開講年度2020
科目名農業政策論Ⅰ 講義
(全)開講学科2017年度経済学研究科経済学専攻修士課程
開講種別春学期
対象学年1年
担当者関根 佳恵
単位数2
曜日・時限春学期 火曜日 4時限 7703(名城)
キャンパス名城公園キャンパス


サブタイトル
日本農業と農業政策の150年
科目のねらい
 現代社会における農業政策は、食料安全保障、環境保全、エネルギー問題、都市と農村の乖離、過疎化等の諸課題を解決し、社会の持続可能な発展を期するために極めて重要な役割を担っている。同時に、自由貿易協定への参加をめぐる論争にみられるように、農業政策をめぐっては社会を二分する数々の論争が展開されてきた歴史があり、農業政策は時代とともに大きく変遷してきた。本講義では、戦前から戦後にかけての農業政策の変遷とその背景、および帰結を学ぶとともに、今日の農業政策の役割や位置づけについて、歴史の中で相対化しながら検討する能力を養うことを目指す。
到達目標
 本講義では、以下の授業計画にそって講義を展開する。受講者は講義を受講するとともに、随時、課題(レポート等)に取り組むことで、当該分野における知識と思考力を身につけることが期待される。
 半年間の講義を通じて、受講生は、(1)戦前・戦後の日本の農業政策に関する専門的なキーワードを理解し用いることができる、(2)戦前・戦後の主要な農業政策について、その背景と目的、効果と課題を説明できる、(3)論争になっている農業政策について、自分の意見を論述できるようになる、ことを到達目標とする。
授業の内容・
計画
第1回:ガイダンス:講義の狙いと概要
第2回:近代日本への出発:幕藩体制の成立から幕末・維新まで
第3回:日本資本主義の確立(1):産業革命、在来産業、日本農業の生産構造、農業技術の変化
第4回:日本資本主義の確立(2):農村生活の変化、地主・小作関係、農業政策
第5回:独占段階への移行(1):独占資本主義、農業生産の変容、農業経営と地主経営
第6回:独占段階への移行(2):小作争議と農民運動、農業政策の展開とその性格
第7回:世界大恐慌から戦時体制へ(1):世界大恐慌、戦時下の日本資本主義、農業生産力の停滞
第8回:世界大恐慌から戦時体制へ(2):恐慌と戦時下の農業経営・小作争議、農業統制政策
第9回:占領下の日本資本主義の再編成と農地改革(1):占領と戦後改革、農地改革案の提起
第10回:占領下の日本資本主義の再編成と農地改革(2):農地改革の実施、農民収奪政策の展開
第11回:高度経済成長の展開(1):産業構造の編成替え、基本法農政
第12回:高度経済成長の展開(2):経済大国化、総合農政の登場
第13回:低成長への移行と経済大国下の農業小国化への道(1):低成長への移行と経済構造の再編
第14回:低成長への移行と経済大国下の農業小国化への道(2):貿易自由化と新基本法農政
第15回:21世紀の農業政策の新展開:攻めの農政改革、農協改革、TPP、震災復興
評価方法
(基準等)
受講姿勢(50%)、およびレポートの成績(50%)により評価する。
授業外の学修
(予習・復習)
【予習】テキストを読み、論点・疑問点を整理する。
【復習】テキストを読み返し、議論の内容を振り返る。
【課題】大学の図書館を活用して、参考文献を入手・活用してレポート課題等に取り組む。
教科書・
参考書
教科書:暉峻衆三編『日本の農業150年』有斐閣、2003年。
参考書:Alessandro Bonanno and Lawrence Busch (eds.). Handbook of the International Political Economy of Agriculture and Food. UK: Edward Elgar. 2015.
Kae Sekine and Alessandro Bonanno. Contradiction of Neoliberal Agri-food. West Virginia University Press. 2016.
参照URL
質疑応答
講義中およびオフィスアワーに質疑応答を行う。
備考
(1)指定教科書必携。
(2)当科目の履修は、学部科目の農業経済学A、農業経済学B、および経済学特講Ⅱ(フードシステムと日本農業)を受講しておくことが望ましい。
(3)授業中の私語・携帯電話の操作・居眠り・飲食は厳禁とする。
(4)オフィスアワー:授業実施日の火曜日12:30-13:00(事前にメールで連絡することが望ましい)
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更新日付2020/02/05 20:08:23