開講年度2020
開講学科歴史学科 2015年度以降入学
科目名地域史特殊研究C-Ⅰ
担当教員松島 周一
学期曜日時限春学期 金曜日 3時限
科目区分選択
授業形態講義
対象学年3年
単位数2
科目ナンバーH331-182-03
使用教室2104
キャンパス日進キャンパス
担当教員の実務経験


テーマ
日本中世史の中の三河
授業の概要
前半は、鎌倉・室町時代の三河を舞台とした、貴族社会や幕府、現地勢力などの動きを追っていく。中世という時代を通して三河は重要な位置を占めた大国であり、そこでの諸勢力の動向をたどることで、日本史の展開を考えるための切り口を探っていく。後半は、松平氏の抬頭と活動を軸として、三河の戦国時代の様相を捉えていく。
授業の到達
目標
受講者全員が日本中世史の専門家になる必要はないが、現在の愛知県を構成する一部である三河が、日本史の展開の中で重要な地域であったことを理解できるようにすることは必須である。そのうえで、受講生各人が、三河という地域でおこった出来事について、その中のいくつかでもそれぞれの視点から興味関心を深め、それを自分の言葉で他者に説明できるようにすることを目標とする。
課題
(定期試験
・レポート試験
・授業内試験など)の
フィードバック方法
講義連絡にて授業講評を送信する。
使用言語
日本語
実務経験をいかした教育内容
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学習・時間(分)
1院政と三河
・犬頭糸などを事例として、院権力など中央の貴族社会と三河など地方との関係を概観する。
配布史料の復習、次回テーマの予習
2三河の庄園
・庄園の成立や特質について、近年の研究動向を踏まえて概説し、三河の諸庄園について概観する。
配布史料料の復習、次回テーマの予習
3源平合戦と三河
・平氏政権から鎌倉幕府形成へと向かう時代の三河の状況をたどる。
配布史料の復習と次回テーマの予習
4鎌倉幕府の地頭
・三河の高橋庄を事例として、鎌倉幕府による地頭設置がどのようになされ、どのような意味を有した事象であったのかをみていく。
配布史料の復習と次回テーマの予習
5承久の乱と足利義氏
・承久の乱で三河はどのような状況にあったのか、それが乱後の足利義氏の三河守護補任にどうつながったのかをみていく。
配布史料の復習と次回テーマの予習
6持明院統と三河
・鎌倉時代、天皇家と三河がどのような関係にあったか、特に両統迭立期に持明院統とどれだけ深く関わっていたのかをたどっていく。
配布史料の復習と次回テーマの予習
7室町幕府開創と三河
・足利氏が三河の守護となっていたことが、鎌倉幕府の滅亡や室町幕府の設立にどのように影響していたのかを概説する。
配布史料の復習と次回テーマの予習
8西三河の雄・中条氏
・鎌倉時代から室町時代にかけて高橋庄の地頭であった中条氏が、南北朝期の政治や軍事に大きな影響を与えていたことをみていく。
配布史料の復習と次回テーマの予習
9三河守護をめぐる混乱
・室町時代中期、三河守護の交替をめぐる混乱と、それが幕府政治に与えた影響を概観する。
配布史料の復習と次回テーマの予習
10伊勢氏と松平氏
・三河で松平氏がなぜ勢力を伸ばすことができたのか、将軍側近の伊勢氏との関係から考えていく。
配布史料の復習と次回テーマの予習
11松平氏と中条氏
・室町時代後期、幕府の支配秩序を支えてきた中条氏と、新興勢力である松平氏との西三河における関係をみていく。
配布史料の復習と次回テーマの予習
12松平氏の発展と混乱
・三河の戦国時代、松平氏がどのように困難を乗り越えて勢力を拡大していったのかをみていく。
配布史料の復習と次回テーマの予習
13織田・今川の三河侵攻
・尾張の織田氏と駿河の今川氏による三河への侵攻の経緯を概観する。
配布史料の復習と次回テーマの予習
14徳川家康の自立
・桶狭間の戦いのあと、家康が自立し、三河の戦国大名となっていく様相をたどる。
配布史料の復習と次回テーマの予習
15長篠の戦いをめぐる諸勢力
・なぜ長篠の戦いが起こり、なぜあのような展開となったのかを、現地勢力の歴史から読み解いていく。
配布史料の復習ならびに講義全体への振り返り
試験実施方法
定期試験
評価方法
評価方法割合評価基準
試験結果100%どれだけ講義内容を理解し、それを自分の言葉で、的確に説明できているか
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『使用しない』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『使用しない』
参考URL
1.使用しない
質疑応答
講義日だけの出講となるので、基本的に常日頃から質問に応じる態勢をとることができない。ただし、講義のあとや、非常勤講師室にいる時などに質問があれば、できるだけ対応するようにする。もちろん、講義時間中には適宜質問を求めていく。
備考
日本全体の歴史は知っていても、三河という地域の歴史はよく知らないという人も多いと思う。それは止むを得ないことではあるが、実際には三河が日本史上で果たした役割は大きなものがあるし、中世の三河で生起した諸事象は、むしろ地域の歴史が日本史を作り上げていく展開を捉えるための格好の事例となると思われる。その意味でも、まずは簡単な通史などでよいから、日本中世史のおおよその流れを捉えるための文献に目を通して、教室に来てもらいたい。
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更新日付2020/02/04 22:08:02