開講年度2019
科目名会計監査/会計監査論
科目ナンバーC3-31-240-33
M3-31-240-15
開講種別春学期
対象学年3年
担当者平賀 正剛
単位数2
曜日・時限春学期 水曜日 1時限
キャンパス名城公園キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
会計監査の社会的意義、監査の担当者、監査の各種制度、手続きについて学ぶ
授業の概要
 財務諸表の信頼性を保証する会計監査という業務について、①その意義・目的、②監査をめぐる各種制度、③会計監査を担当する者(監査人)の資格・要件、③監査実施の手順、④監査の結果の伝達手段などを学ぶ講義です。
【重要】この講義は、会計学入門Ⅰ・Ⅱ(経営学部)・会計学A・B(商学部)の単位を取得していない学生にとっては理解が極めて困難です。上記の単位を取得してから履修して下さい。
授業の到達
目標
 会計監査を受講することによって次のことができるようになります。
①財務諸表が信頼できる内容を持つものかどうか、どの程度の信頼性をもっているのかの判断。
②不正会計が行われた場合、その責任が誰にあるのかについての適切な判断。
③株式会社の仕組みと、株式会社が成立する要件の理解。
④公認会計士試験を目指す受講生にとっては、受験のための基礎知識の獲得。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1「イントロダクション」:①授業方針の説明、②成績評価方法の説明、③受講のための基礎知識の確認クイズを受ける。【予習】①「会計学入門」の復習を行い、受講のための基礎知識を復習しておく(180)。
【復習】確認クイズの間違った箇所を確認し再解答する(30)。
2「財務諸表監査の生成と発展」:財務諸表監査がなぜ生まれたか、株式会社の誕生と発展と絡めながら、歴史的経緯を踏まえて学ぶ。【予習】テキストの次回講義の該当箇所を読んでおく(30)。
【復習】会計の歴史に関する書籍(下記「参考資料」参照)を読む(180)。
3「現代的会計監査の誕生」:1929年のニューヨーク証券取引所の株価大暴落と、それに続く世界大恐慌が契機となり、今日の会計監査が成立した経緯を学ぶ。【予習】テキストの次回講義の該当箇所を読んでおく(30)。
【復習】引き続き、会計の歴史に関する書籍(下記「参考資料」参照)を読む(180)。
4「財務情報の利用と会計監査」:財務諸表を含む財務情報が、企業のさまざまな利害関係者によってどのように利用されているかを説明することを通じ、監査が意思決定有用性に立脚する今日の会計を支える重要な社会制度であることを学ぶ。【予習】テキストの次回講義の該当箇所を読んでおく(30)。
【復習】これまで起きた会計不正事件について調べてみる(180)。
5「監査を要請する法律(1)金融商品取引法」:金商法がいわゆる上場企業の財務諸表に会計監査を義務付ける理由について学ぶ。【予習】テキストの次回講義の該当箇所を読んでおく(30)。
【復習】金商法の法定監査を要求する理由を文章で説明してみる(180)。
6「監査を要請する法律(2)会社法」:会社法が、会社法上の大会社に対して会社計算書類の監査を義務付ける理由を学ぶ。【予習】テキストの次回講義の該当箇所を読んでおく(30)。
【復習】金商法の法定監査を要求する理由を文章で説明してみる(180)。
7「監査を取り巻く法律」と「中間試験」:①公認会計士法について復習した後、、60分の中間試験を行う。【予習】中間試験のための準備を行う(360)。
【復習】再度中間試験の問題を解答してみる(30)。
8「中間試験の解説」と「監査の基準」:採点した中間試験を返却し、解説を加える。その後、会計監査を行う上で遵守すべき監査の基準を、企業会計審議会の公表している「監査基準」を中心に学ぶ。【予習】テキストの次回講義の該当箇所を読んでおく(30)。
【復習】中間試験の間違った箇所を確認・再解答する(60)。「監査基準」を実際に読んでみる(120)。
9「監査を担当する人」:会計監査を担当する公認会計士の要件としての「専門性」と「独立性」を、「監査基準」における「一般基準」の規定を中心に解説した後、「二重責任の原則」の説明を通じ、監査人の責任の範囲を学ぶ。【予習】テキストの次回講義の該当箇所を読んでおく(30)。
【復習】日本公認会計士協会が公表している独立性に関する報告書を読んでみる(180)。
10「監査のプロセス」:会計監査の計画から実施・報告までの一連の流れを説明した後、現代監査の基本アプローチである「リスク・アプローチ」について学ぶ。【予習】テキストの次回講義の該当箇所を読んでおく(30)。
【復習】平成14年の「監査基準」改訂に至る経緯を調べてみる(180)。
11「監査の実施(1)」:「監査リスクの評価」→「監査要点の設定」→「リスク対応手続き」という、具体的な監査手続きの内容について学ぶ。【予習】テキストの次回講義の該当箇所を読んでおく(30)。
【復習】近年の企業不祥事を調べ、そこににどんな固有リスクおよび統制リスクが存在したか考えてみる(180)。
12「監査の実施(2)」:リスク評価やリスク対応手続きにおいて用いられる具体的な監査の方法(JICPA監査基準委員会報告書第46号に明示されているような)を学ぶ。【予習】テキストの次回講義の該当箇所を読んでおく(30)。
【復習】関連するJICPAの委員会報告書を読んでみる(180)。
13「監査意見の形成」:監査手続きによって集められた監査証拠をもとに監査意見が形成されるまでのプロセス、ならびに監査実施プロセスで作成される各種文書を学ぶ。【予習】テキストの次回講義の該当箇所を読んでおく(30)。
【復習】関連する学術論文を検索し、読んでみる(180)。
14「監査結果の報告(1)」:形成された監査意見を報告する手段である「監査報告書」と、短文式監査報告書の構造を学ぶ。【予習】テキストの次回講義の該当箇所を読んでおく(30)。
【復習】任意の会社の有価証券報告書に添付された監査報告書を入手し、その構造を確認し、記載内容を憶える(180)。
15「監査結果の報告(2)」:監査報告書で報告される監査意見の種類を学ぶ。【予習】テキストの次回講義の該当箇所を読んでお(30)。
【復習】「無限定適正意見」以外の意見が公表された過去のケースを調査する(180)。
期末試験に備えて勉強する(270)。
    
16定期試験
評価方法・基
準(評価割合)
中間試験30%、定期試験70%で評価する。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『はじめて学ぶ監査論』盛田良久編著中央経済社2,300円978-4502220418
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『会計士監査制度の再構築』町田祥弘・松本祥尚著中央経済社4,536円2147483647
参考URL
1.日本公認会計士協会日本公認会計士協会の公式ウェブサイト
質疑応答
授業時間以外での質問はオフィスアワーに受け付ける。
オフィスアワー:火曜日昼休み/研究室:アガルスタワー8階2815室
備考
・会計学入門Ⅰ・Ⅱ(経営学部)・会計学A・B(商学部)の単位を取得していることを前提として授業を行う。上記の講義の単位を取得者にのみ受講を勧める。単位未取得者にとっては講義内容の理解は難しいと思われる。
・授業中の私語や携帯電話等の使用(いかなる目的でも)、その他周囲の迷惑になるような行為に対しては厳重に対処する。
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更新日付2019/02/14 04:39:35