サブタイトル | | |
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科目のねらい | | 『日本霊異記』は、奈良時代末から平安時代初期の頃、薬師寺僧景戒によって著された日本最古の仏教説話集である。景戒自身の序によれば、同書は因果応報の理論を明らかにすることを目的としたものだという。しかし、そこに示されている説話は、必ずしも因果応報を明確にしているとは限らない。また、仏教説話集と言いながら、現在の視点からすると「仏教」説話とは言い難い内容も含んでいる。その一方で、同書に収録された説話は、後に成立する『今昔物語集』をはじめとする様々な仏教文学に影響を与えることになった。本授業では、同書に関連する先学の研究論文を参照しつつ、同時に、『今昔物語集』等の説話との比較も行いながら、『日本霊異記』を上巻から順に読解することにしたい。 |
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到達目標 | | 本授業では『日本霊異記』上巻と中巻の原典を講読するとともに、同書に関連する先学の研究論文を参照し、さらには、同書から影響を受けた『今昔物語集』等との比較を行う。それによって、『日本霊異記』に隠されている様々な特徴や問題点が浮かび上がってくることが期待される。同時に、同書に収載されている説話の分析をとおして、奈良時代末から平安時代初期の頃の人々の仏教理解の状況、死後の世界観、観音をはじめとする神仏への期待、法華経信仰の状況、聖武天皇と行基に対する崇敬等が把握されるであろう。これらの事柄を論じることができるようになることが本授業の目標である。 |
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授業の内容・ 計画 | | 〈春学期〉 1.本授業の方針について 2.『日本霊異記』を読む(上巻序・第1) 3.『日本霊異記』を読む(上巻第2・3) 4.『日本霊異記』を読む(上巻第4) 5.『日本霊異記』を読む(上巻第5) 6.『日本霊異記』を読む(上巻第6・7・8) 7.『日本霊異記』を読む(上巻第9・10・11) 8.『日本霊異記』を読む(上巻第12・13・14) 9.『日本霊異記』を読む(上巻第15・16・17) 10.『日本霊異記』を読む(上巻第18・19) 11.『日本霊異記』を読む(上巻第20・21・22) 12.『日本霊異記』を読む(上巻第23・24・25) 13.『日本霊異記』を読む(上巻第26・27・28) 14.『日本霊異記』を読む(上巻第29・30) 15.『日本霊異記』を読む(上巻第31-35)
〈秋学期〉 1.秋学期の方針について 2.『日本霊異記』を読む(中巻序・第1) 3.『日本霊異記』を読む(中巻第2・3) 4.『日本霊異記』を読む(中巻第4・5・6) 5.『日本霊異記』を読む(中巻第7) 6.『日本霊異記』を読む(中巻第8・9・10) 7.『日本霊異記』を読む(中巻第11・12) 8.『日本霊異記』を読む(中巻第13・14) 9.『日本霊異記』を読む(中巻第15・16) 10.『日本霊異記』を読む(中巻第17・18・19) 11.『日本霊異記』を読む(中巻第20・21) 12.『日本霊異記』を読む(中巻第22・23) 13.『日本霊異記』を読む(中巻第24・25・26) 14.『日本霊異記』を読む(中巻第27・28) 15.『日本霊異記』を読む(中巻第29・30)
ただし、進捗状況や受講者の関心内容により、講読箇所は変更になる可能性がある。 |
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評価方法 (基準等) | | レポート(授業時間内に提出)による評価(70%)、受講態度・発言回数・学習意欲等(30%)を総合して評価を行う。 |
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授業外の学修 (予習・復習) | | 受講者は、当該時間に講読予定のテキストの箇所を、事前に予習しておくことが必要である。また、授業後には、それぞれの授業時間の内容を自ら読み直しておくこと。学期末には、講読箇所の理解にもとづくレポートの提出を課す。 |
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教科書・ 参考書 | | テキスト:中田祝夫『日本霊異記(上)全訳注』講談社学術文庫、同『日本霊異記(中)全訳注』講談社学術文庫、同『日本霊異記(下)全訳注』講談社学術文庫、
参考書:『日本霊異記』(日本古典文学大系70)岩波書店 |
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参照URL | | |
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質疑応答 | | 質問や相談等は随時受け付けます。禅研究所、または研究室(3431)まで連絡してください。火曜日昼休みはオフィスアワーとして、禅研究所にいます。 |
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備考 | | 本演習では、受講生自身の主体的な参加が不可欠である。また、受講生の関心事項や学習意欲によっては、講義の内容や進め方を修正する可能性がある。 |
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更新日付 | | 2020/02/07 17:38:18 |