開講年度2020
開講学科健康科学科 2015年度以降入学
2018年度心身科学部健康科学科
科目名スポーツ文化論
担当教員近藤 良享
学期曜日時限春学期 月曜日 3時限
科目区分選択
授業形態講義
対象学年3年
単位数2
科目ナンバーZ331-592-14
使用教室14205
キャンパス日進キャンパス
担当教員の実務経験


テーマ
豊穣なスポーツ文化に触れよう
授業の概要
 健康づくり指導者を養成する健康科学科では、①専門資格者として必須の実技力・実践力、②科学的根拠に基づいた指導力、③意思疎通能力、④協働して目標に向かっていく人間関係構築力、⑤現状を分析し適切な判断を行い実行できるなど、総合的な問題解決能力を育成することを目標にしています。その中で、この授業では、スポーツの文化的、社会的側面に焦点をあて、スポーツの意味や価値を理解し、スポーツ文化の歴史や現代的諸問題を多角的に捉える批判的能力の修得を目指していきます。
授業の到達
目標
 スポーツ文化論では、こうした様々な体育やスポーツにまつわる諸問題を正しく理解、認識し、問題解決ができる能力を身につけることができる。具体的には、問題の事実の精査を行い、他の受講生らとの意見交換を行う中で、新しい視点、視座を学び、よりよい解決策を探究していきます。物事の善し悪しを正しく評価するするためには、批判的な能力が不可欠となります。多くの意見を比較商量して、正しい判断力を身につけられることができる。
課題
(定期試験
・レポート試験
・授業内試験など)の
フィードバック方法
レポートと定期試験の結果は、個別の要望に対応する。
使用言語
日本語
実務経験をいかした教育内容
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学習・時間(分)
1ガイダンス:授業方針の説明
○本科目の概要と基本的な用語を理解します
・スポーツ文化とは何か
【予習】シラバスを読み授業内容の概略を把握する(20)
【復習】授業全体について確認(30)
2文化としてのスポーツ
○多様なスポーツの価値を説明します
・参加型と競争型、内在・外在的価値
○スポーツの多様な価値について学びます
【予習】テキストの序章を読んで理解する(30)
【復習】授業内容を確認する他、体育、スポーツの概念の理解を深める(30)
3スポーツの歴史と概念
○スポーツの概念と歴史を説明します
・スポーツ:遊戯性、身体性、競争性、組織性
○スポーツと体育の概念の違い、体育やスポーツの歴史的変遷を学びます
【予習】テキストの20頁ー29頁を読んで理解する(30)
【復習】スポーツと体育との概念の相違を理解する。併せて、学校から日本のスポーツが発展したことを確認する(40)
4身体運動文化とは
○日本の身体運動文化を説明します
・江戸時代と明治以降の歩き方の相違
○日本人の歩き方が体育によって変えられた歴史を学びます
【予習】日本の伝統的なまつり、踊りをネット動画なので、観察する。テキストの168-170頁を読んで理解する。(30)
【復習】伝統的運動文化が日本人の歩き方に影響を与えていることを確認する(30)
5アンチ・ドーピング
○ドーピングの問題史を踏まえて、世界と日本のドーピング防止について説明します
・WADA、JADA、ドーピング禁止規程 
【予習】テキスト第1章:ドーピング32-44頁を読み、ドーピング問題の歴史を理解する(30)
【復習】ドーピング問題のエポック(1968年、1988年、2003年、2005年、2016年)を確認する
6エンハンスメントとしてのドーピング問題
○エンハンスメント社会とドーピングとの関係について説明します
・自己決定権、パターナリズム、治療と向上
【予習】テキスト第1章:ドーピング45-54頁を読み、エンハンスメント社会を理解する(30)
【復習】スポーツ界・ドーピング以外に、エンハンスメントと思われる現象について調べる(40)
7スポーツとジェンダー(1)
○競技団体が性別を決めていた歴史と現状を説明します
・性別確認検査、個別疑義事例、性の多様性
【予習】セックスとジェンダーとの相違について、新聞記事などを読んで理解する(30)
【復習】疑義事例の1つを取りあげて、より深く性別確認検査の問題点を理解、確認する(60)
8スポーツとジェンダー(2)
○性役割分担思想に基づく、女性差別状況を説明します
・不平等な扱い、賞金差
【予習】スポーツ界の女性差別問題について、新聞記事などを読んで理解する(30)
【復習】プロスポーツの賞金差の男女差別、意思決定機関の男女差別を調べ、より理解を深める(60)
9競技参加資格(1)
○両性具有、性転換選手の参加資格について説明します
・キャスター・セメンヤ、FTM、MTF選手
【予習】性の多様性を理解し、スポーツ界の性転換選手について調べる(30)
【復習】性の多様性を理解し、自己決定権を尊重することを理解する(30)
10競技参加資格(2)
○障がいを持つ選手のオリンピック参加問題について説明します
・パラリンピックとオリンピックの越境、ピストリウス、マーチン、レーム他
【予習】障がい者スポーツに関して、テキストの183ー186頁を読んで理解する(30)
【復習】オリンピックとパラリンピックの越境選手問題について、調べ学習をし、より深く理解する(60)
11フェアプレイ論(1)
○子どもスポーツの中でフェアプレイを教えるのは大人の責任であることを説明します
・いじめ、フェアな子ども、育成、グリーンカード
【予習】テキストの第5章を読み、子どものスポーツにはフェアプレイが不可欠であると理解する(60)
【復習】アンフェアプレイが子どもスポーツの中で発生しているかを調べ、より深く理解する(60)
12フェアプレイ論(2)
○意図的ルール違反の問題性について説明します
・意図的、無意図的ルール違反、フォーマリズム、エートス、真性のスポーツ、スポーツの価値
【予習】テキスト第6章を読み、スポーツの本質とは何か、フェアプレイについて理解する(60)
【復習】ユネスコ、日本のフェアプレイ賞について調べ、どのような行為がフェアプレイかを確認する(60)
13スポーツ指導と体罰(1)
○運動部活動を中心とした指導者による体罰・暴力の現状、選手の意見などを説明します
・桜宮高校事件、感覚鈍磨、麻薬性、受容・尊敬
【予習】テキスト第3章の運動部活動を読み、この問題の深刻さを理解する(60)
【復習】桜宮高校事件を調べ、事件後の日本社会の対応について、より理解を深める(60)
14スポーツ指導と体罰(2)
○法的禁止の歴史、あるべきスポーツ指導を説明します
・学校教育法第11条、選手第一、待つ指導
【予習】テキスト第4章を読み、体罰問題を理解する(60)
【復習】なぜ運動部活動の中で体罰・暴力が続いているかを、新聞報道などで調べ、負の連鎖を断ち切る方法を考える(60)
15授業のまとめ
○授業全体の振り返り、まとめをします
【予習】授業で課題とされたテキストの読破と配付資料にて学習のポイントを理解する(120)
試験実施方法
定期試験
評価方法
評価方法割合評価基準
2回のレポート20スポーツ界のドーピング問題および運動部活動における体罰・暴力問題について、背景および対応策が展開できる
定期試験60スポーツ文化に関する基礎的知識や概念の理解とそれらを踏まえて論理的に自身の意見が論述できる
受講態度20授業中の積極的発言、課題発表の論理的思考過程を評価する
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『改訂スポーツ倫理』近藤良享不昧堂出版1600円978-4-8293-0513-3
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『スポーツ倫理の探求』近藤良享編著大修館書店1800円978-4-469-26549-7
2.『スポーツ倫理を問う』友添・近藤共著大修館書店1800円978-4-469-26453-1
3.『いじめと体罰:その現状と対応』冨永・森田編著金子書房2500円978-4-7608-2171-6
4.『スポーツ倫理』近藤良享不昧堂出版1600円978-4-8293-0491-4
参考URL
質疑応答
授業時またはメールを利用して下さい。メールアドレスは最初の授業でお知らせします。
備考
スポーツは文化として定着し、時にはひいきチームが負けると不機嫌な人もいるほど、日常生活に浸透しています。豊穣なスポーツ文化に触れることができると、人生を健康で豊かにします。健全な心身のバランスを保持するにもスポーツ文化を学ぶことは重要です。日々の体育・スポーツの諸問題に興味関心を持ち、自分の意見を多くの受講生に披露してくれることを期待しています。
画像
ファイル
更新日付2020/01/20 10:31:13