開講年度2019
科目名企画論
科目ナンバーM2-31-238-27
開講種別春学期
対象学年2年
担当者鵜飼 宏成
単位数2
曜日・時限春学期 金曜日 3時限
キャンパス名城公園キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
情報の編集術とプランニングの基礎を学ぶ
授業の概要
◆今、ビジネスの世界では「従来のやり方にとらわれない発想」が求められている。これは事実であろう。しかし、今だからではなくいつの時代にもこの考え方は欠かせない基本姿勢である。ところが、この言葉をそのままに受け取ると大きな間違いを犯す。つまり、従来のやり方や情報を忘れ、無(ゼロ)から出発することをしてはいけない。なぜなら、独創的なアイデアは、様々な情報の連鎖の中から生まれるからだ。鍵は、「意味」の拡張の仕方にあり、それを理解しなければ独創的な発想はありえない。
◆本講義「企画論」は、意味の拡張の仕方を中心に各人の編集力を高め、今まで気がつかなかった観点から情報を組み替え、そして読み替え新しいアイデアを創発するプログラムである。
◆授業時間は、ペアインタビューによる全員での発表が中心となる。春セメスターを通じ、やり切る経験をしてほしい。
授業の到達
目標
■本講義では、発想法、思考プロセスの特製ワークシートに基づき、ペアインタビューを繰り返す方式で自分だけの企画を作り上げる中から、次の2種類の知識・資質・能力を修得することを目指す。
(1)社会の種々の課題を発見し、関連する情報の収集・分析・思考を通じて、解決を模索できる。
(2)自ら新たな事業を企画し運営できる。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1「ガイダンス」:授業方針の説明

〇本科目の概要と基本的な用語を理解します。

・企画論の全体像について
【予習】シラバスを読み本授業内容を把握する(30)
【復習】授業の全体像について確認(30)
【課題】模範レポートを読み自身の企画領域を複数考え、下記E-Mailへ木曜日までに提出(180)
2「思考ステップと情報の編集(1)」:アイデア創造の説明

○創造的なアイデアを生む発想法を理解します。

・発想法の種類と原理について
【予習】過去1週間分の新聞より、興味を持った新聞記事を5つ切り抜きしてくる(60)
【復習】5つの編集思考素を再確認(30)
【課題】練習問題を解き、下記E-Mailへ木曜日までに提出(150)
3「思考ステップと情報の編集(2)」:アイデア創造の説明

○創造的なアイデアを生む思考のステップを理解します。

・未来デザイン考程について
【予習】バックキャスティングを事前調査(60)
【復習】未来デザイン考程を再確認(30)
【課題】企画領域を1つに絞り、その領域での経験や関連情報を、下記E-Mailへ木曜日までに提出(150)
4「企画の領域を考える」:出発のテーマを設定

○企画のスタートを受講生自らが、自分なりのテーマ・領域をそれぞれ決定します。

・自分の好きなこと、得意なことを通じて、社会を変革することを考える
【予習】ワークシートを通読(60)
【復習】「地」の情報で考える意義を再確認(30)
【課題】自分の好きなこと得意なことを「地」情報で解題、下記E-Mailへ木曜日までに提出(150)
5「理念設定局面(1)」:40~50年先の未来を描くステップ

○自分の設定したテーマ・領域で、あって欲しい未来像を宿願として書き出します。

・「~したい」「~でありたい」を情報だしする中からみつける
【予習】理念設定局面の解説と事例を読む(60)
【復習】40~50年先の未来を描く意味を再確認(30)
【課題】素材データ・ランク・分類・本文を完成し、コピーを2804Boxに提出(150)
6「理念設定局面(2)」:40~50年先の未来を描くステップ

○ペアインタビューを複数行う中で、自分に欠けている視点を他者より学びます。

・情報を集約、統合、構造化する中から、自らの宿願=理念をハッキリさせる
【予習】第5回課題の1分間スピーチを用意(60)
【復習】情報だしの自身の癖を理解し複眼思考方法を再確認(30)
【課題】理念設定局面ワークシートを完成し、コピーを2804Boxに提出(150)
7「素材抽出局面(1)」:バックキャスティングで今を分析するステップ

○自らの宿願=理念に近づくために活用できる事実(知識、事例、理論等)を徹底的に調査します。

・媒体、専門家、実験・観察、自分の経験より素材となる情報を収集
【予習】理念の主文を「地」の情報で解題(60)
【復習】最善未来につながる事実の範囲と具体性を再検討(30)
【課題】素材データ・ランク・分類・本文を完成し、コピーを2804Boxに提出(150)
8「素材抽出局面(2)」:バックキャスティングで今を分析するステップ

○ペアインタビューを複数行う中で、自分に欠けている視点を他者より学びます。

・情報を集約、統合、構造化する中から、自らの置かれている現状を明確にする
【予習】第7回課題の1分間スピーチを用意(60)
【復習】情報だしの自身の癖を理解し複眼思考方法を再確認(30)
【課題】素材抽出局面ワークシートを完成し、コピーを2804Boxに提出(150)
9「コンセプト抽出局面(1)」:2~3年後に到達できる改善の未来からやるべきことを設定するステップ

○良い素材を活かした結果の最善の近未来を実現するため、コンセプトとグランドデザインを抽出します。

・キーワード抽出法で、自ら行う事業コンセプトと社会全体で取り組む事業群を考える
【予習】素材抽出局面の主文を「地」情報で解題(60)
【復習】最善未来につながるあるべき姿を再検討(30)
【課題】素材データ・ランク・分類・本文を完成し、コピーを2804Boxに提出(150)
10「コンセプト抽出局面(2)」:2~3年後に到達できる改善の未来からやるべきことを設定するステップ

○ペアインタビューを複数行う中で、自分に欠けている視点を他者より学びます。

・自ら行う事業コンセプトと社会全体で取り組む事業群を再設計する
【予習】第9回課題の1分間スピーチを用意(60)
【復習】情報だしの自身の癖を理解し複眼思考方法を再確認(30)
【課題】コンセプト局面ワークシートを完成し、コピーを2804Boxに提出(150)
11「要所解明(1)」:(ここが変われば)成り行きを変える手の打ち所を探るステップ

○予測された2つの未来のギャップから、最善の未来の実現を妨げている要因(成り行きに影響力を持つ現在未達成の事項)を明らかにします。

・やりたいことを実現するために変えなければならない制度的なことに注目
【予習】コンセプト背景とグランドデザインの再検討(60)
【復習】最善未来と成行き未来の再確認(30)
【課題】最善未来実現を妨げる要因と理由シートを完成し、コピーを2804Boxに提出(150)
12「要所解明(2)」:(ここが変われば)成り行きを変える手の打ち所を探るステップ

○ペアインタビューを複数行う中で、自分に欠けている視点を他者より学びます。

・他者の意見を取り入れ、当然と思って考えなくなっている領域も探る
【予習】手の打ちどころ(要所)を仮説的に提示する(60)
【復習】要所解明と対策の再確認(30)
【課題】要所解明ワークシートを完成し、コピーを2804Boxに提出(150)
13「方法立案局面(1)」:実現への具体的な方法を考えるステップ

○大局的な方向性を定め(方針設定)、方針を実現する具体策を考えます(方策立案)。
  
・優先順位をつけながら、成さねばならないことを考える
【予習】各ステップの主文を確認し、企画の物語を検討(60)
【復習】方針と方策の再確認(30)
【課題】方針の優先順位、方針を具体化する方法を完成し、コピーを2804Boxに提出(150)
14「方法立案局面(2)」:実現への具体的な方法を考えるステップ

○ペアインタビューを複数行う中で、自分に欠けている視点を他者より学びます。

・他者の意見を取り入れ、優先順位を見直す
【予習】第13回課題の1分間スピーチを用意(60)
【復習】情報だしの自身の癖を理解し複眼思考方法を再確認(30)
【課題】方法立案局面ワークシートを完成し、コピーを2804Boxに提出(150)
15「実施計画」:具体的な作業手順を編成するステップ

○試行的に、スケジュール表作成、組織づくり、予算書づくりをします。

・事業推進の個々のタスクを明らかにし、誰が、いつまでに、何を実現するかを設計する
【予習】プロジェクトマネジメント概念を調査(60)
【復習】企画を動かすための見える化を再確認(30)
【課題】実施計画ワークシートを完成し、コピーを2804Boxに提出(150)
    
16レポート試験
評価方法・基
準(評価割合)
■平常点(50%)、レポート試験の結果(50%)で評価する。平常点は、課題の提出内容により評価する。
■なお、然るべき理由無く、出席が3分の2に達しない者には単位を与えないので、注意のこと。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『未来デザイン考程ワークシート(初回に配布)』
参考書
  ・
参考資料
参考URL
質疑応答
非常勤講師のため授業時間終了後に質疑応答の場を持つ。個別の指導を希望する学生は、必要事項を記入し下記アドレスにメールで送信して欲しい。可能な限り対応したい。
備考
■課題提出E-Mailアドレス bizp.mkc@gmail.com
■ワークシート作業の事前準備、講義での気づきを改善に活かす復習が欠かせない。この連続といってもいい。自宅学習の比重が大きい。
■企画やプランニングはいかなる職業に就こうが必要になる基本的な能力用件である。プレゼンテーション技術をいかに極めようとも、報告する内容が陳腐であればクライアント等の評価を得ることはできない。本講義で身に付けた企画力をより発展させるためにも「事業計画論」(秋セメスター)を受講することを推奨する。
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更新日付2019/02/14 10:07:10