開講年度2018
科目名財政学B
科目ナンバーC331-235-02
M231-234-02
E221-235-02
開講種別秋学期
対象学年2年
担当者吉田 雅彦
単位数2
曜日・時限秋学期 金曜日 3時限
キャンパス名城公園
実務経験のある教員による授業科目


テーマ
日本財政の現状と諸問題
授業の概要
現代の日本の財政は,国と地方の長期債務残高の増嵩(=財政赤字問題),高齢社会の到来にともなう社会保障財政問題,国と地方の財政的関係を見直す地方分権問題などの諸問題を抱えている。これら諸問題の現状を国際比較を通じて把握し,問題解決への方向性を探っていく。すなわち,財政の健全化,少子高齢社会を乗り切る社会保障制度改革,地方自治体の自立といった問題に対して政策的な議論を考察する。
授業の到達
目標
現代の財政問題―財政赤字,社会保障財政,地方分権など―の現状を経済学的に把握し,政府や識者のさまざまな政策提言を整理することによって,公正で効率的な政策について考える力を培うことができる。これによって,自らが強固な根拠にもとづきどの政策を支持できるのか判断ができ,または独自の政策提言を考案することもできる。
授業計画
回数授業スケジュール授業時間外学修・時間(分)
1少子高齢社会と社会保障財政 〇社会保障給付費の構造 〇少子高齢化と社会保障財政との計量的関係【予習】日本の高齢化率や(合計特殊)出生率の推移を事前に調べておく(30) 【復習】授業ノートを参照して,経済・財政用語を確認する(60)
2公的年金と財政 〇賦課方式による年金財政 〇積立方式による年金財政 〇年金制度改革【予習】職業によってことなる日本の公的年金の種類を調べておく(30) 【復習】授業ノートを参照して,経済・財政用語を確認する(60)
3医療制度と財政 〇医療費の増加要因 〇医療費抑制と医療政策【予習】自分が加入している医療保険について事前に調べておく(30) 【復習】授業ノートを参照して,医療費の増加要因を体系的に整理する(60)
4介護と財政 〇介護保険の仕組みと財政 〇介護保険制度の諸問題と介護政策 〇「課題①」を配布【予習】自分が住んでいる市町村のホームページで介護保険事業に関する箇所を読んでおく(30) 【復習】授業ノートを参照して,介護給付費は負担者と負担割合を整理する。「課題①」を仕上げる(90)
5公債の種類と発行状況 〇国債の種類 〇地方債の種類 〇「課題①」の解説【予習】テキストの該当箇所を一読しておく(30) 【復習】国債の種類別発行残高や地方債残高を整理する(90)
6公債発行についての基本原則 〇建設公債の原則 〇特例公債の原則【予習】テキストに記載してある財政法第4条と第5条を一読しておく(30) 【復習】授業ノートを参照して経済・財政用語を確認する(60)
7公債の発行・流通市場 〇発行市場 〇流通市場 〇決定メカニズム【予習】テキストの該当箇所を一読しておく(30) 【復習】授業ノートを参照して,国債の発行市場,流通市場における金融機関(銀行や証券会社)の役割を整理する(60)
8公債償還メカニズム 〇国債整理基金特別会計の役割 〇国債管理政策 〇国債償還ルール【予習】国の特別会計とは何かを事前に調べておく(30) 【復習】授業ノートを参照して,「60年償還ルール」など国債の返済の仕方を整理する(60)
9公債の負担 〇利用時払いの原則 〇ラーナーの負担論 〇ボーエン・デービス・コップの負担論 〇バローの負担論 〇「課題②」を配布【予習】テキストの該当箇所を一読する(30) 【復習】授業ノートを参照して,公債負担に関する諸説を体系的に整理する。「課題②」を仕上げる(90)
10金融緩和と公債市場への影響 〇日銀の「量的・質的金融緩和政策 〇日銀のバランスシート 〇公債残高・利払費・金利の推移 〇「課題②」の解説【予習】日銀の貨幣の供給ルートを事前に確認しておく(30) 【復習】授業ノートを参照して,直近の日銀のバランスシートを調べてみる(60)
11地方交付税交付金 〇国と地方の財政的関係 〇地方交付税の算定方法 〇地方交付税の決定要因【予習】自分の住んでいる市町村が,地方交付税交付金の交付団体なのか,不交付団体なのかを調べておく(30) 【復習】授業ノートを参照して,地方交付税交付金の算定方法を整理する(60)
12国庫支出金 〇国庫支出金の分類 〇国庫支出金とモラルハザード 【予習】テキストの該当箇所を一読しておく(30) 【復習】授業ノートを参照して,国庫支出金の種類を分類する(90)
13地方債 〇地方財政法と地方債発行 〇地方公共団体金融機構のバランスシート 【予習】テキストにある地方財政法5条を一読しておく(30) 【復習】授業ノートで地方債の発行制度を理解して,自分の住んでいる県および市町村の地方債残高を調べる(90)
14地方財政の健全化 〇実質赤字比率 〇連結実質赤字比率 〇実質公債費比率 〇将来負担比率【予習】テキストの該当箇所を一読しておく(30) 【復習】地方財政の健全化指標を整理して,自分が住んでいる県や知町村が健全か否かを判断してみる(60)
15総括 〇「総括資料」によって,これまでの要点を整理する【予習】授業ノート,資料などを見て,要点を確認する(120)【復習】テキスト,授業ノート,「総括資料」を照合しつつ全体の流れを確実にする(120)
    
16定期試験
評価方法・基
準(評価割合)
定期試験80点,課題20点,計100点で評価する。
テキスト
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『日本の財政はどうなっているのか』湯本雅士岩波書店2,900円+税978-4-00-061077-3
参考書
  ・
参考資料
書名著者出版社価格ISBNコード備考
1.『図説 日本の財政 平成29年度版』窪田修 監修東洋経済新報社2,600円+税978-4-492-03195-7
参考URL
1.財務省ホームページ日本の財政指標を調べることができる
2.厚生労働省ホームページ社会保障全般の指標を調べることができる
3.総務省ホームページ地方自治体の財政指標を調べることができる
質疑応答
〇場所:MKC(2711号室)  〇時間:木曜日昼休み(オフィスアワー)
備考
原則として毎回,「出欠」を確認する。財政学は体系的な科目であるため,毎回の出席を希望する。
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更新日付2018/02/05 14:05:09