合は最初の講義の際に指示する。』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『新民事訴訟法講義 第三版』中野貞一郎ほか編有斐閣大学双書4900円+税978-4-641-09379-9
2.『民事訴訟法 新版』長谷部由紀子岩波書店3400円+税978-4-0002-4882-2
参考URL
質疑応答
 質問等には研究室(アリスタワー9階7902室)でオフィスアワーの曜日・時間に対応する。但し、余裕があれば、その他の時間でも対応することがある。
備考
 法律学の専門科目であるから、令和2年(2020年)版(平成31年(2019年)版以前のものは不可。)の六法を持参することが必要である。
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ファイル
更新日付2020/02/17 15:16:34