開講年度2018
科目名会計学入門Ⅱ
科目ナンバーM231-240-12
開講種別秋学期
対象学年2年
担当者平賀 正剛
単位数2
曜日・時限秋学期 月曜日 4時限
キャンパス名城公園
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
財務諸表を読み、活用するための基礎
授業の概要
 本講義では、①財務諸表作成の目的(会計責任の解除、各種経済的意思決定利用目的、各種利害関係者間での利害調整手段)、②企業に財務諸表作成を要求している会計の制度的枠組み、③現在の企業会計を構成する諸概念など、会計の理論的側面に焦点を当て、講義を行っていく。
授業の到達
目標
 本講義を受講することによって次のことが理解できるようになる。
①株式会社が財務諸表を作成する意義を理解できるようになる。
②どのような法律が企業に対し財務諸表の作成を義務付けているか、どのような種類の財務諸表作成を求めているのか、作成を義務付けている法律の意図を理解することができる。
③近年日本において行われている会計の特徴をつかむことができる。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1「イントロダクション」:①授業方針の説明、②成績評価方法の説明、③受講のための基礎知識の確認クイズとその解説を行う。【予習】①「初級簿記」および「会計学入門Ⅰ」の復習を行い、受講のための基礎知識を復習しておく(180)。
【復習】確認クイズの間違った箇所を確認し再解答する。
2「株式会社と会計責任」:①株式会社の仕組み、②株式会社の仕組みを支える上で会計・財務報告が果たす役割(会計責任の解除)、について説明する。【予習】テキストの次回講義の該当箇所を読んでおく(30)。
【復習・課題】会計責任の意味を正しく説明できるよう、必要な用語や概念の意味を暗記する(180)。
3「継続企業と期間損益計算」:①現代の会社が「継続企業」であること、②「継続企業」という性質が企業会計に与えている特徴(期間損益計算)、および③期間損益計算としての企業会計における課題(原価の期間配分)、について説明する。【予習】テキストの次回講義の該当箇所を読んでおく(30)。
【復習】継続企業や期間損益計算、原価の期間配分などの諸概念を説明できるようノートを整理する(180)。
4「会社法会計(1)」:①会社法および会社法会計の目的、②その目的を達成するために重視される会計の機能(利害調整機能)について説明する。【予習】テキストの次回講義の該当箇所を読んでおく(30)。
【復習】債権者保護について説明できるよう、必要な用語や諸概念を暗記する(180)。
5「会社法会計(2)」:会計によって利害調整がどのように図られるのか、株主、経営者、債権者の三者の観点から会計による「利害調整」を説明する。【予習】テキストの次回講義の該当箇所を読んでおく(30)。
【復習・課題】会計によって利害調整がどのように果たされているか、講義内容を要約する(180)。
6「金融商品取引法会計(1)」:①金融商品取引法と金商法会計の目的、②その目的を達成するために重視される会計の機能(情報提供機能)について説明する。【予習】テキストの次回講義の該当箇所を読んでおく(30)。
【復習】情報提供機能を正しく説明できるよう、必要な用語や諸概念を暗記する(180)。
7「金融商品取引法会計(2)と会計基準」:①各種利用者はそれぞれ意思決定にどのように会計情報を役立てているのか、②会社法や金商法が「実質上の作成ルール」と規定する「会計基準」の性質について説明する。【予習】中間試験のための準備を行う(240)。
【復習】会計基準の性質を正しく説明できるよう、必要な用語や諸概念を暗記する(120)。
8「中間試験」:①これまでの講義の要点を簡単に振り返り、②60分の中間試験を行う。【予習】テキストの次回講義の該当箇所を読んでおく(30)。
【復習】これまでの授業を再度復習し(60)、中間試験問題を再解答してみる(120)。
9「伝統的会計の枠組み(1)」:戦後~90年代後半の会計ビッグバンの時代まで行われてきたにつ伝統的会計について、その特徴(①発生主義、②実現主義、③費用収益対応の原則)を説明する。【予習】テキストの次回講義の該当箇所を読んでおく(30)。
【復習】発生主義、実現主義、費用収益対応の原則を正しく説明できるよう、必要な用語や諸概念を暗記する(180)。
10「伝統的会計の枠組み(2)」:伝統的会計について、その特徴(④取得原価主義、⑤費用配分の原則)を説明する。【予習】テキストの次回講義の該当箇所を読んでおく(30)。
【復習】取得原価主義、費用配分の原則を正しく説明できるよう、必要な用語や諸概念を暗記する(180)。
11「伝統的会計の枠組み(3)」:「企業会計原則」の一般原則、とりわけ「真実性の原則」の解説を通じ、企業会計に特有の「相対的真実性」という特徴を学ぶ。【予習】テキストの次回講義の該当箇所を読んでおく(30)。
【復習・課題】「相対的真実性」を原価配分(売上原価と期末棚卸高の計算や減価償却)を例に文章で説明してみる(180)。
12「伝統的会計の限界」:減価償却、繰延資産、リース、有価証券などを例に、伝統的会計の限界を説明する。【予習】テキストの次回講義の該当箇所を読んでおく(30)。
【復習】90年代後半~2000年代における会計基準の改訂について調べてみる(180)。
13「現代会計の枠組み(1)」:現行の企業会計の特徴(①利用者志向、②資産負債観)を伝統的会計の特徴(①作成者志向、②収益費用観)と比較しながら説明する。【予習】テキストの次回講義の該当箇所を読んでおく(30)。
【復習・課題】現代会計の特徴を、伝統的会計との比較において説明するのに必要な用語や諸概念を暗記する(180)。
14「現代会計の枠組み(2)」:現代会計の枠組みを具体化した文書である「概念フレームワーク」の内容を解説する。【予習】テキストの次回講義の該当箇所を読んでおく(30)。
【復習】日本やIASBの概念フレームワークを実際に読んでみる(180)。
15「会計の将来」:企業会計が現在どのように変わりつつあるか、国際会計基準審議会の動向などを紹介しながら説明する。【予習および復習】期末試験の準備として、これまでの学習内容を総復習しておく(420)。
    
16定期試験
評価方法・基
準(評価割合)
平常点(受講態度、課題、小テストなどを加味)10%、中間試験30%、期末試験60%で評価する。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『ズバッ!とわかる会計学』佐藤倫正・向伊知郎編著同文舘出版2,600円+税2147483647
参考書
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参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『財務会計講義』桜井久勝中央経済社3,800円+税2147483647
参考URL
1.企業会計基準委員会(ASBJ)日本の会計基準設定主体
質疑応答
授業時間以外での質問はオフィスアワーにお願いします。
オフィスアワー:水曜日昼休み/研究室:アガルスタワー8階2815室
備考
・初級簿記Ⅰ・Ⅱを履修していることを前提として授業を行う。
・会計学入門Ⅰを履修後、受講することが望ましい。
・授業中の私語や携帯電話等の使用(いかなる目的でも)、その他周囲の迷惑になるような行為に対しては厳重に対処する。
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ファイル
更新日付2018/02/13 17:21:26