開講年度2020
開講学科宗教文化学科 2014年度以降入学
歴史学科 2015年度以降入学
英語英米文化学科 2015年度以降入学
日本文化学科 2013年度以降入学
グローバル英語学科 2013年度以降入学
総合政策学科 2013年度以降入学
健康科学科 2015年度以降入学
2018年度心身科学部健康科学科
科目名情報社会論
担当教員加藤 晴明
学期曜日時限秋学期 月曜日 2時限
科目区分その他
授業形態講義
対象学年2年
単位数2
科目ナンバーG231-902-04
使用教室G104
キャンパス日進キャンパス
担当教員の実務経験


テーマ
マスコミからネットへの変化と〈メディアと人間〉のかかわり
授業の概要
 電話・スマホのような〈パーソナルメディア〉に注目し、〈メディアと人間〉をテーマに講義する。
 情報化という社会の変化は、3つ意味でリアリティが変化してきている社会である。
(1)マスコミ的リアリティからネット的リアリティへ
(2)素朴実感に根ざしたリアリティの社会から情報的リアリティへ
(3)現実空間とネット空間という二重のリアリティへという変化である。
 こうした変化に焦点を当てて〈メディアと人間〉の関係を論じる。
 授業では、最初にマスコミからインターネット社会への変化を説明する。次にパーソナルメディア経験の出発点である電話に注目し、電話からケータイへ、インターネットへの変化を説明する。マスコミ学やネット社会に関心のある方も受講していただきたい。
授業の到達
目標
・メディア社会の特徴を構造的に深く理解できるようにする。
知識:メディア社会を読み解いていく、「視点」「キーワード」など必要な知識を身につける。
理解:専門知識をもつことで、単なる感想を超えた、構造的な理解する。
思考:知識と理解をもとに、小論文的で雑駁な感想ではなく、論理的な思考を深める。
判断:メディアと向かい合っていく上で必要な判断力を身につける。
講義を通じて、メディア社会の基本視点を身につけることで、政策論に応用できるようにする。
課題
(定期試験
・レポート試験
・授業内試験など)の
フィードバック方法
成績発表日に講義連絡にして授業講評を送信する。
使用言語
日本語
実務経験をいかした教育内容
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学習・時間(分)
1メディア社会の主題:メディア社会とは何か
※二世界フレームをキーワードにメディア社会の問題とそれへのアプローチとしての自己メディア論の必要性を説明する。
予習:教科書の序章「メディアとは自己を仮託する文化装置である」の1節をよく読むこと。(120分)
復習:教科書の同じ部分を再度読み、ノートを補完し完成させること。(120分)
2マスメディア論を超えて①:マスメディア論とその批判の系譜
※マスメディア論の基本フレームとそれを批判する新しい胎動について説明する。
予習:教科書の1章の1節「マスメディア批判の物語」をよく読むこと。(120分)
復習:教科書の同じ部分を再度読み、ノートを補完し完成させること。(120分)
3マスメディア論を超えて②:自己メディア論の必要性と可能性
※メディアの本質(事業者となることの快感等)について論じる。
予習:教科書の1章の2節「自己メディア論の必要性と可能性」をよく読むこと。(120分)
復習:教科書の同じ部分を再度読み、ノートを補完し完成させること。(120分)
4メディア・近代・自己①:近代の視覚装置と自己
※近代の視覚装置とリアリティ観について説明する。対象:カメラオブスキュラとステレオスコープ
予習:教科書の2章の1節「自己を造形させるメディアとリアル」をよく読むこと。(120分)
復習:教科書の同じ部分を再度読み、ノートを補完し完成させること。(120分)
5メディア・近代・自己②:現代的メディア経験へ
※視覚メディア的リアリティから、マスメディアによる擬似現実構築への展開を説明する。
予習:教科書の2章の2節「自己の被フレーム化と情報的現実論の展開」をよく読むこと。(120分)
復習:教科書の同じ部分を再度読み、ノートを補完し完成させること。(120分)
6メディアとしての電話①:電信から電話へ
※テレコミュニケーションに託された欲望や、電信段階からすでに始まっていたオンラインと親密性について説明する。
予習:教科書3章1節「前史としての電信」、2節「電話=遠隔魔術のはじまり」をよく読むこと。(120分)
復習:教科書の同じ部分を再度読み、ノートを補完し完成させること。(120分)
7メディアとしての電話②:電話のメディア特性
※電話にみる声とおしゃべりのメディア特性について説明する。
予習:教科書3章3節「声とおしゃべりのメディア特性」をよく読むこと。(120分)
復習:教科書の同じ部分を再度読み、ノートを補完し完成させること。(120分)
8メディアとしての電話③:電話と救済
※電話の特殊な使い方を事例にしながら、メディア行為の3類型について説明する。
予習:教科書3章4節「電話風俗と救済願望」をよく読むこと。(120分)
復習:教科書の同じ部分を再度読み、ノートを補完し完成させること。(120分)
9ケータイ・スマホ論①:ケータイのメディア特性と携帯電話物語
※携帯電話のメディア特性について説明する。また携帯電話物語の映像ドラマを分析する。
予習:教科書4章の前半:5つの理論フレームから日本人とケータイまでをよく読むこと。(120分)
復習:教科書の同じ部分を再度読み、ノートを補完し完成させること。(120分)
10ケータイ・スマホ論②:研究の系譜
※マナー問題、初期の携帯電話研究、2000年代の研究など、移動体メディア研究の系譜を説明する。また、自己都合コミットメント概念を提起する。
予習:教科書4章の後半:場所からの解放とマナー問題から以降をよく読むこと。(120分)
復習:教科書の同じ部分を再度読み、ノートを補完し完成させること。(120分)
11ネット・自己・救済①:自己論の系譜
※現代的な自己論について解説し、それがいかにメディアと結びついて可能となっているのかを、自己メディア論として説明する。
予習:教科書5章1節「ネット空間への理論フレーム」をよく読むこと。(120分)
復習:教科書の同じ部分を再度読み、ノートを補完し完成させること。(120分)
12ネット・自己・救済②:ネット恋愛の物語構造
※ネット空間における親密性の問題としてネット恋愛をとりあげる。そこに託された欲望としての、自己物語のリライトについて説明する。
予習:教科書5章2節「ネット恋愛物語にみる「救済」と「再生」をよく読むこと。(120分)
復習:教科書の同じ部分を再度読み、ノートを補完し完成させること。(120分)
13ネット社会論の系譜①::テクスト論争について
※インターネット初期からのコンテクスト論争=コミュニティ論争について、ネット言説の初期まで遡って解説する。
予習:教科書6章1節「ネット社会の位置を考える」、2節、3節をよく読むこと。(120分)
復習:教科書の同じ部分を再度読み、ノートを補完し完成させること。(120分)
14ネット社会論の系譜②:SNSとフラッシュモブ論
※2000年代のネット論を、アーキテクチャー論、SNS論とフラッシュモブを事例に解説する。
予習:教科書6章4節、5節をよく読むこと。(120分)
復習:教科書の同じ部分を再度読み、ノートを補完し完成させること。(120分)
15情報メディア社会のまとめ
※これまでの講義のキー概念をまとめ、試験の範囲について説明する。
予習:事前提示の問題候補群の場所を教科書で確認すること。(120分)
復習:試験範囲を参考に、これまでのノートを読み直し、必要に応じて教科書で補完すること。(120分)
試験実施方法
定期試験
評価方法
評価方法割合評価基準
定期試験50%基本的に事前に問題候補を公開します。
また、教科書と公認持ち込みペーパーを持ち込み可能にしています。そのため、最低合格ボーダーを70点程度に設定しています。
自宅課題(宿題)20%自分で調べるレポートの場合:収集した事例の質と量で判断します。
自分でシナリオを創造するレポートの場合:課題を深く理解したシナリオかで判断します。
を出します。
授業態度・授業中のミニ課題30%出席はカードで管理しています。
授業中に、ミニ課題として、映像資料などの批評をしてもらいます。その批評の書き方の丁寧さと鋭さで判断します。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『自己メディアの社会学』加藤晴明リベルタ出版2600978-4-903724-34-8
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『メディア文化の社会学』加藤晴明福村出版23004-571-41037-9
2.『《情報》の社会学』加藤晴明他福村出版22004-571-41501-X
参考URL
1.加藤晴明の研究・授業ブログ
質疑応答
初回の講義でメールアドレスを周知する。
備考
担当教員は、情報社会、メディアだけではなく、マスコミ学・地域メディア学も専門である。マス・メディアに関心のある学生の受講も期待する。
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更新日付2020/02/09 16:16:42