開講年度2019
科目名人間行動の理解Ⅰ
科目ナンバーB231-285-01
開講種別春学期
対象学年2年
担当者塚本 早織
金田 宗久
単位数2
曜日・時限春学期 水曜日 2時限
キャンパス日進キャンパス
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
心理学実験入門
授業の概要
心理学で扱う多くの事象や理論は、仮説に基づいた実験や調査で得られたデータを基にしています。
本講義では、受講生のみなさん自身に、実験者および実験参加者を体験してもらうことによって、仮説の検証に関する考え方からデータの収集方法および結果の解釈に至るまで、心理学の基本的な方法論についての理解を深めてもらいたいと思います。
また、各実験課題が終わるごとに実験の方法と結果を報告するレポートを作成することにより、適切なデータ報告の方法を習得してもらいます。 
授業の到達
目標
本講義を履修することで、以下のような力を身に着けることを目標とします。
<知識>心の仕組みや働きを明らかにするための様々な方法論を概説することができる。
<態度>心の仕組みや働きを明らかにするための科学的な手続きと正確なデータ収集の重要性を認識する。
<技能>厳密な手続きに基づいてデータを収集し、そのデータを用いて論理的な報告書 (レポート) を作成することができる。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1<ガイダンス、心理学実験の考え方について>
講義スケジュールを確認した後、心理学実験の基本的な考え方について学びます。 
【復習】独立変数と従属変数、要因と水準、参加者間要因と参加者内要因についての理解を確かめる(120) 
2<パーソナル・スペース1>
自分と他者との間に生じる空間(パーソナル・スペース)に関する実験を実施し、データを取得します。
【復習】配布された資料を読み、実験の目的および手続きを復習する(90)
3<パーソナル・スペース2>
第4回の講義で取得したデータに基づき、パーソナル・スペースの考察ポイントを解説します。
【復習】パーソナル・スペースの授業内容に関する疑問点をまとめる(90)
【課題】レポートを完成させる(180) 
4<ミュラー・リヤー錯視1>
ミュラー・リヤー図形を用い、図形の規則的な変化が錯視に及ぼす影響を調べるための実験を行います。 
【課題】収集したデータをエクセルに入力する(30) 
【復習】錯視の仕組みについて資料や参考書の該当する箇所を読んで復習する(90) 
5<ミュラー・リヤー錯視2>
第2回の講義で収集したデータに基づき、グラフを描き、結果の解釈を行います。 
【課題】レポートを完成させる(180) 
6<鏡映(鏡像)描写1>
鏡に映る自分の手を見ながら迷路をたどるという課題を用い、学習の仕組みや上達の過程を明らかにします。 
【課題】収集したデータをエクセルに入力する(30) 
【復習】学習の仕組みや理論について資料や参考書の該当する箇所を読んで復習する(90) 
7<鏡映(鏡像)描写2>
第6回の講義で収集したデータに基づき、グラフを描き、結果の解釈を行います。 
【課題】レポートを完成させる(180) 
8<心理尺度の構成1>
社会的事象に対する態度を測定するための尺度 (=物差し)を構成します。第10回では、何に対する態度を測定するかを考えます。 
【課題】態度を測定するための質問項目の候補を15個考える(60) 
【復習】心理尺度の特徴について資料や参考書の該当する箇所を読んで復習する(60) 
9<心理尺度の構成2>
態度を測定するために用いる質問項目を考え、決定していきます。普段アンケートなどで目にする質問紙の作り方を学びます。 
【課題】家族や友人などに対し、作成した質問紙への回答を求め、データ収集をする(60)
 【復習】心理尺度の特徴について資料や参考書の該当する箇所を読んで復習する(60) 
10<心理尺度の構成3>
収集したデータをエクセルに入力し、集計を行います。各質問項目が、態度を測定する尺度として妥当なものであったかを検証します。 
【課題】レポートを完成させる(180) 
11<潜在態度1>
意識にはのぼらない潜在的な態度を明らかにするための実験を行います。 
【課題】収集したデータをエクセルに入力する(30) 
【復習】潜在態度や意識について資料や参考書の該当する箇所を読んで復習する(90) 
12<潜在態度2>
第13回の講義で収集したデータに基づき、結果の解釈を行います。 
【課題】レポートを完成させる(180) 
13<系列位置効果1>
記憶のメカニズムを明らかにするための実験を行います。 
【課題】収集したデータをエクセルに入力する(30) 
【復習】記憶について資料や参考書の該当する箇所を読んで復習する(90) 
14<系列位置効果2>
第8回の講義で収集したデータに基づき、グラフを描き、結果の解釈を行います。 
【課題】レポートを完成させる(180) 
15<まとめ>
心理学実験の方法論を復習します。 
【課題】再提出のレポートがある場合は完成させる(180) 
    
評価方法・基
準(評価割合)
・実験レポート60点 (10点×6課題) と授業への取り組み等の平常点40点の合計で評価します。
・遅刻は3点、欠席は7点の減点とします。
・20分以上の遅刻は欠席とみなします。
・実験レポートを1つでも提出しなかった場合には失格とします。
テキスト
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『『心理学基礎実験を学ぶ-データ収集からレポート執筆まで』』大和田智文・鈴木公啓北樹出版2400円+税9784779304835
2.『『教材心理学』』木下富雄他ナカニシヤ出版2000円+税9784888480123貸し出します
3.『『心理学のための実験マニュアル-入門から基礎・発展へ』』利島保・生和秀敏北大路書房3800円(税込み)4762801860 貸し出します
参考URL
質疑応答
質問などがある場合は、講義中でも遠慮なく聞いてください。不明な点をそのままにしておくと、間違った手続きで実験や調査を進めてしまう可能性がありますので、不明な点は随時聞くようにしてください。
備考
以下の条件に当てはまる人物の受講を期待します。
1. 心理学ⅠまたはⅡの単位を既に修得している者
2. 遅刻、欠席をしない者 (ペアやグループで実験を行うため、原則として遅刻・欠席厳禁とします)
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更新日付2019/02/11 11:57:37