開講年度2018
科目名国際金融論
科目ナンバーM231-236-02
開講種別秋学期
対象学年2年
担当者荒井 耕一郎
単位数2
曜日・時限秋学期 金曜日 2時限
キャンパス名城公園
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
国際金融の理解に必要な視点を養う
授業の概要
2008年9月の米国の投資銀行リーマン・ブラザーズの破綻や2009年10月のギリシャ危機に端を発する欧州金融危機など、一国の経済危機が瞬く間に他国に飛び火するという(過去には見られなかった)金融危機が頻繁に起きるようになった。これら金融危機の解説を通して、現在の複雑な国際金融の理解に必要な視点を養うことが、科目の狙いである。
授業の到達
目標
本科目を履修した学生は、履修終了時に下記のことができるようになります。                               ①外国為替取引の基本、為替リスクと回避の方法、先物為替レートの決まり方などについて、説明できるようになる。②アジア通貨危機の背景、ユーロ導入の背景、リーマンショックの背景、欧州金融危機の背景について、説明できるようになる。③経済危機、政府債務危機、銀行危機の相互関係について、論じることができるようになる。④現代の複雑な国際金融の理解に必要な視点(座標軸)を持つことができるようになる。
 
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1「ガイダンス」:授業方針の説明
授業内容、出欠確認の方法、課題の内容、成績評価の方法等について説明する。
(予習)シラバスを読み、本授業内容を予め確認する(90)。
(復習)授業の内容について確認する(30)。
2外国為替とは何か(その1)
①何故、外国為替取引が必要か、②外国為替相場とは何か、③外国為替市場とその参加者、④世界の主要外国為替市場
(予習)授業で行うトピックに関する教科書の資料を事前に熟読する(90)。                           (復習)授業内容を復習しながら教科書を再読し理解を深める(60)。
3外国為替とは何か(その2)
①外国為替相場を決めるもの―ヘッジと投機―、②外国為替取引の分類、③外国為替の表示法、④売り相場と買い相場、⑤クロス・レートの計算、④為替ポジションと為替リスク
(予習)授業で行うトピックに関する教科書の資料を事前に熟読する(90)。                           (復習)授業内容を復習しながら教科書を再読し理解を深める(60)。
4金利の計算とフォワード為替取引
①フォワード為替相場とスポット為替相場、②金利平価理論の解説、③為替スワップ取引
(予習)授業で行うトピックに関する教科書の資料を事前に熟読する(90)。                           (復習)授業内容を復習しながら教科書を再読し理解を深める(60)。
5さまざまな為替相場制度
①固定為替相場と変動為替相場、②それ以外の為替相場、③「国際金融のトリレンマ」の解説、③ブレトンウッズ体制小史(1945年~1971年)、第1回目の課題を配布する。
(予習)授業で行うトピックに関する教科書の資料を事前に熟読する(90)。(復習)授業内容を復習しながら教科書を再読し理解を深める(60)。第1回目課題への回答準備。
6欧州通貨統合の歴史(その1)
①独仏間の戦争の歴史、②欧州石炭鉄鋼共同体の設立、③ウェルナー報告(1970年)
(予習)授業で行うトピックに関する教科書の資料を事前に熟読する(90)。第1回目課題への回答準備。(復習)授業内容を復習しながら教科書を再読し理解を深める(60)。第1回目課題への回答準備。
7欧州通貨統合の歴史(その2)
欧州通貨制度(1979年)から単一通貨ユーロの導入(1999年)まで  第1回目の課題回答を回収する。
(予習)授業で行うトピックに関する教科書の資料を事前に熟読する(90)。 第1回目課題への回答準備。(復習)授業内容を復習しながら教科書を再読し理解を深める(60)。
8アジア通貨危機(その1)
アジア通貨危機(1997年)の特徴、その発生の背景について 
第1回目課題の解答例を解説する。
(予習)授業で行うトピックに関する教科書の資料を事前に熟読する(90)。                           (復習)授業内容を復習しながら教科書を再読し理解を深める(60)。
9アジア通貨危機(その2)
①アジア通貨危機が提起した問題、②通貨危機回避に向けた対策、③アジア地域金融協力へ向けた動き 第2回目の課題を配布する。
(予習)授業で行うトピックに関する教科書の資料を事前に熟読する(90)。(復習)授業内容を復習しながら教科書を再読し理解を深める(60)。第2回目課題への回答準備。
10欧州通貨統合の歴史(その3)
①単一通貨ユーロ導入後のユーロ圏経済、②単一通貨ユーロが抱える課題とその将来性
(予習)授業で行うトピックに関する教科書の資料を事前に熟読する(90)。第2回目課題への回答準備。(復習)授業内容を復習しながら教科書を再読し理解を深める(60)。第2回目課題への回答準備。
11米国発世界金融危機(その1)
サブプライム危機(2007年)発生の背景を中心に
第2回目の課題を回収する。
(予習)授業で行うトピックに関する教科書の資料を事前に熟読する(90)。第2回目課題への回答準備。(復習)授業内容を復習しながら教科書を再読し理解を深める(60)。
12米国発世界金融危機(その2)
リーマン・ショック(2008年)がもたらした影響を中心に
第2回目課題の解答例を解説する。
(予習)授業で行うトピックに関する教科書の資料を事前に熟読する(90)。                           (復習)授業内容を復習しながら教科書を再読し理解を深める(60)。
13欧州金融危機(その1)
ギリシャ経済危機発生(2010年)の背景を中心に
第3回目の課題を配布する。
(予習)授業で行うトピックに関する教科書の資料を事前に熟読する(90)。(復習)授業内容を復習しながら教科書を再読し理解を深める(60)。第3回目課題への回答準備。
14欧州金融危機(その2)
①欧州金融危機の最近の動向、②英国のEU離脱(2016年)とユーロの行方
(予習)授業で行うトピックに関する教科書の資料を事前に熟読する(90)。第3回目課題への回答準備。(復習)授業内容を復習しながら教科書を再読し理解を深める(60)。第3回目課題への回答準備。
15先進国の財政赤字問題と中国経済の今後の動向、最近の国際金融情勢とわが国への影響
第3回目の課題を回収する。
第3回目課題の解答例を解説する。
予習)授業で行う予定のトピックに関する資料を事前に熟読する(90)。第3回目課題への回答準備。
(復習)試験対策としてこれまでの学習内容を確認する(90)。
    
16定期試験
評価方法・基
準(評価割合)
評価は下記①~③の合計点で評価する。
①出席状況
 授業への出席は当然なので、出席の評価割合は0%である。
 他方で、欠席、遅刻、途中退出に対しては下記のペナルティを科す。
・授業を3回欠席すると、AA評価を取得できない。
・授業を4回欠席すると、AA評価やA評価を取得できない。
・合理的な理由なく授業を5回欠席すると、その時点で失格となる。
・途中退席は欠席とみなす。
②期中レポート(評価割合凡そ40%)
 3回程度提出を求める。
③期末定期試験(評価割合凡そ60%)
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『国際金融論資料(2018年度版)』荒井耕一郎(編集)三星印刷3000円
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『国際金融の世界』佐久間浩司日経文庫1080円978-4532113452
2.『通貨経済学入門(第2版)』宿輪純一日本経済新聞出版社2808円978-4532134563
3.『外国為替の知識(第3版)』国際通貨研究所日経文庫896円978-4532112561
4.『〈新版〉本当にわかる為替相場』尾河眞樹日本実業出版社1728円978-4534054579
参考URL
1.財務省関税・外国為替等審議会(外国為替等分科会)の資料は参考資料として有益である。
2.日本銀行日本銀行の国際業務の解説や国際金融に関する日本銀行レポート・調査論文は参考資料として有益である。
3.国際通貨研究所同研究所が発信している国際金融上の諸問題に対する論考が参考になる。
質疑応答
オフィスアワーは毎週水曜日の昼休みで、担当教員の研究室(2813室)で行います。別途担当教員宛にE-mailで照会したり(宛先: araik@dpc.agu.ac.jp) 、E-mailで訪問の日時を照会することも可能です。
備考
国際金融の理解には総合的な知識が必要なので、金融論、国際金融論に関する一般的な書物(上記の参考文献など)や最近の世界金融危機に関する分かり易い書物を読むことを勧めたい。また国際金融に関する日々のニュースに興味を持って欲しい。
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更新日付2018/02/06 17:02:51