開講年度2019
科目名統計学Ⅱ
科目ナンバーB131-603-02
開講種別秋学期
対象学年1年
担当者岡田 朋子
単位数2
曜日・時限秋学期 火曜日 1時限
キャンパス日進キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
基礎からの統計学入門
授業の概要
理由や意味を理解しないまま,ただ解くだけの問題演習をするのではなく,統計学の用語の表す意味がどんなことかや,実際にその概念がどのように使われているかを考察します.
日常的な例を使って十分概念を説明してから定義や問題を考えていきます.
たとえば,各都市の月別平均気温から,年平均,分散,最大値,最小値を求め,気温のばらつきが一番大きい都市と一番小さい都市を求めたり,テストの点数と分散を見て成績がいいのは誰かということを考えることによって偏差値の概念を理解したりします.
データのばらつき具合を表す平均偏差,分散,標準偏差はデータ間の距離の求め方から始めてゆっくり丁寧に学習する予定です.
毎回受講生の知識や理解度を確認して,それに応じて次の授業内容を考えるつもりです.
授業の到達
目標
統計学の基礎を学び,実務に役立てられるような知識を身につけることがこの授業の目的です.
数学やコンピュータの基礎知識を仮定しないで,主にエクセルを使って統計の基礎を学習します.
そのことが,用語の定義の理解や実際の問題での使い道の理解も助けてくれます.
データの入力方法,グラフの作り方から始めて,平均や分散,標準偏差などを求めたり,正規分布のグラフを描いたり,簡単な統計解析を行います.
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1学生の理解の状況等に応じて,授業内容は変更されることがある.

授業内容の具体的な説明.
22点間の距離とその2乗を求める.直線上の2点間の距離の表現を3通り考える.
エクセルでコインを10回投げたときの表の出る回数を求め,この試行を繰り返して表の出た回数の平均を求める.
エクセルでコインを100回投げて,それぞれの目の出る相対頻度を求める.
エクセルでコインを投げる回数を増やしていき表の出る相対頻度を求め,大数の法則を確認する.
授業時間内に終わらなかった課題があったらそれを完成させる.30分程度以内.
32点間の距離とデータのばらつきとの関係とは何かということを考える.データが2個の場合,データが3個の場合.
平均偏差とは何か.平均偏差を求める問題.
エクセルでコインといんちきコインを投げて表の出る回数を求める.
エクセルでサイコロといんちきサイコロを900回投げてそれぞれの目の出る度数をカウントする.
授業時間内に終わらなかった課題があったらそれを完成させる.30分程度以内.
4データと平均との距離を測るときの2つの方法について考える.データの変動とは何か.1個あたりのデータの変動,分散とは何か.データの変動,分散を求める問題.
エクセルでコインを10回投げたときの表の出る回数Xについて,X=kとなる確率分布を求める.
エクセルで2項確率分布のグラフを描く.
組み合わせの数についての棒グラフを描き,左右対称になることを確かめる.
2項確率分布の確率分布表を書く.
授業時間内に終わらなかった課題があったらそれを完成させる.30分程度以内.
5不偏分散とは何か.分散と不偏分散を求める問題.
エクセルで試行回数を変えていった場合それぞれについての2項確率分布のグラフを描き比較する.
エクセルで確率を変化させた場合それぞれについての2項確率分布のグラフを描き比較する.
授業時間内に終わらなかった課題があったらそれを完成させる.30分程度以内.
6分散,不偏分散の簡単な求め方.分散,不偏分散を求める公式を考える.
その公式を使って,分散,不偏分散を求める問題.
エクセルを使って,東京,シンガポール,ソウル,カイロの各都市の月別平均気温から,年平均,分散,最大値,最小値を求め,気温のばらつきが一番大きい都市と一番小さい都市を求める.
エクセルで2項確率分布の理論値を実験で確かめてみる.
授業時間内に終わらなかった課題があったらそれを完成させる.30分程度以内.
7標準偏差の意味.標準偏差と不偏分散による標準偏差を求める問題.
エクセルで1の目が出るまでサイコロを投げ続けたときの1が出るまでに1以外の目が続く回数Xについて,X=kとなる確率分布を求める
エクセルで幾何分布のグラフを描く.
授業時間内に終わらなかった課題があったらそれを完成させる.30分程度以内.
8データの標準化の定義.データを標準化する問題.
エクセルでポアソン分布表を作る.
エクセルでポアソン分布のグラフを描き,2項分布のグラフと比較する.
授業時間内に終わらなかった課題があったらそれを完成させる.30分程度以内.
9標準化したデータの平均は0,標準偏差は1になる理由を考える.
各データに定数をかけると標準偏差はどう変化するか考える.
エクセルでサイコロ3個を同時に投げる試行を繰り返し,その目の和の相対度数分布を求める.
試行回数を増やしていって中心極限定理を確認する.
授業時間内に終わらなかった課題があったらそれを完成させる.30分程度以内.
10各データ,それから平均を引いたデータ,またそれを標準偏差で割ったデータの平均と標準偏差を求める.
エクセルでデータを大きい順にソートしてグラフを描き,平均,分散,最頻値,中央値,範囲を求める.
偏差の表をグラフで表す.
標準偏差,四分位範囲,四分位偏差,第1,第3四分位数を求める.
偏差の和=0や第2四分位数=中央値を確認する.
match関数で最大値と最小値の位置を求める.
授業時間内に終わらなかった課題があったらそれを完成させる.30分程度以内.
11偏差値とは何か.成績がいいのはどちらか.偏差値を求める問題.
エクセルでデータを標準化し,偏差値を求める.
授業時間内に終わらなかった課題があったらそれを完成させる.30分程度以内.
12トリム平均とは何か.トリム平均を求める問題.
エクセルで2項分布のグラフが正規分布のグラフに近似していることを確かめる.
エクセルで正規分布の曲線の基になっている指数関数のグラフを描く.
授業時間内に終わらなかった課題があったらそれを完成させる.30分程度以内.
13エクセルで正規分布のグラフを描き,条件を満たすデータの個数や条件を満たす確率を求める.
エクセルで標準正規分布のグラフを描き,条件を満たす確率を求める.
エクセルでいろいろな正規分布のグラフを描き,平均を変えるとどうなるかと分散を変えるとどうなるかを考察する.
授業時間内に終わらなかった課題があったらそれを完成させる.30分程度以内.
14エクセルで900個の乱数表を作り,大きさ4のサンプリングを40回繰り返す.
サンプルの平均を求め,母平均からの変動を比較する.
標本平均の平均と分散を求め,ヒストグラムを描く.
標本分散と不偏分散の比を求めたり,母分散と比較したりする.
大きさ10,20,30のサンプリングを各60回繰り返し,各大きさの標本平均のグラフを描く.
また,サンプルの大きさを80にして,標本平均の分散を求める.
授業時間内に終わらなかった課題があったらそれを完成させる.30分程度以内.
15今までのまとめ.問題演習.
エクセルで表の出る確率が0.2のいんちきコインを用いて,指数分布の実験を行う.
それを幾何分布のグラフと比較する.
エクセルでパスカルの3角形とパスカルのじゅうたんを作る.
エクセルで正規乱数を1000個発生させ,ヒストグラムで表す.
エクセルで行列の足し算,掛け算を行う.また,行列の逆行列も求める.
授業時間内に終わらなかった課題があったらそれを完成させる.30分程度以内.
    
評価方法・基
準(評価割合)
授業中に出題する問題の解答やエクセルで作成した課題などを毎回提出し,その評価の合計で総合評価します.
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『例題で学ぶExcel統計入門 第2版』白石修二森北出版
参考書
  ・
参考資料
参考URL
質疑応答
問い合わせ:tomoko@dpc.agu.ac.jp
備考
受講者数調整科目で,調整人数は50です.
画像
ファイル
更新日付2019/02/14 13:28:18