開講年度2019
科目名生物学Ⅱ
科目ナンバーB131-420-22
開講種別秋学期
対象学年1年
担当者池田 健
単位数2
曜日・時限秋学期 木曜日 1時限
キャンパス日進キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
分子生物学入門
授業の概要
 21世紀はバイオとITの時代であるとも言われている。実際、日々のニュースには、医学・生物学上の新発見や治療法・バイオテクノロジーの新開発の情報が頻繁に報じられている。従って、21世紀を生きるためには、生物学の基礎的な知識が不可欠となっている。
 前世紀の後半に遺伝子の物質的本体がDNAであり、その二重らせん構造が明らかとなると、生命現象を分子のレベルから理解しようとする分子生物学が発展し、多くの重要な知見がもたらされた。現代の生物学・医学・バイオテクノロジーの多くはこれらの知識を土台にしている。
 そこで、生物学IIでは、分子生物学の基礎を勉強する。多様な生物の世界に法則性が見えてくるだろう。さらに、近年話題になっている生物学的・医学的なトピックスを各論的に取り上げ、現象や問題点をそれまでに習得した知識をもとに理解したいと思う。
授業の到達
目標
 「生物とは?」から始まり、細胞、核、染色体の理解へと進む。最終的には、分子生物学の基本原理ともいえる「セントラルドグマ」を説明できることが目標である。すなわち、セントラルドグマとは何を意味しているのか。DNA、RNA、タンパク質とはどのような物質(分子)か。複製、転写、翻訳とはどのような過程であるのか。それらの生物学的意義は何か。これらの内容を分子のことばで説明できることを目指す。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1◆ガイダンス(授業の方針など)
生物とは
 生物多様性と学名
 形態学的分類(五界説)
 
【復習】ノートおよび教科書の該当箇所(30)
2生物とは(続)
 生物の構造の階層性-なぜ分子生物学か-
 セントラルドグマ
 分子生物学的分類(ドメイン説)
 真核生物と原核生物
【復習】ノートおよび教科書の該当箇所(30)
3クローン生物(核、クローン)
 細胞の構造
 クローンカエル
 受精卵クローン(クローン牛)
 体細胞クローン(クローン羊ドリー iPS細胞)
【復習】ノートおよび教科書の該当箇所(30)
4男と女(染色体)
 染色体とは/ヒトの染色体
 体細胞分裂
 生殖(無性生殖・有性生殖)
【復習】ノートおよび教科書の該当箇所(30)
5生殖(無性生殖・有性生殖)
 減数分裂
 性を決めるしくみ
 染色体の数が変わったら
 兄弟姉妹はなぜ異なるのか
【復習】ノートおよび教科書の該当箇所(30)
6ヒトのゲノム
 遺伝子とは
 DNAの構造(概略)
 ゲノムとは/ヒトゲノム
【復習】ノートおよび教科書の該当箇所(30)
7生体を構成する分子
 細胞をつくる分子
 生体高分子
 水、タンパク質、核酸、炭水化物、脂質
 セントラルドグマ(再)
【復習】ノートおよび教科書の該当箇所(30)
8タンパク質とは
 アミノ酸/ペプチド結合
 タンパク質の構造
【復習】ノートおよび教科書の該当箇所(30)
9タンパク質とは(続)
 正しい立体構造の重要性
【復習】ノートおよび教科書の該当箇所(30)
10酵素
 なぜ酵素が必要か
 酵素の特徴
 超分子
【復習】ノートおよび教科書の該当箇所(30)
11DNAとは(歴史的に)
 「遺伝子の物質的本体はDNAである」
 DNAの二重らせんモデル
 セントラルドグマ(再々)
【復習】ノートおよび教科書の該当箇所(30)
12DNA(RNA)とは
 ポリヌクレオチド
 二重らせん構造/二つの重要な特徴
 ヒト体細胞1個に含まれるDNAの全長
【復習】ノートおよび教科書の該当箇所(30)
13DNAのできかたー複製ー
 半保存的複製
 不連続複製/岡﨑フラグメント
 突然変異/正確な複製
【復習】ノートおよび教科書の該当箇所(30)
14DNAの読まれかたー転写ー
 遺伝子の構造
 RNAにコピーされる(RNA合成反応)/mRNA
 選択的スプライシング
【復習】ノートおよび教科書の該当箇所(30)
15タンパク質をつくるー翻訳ー
 遺伝暗号/コドン
 タンパク質合成(開始・伸長・終結)
【復習】ノートおよび教科書の該当箇所(30)
    
16定期試験
評価方法・基
準(評価割合)
 定期試験の成績で評価します。日常の授業態度などを加味する必要がある場合(10~20%を目安とする)、それらを総合して評価します。
 なお、講義で話した事柄全てが試験の範囲に含まれます。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『七訂版 最新図説生物neo』吉里勝利ら監修第一学習社870円+税978-4-8040-4683-9
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『生物学の基礎』和田勝東京化学同人2,500+税9784807907854
2.『やさしい基礎生物学 第2版』南雲保編著羊土社2,900+税978-4-7581-2051-7
3.『現代生命科学 第2版』東京大学生命科学教科書編集委員会編羊土社2,800+税978-4-7581-2091-3
参考URL
質疑応答
質問は授業中でも、或いはそれ以外の時間でも、基本的にはいつでも受け付けます。

オフィスアワー:月~木 12:40~13:20(時間外でも、在室中はできる限り対応します。)
研究室:4号館3階 生物学教室内
備考
【注意】授業中の私語は厳禁、板書の撮影も禁じます。常識的な大人の振る舞いを求めます。

【一言】近代の生物学は丸暗記の学科ではありません。新しく学んだことをそれまでの知識と有機的に結びつけて、理解するようにして下さい。
「なぜ?}と考える習慣を身につけ、「わかった!」という喜びを体験して欲しいと願っています。
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更新日付2019/02/12 21:31:21