開講年度2019
科目名教育原論
科目ナンバーL111-271-11
開講種別秋学期
対象学年1年
担当者黒澤 ひとみ
単位数2
曜日・時限秋学期 木曜日 1時限
キャンパス日進キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
人間の成長発達と教育
授業の概要
人間は「生理的早産」の状態で誕生するが故に、子どもは「発達の可能態」であると言われる。本講義では、「発達の可能態」である子どもが、家庭や学校をはじめ様々な社会的環境とのかかわりを通して個性豊かな人間へと発達していく上での、教育の役割及び教育実践のあり方を学ぶ。また、社会形成と教育の関わりに注目し、歴史的社会的視座から、社会の変容に従い教育の目的も様々に変化してきたことを学ぶ。それを通して、21世紀の社会と教育のあり方について問題意識を深める。
授業の到達
目標
教師になる上で必要な知識・教養・感性を豊かにしてくための方向づけとなり、今後の学習の基礎となる基本的認識を身に付けるため、以下の点の習得を目標とする。
・教育学の基本的知識と諸概念、認識枠組みを学び、教育のあり方を考える視点を身に付ける。
・社会形成、人間形成に関わる教育についての歴史的関連を学び、社会形成と人間形成を統一的に考える視点を身に付ける。
・子どもの人間的発達に寄与する教育実践の工夫に学び、豊かな子ども観・教育観を身に付ける。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1ガイダンス:シラバスをもとに授業の方針とスケジュールを説明します。(予習)シラバスを読み、本授業内容をあらかじめ把握する(15分)
(復習)授業の全体について確認する(15分)
2人間の進化における「人間らしさ」の獲得。
サルからヒトへの進化の過程に注目し、目的意識性や共同性といった「人間らしさ」を獲得していった様子について学ぶ。
(予習)配布資料を読み「人間らしさ」について自分なりの見解を用意する(40分)
(復習)人間の進化と「人間らしさ」の諸特徴について理解を深める(30分)
3新生児の発達と人間形成における社会的環境の影響。
DVDを視聴し、生後一年の発達の様子から、人間形成には社会的な人とのかかわりが強い影響力を持つことを学ぶ。
(予習)配布資料を読み、人間形成と社会的環境の関係を確認する(30分)
(復習)人間形成と社会的環境の関係について家庭の養育から人間形成のあり方について認識を深める(40分)
4人間形成に対する意図的形成作用としての教育。
人間形成における無意図的形成作用と意図的形成作用である教育の区別と関連について学び、人間形成と教育の認識枠組みを身に付ける。
(予習)配布資料を読み、人間形成における教育の役割について確認する(30分)
(復習)教育の役割を考える上での基本的視点を確認する(120分
5教育の目的・機能。
人間的発達の保障と社会形成の担い手の育成という、教育の目的・機能をめぐる二つの視点の区別と関連を学び、両者を統一させた教育観について認識を深める。
(予習)教育政策に関する提言文書から人間像及び教育観を確認する(100分)
(復習)資料を読み直し、現代社会における人間像について理解を深める(40分)。
6子ども観・教育観の歴史①
近代以前のヨーロッパ及び日本における子ども観を学び、子ども観は歴史的に変化することを理解する。
(予習)配布資料を読み、近代以前の子ども観の特徴を確認する(40分)
(復習)資料を読み直し、近代以前の子ども観と人々の暮らしについての理解を深める(30分)
7子ども観・教育観の歴史②
近代以降の政治経済及び社会のあり方の変化と、子ども観・教育観の変化を学び、「学校」が登場した社会的背景について理解する。
(予習)配布資料を読み、近代以降の子ども、家庭、社会の変容について理解する(30分)
(復習)ルソーやペスタロッチなどの教育思想家が目指した社会と教育のあり方について理解を深める(30分)
8日本の学校教育の目的とその変容①
明治期の「学制」に始まる学校教育の理念と学校の実際について学び、学校教育制度の普及過程において、様々な試行錯誤があったことを理解する。
(予習)配布資料を読み、明治期の学校教育が掲げた教育理念を確認する(30分)
(復習)資料を読み直し、教育理念・目的と人々の暮らしの関係について認識を深める(30分)
9日本の学校教育の目的とその変容②
戦前・戦時下の子どもの生活と「教育勅語」に基づく学校教育の様子、戦後の「旧教育基本法」が掲げた教育の目的と学校教育の様子を学び、戦前・戦後の教育理念と目的をめぐる転換について理解する。
(予習)(課題)配布資料を読み「教育勅語」が掲げる徳目及び「旧教育基本法」の教育目的を確認する(60分)
(復習)戦前・戦後の社会及び教育のあり方の転換について認識を深める(30分)
10子どもの権利条約を到達点とする戦後世界の教育理念。
子どもの権利思想のあゆみを振り返り、子どもの権利条約を到達点とする子どもの権利思想と教育思想を学び、子どもの権利を生かした教育実践について認識を深める。
(予習)(課題)配布資料を読み、子どもの権利条約の子ども観と教育の考え方を確認する(60分)
(復習)資料を読み直し、子どもの意見表明権を大切にした教育実践について認識を深める(60分)
11子どもの発達における矛盾と指導①
障害児教育の教育実践を扱ったDVDを視聴し、発達観・指導観について理解を深める。
(予習)(課題)教育実践を扱った配布資料を読み、教師の子ども理解と子ども像を確認する(60分)
(復習)資料を読み直し、子ども理解と子ども像について認識を深める(30分)
12子どもの発達における矛盾と指導②
「発達とは自由の拡大である」「指導とは子どもをその気にさせることである」と言われる発達観・指導観について、実践をもとに理解を深める。
(予習)資料を読み、子ども理解と子ども像について前回の確認をする(30分)。
(復習)(課題)配布資料をもとに、発達観・指導観と教育実践のあり方について認識を深める(180分)。
13現代社会における子どもの貧困と教育福祉①
「子どもの貧困」が問題化した社会的背景及び家庭の養育環境の変化について学び、教師が持つべき視点と教育実践で大切にしたいことへの認識を深める。
(予習)配布資料を読み、「子どもの貧困」の実態について認識を深める(60分)
(復習)教師として、「子どもの貧困」にどのようなアプローチがありうるのか考えを深める(60分)
14現代社会における子どもの貧困と教育福祉②
教育の機会均等の理念、就学援助の諸制度を学び、自治体及び各学校における制度運用について理解する。
(予習)前回の資料及び授業内容を確認する(30分)
(復習)子どもの就学を支える制度の仕組みを確認し、教師の関わりの重要性について認識を深める(60分)
15授業のまとめ。
授業の全体を振り返り、社会のあり方が大きく変容しつつある現代社会において、教師として大切にしたい問題意識、子ども観、教育観について認識を深める。
(予習)配布資料から現代社会における子どもの諸問題について確認する(30分)
(課題)試験へ向けて準備を行う(180分)。配布資料から教育について学んだことを論じる(480時間)
    
16定期試験、レポート試験
評価方法・基
準(評価割合)
定期試験(45%)、レポート課題(45%)、グループ討論への参加状況、感想用紙(10%)の配分で評価を行います。従って、定期試験とレポート課題は必須です。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『授業中に適宜資料を配布します。』
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『授業中に提示します。』
参考URL
質疑応答
授業の前後に非常勤講師控室にて対応します。
備考
テキストを指定しない代わりに配布資料がたくさんあります。専用のファイルを準備し、紛失しないよう心掛けてください。
画像
ファイル
更新日付2019/06/04 17:50:24