開講年度2020
開講学科経済学科 2013年度以降入学
法律学科 2013年度以降入学
現代社会法学科 2013年度以降入学
科目名西洋史
担当教員野々山 慶一
学期曜日時限春学期 水曜日 4時限
科目区分必修
授業形態講義
対象学年2年
単位数2
科目ナンバーL221-165-01
使用教室2507(名城)
キャンパス名城公園キャンパス
担当教員の実務経験


テーマ
 二重革命の時代
授業の概要
 本講義では、近代ヨーロッパの歴史を、「二重革命」という観点から学びます。18世紀後半、ヨーロッパで二つの革命が起こった。イギリス産業革命とフランス革命である。これを皮切りに、19世紀のヨーロッパ各国で、産業革命と市民革命が続いた。その影響は世界に波及し、経済と政治の二つの領域で始まった変革があいまって、現在の社会を形作っていくのである。英仏両国は、あらゆる面で近代社会のモデルを提供した。イギリスは議会政治と工業社会の、フランスは民主主義と国民国家の模範となった、しかし、20世紀のヨーロッパは、列強の対立緊張によって、二度の大戦へと突き進んだ。その反省から、ヨーロッパ諸国は、1993年のマーストリヒト条約(欧州連合EU条約)によって、主権や国益という国家エゴを捨て、「一つのヨーロッパ」になろうとしている。このような問題を考えることによって、ヨーロッパ近代史の基礎知識の習得を目指したい。
授業の到達
目標
 大学生の教養としての「近現代ヨーロッパ史」の基礎知識の習得を目指します。「二重革命」-イギリス産業革命とフランス革命ーを手掛かりに、近代社会がどのように形成されたのかを学び、説明できるように心がける。歴史を学ぶとは、私たちが生きる現代世界を理解するための教養である。歴史学とは、ばらばらの知識の丸暗記ではなく、史実と史実のつながりを見つけ、歴史の全体像を描く学問である。歴史を学ぶ事は、実際に起こった歴史上の事件(史実)を基に自分の考えを整理する事である。このような学問的態度を身に着ける事によって、19世紀ヨーロッパが生み出し、世界に広めた高い生産力と民主主義の理念の意義を理解し、国家と国家の統合を目指すヨーロッパの試みについて自分なりの見解を持てるようになりたい。
課題
(定期試験
・レポート試験
・授業内試験など)の
フィードバック方法
 成績発表日に、講義連絡によって授業講評を送る予定にしている。
使用言語
 日本語
実務経験をいかした教育内容
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学習・時間(分)
1講義内容の説明
冷戦後の世界①-現代社会の基礎知識
 歴史的転回点としての冷戦の終結
 グローバル化とは何か?
[予習]シラバスを読み、講義内容を確認しておく事(30)
[復習]講義内容を確認し、キューバ危機、ベルリンの壁とは何か調べておく事(30)
2冷戦後の世界②-ヤルタ体制とソ連東欧圏
・ヤルタ体制について学ぶ
  米ソによるヨーロッパ東西分断
 ヤルタ会談と第二次大戦後の戦後処理
 ソ連対日参戦
・ソ連東欧圏分裂
 
[予習]連合国首脳会談について調べておく事(60)
[復習]ヤルタ会談で何が決まったか確認しておく事(60)
3冷戦後の世界③-欧州連合EUの成立とヤルタ体制の終焉
・ヨーロッパ統合の歴史を学ぶ
 米、「トルーマン・ドクトリン」、ソ連封じ込め政策
・東西の動向の相違ー西欧統合
[予習]「トルーマン・ドクトリン」を参考に、アメリカの外交政策の転換について調べておく事(60)
[復習]第二次大戦後のヨーロッパ統合について整理しておく事(60)
4主権国家体制①-ヨーロッパの主権国家体制と帝国との比較
・主権国家とは何か?アジアとの比較で考える 
[予習]中国、中華とは何か?東アジアにおける国際秩序の考え方を調べておこう(60)
[復習]どうして、ヨーロッパでは主権国家が出現したのか整理しよう(60)
5主権国家体制②-「ウエストファリア体制」
・主権国家体制とは何かを考える
 国際政治の柱ー国家主権、国際法、勢力均衡
[予習]国際社会、国際政治の土台は何か、調べておく事(30)
[復習]勢力均衡政策は、どのような外交政策で、どんな時に発動されるのか整理しよう(60)
6主権国家体制③-第二次英仏百年戦争
・仏ブルボン朝絶対主義について学ぶ
 ルイ14世の戦争とイギリスの登場
[予習]ルイ14世の四度の征服戦争について調べておく事(30)
[復習]イギリスの勢力均衡政策について調べておく事(60)
7主権国家体制④-ドイツ二元主義
・勢力均衡政策とは何か学ぶ
 オーストリア継承戦争、七年戦争
 イギリスの覇権
 プロイセン対オーストリア
[予習]ドイツ世界の成り立ちについて調べておく事(30)
[復習]オーストリア継承戦争、七年戦争の原因と結果を整理しておこう(60)
8フランス革命①-アンシャン・レジーム崩壊
・フランス革命について学ぶ
 旧体制、革命前の身分制社会
 三部会、貴族の革命→革命の大衆化
 ルイ16世処刑、君主主権から国民主権へ
[予習]アンシャン・レジームについて調べておく事(30)
[復習]フランス革命の経過について整理しておこう(90)
9フランス革命②-フランス国民軍 
・フランス国民国家とは何か学ぶ
 ジャコバン独裁
 フランス革命の「発明品」、国民国家
 フランス市民権・フランス語・フランス国民
[予習]フランス革命戦争が、どのように始まったのか調べておく事(30)
[復習]フランス革命政権の言語政策について整理しておく事(60)
10フランス革命③-ナポレオン軍
・ナポレオン戦争とは何か学ぶ
 戦争の性格変化
 英仏資本主義の闘争
 対仏大同盟 対 大陸封鎖令
 
[予習]軍人、将軍ナポレオンについて調べておこう(30)
[復習]ナポレオンの大陸封鎖令の目的は何か調べておく事(60)
11ナポレオン軍事独裁
・ナポレオンの支配について学ぶ
 ナポレオン法典・民法典
[予習]政治家ナポレオンについて調べておこう
(30)
[復習]ナポレオンの権力基盤について整理しておこう(60)
12イギリス産業革命-「道具から機械へ」
・産業革命とは何か考える
 技術革新・動力革命・交通革命
[予習]イギリス産業革命はどのように始まったのか原因を調べておこう(30)
[復習]輸入代替(輸入品の国産化)としての産業革命を整理しておこう(60)
13ウィーン体制-ナポレオン戦争の戦後処理
・ナポレオン戦争後の国際秩序について学ぶ
 正統主義と勢力均衡
 自由主義とナショナリズム封じ込め
[予習]ナポレオンの権力の座からの転落について調べておこう(30)
[復習」ウィーン会議を指導した理念は何か整理しておこう(60)
14ウィーン体制下のフランス
・ブルボン朝王政復古と革命について学ぶ
 フランス第二帝政-ナポレオン3世
[予習]ウィーン体制 対 自由主義・ナショナリズム、対立の構図を調べておこう(60)
[復習]1830年、48年の革命の経過について、整理しておこう(60)
15イタリア・ドイツの統一-ウィーン体制の終焉
・ビスマルクの登場
 ウィーン体制後の国際秩序について学ぶ
[予習]プロイセンとビスマルクについて調べておく事(30)
[復習]ビスマルクのドイツ統一戦争について調べておこう(60)
試験実施方法
定期試験
評価方法
評価方法割合評価基準
定期試験における筆記テスト90%講義内容の理解度が第一の評価基準
 平常点(授業参加度)10% 
出席も評価の対象だが、状況に応じて、受講者の参加度も参考にする。受講者は、常々配布するプリントなどを参考に、講義内容のつながりを把握して講義に臨むこと。不明な歴史的名辞は、次回の講義までに解消しておくことが望ましい。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『使用しない』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『近代ヨーロッパ史』福井憲彦筑摩書房
2.『近代ヨーロッパの覇権』福井憲彦講談社
参考URL
質疑応答
 質問は講義時間に受け付ける。
備考
 大学生の必要最小限の教養として近代ヨーロッパ史に関心のある学生歓迎。
画像
ファイル
更新日付2020/02/04 22:21:01