開講年度2020
科目名法人税法Ⅰ 講義
(全)開講学科2017年度経済学研究科経済学専攻修士課程
開講種別春学期
対象学年1年
担当者川井 和子
単位数2
曜日・時限春学期 水曜日 3時限 2601(名城)
キャンパス名城公園キャンパス


サブタイトル
所得税・法人税・相続税事例研究(裁判例・裁決事例)
科目のねらい
判例理論は、事実上、実務に対して支配力を有しているといえます。したがって、生きた具体的な法である判例理論を考察することは意義があります。本講義では、まずは租税法の基本原理および解釈適用のあり方を考察します。そのうえで、各論点に係る事例研究をとおして、判決の判断構造、判決の射程を明確にします。判決に賛成か否かを明らかにしたうえで、その理由を租税法学理論の観点から合理的に説明するスキルの練成を図ります。
到達目標
申告納税制度のわが国にあっては、租税法は納税者にとっては申告の際の行為規範であり、租税行政庁にとっては課税権行使にあたっての行為規範です。さらに、両者の間に紛争が生じた場合には、租税法は裁判規範として機能し紛争解決の基準となります。本講義の履修により、実体法である租税法を 「課税要件事実」 という法的視角から把握することができるようにします。本講義では、租税実体法のうち、法人税法を中心に、同じく所得を課税の対象とする所得税法、そして、所得税の補完税と位置づけられる相続税法を中心に、重要文献の講読と最新の裁決事例及び裁判例の研究をとおして、以上の理解を深めることを到達目標とします。
授業の内容・
計画
1. 憲法と租税法、所得概念
2. 租税法の基本原則
3. 租税法律主義と租税公平主義の相克
4. 申告納税制度と租税法律主義
5. 租税法の意義、行為規範と裁判規範
6. 租税法の解釈・適用
7. 法的基準説と経済的基準説
8. 租税法と私法、 固有概念と借用概念
9. 租税法と課税要件事実
10. 租税回避行為と租税法律主義①
11. 租税回避行為と租税法律主義②
12. 所得税法の意義とその仕組み
13. 法人税法の意義とその仕組み
14. 相続税法の意義とその仕組み
15. まとめ
評価方法
(基準等)
授業の出席状況 (討論における発言内容等を含む)、提出した課題の内容 を総合評価します。
授業外の学修
(予習・復習)
本時の学習重要点の復習(60分)と次時の範囲を予習(60分)することとします。
教科書・
参考書
[教科書]金子宏『租税法[第23版]』(弘文堂、2019年)、増田英敏『リーガルマインド租税法 [第5版]』(成文堂、2019年)、谷口勢津夫『税法基本講義[第6版]』(弘文堂、2018年)、『租税判例百選 [第6版]』(有斐閣、2016年)、中里実他『租税法判例六法[第4版]』(有斐閣、2019年)[参考書]水野忠恒『大系租税法[第2版] 』(中央経済社、2018年)、川井和子他『租税法の解釈と適用』(成文堂、2017年)[配付資料]川井和子「日本国憲法第30条「納税の義務」の再検討」税法学577号(2017年)。※以上について改版された場合はその版。
参照URL
1.国税庁HP税の情報・手続、法令等についてアクセスできる。
2.財務省HPわが国の税制の概要を理解し法改正・税制調査会の動向についての情報が得られる。
3.日税連HP申告納税制度を採用するわが国にあって税理士の使命・制度の意義について考察する機会を提供している。
質疑応答
授業終了後又はオフィスアワーに研究室(2915)にて。オフィスアワ-: 火曜日 16時30分~17時30分、水曜日15時00分~16時00分(要予約) Mail:kawai@dpc.agu.ac.jp
備考
なお、受講生の履修状況により、適宜、内容・進度等を調整・変更することがあります。また、研究報告に応じて授業内容等にフィードバックする予定です。
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更新日付2020/02/04 17:47:24